E04501 Japan GAAP
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、緩やかに回復しております。個人消費は持ち直しており、生産も持ち直しの兆しが見られます。一方、公共投資は底堅く推移しており、設備投資についても持ち直しの動きに足踏みがみられます。
東北地域の景気は、持ち直しております。個人消費は回復しており、設備投資も製品の高付加価値化、省力化、脱炭素化など、中長期的な目線に基づいた投資がみられ、増加しております。また、公共投資は、国土強靭化関連工事や災害復旧工事により下げ止まっております。一方、住宅投資は弱い動きとなっており、生産も持ち直しの動きに足踏みがみられます。
このような状況のなかで、当第3四半期連結累計期間の販売電力量の状況については、当社において、販売電力量(小売)は、夏季の気温が高かったことにより冷房需要が増加したものの、産業用における稼動減や節電の影響などにより減少したことや、販売電力量(卸売)はエリア外への卸売が減少したことなどから、販売電力量(全体)は、564億kWh(前年同四半期比 5.0%減)となりました。
売上高は、高圧以上のお客さまなどの電気料金見直しによる増加などがあったものの、卸電力取引市場価格の低下に伴う他社販売電力料の減少などにより、2兆563億円となり、前年同四半期に比べ、761億円(3.6%)の減収となりました。
経常利益については、燃料価格の低下による燃料費調整制度のタイムラグ影響が利益を大きく押し上げたことに加え、電気料金見直しなどにより、前年同四半期に比べ、5,020億円増加し、2,788億円となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期に比べ、4,266億円増加し、1,963億円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における連結キャッシュ利益※は3,442億円となりました。
※東北電力グループ中長期ビジョン「よりそうnext」において「連結キャッシュ利益」を財務目標として設定しております。(2024年度に3,200億円以上を目標)
「連結キャッシュ利益」= 営業利益+減価償却費+核燃料減損額+持分法投資損益
(営業利益は、燃料費調整制度のタイムラグ影響を除く。)
当第3四半期連結累計期間におけるセグメントの業績(セグメント間の内部取引消去前)は次のとおりであります。
[発電・販売事業]
当社の販売電力量(小売)は、夏季の気温が高かったことにより冷房需要が増加したものの、産業用における稼動減や節電の影響などから、462億kWh(前年同四半期比 2.1%減)となりました。このうち、電灯需要は、132億kWh(前年同四半期比 0.4%減)、電力需要は、330億kWh(前年同四半期比 2.8%減)となりました。
また、販売電力量(卸売)は、エリア外への卸売が減少したことなどから、102億kWh(前年同四半期比 16.1%減)となりました。これにより、販売電力量(全体)は、564億kWh(前年同四半期比 5.0%減)となりました。
これに対応する供給については、引き続き原子力発電所の運転停止や渇水による水力発電電力量の減少が
あったものの、火力発電所の安定運転に努めたことなどにより供給力を確保しました。
収支面では、高圧以上のお客さまなどの電気料金見直しによる増加などにより、発電・販売事業全体の売上高は、1兆6,690億円となり、前年同四半期に比べ615億円(3.8%)の増収となりました。
経常利益は、燃料価格の低下による燃料費調整制度のタイムラグ影響が利益を大きく押し上げたことに加え、電気料金見直しなどから、前年同四半期に比べ4,615億円増加し、2,305億円となりました。
[送配電事業]
エリア電力需要は、省エネ・節電の影響や産業用における生産動向などにより、541億kWh(前年同四半期比 2.1%減)となりました。
売上高は、再生可能エネルギー電気卸供給の減少などにより、6,200億円となり、前年同四半期に比べ2,216億円(26.3%)の減収となりました。
一方、経常利益は、需給調整市場取引での調達費用の減少などにより、481億円となり、前年同四半期に比べ399億円(487.2%)の増益となりました。
[建設業]
売上高は、空調管工事や配電線工事が増加したことなどから、2,058億円となり、前年同四半期に比べ83億円(4.2%)の増収となったものの、外注費の増加などから、経常利益は、17億円となり、前年同四半期に比べ22億円(56.6%)の減益となりました。
[その他]
売上高は、情報通信事業における増加があったものの、ガス事業における減少などにより、1,726億円となり、前年同四半期に比べ2億円(0.2%)の減収、経常利益は、123億円となり、前年同四半期に比べ減益となりました。
