むさし証券株式会社

証券、商品先物取引業証券

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E03761 Japan GAAP


3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当中間会計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当中間会計期間の日本経済は、堅調に推移しました。個人消費は物価高の影響を受けながらも賃上げ効果などもあり持ち直しが続きました。企業の生産活動は横ばいでしたが、設備投資は生産性向上の実現に向けたDX化への投資などが堅調に推移し、また、落ち込んでいた製造業の生産活動にも回復が見られました。世界経済は地政学リスクの影響による景気の下振れリスクを抱えながらも、緩やかなペースの成長が続きました。

国内株式市場は米政権による相互関税導入の発表を受けて、日経平均株価は4月7日に31,136円と1年5か月ぶりの安値を付けましたが、その後は、関税政策を巡る米政権の態度が軟化したことや米中貿易摩擦の激化への懸念が和らぎ、上昇に転じました。6月には、緊迫感が高まった中東情勢も落ち着きを見せ始め、米国ではインフレ圧力の鈍化を背景に利下げ観測が高まったほか、AI半導体の成長期待を背景とした半導体関連株の上昇などから回復する動きとなりました。

8月中旬にかけては、4-6月期決算において堅調な企業業績が確認されたことや、米国との関税交渉の進展などを受けて、株価は上昇しました。しかし、下旬にかけては、日銀の利上げ観測の高まりによる円高懸念で外需銘柄が軟調に推移したことや、短期的な過熱感を嫌気した利益確定の売りに押され、横ばい圏での推移となりました。その後は、経営が低迷する米インテルへの米エヌビディアや米政府による出資、米オラクルの6-8月期決算発表での市場想定を大幅に上回るクラウドビジネスの受注といった旺盛な人工知能(AI)関連需要を裏付けるニュースに加え、国内においても自民党総裁選を控える中、次期政権の財政拡張観測を受けて株価は上昇し、9月末の日経平均株価の終値は44,932.63円となりました。

このような環境下において、当社はお客さま本位の業務運営への徹底した取組みを通じて、お客さまの資産を増やすためにお役に立てる証券会社を目指した営業活動を展開しました。当社の強みである国内外株式関連業務のみならず、投資信託や保険商品などを保有されるお客さまを増やす活動、新たなお客さまの獲得、稼働口座数の増加、情報提供力の強化等に取組むことでより多くのお客さまとのリレーションシップ拡大を最優先した営業活動を展開しました。また、より多くのお客さまにセミナー等を通じた情報提供や提案を行い、外国株式や投資信託の運用による資産分散投資の重要性をご理解いただき、長期的な視野にたった顧客基盤の拡充にも取組みました。

当期の業績につきましては、営業収益は27億29百万円(前年同期比102.9%)、純営業収益は25億71百万円(同101.9%)、販売費・一般管理費は23億89百万円(同103.6%)、経常利益は3億85百万円(同108.6%)、中間純利益は4億65百万円(同76.6%)となりました。

 

主な内訳は以下のとおりであります。

①受入手数料

当中間会計期間の受入手数料の合計は20億23百万円(前年同期比105.1%)となりました。

(委託手数料)

委託手数料は16億36百万円(同107.7%)となりました。このうち、98.4%が株式に係る委託手数料となっております。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は2百万円(同90.2%)となりました。この手数料の株式と債券の構成比率は、それぞれ85.7%、14.2%となっております。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は1億13百万円(同81.8%)となりました。このうち、99.9%が投資信託販売の取扱手数料となっております。

(その他の受入手数料)

その他の受入手数料は2億70百万円(同102.3%)となりました。このうち、投資信託の信託報酬は81.2%、保険販売手数料は8.4%となっております。

②トレーディング損益

トレーディング損益は3億65百万円(前年同期比92.0%)となりました。このうち、83.3%が株券等のトレーディング損益、15.4%が債券等のトレーディング損益となっております。

