E04505 Japan GAAP
前期
6,419.5億 円
前期比
129.8%
株価
1,178 (04/26)
発行済株式数
207,528,202
EPS(実績)
-110.21 円
PER(実績)
--- 倍
前期
772.2万 円
前期比
98.4%
平均年齢(勤続年数)
42.4歳(19.5年)
従業員数
2,199人(連結:8,030人)
当社グループは、電気事業のほか、情報通信事業、エネルギー事業、建設・エンジニアリング事業をはじめ、電気機器等の製造、商事・不動産・運輸・サービスおよび電気事業に関連する研究開発などの事業を行っており、その概要は次のとおりである。(2023年3月31日現在)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
2022年度における当社グループの事業環境は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、燃料調達を巡る状況に不透明感が増すとともに、燃料価格が世界的にかつてない高水準で推移するなど、非常に厳しいものとなった。こうしたなか、収支面では、これまで以上に踏み込んだ経営の合理化・効率化に加え、自由化部門のお客さまについて、順次、燃料費調整制度の上限廃止をお願いするとともに、昨年11月に規制料金の値上げを申請するなど、収支改善のための諸施策を実施してきた。また、電力需給面では、伊方発電所3号機の安全・安定運転の継続はもとより、十分な燃料在庫を確保し、設備の運用・保全に細心の注意を払いトラブルの未然防止に努めるなど、供給力の確保に取り組むとともに、多くのお客さまに節電にご協力いただいたことにより、安定供給を維持することができた。
さらに、このような厳しい事業環境のなかにあっても、「よんでんグループ中期経営計画2025」において長期重点課題と位置付ける「カーボンニュートラルへの挑戦」や「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」をはじめ、持続的な企業価値創出に繋がる取り組みを積極的に進めてきた。
こうした状況のもと、当連結会計年度の売上高は、燃料費調整額や卸販売収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,912億54百万円(+29.8%)増収の8,332億3百万円となった。また、営業費用は、需給関連費が、伊方発電所3号機の稼働増はあったものの、燃料価格の高騰などにより大幅に増加したことなどから、前連結会計年度に比べ1,900億22百万円(+29.0%)増加の8,454億89百万円となった。
この結果、前連結会計年度に比べ、営業損益は、12億31百万円改善の122億85百万円の損失(前連結会計年度は、135億17百万円の損失)、経常損益は、海外事業投資損失を営業外費用に計上したことなどから、104億円悪化の225億15百万円の損失(前連結会計年度は、121億14百万円の損失)、法人税等差引き後の親会社株主に帰属する当期純損益は、166億9百万円悪化の228億71百万円の損失(前連結会計年度は、62億62百万円の損失)となった。
セグメントごとの経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。
[発電・販売事業]
売上高は、燃料費調整額や卸販売収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ2,008億31百万円(+39.5%)増収の7,090億34百万円となった。
経常損益は、減価償却方法の変更による費用の減などから、前連結会計年度に比べ112億75百万円改善の289億41百万円の損失(前連結会計年度は、402億17百万円の損失)となった。
[送配電事業]
売上高は、需給調整収益が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ464億16百万円(+21.1%)増収の2,662億71百万円となった。
経常利益は、減価償却方法の変更による費用の減はあったものの、他社からの購入電力料が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ33億16百万円(△31.3%)減益の72億64百万円となった。
[情報通信事業]
売上高は、光通信サービスやデータセンター事業の収入増などから、前連結会計年度に比べ9億57百万円(+2.1%)増収の455億82百万円となった。
経常利益は、減価償却方法の変更による費用の減などから、前連結会計年度に比べ12億55百万円(+15.5%)増益の93億70百万円となった。
売上高は、石炭販売事業の販売数量の減などから、前連結会計年度に比べ7億31百万円(△2.8%)減収の257億66百万円となった。
経常損益は、海外事業投資損失を営業外費用に計上したことなどから、151億18百万円の損失(前連結会計年度は、29億59百万円の利益)となった。
売上高は、請負工事の受注減などから、前連結会計年度に比べ161億25百万円(△23.3%)減収の530億65百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ4億79百万円(△12.0%)減益の35億9百万円となった。
[その他]
売上高は、商事業の減などから、前連結会計年度に比べ5億55百万円(△1.5%)減収の356億16百万円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べ10億7百万円(△31.9%)減益の21億50百万円となった。
(資産)
資産は、事業用資産が増加したほか、現預金や燃料貯蔵品も増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,112億81百万円(+7.4%)増加の1兆6,120億25百万円となった。
