E03761 Japan GAAP
前期
52.9億 円
前期比
97.4%
当社は、有価証券の売買等及び売買等の委託の媒介、有価証券の引受け及び売出し、有価証券の募集及び売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱いを主たる業務としております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当事業年度における国内株式市場は、中東における地政学リスクの高まりや米国における利下げ観測の後退などにより下落して始まり、日経平均株価は4月19日に一時37,000円を割り込みました。その後は国内企業の積極的な株主還元姿勢や米国株の上昇を背景に堅調に推移し、6月中旬以降は米国のインフレ継続懸念が後退したことによる米金利の低下と米ハイテク銘柄の株高が追い風となって上昇しました。7月下旬以降は米国の景気後退懸念と日銀の追加利上げ観測の高まりによる急速な円高などから大幅に下落したものの、9月以降は徐々に安定を取り戻し、株価は回復基調となりました。
10月以降は衆院選の結果を受けた政策への思惑が交錯して株価は上下する展開となりました。その後はウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりからやや下落し、12月は米連邦準備制度理事会(FRB)の2025年の利下げペース鈍化見通しなどから下落する場面もありましたが、我が国の金融引き締め観測の後退や堅調な米経済指標を受け上昇しました。年明け以降もトランプ米新政権の関税強化に対する不確実性や、日銀の追加利上げとその後の金融政策への思惑が交錯し株価は上下する展開となりましたが、3月末にかけて米国における輸入自動車に対する大幅な関税引き上げ発表や、貿易相手国と同水準の関税を課す「相互関税」に関する報道を受けて急落し、日経平均株価の期末終値は35,617.56円となりました。
当社は、このような環境下、お客さま本位の業務運営をさらに深化させるとともにお客さまの利益を追求する取り組みを徹底しつつ、より多くのお客さまとの接点を増やし、対話を重視する営業活動を展開いたしました。
営業活動の結果といたしましては、2024年8月以降の株式市況が非常にボラタイルな動きとなったことを受けて国内株式関連手数料収入は減収となったものの、長期投資の観点にもとづいた商品提案や積立型投資信託の推進に取り組んだことにより投資信託残高の積上げによる関連収益増強につなげることができました。また、対面型のお客さまセミナーを積極的に開催することで情報提供力の強化にも取り組みました。今後も、当社が目指す手数料依存型ビジネスモデルからの転換に向けた着実な取り組みを展開してまいります。
これにより当事業年度の業績は、営業収益は51億51百万円(前年同期比97.4%)、純営業収益は48億87百万円(同96.0%)となりました。また、販売費・一般管理費は46億35百万円(同98.3%)となり、その結果、営業利益は2億51百万円(前年同期は3億76百万円の営業利益)、経常利益は5億0百万円(前年同期は5億62百万円の経常利益)、当期純利益は7億42百万円(前年同期は7億94百万円の当期純利益)となりました。
当事業年度の期末配当金につきましては、株主の皆様への安定的かつ継続的な配当の実施を前提としつつ、業績を勘案した結果、1株当たり20円(普通配当17円、創業105周年記念配当3円)とさせていただきました。
主な概要は下記のとおりであります。
当事業年度の受入手数料の合計は、37億34百万円(前年同期比92.9%)となりました。
委託手数料は、29億5百万円(前年同期比87.9%)となりました。このうち、97.5%が株券の委託手数料となっております。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は12百万円(同163.2%)となりました。これは全て、株式に係る引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料であり、債券に係る引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料はありませんでした
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は2億88百万円(同133.2%)となりました。このうち、99.2%が投資信託販売の取扱手数料となっております。
その他の受入手数料は5億27百万円(同108.0%)となりました。このうち、投資信託の信託報酬は74.8%、保険販売手数料は14.5%となっております。
株券等トレーディング損益は6億37百万円の利益(前年同期比106.5%)、債券等・その他のトレーディング損益は1億16百万円の利益(同76.8%)となりました。
その結果、トレーディング損益は7億54百万円の利益(同100.5%)となりました。
金融収益は6億63百万円(前年同期比126.9%)、金融費用は2億64百万円(同132.1%)となりました。
