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最終更新:

E03761 Japan GAAP

売上高

52.9億 円

前期

33.5億 円

前期比

157.6%


 

3 【事業の内容】

当社は、有価証券の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱いを主たる業務としております。

 

24/06/28

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当事業年度における国内株式市場は、大幅上昇となりました。期初は、東京証券取引所が株価純資産倍率(PBR)の低い企業に資本効率や株価を意識した経営を求めたことによる日本企業の資本コスト意識の高まりなど日本独自のポジティブ要因に加えて、米経済の軟着陸への期待感や人工知能(AI)ブームによる世界同時株高の追い風を受けて上昇基調で推移しました。

7月に入ると米長期金利の上昇や日銀によるイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の運用柔軟化等、金融政策への思惑が交錯し株価は上下する展開となりましたが、9月中旬にかけては米追加利上げ観測の後退を受け上昇しました。その後、米金利や為替の影響による変動は見られたものの、年明け以降は米株高や円安に加えて海外投資家の買いや新しい少額投資非課税制度(NISA)に伴う資金流入への期待感等を背景に株価は大きく上昇し、2024年2月22日には日経平均株価はバブル期の高値を約34年ぶりに更新、3月中旬以降は春闘における賃上げ率が33年ぶりの高水準となりデフレ脱却への期待感が高まったことや、金融政策決定会合での日銀の政策変更の内容が市場予想よりも追加利上げに慎重な姿勢だったことを受けて円安が進行したことなどから、外需株や金融、不動産株などが市場をけん引し、結局、当事業年度末の日経平均株価の終値は40,369.44円となりました。

当社は、このような環境下、お客さまの利益を最優先した業務運営への取り組みを徹底しつつ、より多くのお客さまとの接点を増やし、対話を重視する営業活動を展開いたしました。

営業活動の結果といたしましては、株式市況が総じて堅調に推移したことを受けて国内外株式関連手数料収入が大幅な増収となったことに加えて、預り資産残高の増加、新NISA制度を利用されるお客さまや当社との取引を再開されるお客さまの開拓等を通じた顧客基盤強化において成果を得ることができました。また、対面型のお客さまセミナーを積極的に開催することで情報提供力の強化にも取り組みました。

これにより当事業年度の業績は、営業収益は52億88百万円(前年同期比157.6%)、純営業収益は50億88百万円(同159.2%)となりました。また、販売費・一般管理費は47億12百万円(同113.4%)となり、その結果、営業利益は3億76百万円(前年同期は9億59百万円の営業損失)、経常利益は5億62百万円(前年同期は7億46百万円の経常損失)、当期純利益は7億94百万円(前年同期は7億64百万円の当期純損失)となりました。

当事業年度の期末配当金につきましては、株主の皆様への安定的かつ継続的な配当の実施を前提としつつ、業績を勘案した結果、1株当たり15円とさせていただきました。

主な概要は下記のとおりであります。

①受入手数料

当事業年度の受入手数料の合計は、40億15百万円(前年同期比156.3%)となりました。

(委託手数料)

委託手数料は、米経済の軟着陸への期待感や人工知能(AI)ブームによる世界同時株高等の追い風を受けて上昇基調で推移した結果33億2百万円(前年同期比171.2%)となりました。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は7百万円(同102.0%)となりました。この手数料の株式と債券の構成比率は、それぞれ89.1%、10.8%となっております。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は2億16百万円(同144.5%)となりました。このうち、95.1%が投資信託販売の取扱手数料となっております。

(その他の受入手数料)

その他の受入手数料は4億88百万円(同101.1%)となりました。このうち、投資信託の信託報酬は71.3%、保険販売手数料は14.9%となっております。

 

②トレーディング損益

株券等トレーディング損益は5億98百万円の利益(前年同期比448.8%)、債券・為替等トレーディング損益は1億51百万円の利益(同76.3%)となりました。

その結果、トレーディング損益は7億50百万円の利益(同226.0%)となりました。

③金融収支

金融収益は5億22百万円(前年同期比114.8%)、金融費用は1億99百万円(同125.1%)となりました。

その結果、金融収支は3億22百万円の利益(同109.3%)となりました。

④販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、賞与引当金の増加等による人件費の増加等により47億12百万円(前年同期比113.4%)となりました。

