E03648 Japan GAAP
前期
125.3億 円
前期比
112.4%
当行及び当行の関係会社は、当行及び(連結)子会社2社で構成され、銀行業務を中心に不動産管理業務、保証業務などの金融サービスを提供しており、銀行業の単一セグメントであります。
当行及び当行の関係会社の事業に係わる位置づけは次のとおりであります。
[事業系統図]
(連結子会社明細)
①岳洋産業株式会社 (店舗用不動産の賃貸及びATM精査業務)
②静岡中央信用保証株式会社 (信用保証業務)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループ(当行、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行によって社会経済活動の正常化が急速に進み、製造業・非製造業ともに幅広い業種で景況感が改善し、個人消費も回復基調に転じました。また、好調な企業業績を背景に日経平均株価は2月に史上最高値を34年振りに更新し、大企業を中心に大幅な賃上げ表明が相次いだことで、日銀は2%の物価目標を持続的・安定的に達成できる環境が整ったと判断して3月にマイナス金利政策を解除し、17年振りに政策金利を引上げました。
一方で、先行きにつきましては、資源価格の高騰や急速な円安による物価上昇の影響が長期化し、海外経済の減速や業種を問わず人手不足の深刻化等も懸念されるなど不透明な状況にあり、当行の主要な営業エリアである静岡県・神奈川県の地域経済におきましても、一部で景況感に弱さが見られております。
このような状況下、当行は第14次中期経営計画『深化』において、基本方針「お客様中心主義の深化」のもと、ビジネスモデルである「訪問頻度管理」を深化させ、お客様と地域に寄り添った支援を継続するとともに、外部環境・内部環境や認識する課題等を踏まえた新たな施策にも積極的に取組んでまいりました。その結果、着実にお客様が増加し、次のような成果を収めることができました。
預金につきましては、「店頭・店周営業」の着実な実践により、店周を中心としたお客様との接点を強化し、個々のニーズやライフステージに応じた商品・サービスの提供に努めるなど、積極的な営業活動を展開してまいりました。その結果、当連結会計年度末の預金残高は前連結会計年度末比186億50百万円2.6%増加の7,334億44百万円となりました。
貸出金につきましては、「訪問頻度管理」による定期的な顧客訪問の徹底により、新型コロナウイルス感染拡大や資源価格の高騰、物価上昇等の影響を受けたお客様に継続して寄り添い、業況やニーズを迅速且つ適切に把握することで、資金繰り支援に加えて経営改善・事業再生・事業転換支援等にも積極的に取組むなど、金融仲介機能の発揮に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度末の貸出金残高は前連結会計年度末比141億80百万円2.3%増加の6,108億26百万円となり、貸出金に占める中小企業等向け貸出金比率は92.1%となりました。
経常収益は貸出金利息、役務取引等収益が増加するなど本業が堅調に推移したほか、株式等売却益の増加等もあり、前連結会計年度比15億50百万円12.3%増収の140億84百万円となりました。
経常費用は与信費用の増加等により、前連結会計年度比11億58百万円12.4%増加の104億34百万円となりました。
その結果、経常利益は前連結会計年度比3億92百万円12.0%増益の36億49百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比2億27百万円9.9%増益の25億22百万円となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前期比161億43百万円増加し、894億70百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
借用金の増加等により137億96百万円となりました。(前連結会計年度比260億57百万円の増加)
②投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の取得による支出の減少等により24億66百万円となりました。(前連結会計年度比28億63百万円の増加)
③財務活動によるキャッシュ・フロー
配当金の支払により△1億20百万円となりました。(前連結会計年度比0百万円の減少)
(参考)
(1) 国内業務部門・国際業務部門別収支
(経営成績の説明)国内業務部門では、資金運用収支は100億91百万円、役務取引等収支は△47百万円となりました。国際業務部門では、資金運用収支は47百万円となりました。相殺消去後は、資金運用収支101億21百万円、役務取引等収支は△47百万円となりました。
(注) 1.当行に海外店はございませんので、国内業務部門・国際業務部門別に記載しております。
2.「相殺消去額(△)」は連結会社間の取引等の相殺消去額であります。
(2) 国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
(経営成績の説明)資金運用勘定平均残高(相殺消去後)8,060億39百万円、利息(相殺消去後)105億19百万円、資金運用利回り1.30%となりました。資金調達勘定平均残高(相殺消去後)7,648億35百万円、利息(相殺消去後)3億98百万円となり、資金調達利回りは0.05%となりました。
① 国内業務部門
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度12億42百万円、当連結会計年度7億15百万円)を控除して表示しております。
② 国際業務部門
③ 合計
(注) 1.「相殺消去額(△)」は連結会社間の取引等の相殺消去額であります。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度12億42百万円、当連結会計年度7億15百万円)を控除して表示しております。
(3) 国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
(経営成績の説明)役務取引等収益は、相殺消去後14億68百万円となりました。役務取引等費用は相殺消去後15億16百万円となりました。
(注) 「相殺消去額(△)」は連結会社間の取引等の相殺消去額であります。
(4) 国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2.定期性預金=定期預金+定期積金
3.「相殺消去額(△)」は連結会社間の取引等の相殺消去額であります。
(5) 貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
(6) 国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.「その他の証券」には、外国証券を含んでおります。
2.「相殺消去額(△)」は連結会社間の取引等の相殺消去額であります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号。以下、「告示」という。)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金並びに支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
①財政状態
<資産>