その結果、金融収支は3億99百万円の利益(同123.8%)となりました。
販売費・一般管理費は、賞与引当金の減少による人件費の減少等により46億35百万円(前年同期比98.3%)となりました。
特別利益は、投資有価証券の売却益により3億7百万円となりました。一方、特別損失は店舗整備損等により1百万円となりました。
その結果、特別損益は3億6百万円の利益(前年同期は4億45百万円の利益)となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて141億7百万円減少し、607億99百万円となりました。これは、現金・預金が32億45百万円、預託金が54億79百万円、信用取引資産が56億68百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べて12億59百万円増加し、93億11百万円となりました。これは、投資有価証券の取得及び評価益の増加で12億43百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果、総資産は前事業年度末に比べて128億47百万円減少し、701億10百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて135億2百万円減少し、485億99万円となりました。これは、信用取引負債が58億82百万円、預り金が34億59百万円、受入保証金が27億2百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べて71百万円減少し、21億11百万円となりました。これは、繰延税金負債が1億6百万円増加する一方、退職給付引当金が1億43百万円、未払慰労金が41百万円減少したことなどによるものです。
純資産は、前事業年度末に比べて7億27百万円増加し、192億99百万円となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物残高は、前事業年度末と比べて32億45百万円減少し、103億76百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは26億20百万円のマイナス(前事業年度は25億4百万円のプラス)となり、前事業年度に比べて51億25百万円の減少となりました。これは主に、預り金及び受入保証金の減少等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは7億60百万円のマイナス(同2億40百万円のマイナス)となり、前事業年度に比べて5億19百万円の減少となりました。これは主に、投資有価証券等への投資額の増加等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは1億40百万円のプラス(同1億10百万円のマイナス)となり、前事業年度に比べて2億50百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金の増加等によるものです。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の営業収入は国内外株式関連手数料を中心としたフロー収益に大きく依存しており、投資環境における不確実性の高まりによる顧客の投資意欲の減退、様子見が続くと厳しい経営成績に陥る、市場連動性が高い収益構造を有しております。収益構造的に株式投資選好の冷え込みが営業活動に影響を与え、負の連鎖を生み出す状況からの脱却が必要であり、顧客の投資選好の変化を的確に捉え、一人ひとりの顧客のニーズに応じた最適な商品・アドバイスを提供することが重要と認識しております。これを踏まえて、米国株を中心とした取扱株式市場の拡大や投資信託・保険商品販売促進等による収益の多様化、全営業員へのiPad配備やインターネット環境整備による情報提供力強化により顧客とのリテンションを高める等、収益力強化に取り組んでおります。さらにウェルスマネジメントビジネスの展開を視野に、顧客の資産全体を把握することで潜在的なニーズを捉え、相続対策やビジネスマッチングを前提とした不動産活用のコンサル等の提案型セールスの推進を行っています。
当社の当事業年度の営業収益は、受入手数料37億34百万円(前年同期比92.9%)、金融収益6億63百万円(同126.9%)、トレーディング損益7億54百万円(同100.5%)の51億51百万円(同97.4%)、金融費用2億64百万円(同132.1%)を差引いた純営業収益は48億87百万円(同96.0%)となりました。
収益構造的には、2024年8月以降の株式市況の急落以降、ボックス相場が継続、トランプ政権発足後の米国経済政策変更の影響を受け、国内株式の収益は減収となりましたが、米国株式市場が年間を通じて安定的に推移したことから利益確定を目的とした売却等による取引量の増加により外国株式関連収益は増収となりました。また定時定額投信買付サービスを導入するなど投信販売体制を整備したことで投資信託の販売額および残高増加につながりました。