⑤特別損益

特別利益は、投資有価証券の売却益により4億61百万円となりました。一方、特別損失は金融商品取引責任準備金繰入等により16百万円となりました。

その結果、特別損益は4億45百万円の利益となりました。

(2) 財政状態の状況

①資産の部

流動資産は、前事業年度末に比べて145億1百万円増加し、749億6百万円となりました。これは、現金・預金が22億43百万円、預託金が54億40百万円、信用取引資産が67億77百万円増加したことなどによるものです。

固定資産は、前事業年度末に比べて16億40百万円増加し、80億51百万円となりました。これは、投資有価証券の取得及び評価益の増加で16億56百万円増加したことなどによるものです。

以上の結果、総資産は前事業年度末に比べて161億41百万円増加し、829億58百万円となりました。

②負債の部

流動負債は、前事業年度末に比べて145億40百万円増加し、621億2百万円となりました。これは、預り金が47億93百万円、信用取引負債が75億40百万円、受入保証金が17億12百万円増加したことなどによるものです。

固定負債は、前事業年度末に比べて89百万円増加し、21億83百万円となりました。これは、退職給付引当金が1億22百万円減少する一方、繰延税金負債が2億20百万円増加したことなどによるものです。

③純資産の部

純資産は、前事業年度末に比べて14億96百万円増加し、185億72百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物残高は、前事業年度末と比べ22億43百万円増加し、136億22百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは25億4百万円のプラス(前事業年度は1億11百万円のプラス)となり、前事業年度に比べて23億93百万円の増加となりました。これは主に、預り金及び受入保証金の増加等によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは2億40百万円のマイナス(同19百万円のプラス)となり、前事業年度に比べて2億60百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券等への投資額の増加等によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは1億10百万円のマイナス(同1億58百万円のマイナス)となり、前事業年度に比べて48百万円の増加となりました。これは主に、前事業年度に対比した配当金支払額の変動等によるものです。

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の営業収入は国内外株式関連手数料を中心としたフロー収益に大きく依存しており、投資環境における不確実性の高まりによる顧客の投資意欲の減退、様子見が続くと厳しい経営成績に陥る、市場連動性が高い収益構造を有しております。収益構造的に株式投資選好の冷え込みが営業活動に影響を与え負の連鎖を生み出す状況からの脱却が必要であり、顧客の投資選好の変化を的確に捉え、一人ひとりの顧客のニーズに応じた最適な商品・アドバイスを提供することが重要と認識しております。これを踏まえて、米国株を中心とした取扱株式市場の拡大や投資信託・保険商品販売促進等による収益の多様化、相続コンサル等の提案型セールスの推進、全営業員へのiPad配備やインターネット環境整備による情報提供力強化により顧客とのリテンションを高める等、収益力強化に取り組んでおります。

当社の当事業年度の営業収益は、受入手数料40億15百万円(前年同期比156.3%)、金融収益5億22百万円(同114.8%)、トレーディング損益7億50百万円(同226.0%)の52億88百万円(同157.6%)、金融費用1億99百万円(同125.1%)を差引いた純営業収益は50億88百万円(同159.2%)となり、前年同期比59.2%の増収となりました。

収益構造的には、好調な企業業績を背景に日経平均株価が最高値を更新、デフレからインフレへの構造転換が要因となり、国内株式市場が活性化したことに加えて、生成AIをはじめ半導体市場への成長期待や良好な家計支出や賃金上昇を背景として米国株式市場も良好に推移したことから、国内外株式関連手数料収入にて39億2百万円(前年度対比189.3%)を確保したことにより増収・増益となり、黒字に転換しました。

販売費・一般管理費は顧客証券関連取引の増加による取引関係費等の増加、人員減に伴う人件費の縮減を上回る営業成績を反映した賞与、業績連動給などの増加等により47億12百万円(同113.4%)となりました。

