E00135 Japan GAAP
前期
510.7億 円
前期比
102.4%
当社グループは、新生テクノス株式会社(当社)及び子会社1社により構成され、事業は電気設備工事(鉄道関係電気設備工事及び屋内電力、配線関係工事)の設計、施工及び監理、電気設備の保守を主な内容として事業活動を展開しております。
当社グループは、設備工事業の単一セグメントであり、事業に係る位置づけは次のとおりです。
設備工事業
電気設備工事……当社は電気設備工事業であり、子会社である㈱東海電業、関連会社である富吉電気工事㈱他1社が施工協力及び資材の納入をおこなっています。なお、主な施工内容は、下記のとおりです。
1 発変電所、送電線路、配電線路、電車線路、電灯電力設備、信号保安設備等の設計・施工及び保守管理
2 光ケーブル、データ通信設備、監視カメラ設備、CATV設備、LAN設備、放送設備、無線設備等情報通信分野の設計・施工及び保守管理
3 空気調和設備・給排水設備等の設計・施工及び保守管理
4 各種プラント及び原子力発電設備の機械設備・電気計装設備、塗装工事等の設計・施工及び保守管理
5 防災設備、自動火災報知設備、予備電源設備等の設計・施工及び保守管理
6 太陽光発電、風力発電、小水力発電、バイオマス発電等の再生可能エネルギーの設計・施工及び保守管理
7 各前号の工事に関連する調査、診断、技術提案及びコンサルティング、並びにリニューアル設計・施工
(主な関係会社)
子会社 ㈱東海電業
関連会社 富吉電気工事㈱
旭光通信システム㈱
鉄道電気設備の保守……電気・通信設備の検査及び修繕
(主な関係会社)
子会社 ㈱東海電業
事業の系統図は次のとおりです。
○印は連結子会社
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、社会経済活動が正常化に向かう中、緩やかに持ち直しの動きが続きました。
建設業界におきましても、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資も持ち直しの動きが続く状況となりました。
このような情勢のもと、当社グループは、安全の確保と品質の向上に努めるとともに、総力を挙げて受注の確保に努力した結果、受注工事高は580億80百万円(前連結会計年度比2.7%増)、売上高は523億4百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。利益につきましては、当社グループを挙げて原価低減、経費節減に取り組んだ結果、経常利益は13億7百万円(前連結会計年度比18.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億76百万円(前連結会計年度比399.9%増)となりました。
部門別の状況は次のとおりです。
(鉄道関係工事部門)
主な得意先である東海旅客鉄道株式会社から新幹線沿線電源設備新設工事、新幹線ATC更新工事などの受注に加え、公民鉄各社等に対して積極的な営業活動を展開し、前津変電所受電設備等機器製造設置工事などの受注により、受注工事高は408億円(前連結会計年度比6.1%減)となりました。
売上高は、新幹線地中送電線(綱島・大崎線)取替工事、新幹線沿線電源設備新設工事、相鉄・東急直通線電車線路設備工事、宇都宮LRT電車線路設備工事などにより384億63百万円(前連結会計年度比2.2%減)となり、翌連結会計年度への繰越工事高は356億50百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。
(官公庁・民間関係工事部門)
総力を挙げて受注の確保に努めた結果、大阪市高速電気軌道2号線他可動式ホーム柵据付工事、(仮称)芝浦1丁目計画第1期(S棟)新築工事、東京都江戸東京博物館(4)改修電気設備工事などの受注により、受注工事高は172億80百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。
売上高は、品川区立総合区民会館大規模改修電気設備工事、六ケ所再処理工場精製建屋計装設備工事、大阪市高速電気軌道6号線可動式ホーム柵据付工事などにより、138億40百万円(前連結会計年度比17.8%増)となり、翌連結会計年度への繰越工事高は135億41百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比較して52百万円増加の637億63百万円となりました。このうち流動資産は、6億42百万円増加の374億95百万円となりました。主な増加の要因は、前連結会計年度に比べ契約資産、完成工事未収入金が増加したことによるものです。固定資産は、5億90百万円減少の262億67百万円となりました。主な減少の要因は、建物、工具器具備品が減少したことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比較して6億4百万円減少の208億44百万円となりました。主な減少の要因は、完成工事補償引当金が減少したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比較して6億56百万円増加の429億18百万円となりました。主な増加の要因は、利益剰余金の増加によるものです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は67.3%(前連結会計年度末は66.3%)となっており、依然として財務体質の健全性は維持できていると認識しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、1億86百万円(前連結会計年度比15.37%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が12億58百万円(前連結会計年度比385.43%増)となった他、完成工事補償引当金の減少、契約資産の増加により3億14百万円の収入(前連結会計年度は3億23百万円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により2億35百万円の支出(前連結会計年度は9億88百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により1億12百万円の支出(前連結会計年度は9億5百万円の収入)となりました。
