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最終更新:

E03761 Japan GAAP

売上高

33.5億 円

前期

48.1億 円

前期比

69.7%


 

3 【事業の内容】

当社は、有価証券の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱いを主たる業務としております。

 

23/06/30

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当事業年度における国内株式市場は、期初27,624円で始まった日経平均株価は、インフレ加速に伴う米長期金利の上昇や金融引き締め政策に加えて、中国における新型コロナウイルスの感染拡大の影響が警戒され下落基調となり5月中旬に26,000円台を割り込みました。5月後半から6月前半にかけて戻りを試す展開もあり28,000円台を回復しましたが、中旬以降は米消費者物価指数(CPI)の高い伸びなどを受けてインフレ加速への警戒感が高まり下落しました。

7月以降は米国による対中制裁関税の一部解除検討に関する報道などを受けて米国株が反発に転じたことなどが好感され上昇しましたが、8月中旬以降は米長期金利の上昇懸念が再び重荷となったことから下落しました。10月から11月にかけては米長期金利の上昇懸念がやや緩和し株価は上昇基調となりましたが、12月下旬に日銀が長期金利の許容変動幅を拡大したことから長期金利が上昇したことや円高の進行により下落しました。2023年1月中旬には日銀が金融緩和政策の現状維持を決定したことで市場に安心感が広がり、その後も円安に転じたことや米金融引き締めへの過度な警戒感が和らいだことから上昇基調となりましたが、3月に入ると米地銀の経営破綻に加えて、スイス金融大手の経営問題を受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり下落に転じました。月末にかけては、米欧の金融不安に対する主要国の政府・中央銀行の迅速な対応に加え、年度末の配当取りを意識した買いに支えられ、結局、当事業年度末の日経平均株価の終値は28,041.48円となりました。

当社は、このような環境下、お客さまと社員の安全を最優先した新型コロナウイルス感染防止策を講じた上で、より多くのお客さまと接点を増やすことを目指した営業活動を展開いたしました。

営業活動の結果につきましては、株式市況が総じて硬直的に推移したことを受けて国内株式委託手数料収入は減収、米国の金利引上げや円安の影響を受けて外国株式関連手数料収入、法人を中心とした大口資金運用関連の収益も大幅な減収となりました。一方、新規口座開設数や投資信託を新たに保有されるお客さまの増加等、将来的な収益確保につながる顧客基盤強化においては一定の成果を得ることができました。

これにより当事業年度の業績は、営業収益は33億54百万円(前年同期比69.6%)、純営業収益は31億94百万円(同68.5%)となりました。また、販売費・一般管理費は41億54百万円(同90.1%)となり、その結果、営業損失は9億59百万円(前年同期は51百万円の営業利益)、経常損失は7億46百万円(前年同期は2億90百万円の経常利益)、当期純損失は7億64百万円(前年同期は2億60百万円の当期純利益)となりました。

当事業年度の期末配当金につきましては、株主の皆様への安定的かつ継続的な配当の実施を前提としつつ、業績を勘案した結果、1株当たり10円とさせていただきました。

主な概要は下記のとおりであります。

①受入手数料

当事業年度の受入手数料の合計は、25億68百万円(前年同期比79.8%)となりました。

(委託手数料)

委託手数料は、国内及び米国株式市場がインフレ加速に伴う長期金利の上昇や金融引き締め政策等に伴い低迷した結果19億28百万円(前年同期比77.9%)となりました。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は7百万円(同61.7%)となりました。この手数料の株式と債券の構成比率は、それぞれ55.7%、44.2%となっております。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は1億49百万円(同54.5%)となりました。このうち、94.7%が投資信託販売の取扱手数料となっております。

(その他の受入手数料)

その他の受入手数料は4億82百万円(同105.9%)となりました。このうち、投資信託の信託報酬は65.9%、保険販売手数料は20.8%となっております。

 

