E03711 Japan GAAP
前期
35.1億 円
前期比
91.2%
当社の事業は、当社に出資していただいた企業の勤労者に対する財形住宅資金の転貸融資を主たる業務としてお
ります。当社の転貸融資については、保証会社の保証または損害保険会社の住宅ローン保証保険を付保しておりま
す。上記の内容を事業系統図で示すと次のとおりであります。
その他、住宅金融支援機構証券化支援住宅ローン「財住金フラット35」および「フラット35エース」の取り
扱いも行っております。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況
の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度は、新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限の緩和により社会経済活動の正常化が進み緩やかに景気回復している一方で、不動産価格や建築コストの高騰による住宅購入意欲の減退に加え、長期金利の上昇など当社をめぐる経営環境は厳しい状況が続いています。こうしたなか当社は、一人一人のお客様が求めるニーズに寄り添い、お客様満足度を高めるべく対応力の向上に取り組むとともに、オンライン営業、Webマーケティングを積極的に展開するなど、財形住宅融資およびフラット35の利用拡大に努め、収益力の向上、事業構造の改善に取り組んでまいりました。
当事業年度末の出資企業数は10,320社、その勤労者数は410万人強と何れも増加いたしました。
財形住宅融資の実績につきましては、実行ベースで295件、42億6千3百万円となり、当事業年度末における財形
住宅融資残高は24,997件、2,190億2千1百万円となりました。
財住金フラット35の実績につきましては、実行ベースで238件、69億4千万円となりました。
フラット35エースの実績につきましては、実行ベースで331件、106億4千9百万円となりました。
つなぎ融資の実績につきましては、実行ベースで309件、64億6千9百万円となり、当事業年度末つなぎ融資残高は115件、21億7千6百万円となりました。
財住金教育ローンの実績につきましては、実行ベースで34件、5千万円となり、当事業年度末教育ローン残高は214件、1億6千3百万円となりました。
これらの結果、当事業年度における営業収益は32億4百万円(前年同期比8.8%減)、経常利益は3億1千5百
万円(前年同期比33.7%減)、当期純利益は2億1千2百万円(前年同期比33.9%減)となりました。
なお、当社は個人住宅融資事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて23億3千2百万
円増加し、95億2千4百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は,23億5千4百万円(前年同期は24億3千2百万円の獲得)とな
りました。
これは主に営業貸付金が21億5千4百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、2千1百万円(前年同期は5千1百万円の使用)となりまし
た。
これは主に有形固定資産の取得による支出の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における該当事項はありません。
③生産、受注及び販売の実績
a.主要業務の実績
区分 |
内容 |
営業収益(百万円) |
前年同期比(%) |
転貸融資業務 |
財形住宅融資による利息及び手数料 |
1,907 |
89.4 |
財住金フラット35融資業務 |
財住金フラット35による利息及び手数料 |
1,325 |
97.7 |
民間融資業務 |
つなぎ融資による利息及び手数料 |
56 |
58.0 |
合計 |
3,289 |
91.7 |
※主要業務以外の営業収益として△84百万円があります。
b.転貸融資業務資金別融資実績
区分 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前年同期比(%) |
住宅新築資金(百万円) |
1,551 |
50.6 |
新築住宅購入資金(百万円) |
1,250 |
63.0 |
中古住宅購入資金(百万円) |
939 |
84.8 |
住宅改良資金(百万円) |
523 |
82.8 |
合計(百万円) |
4,263 |
62.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、営業収益3,204百万円(前年同期比8.8%減)、営業費用2,898百万円(前年
同期比5.0%減)、営業利益306百万円(前年同期比33.5%減)、経常利益は315百万円(前年同期比33.7%減)、当期純利益212百万円(前年同期比33.9%減)となりました。当事業年度における営業利益減の主な原因は団信保険関係収入が118百万円減少(前年同期比53.3%減)したためです。
翌事業年度(2024年4月から2025年3月まで)においては、営業収益及び営業費用は当事業年度を下回ると見込
まれ、営業収益の減少額が営業費用の減少額を上回ると見込まれるため、当事業年度を下回る営業利益を計画しております。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、住宅金融市場における競争の激化があります。住宅金融市場
においては近年住宅ローン金利の低下に伴い銀行等の競合他社との競合が激しく、当社の財形住宅融資や財住金フ
ラット35等が競合他社の住宅ローンに対して優位に立てず融資実行が著しく減少した場合には、貸付手数料等の
営業収益が大きく減少し経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は個人住宅融資事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社の財政状態の分析については、以下のとおりです。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、233,939百万円(前事業年度末は260,665百万円)となり、26,725百万
円減少しました。これは主に、財形転貸貸付金残高が、219,021百万円(前事業年度末は245,368百万円)と26,347
百万円減少したこと等に伴うものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は557百万円(前事業年度末は519百万円)となり、37百万円増加しまし
た。これは主に、投資有価証券の増加(105百万円)等に伴うものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、227,306百万円(前事業年度末は254,263百万円)となり、26,956百万
円減少しました。これは主に、財形借入金残高が、223,490百万円(前事業年度末は250,408百万円)と26,918百万
円減少したこと等に伴うものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、217百万円(前事業年度末は234百万円)となり、17百万円減少しまし
た。これは退職給付引当金の減少(12百万円)等に伴うものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、6,973百万円(前事業年度末は6,686百万円)となり、286百万円増加し
ました。その原因の主なものは繰越利益剰余金の増加(212百万円)等に伴うものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社の資産の大部分を占める財形転貸貸付金(当事業年度末
残高は219,021百万円)は独立行政法人勤労者退職金共済機構からの財形借入金(当事業年度末残高は223,490百万
円)により資金調達を行っております。その他の資金需要については、自己資金及び金融機関からの短期借入で資
金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、
第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。