なお、当社グループの資金繰りについては、JR東海グループ会社相互における余剰資金の融通の仕組みであるキャッシュ・マネージメント・システムを利用しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を与える会計上の見積りを行っております。経営者はこれらの見積りが必要な事項について、過去の実績、経験や見積り時点までに入手しうる情報などを総合的に勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性によって異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用している会計上の見積りは以下のとおりであります。
・一定の期間にわたる収益認識
一定の期間にわたる収益認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
・退職給付債務
退職給付債務は、数理計算上の仮定に基づいて算出されています。この仮定には、割引率、退職率及び生存率などの基礎率が含まれております。当社グループは、使用した数理計算上の仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により退職給付債務に重要な影響を与える可能性があります。
・工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失に備え、その金額を合理的に見積っておりますが、材料、外注労務費の予測不能な事柄により将来の損失に変動が生じた場合、経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
・繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性について、過去の業績等を基に定期的に確認を行い、必要に応じ評価性引当金を計上しております。当社グループにおいては、安定的な業績を上げておりますが、予想していない要因や変化により評価性引当金の計上が財政状況及び業績に重要な影響を与える可能性があります。
・固定資産の減損
固定資産のグルーピングにより減損の兆候を確認しており、収益性が著しく下落し将来の回収可能性が見込めない場合、回収可能価額まで減損処理を行います。
提出会社単独の事業の状況は、次のとおりであります。
(注) 1 前期繰越工事で設計変更等により当期になって請負金額に変更のあったものについては、当期受注工事高にその増減が含まれております。従って当期完成工事高にも、かかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第76期完成工事のうち請負金額3億円以上の主なもの
第77期完成工事のうち請負金額3億円以上の主なもの
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
第76期手持工事のうち請負金額5億円以上の主なもの
第77期手持工事のうち請負金額5億円以上の主なもの
① 経営成績
当社グループは、安全の確保と品質の向上に努めるとともに総力を挙げて受注の確保に努め、連結受注工事高、連結完成工事高ともに前連結会計年度を上回ることとなりました。経常利益は原価の低減に努めましたが、鉄道関係工事部門の原価率悪化の影響により前連結会計年度を下回ることとなり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に特定工事の完成工事補償引当金を計上したことと比較して上回ることとなりました。
部門別の経営成績の分析、検討内容は次のとおりです。なお、当連結会計年度より分類の一部を見直しております。
(鉄道関係工事部門)
連結受注工事高は、変電所工事などの大型工事の受注もありましたが、東海旅客鉄道株式会社から継続的に受注している鉄道電気設備検査を連結会計年度初から前連結会計年度末での受注としたことで前連結会計年度比で減少しました。
連結完成工事高は、資材調達遅延に伴い一部件名で工事進捗が遅れたことで、前連結会計年度比で減少しました。
(官公庁・民間関係工事部門)
連結受注工事高は、地下鉄ホーム可動柵や官公庁の大型工事の受注により前連結会計年度比で増加しました。
連結完成工事高は、主に民間関係工事が進捗、竣工し前連結会計年度比で増加しました。
② 財務状態の状況に関する分析・検討内容
資産
当連結会計年度末において、契約資産の増加により、資産の残高が増加しました。
負債
完成工事補償引当金の減少により、負債の残高が減少しました。
純資産
親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより繰越利益剰余金が増加し、自己資本比率は67.3%となりました。利益剰余金のうち、提出会社の繰越利益剰余金については、2023年6月28日開催の第77期定時株主総会において、配当総額81百万円で決議されました。
③ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、営業活動による資金の増加があったものの、財務活動、投資活動による資金が減少したため、前連結会計年度末から33百万円減少し、1億86百万円となりました。
また、資本の財源及び資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。
当社グループは、現金及び現金同等物並びに営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としています。
資金需要については、運転資金、人材の育成、設備投資等であり、これらの資金需要に対し自己資金にて対応できる水準を維持することを基本方針としています。
なお、当連結会計年度末は現金及び現金同等物1億86百万円を確保しています。