②トレーディング損益

株券等トレーディング損益は1億33百万円の利益(前年同期比20.6%)、債券・為替等トレーディング損益は1億98百万円の利益(同46.5%)となりました。

その結果、トレーディング損益は3億32百万円の利益(同30.9%)となりました。

③金融収支

金融収益は4億54百万円(前年同期比86.7%)、金融費用は1億59百万円(同105.4%)となりました。

その結果、金融収支は2億94百万円の利益(同79.1%)となりました。

④販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、賞与引当金の減少等による人件費の減少等により41億54百万円(前年同期比90.1%)となりました。

⑤特別損益

特別利益は、投資有価証券の売却益により1百万円となりました。一方特別損失は、固定資産の減損損失1百万円、固定資産の除却損1百万円等により3百万円となりました。

その結果、特別損益は1百万円の損失となりました。

(2)財政状態の状況

①資産の部

流動資産は、前事業年度末に比べて18億84百万円増加し、604億5百万円となりました。これは、預託金が4億89百万円減少する一方、信用取引資産が24億49百万円増加したことなどによるものです。

固定資産は、前事業年度末に比べて17百万円増加し、64億11百万円となりました。これは、固定資産の減価償却等により46百万円減少する一方、投資有価証券の取得及び評価益の増加で65百万円増加したことなどによるものです。

以上の結果、総資産は前事業年度末に比べて19億2百万円増加し、668億16百万円となりました。

②負債の部

流動負債は、前事業年度末に比べて27億6百万円増加し、475億62百万円となりました。これは、預り金が29億82百万円減少する一方、信用取引負債が49億82百万円、有価証券担保借入金が10億94百万円増加したことなどによるものです。

固定負債は、前事業年度末に比べて6百万円増加し、20億94百万円となりました。これは、リース債務が4百万円減少する一方、繰延税金負債が11百万円増加したことなどによるものです。

③純資産の部

純資産は、前事業年度末に比べて8億11百万円減少し、170億76百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローの状況

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは1億11百万円のプラス(前事業年度末は44億95百万円のプラス)となり、前事業年度末に比べて43億84百万円の減少となりました。これは主に、預託金及び信用取引勘定の減少等によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは19百万円のプラス(同4億20百万円のマイナス)となり、前事業年度末に比べて4億39百万円の増加となりました。これは主に、投資有価証券の売却等によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは1億58百万円のマイナス(同1億57百万円のマイナス)となり、前事業年度末に比べて0百万円の減少となりました。これは主に、配当金の支払い等によるものです。

以上により、当事業年度末における現金及び現金同等物残高は、前事業年度末と比べて2百万円増加し、113億78百万円となりました。

 

(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の営業収入はリテール顧客のフロー収益に大きく依存しており、投資環境における不確実性の高まりによるリテール顧客の投資意欲の減退、様子見が続くと厳しい経営成績に陥る、市場連動性が高い収益構造を有しております。収益構造的に株式投資選好の冷込みが営業活動に影響を与え負の連鎖を生み出す状況からの脱却が必要であり、顧客の投資選好の変化を的確に捉え、一人ひとりの顧客のニーズに応じた最適な商品・アドバイスを提供することが重要と認識しております。これを踏まえて、米国株を中心とした取扱株式市場の拡大や債券・保険商品販売促進等による収益の多様化、相続コンサル等の提案型セールスの推進、全営業員へのiPad配備やインターネット環境整備による情報提供力強化により顧客とのリテンションを高める等、収益力強化に取り組んでおります。

当社の当事業年度の営業収益は、受入手数料25億68百万円(前年同期比79.8%)、金融収益4億54百万円(同86.7%)、トレーディング損益3億32百万円(同30.9%)の33億54百万円(同69.6%)、金融費用1億59百万円(同105.4%)を差引いた純営業収益は31億94百万円(同68.5%)となり、前年同期比31.4%の減収となりました。

収益構造的には、世界的なインフレ・景気減速懸念から日経平均が狭いレンジの中で推移するボックス相場となったことに加えて、米国株式市場もマーケットを牽引したGAFA銘柄の下落、円安の進展の影響を受けて投資家の動きが低調になったことから、当社の株式関連収益は大幅な減収となりました。大口投資家のニーズにもとづいた債券販売も内外金利上昇や景況感悪化を背景に低調となり、結果的に前期対比大幅な減収となりました。