資産は、女川原子力発電所第2号機の安全対策工事などにより建設仮勘定が増加したことなどから、総資産は928億円増加し、5兆3,047億円となりました。
負債は、有利子負債の減少に加え、支払債務が減少したことなどから1,063億円減少し、4兆4,744億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などから1,991億円増加し、8,302億円となりました。
当四半期報告書提出日(2024年2月8日)現在において、新たに発生した当社企業グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等はありません。
なお、以下の内容については、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題において、当事業年度の第2四半期報告書で追加した内容のうち、当四半期報告書において見直しを行ったものであります。
また、本項の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
<女川原子力発電所第2号機における安全対策工事完了時期の見直しについて>
当社は、女川原子力発電所第2号機の安全対策工事について、2024年2月の工事完了を目指しておりましたが、現在実施している「火災防護対策工事※」の工期が、工事物量の増加により遅れる見通しとなりました。
このため、安全対策工事完了時期の精査を進めております。
火災防護対策工事については、昨年8月下旬から、電線管の耐火材ラッピング工事を中心に実施しておりますが、他の安全対策工事で設置された設備や足場等により、作業エリアが狭い場所が多く、現場状況に応じた電線管のルート変更を行いながら工事を進めてまいりました。
今般、電線管のルート変更や火災防護対策工事の完了に向けた確認作業に伴い増加した工事物量が確定し、これにより火災防護対策工事の工期が遅れる見通しとなったことから、安全対策工事の完了時期を改めて精査しているところです。
現時点において、2024年2月を目指していた安全対策工事の完了時期については、数カ月程度の遅れを見込んでおります。
引き続き、安全確保を最優先に、安全対策工事の完了に向けて全力で取り組んでまいります。
また、安全対策工事完了時期の見直しに伴い、発電機を並列して発電を開始する「再稼働時期」についても変更となります。
※ 火災防護対策工事
発電所内で万一火災が発生した場合に、火災発生箇所と同一の区画にある設備や電線管が損傷しないよう、断熱材などの耐火材でラッピングするとともに、ラッピングによる重量の増加を踏まえ、必要に応じて耐震補強を行うものです。
当第3四半期連結累計期間における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は40億円であります。
(5) 生産、受注及び販売の実績
当社企業グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため「生産実績」を定義することが困難であります。また、建設業においては請負形態をとっており、「販売実績」という定義は実態にそぐわないため、生産、受注及び販売の実績については、記載可能な情報を「(1) 業績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。
なお、当社個別の事業の状況は次のとおりであります。
(注) 1 供給力実績には、当第3四半期連結会計期間末日現在において未確定のインバランス等の電力量は含まれておりません。
2 融通・他社受電電力量には、連結子会社からの受電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 4,479百万kWh、酒田共同火力発電㈱ 2,791百万kWh、東北自然エネルギー㈱ 378百万kWh 他)、送電電力量(東北電力ネットワーク㈱ 4,319百万kWh 他)を含んでおります。
3 融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示しております。
4 揚水発電所の揚水用電力量等は、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量及び自己託送の電力量であります。
5 出水率は、1992年度から2021年度までの第3四半期の30ヶ年平均に対する比であります。
6 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。
(注) 1 小売には自社事業用電力量等(23百万kWh)を含んでおります。
2 卸売には特定融通等を含んでおります。
3 個々の数値の合計と合計欄の数値は、四捨五入の関係で一致しない場合があります。