その結果、営業利益は3億76百万円(前年同期は959百万円の営業損失)、特別利益として投資有価証券のTOB応募による売却益4億61百万円を計上したことから当期純利益は7億94百万円(前年同期は7億64百万円の当期純損失)となりました。

 

当社では2019年度から経営計画『未来ビジョン(2019-2021)』にもとづき、米国株式や仕組債の事業ポジション拡大による収益の多様化、販管費の縮減、モバイル機器活用によるDX化推進等に取り組んでまいりました。この成果と課題認識を踏まえて、今後3年間の業務運営方針を定めた新たな経営計画『未来ビジョンⅡ(2022-2024)』を策定し、取り組みをスタートさせました。

 

『未来ビジョンⅡ』における主な取り組みについては以下の通りです

「お客さま本位の業務運営の深化」

・活動の見える化促進

・お客さまを知り情報を活用する営業スタイルの確立

・重要情報シート活用

「顧客基盤の強化」

・資産形成運用層の取引メイン化

・資産配分提案強化

・資産承継ビジネス強化 

「コンプライアンス体制の強化」

・モニタリング体制の実効性高度化

・リスクベース検証体制への移行とPDCAサイクル運営

「効率化・DX化の推進」

・ペーパーレス化促進

・営業活動における情報提供力強化

・情報セキュリティ体制強化

 

新たな業務運営スタイルの定着化と強固な事業・財務・成長基盤の確立に向けた取り組みを通じて、「お客さまのことをよく知り、ふさわしい資産配分提案・商品提供を行うとともに、特に質の高い内外株式の提案に強みを発揮する証券会社」を当社の目指す証券会社像して追求してまいります。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主要業務である委託売買業務、引受け・募集・売出し業務、投資信託販売業務はいずれも株式が中心であることから、収益状況が市場環境、とりわけ株式相場の動向に大きく左右される構造となっております。

また、収益基盤の強化を目的とし、米国株式・東南アジア圏株式投資環境の整備強化により収益源泉・提案商品の多様化を推進していることから、為替の動向及び国際情勢の変化も業績に影響を与える要因となっております。

営業面においては個人投資家を中心とした対面営業及びインターネット取引を主としていることから、株式市場における個人投資家の動向が、業績に影響を与える基本的な要因となっております。また新型コロナウイルス感染症に代表される新たな感染症拡大や大規模自然災害の発生によって当社の営業体制の縮減が避けられない事態となる可能性もあります。

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社のキャッシュ・フローの主要な変動要因は、お客さまの信用取引の伸縮に伴う信用取引資産・負債の増減であり、日本証券金融株式会社からの信用取引借入金を中心として金融機関借入・有価証券担保借入金にて調達を行うとともに、金利収益の獲得を志向し自己資金を投入しております。またお客さまの有価証券の購入・売却に伴う顧客預り金及び顧客分別金信託の増減変動も短期での当社資金繰りに大きな影響を与えます。この他、人件費・不動産関係費などの販売費及び一般管理費に係る支出があります。当社は、手元流動性資金の下限保有額を定めて監視するとともに、金融機関との間に当座貸越契約等を結び運転資金の十分な確保の体制を整えております。また、当社では週次及び日次で資金計画を策定し、資金管理の適正化と資金効率及び金融収支の改善に努めております。ただし、新たな感染症拡大や大規模自然災害発生などにより経済活動ならびに金融市場が混乱した場合、資金効率は悪化しますが、手元資金を平常時に比べ積増しを行うことで不測の事態に備えることを優先します。

当事業年度においても、耐用年数経過等に伴う設備機器等の入替え、顧客サービス向上や事務効率化のためのシステム開発等、設備投資資金の支出はありますが、重要な資本的支出はありません。また翌事業年度におきましても、現時点では、重要な資本的支出の計画はありません。なお、資本的支出に係る必要資金は、内部資金により賄うことを基本方針としております。

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたりましては、退職給付費用及び退職給付債務の算出、投資有価証券の評価、貸倒引当金、固定資産の減価償却及び資産除去債務等について、会計関連の諸法規に基づき、過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用している重要な会計方針及び重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項」に記載しております。