貸出金は、「訪問頻度管理」による定期的な顧客訪問の徹底により、新型コロナウイルス感染拡大や資源価格の高騰、物価上昇等の影響を受けたお客様に継続して寄り添い、業況やニーズを迅速且つ適切に把握することで、資金繰り支援に加えて経営改善・事業再生・事業転換支援等にも積極的に取組むなど、金融仲介機能の発揮に務めてまいりました。その結果、前連結会計年度末比141億80百万円増加し、6,108億26百万円となりました。
有価証券は、国債・株式の購入等により前連結会計年度93億64百万円増加し、1,443億32百万円となりました。
総資産は、前連結会計年度末比362億62百万円増加し、8,613億38百万円となりました。
<負債及び純資産>
預金は、「店頭・店周営業」の着実な実践により、店周を中心としたお客様との接点を強化し、個々のニーズやライフステージに応じた商品・サービスの提供に努め、積極的な営業活動を展開した結果、前連結会計年度末比186億50百万円増加し、7,334億44百万円となりました。
総負債は、前連結会計年度末比256億71百万円増加し、7,949億65百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末比105億90百万円増加し、663億73百万円となりました。
<自己資本比率>
国内基準による自己資本比率は、リスク・アセットの圧縮に努め、前連結会計年度末比0.42ポイント上昇の12.49%となりました。
②経営成績
経常収益は貸出金利息、役務取引等収益が増加するなど本業が堅調に推移したほか、株式等売却益の増加等もあり、前連結会計年度比15億50百万円増収の140億84百万円となりました。
経常費用は、与信費用の増加等により、前連結会計年度比11億58百万円増加の104億34百万円となりました。
その結果、経常利益は前連結会計年度比3億92百万円増益の36億49百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比2億27百万円増益の25億22百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当行グループの中核事業は銀行業であり、主にお客様からお預けいただいた預金を源泉として、貸出金や有価証券にて運用しております。また、固定資産の取得や、IT分野への投資等の資本的支出につきましては、自己資金にて対応する予定であります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、894億70百万円であり、また国債等の売却可能な資産を十分に保有していることとあわせて、適切な水準の流動性を維持していると考えております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析は以下の通りであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
借用金の増加等により、137億96百万円となりました。(前連結会計年度比260億57百万円増加)
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
有価証券の取得による支出の減少等により、24億66百万円となりました。(前連結会計年度比28億63百万円増加)
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
配当金支払により、△1億20百万円となりました。(前連結会計年度比0百万円減少)
・現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比161億43百万円増加し、894億70百万円となりました。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当行は、2022年4月より2024年3月までの2年間を計画期間とする第14次中期経営計画『深化』~持続的成長に向けた挑戦~に取り組んでおります。中期経営計画において目標としている主な経営指標(単体)の達成状況は、以下のとおりとなりました。
<ロイヤルティの高いお客様の拡大と経営支援>
<収益性・効率性指標>
<健全性指標>
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行が連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、以下の通りであります。
<貸倒引当金の計上>
当行グループは、適切な償却・引当を実施するための準備作業として、自己査定を実施しております。この自己査定の結果に基づき、期末現在の債権を、正常先債権、要注意先債権、破綻懸念先債権、実質破綻先債権及び破綻先債権の5つに区分し、それぞれの区分に応じて、貸倒等の実績を踏まえ債権の将来の予想損失額等を適切に見積ることにより、信用リスクの程度に応じた貸倒引当金を計上しております。
債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しておりますが、貸出先等の財政状態が当初予想した範囲以上に悪化し、その支払い能力が低下した場合には、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた特定業種については、一定の仮定に基づき貸倒引当金を計上しているため、会計上の見積りに不確実性が存在する可能性があります。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた特定業種の将来の業績への影響が変化した場合には、貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。
<有価証券の減損>
当行グループは、金融機関として一定の運用収益を確保していくために、有価証券を保有しております。売買目的有価証券以外の有価証券のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落しており、時価が取得原価まで回復する見込みがあると認められないものについては、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とするとともに、評価差額を当該連結会計年度の損失として処理しております。
将来の市況悪化や投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
<繰延税金資産の回収可能性>
当行グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得が十分確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
<固定資産の減損>
当行グループは、資産または資産グループの収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合に、回収可能額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積額を用いており、回収可能額は将来キャッシュ・フローの見積額、又は正味売却価額のいずれか高い金額によって決定しております。
将来の営業活動から生ずる損益の悪化、市場価格の著しい下落、経営環境の著しい悪化等により、見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。