(負債)
負債は、社債・借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,282億65百万円(+10.8%)増加の1兆3,137億13百万円となった。
(純資産)
純資産は、純損失となったことなどから、前連結会計年度末に比べ169億84百万円(△5.4%)減少の2,983億12百万円となった。
③キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
損益の悪化などにより、収入が前連結会計年度に比べ137億54百万円(△27.6%)減少の360億86百万円となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
設備投資の減少などにより、支出が前連結会計年度に比べ335億2百万円(△26.8%)減少の916億円となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債・借入金を純増調達したことなどから、収入が前連結会計年度に比べ25億67百万円(+3.1%)増加の848億29百万円となった。
以上の結果、当連結会計年度末における現金および現金同等物は、前連結会計年度末に比べ329億75百万円増加し、1,059億4百万円となった。
[発電・販売事業および送配電事業]
(注) 四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
(注) 1 販売電力量は、四捨五入の関係で、合計が合わない場合がある。
2 料金収入の電灯および電力には、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス価格激変緩和対策」により受領する補助金を含んでいる。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績(連結売上高)に対する割合
石炭、重油およびLNGの受払実績
<石炭>
<重油>
<LNG>
生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない品目も多いことから、生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示していない。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の分析
※ 総資産利益率=事業利益(経常利益+支払利息)÷総資産(期首・期末平均)
<総資産利益率>
2018~2019年度は、伊方発電所3号機の稼働により一定の事業利益(経常利益+支払利息)が確保できたため、2.5%程度で推移したが、2020年度以降は、伊方発電所3号機の停止や燃料価格の高騰影響により事業利益が大幅に悪化し、2020年度は0.8%、2021年度は△0.4%、2022年度は△1.0%となった。
2018~2019年度は、一定の純利益が確保できたため、5%台で推移したが、2020年度以降は純利益が大幅に悪化し、2020年度は0.9%、2021年度は△2.0%、2022年度は△7.5%となった。
(ⅱ)財政状態の分析
※ 有利子負債倍率=社債・借入金÷自己資本
<総資産>
伊方発電所の安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などによる事業用資産の増に加え、海外事業投資の増などから増加傾向にあり、2018年度末から2022年度末にかけて約2,600億円増加した。
<社債・借入金>
設備投資等の増に伴い増加傾向にあり、2018年度末から2022年度末にかけて約2,400億円増加した。
<自己資本>
2018~2021年度までは、ほぼ横ばいで推移していたが、今年度の赤字影響により、2,900億円台まで低下している。
以上の結果、自己資本比率は、2018年度末の23.6%が2022年度末には18.3%に低下した。
また、有利子負債倍率は、2018年度末の2.2倍が2022年度末には3.2倍に上昇した。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
(ⅰ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
◇キャッシュ・フローの推移 (単位:億円)
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
減価償却による回収などにより、2018年度から2022年度の5ヵ年平均で600億円程度の収入となった。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
伊方発電所の安全対策工事や西条発電所1号機リプレース工事などに加え、海外発電事業への出資などにより、支出額は増加傾向となっている。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
フリー・キャッシュ・フローに応じて変動しており、2022年度は848億円の収入となった。
(ⅱ)資本の財源および資金の流動性について
当社の主な資金需要は設備資金であり、自己資金および社債・長期借入金により調達している。なお、季節要因などによる短期的な資金需給の調整には、コマーシャル・ペーパーを活用している。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
当社グループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損、貸倒引当金、退職給付に係る負債、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積りおよび判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。