販売費・一般管理費は不動産関係費やシステム関連事務委託費等が増加したものの、賞与引当金の減少による人件費の減少等により46億35百万円(同98.3%)となりました。
その結果、営業利益は2億51百万円(前年同期は3億76百万円)、特別利益として発行体要請による株式売却益3億7百万円を計上したことから当期純利益は7億42百万円(前年同期は7億94百万円)となりました。
当社では2019年度から経営計画『未来ビジョン(2019-2021)』にもとづき、米国株式や仕組債の事業ポジション拡大による収益の多様化、販管費の縮減、モバイル機器活用によるDX化推進等を図り、2022年度から経営計画『未来ビジョンⅡ(2022-2024)』にもとづき、業績考課体系の見直し、日証協ガイドラインにもとづく仕組債販売ルールの導入、苦情事案をもとにしたグループディスカッション形式の営業部店単位の勉強会「サービス向上委員会」の運営等を通じて「お客さま本位の業務運営の深化」を図りました。「効率化・DX化の推進」については、Microsoft365導入によるインターネット環境拡大、口座開設ペーパーレス化、ネットdeチェック機能改善によりお客様の取引におけるDX推進、横断的協議体運営により本部業務の効率化・多能化の推進を進めました。
こうした成果を踏まえ、お客さま本位の業務運営の徹底とお客さまの利益を最優先する企業風土を基点とした取引基盤拡大を目指して新たな「中期経営計画(2025-2027)」を策定しました。
3年後の当社が目指すべき姿を「未来をひらく資産運用のパートナー」と位置づけ、以下の行動指針に基づいて当社の強みをさらに深掘しつつ、課題克服に挑戦してまいります。
行動指針
「お客さまからの信頼に応える」
・お客さま本位の業務運営の深化
・ウェルスビジネスの展開
・コンプライアンス態勢の高度化
「地域社会と共に歩む」
・地域社会への貢献/SDGsの推進
・地域におけるプレゼンスの向上
・金融リテラシー向上への貢献
「社員と株主からの期待に応える」
・人財育成への積極的な投資
・活力ある組織風土の醸成
・DXの推進・生産性向上による持続的な成長
当社の主要業務である委託売買業務、引受け・募集・売出し業務、投資信託販売業務はいずれも株式が中心であることから、収益状況が市場環境、とりわけ株式相場の動向に大きく左右される構造となっております。
また、収益基盤の強化を目的とし、米国株式・東南アジア圏株式投資環境の整備強化により収益源泉・提案商品の多様化を推進していることから、為替の動向及び国際情勢の変化も業績に影響を与える要因となっております。
営業面においては個人投資家を中心とした対面営業及びインターネット取引を主としていることから、株式市場における個人投資家の動向が、業績に影響を与える基本的な要因となっております。また新型コロナウイルス感染症に代表される新たな感染症拡大や大規模自然災害の発生によって当社の営業体制の縮減が避けられない事態となる可能性もあります。
当社のキャッシュ・フローの主要な変動要因は、お客さまの信用取引の伸縮に伴う信用取引資産・負債の増減であり、日本証券金融株式会社からの信用取引借入金を中心として金融機関借入・有価証券担保借入金にて調達を行うとともに、金利収益の獲得を志向し自己資金を投入しております。またお客さまの有価証券の購入・売却に伴う顧客預り金及び顧客分別金信託の増減変動も短期での当社資金繰りに大きな影響を与えます。この他、人件費・不動産関係費などの販売費及び一般管理費に係る支出があります。当社は、手元流動性資金の下限保有額を定めて監視するとともに、金融機関との間に当座貸越契約等を結び運転資金の十分な確保の体制を整えております。また、当社では週次及び日次で資金計画を策定し、資金管理の適正化と資金効率及び金融収支の改善に努めております。ただし、新たな感染症拡大や大規模自然災害発生などにより経済活動ならびに金融市場が混乱した場合、資金効率は悪化しますが、手元資金を平常時に比べ積増しを行うことで不測の事態に備えることを優先します。
当事業年度においても、耐用年数経過等に伴う設備機器等の入替え、顧客サービス向上や事務効率化のためのシステム開発等、設備投資資金の支出はありますが、重要な資本的支出はありません。また翌事業年度におきましても、現時点では、重要な資本的支出の計画はありません。なお、資本的支出に係る必要資金は、内部資金により賄うことを基本方針としております。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたりましては、退職給付費用及び退職給付債務の算出、投資有価証券の評価、貸倒引当金、固定資産の減価償却及び資産除去債務等について、会計関連の諸法規に基づき、過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用している重要な会計方針及び重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項」に記載しております。