販売費・一般管理費は取引関係費等の減少、営業成績を反映した賞与、業績連動給などの圧縮、人員減による人件費削減により41億54百万円(同90.1%)となりました。

その結果、営業損失は9億59百万円(前年同期は51百万円の営業利益)、当期純損失は7億64百万円(同2億60百万円の当期純利益)となりました。

 

当社では2019年度から経営計画『未来ビジョン(2019-2021)』にもとづき、米国株式や仕組債の事業ポジション拡大による収益の多様化、販管費の縮減、モバイル機器活用によるDX化推進等に取組んでまいりました。この成果と課題認識を踏まえて、今後3年間の業務運営方針を定めた新たな経営計画『未来ビジョンⅡ(2022-2024)』を策定し、取組みをスタートさせました。

 

『未来ビジョンⅡ』における主な取組みについては以下の通りです。

「お客さま本位の業務運営の深化」

・活動の見える化促進 ・お客さまを知り情報を活用する営業スタイルの確立 ・重要情報シート活用

「顧客基盤の強化」

・資産形成運用層の取引メイン化 ・資産配分提案強化 ・資産承継ビジネス強化 

「コンプライアンス体制の強化」

・モニタリング体制の実効性高度化 ・リスクベース検証体制への移行とPDCAサイクル運営

「効率化・DX化の推進」

      ・ペーパーレス化促進 ・営業活動における情報提供力強化 ・情報セキュリティ体制強化

 

新たな業務運営スタイルの定着化と強固な事業・財務・成長基盤の確立に向けた取組みを通じて、「勉強と情報収集を重ね、より質の高い内外株式の提案ができる証券会社」「お客さまのことをよく知り、ふさわしい資産配分提案ができる証券会社」を当社の目指す証券会社像して追求してまいります。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主要業務である委託売買業務、引受け・募集・売出し業務、投資信託販売業務はいずれも株式が中心であることから、収益状況が市場環境、とりわけ株式相場の動向に大きく左右される構造となっております。

また、収益基盤の強化を目的とし、米国株式・東南アジア圏株式投資環境の整備強化により収益源泉・提案商品の多様化を推進していることから、為替の動向及び国際情勢の変化も業績に影響を与える要因となっております。

営業面においては個人投資家を中心とした対面営業及びインターネット取引を主としていることから、株式市場における個人投資家の動向が、業績に影響を与える基本的な要因となっております。また新型コロナウイルス感染症などの新たな感染症拡大によっては当社の営業体制の縮減が避けられない事態となる可能性もあります。

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社のキャッシュ・フローの主要な変動要因は、お客さまの信用取引の伸縮に伴う信用取引資産・負債の増減であり、日本証券金融株式会社からの信用取引借入金を中心として金融機関借入・有価証券担保借入金にて調達を行うとともに、金利収益の獲得を志向し自己資金を投入しております。またお客さまの有価証券の購入・売却に伴う顧客預り金及び顧客分別金信託の増減変動も短期での当社資金繰りに大きな影響を与えます。この他、人件費・不動産関係費などの販売費及び一般管理費に係る支出があります。当社は、手元流動性資金の下限保有額を定めて監視するとともに、金融機関との間に当座貸越契約等を結び運転資金の十分な確保の体制を整えております。また、当社では週次及び日次で資金計画を策定し、資金管理の適正化と資金効率及び金融収支の改善に努めております。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大などにより経済活動ならびに金融市場が混乱した場合、資金効率は悪化しますが、手元資金を平常時に比べ積増しを行うことで不測の事態に備えることを優先します。

当事業年度においても、耐用年数経過等に伴う設備機器等の入替え、顧客サービス向上や事務効率化のためのシステム開発等、設備投資資金の支出がありますが、重要な資本的支出はありません。また翌事業年度におきましても、現時点では、重要な資本的支出の計画はありません。なお、資本的支出に係る必要資金は、内部資金により賄うことを基本方針としております。

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたりましては、退職給付費用及び退職給付債務の算出、投資有価証券の評価、貸倒引当金、固定資産の減価償却及び資産除去債務等について、会計関連の諸法規に基づき、過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用している重要な会計方針及び重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項」に記載しております。