③金融収支

金融収益は3億40百万円(前年同期比103.6%)、金融費用は1億57百万円(同122.6%)となり、金融収支は1億82百万円(同91.4%)の利益となりました。

④販売費・一般管理費

人件費及び、減価償却費の増加により、販売費・一般管理費は23億89百万円(前年同期比103.6%)となりました。

⑤営業外損益

営業外収益は投資有価証券配当金等により2億13百万円(前年同期比143.3%)となりました。一方、営業外費用は投資事業組合運用損等により10百万円(同100.0%)となり、営業外損益は2億3百万円の利益計上(同146.5%)となりました。

⑥特別損益

特別利益は投資有価証券の売却益等により1億74百万円(前年同期は3億7百万円)となりました。一方、特別損失は店舗等整備損等により12百万円(同0百万円)となり、特別損益は1億62百万円の利益計上(同3億7百万円の利益計上)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、52億59百万円のプラス(前年同期は16億72百万円のマイナス)となり、前年同期に比べ69億31百万円の増加となりました。これは主に、預り金の増加等によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、5億49百万円のマイナス(同35百万円のプラス)となり、前年同期に比べ5億84百万円の減少となりました。これは主に、定期預金での資金運用、投資有価証券取得等による支出の増加によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億0百万円のマイナス(同1億30百万円のマイナス)となり、前年同期に比べ69百万円の減少となりました。これは主に、配当金の支払いの増加等によるものです。

以上により、当中間会計期間末における現金及び現金同等物残高は、前中間会計期間末に比べ30億47百万円の増加、前事業年度末からは44億90百万円増加し、148億67百万円となりました。

(3) 財政状態の状況

①資産の部

流動資産は、前事業年度末に比べ30億72百万円増加し、638億71百万円となりました。これは、信用取引資産が35億28百万円の減少となりましたが、現金・預金が49億90百万円、預託金が16億69百万円増加したことなどによるものです。

 

固定資産は、前事業年度末に比べ5億81百万円増加し、98億92百万円となりました。これは、有形固定資産が1億65百万円、投資有価証券が4億31百万円増加したことなどによるものです。

以上の結果、総資産は、前事業年度末に比べ36億54百万円増加し、737億64百万円となりました。

②負債の部

流動負債は、前事業年度末に比べ31億4百万円増加し、517億4百万円となりました。これは、信用取引負債が22億65百万円の減少となりましたが、預り金が56億79百万円増加したことなどによるものです。

固定負債及び特別法上の準備金は、前事業年度末に比べ1百万円増加し、22億11百万円となりました。これは、退職給付引当金が83百万円の減少となりましたが、繰延税金負債が84百万円増加したことなどによるものです。

③純資産の部

純資産は、前事業年度末に比べ5億48百万円増加し、198億47百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が2億77百万円、利益剰余金が2億70百万円増加したことなどによるものです。

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 2(1)中間財務諸表 注記事項」に記載しております。

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の営業収入はリテール顧客のフロー収益に大きく依存しており、投資環境における不確実性の高まりによるリテール顧客の投資意欲の減退、模様眺めが続くと厳しい経営成績に陥る、市場連動性が高い収益構造を有しております。

安定的な収益計上を可能とする収益構造を構築するためには、お客さまの投資選好の変化を的確に捉え、ニーズに応じた最適な商品・アドバイスを提供し、お客さまとのリレーションシップを深めリテンションを強化することが重要と認識しております。

この課題認識を踏まえて、投資信託・保険商品販売促進・ポートフォリオ運用や相続・資産承継コンサル等の提案型セールスの推進・営業員へのiPad配備による情報提供力強化等により、収益源泉・収益機会の多様化と獲得強化に向けた施策を展開しております。

当中間会計期間の日本経済は、個人消費は緩やかな回復を見せておりますが、物価上昇圧力は継続しており購買力の改善にはまだ時間がかかるものと思われます。設備投資に関しては堅調さを見せ始めており、特に輸出・製造業関連での先行設備投資が好材料となっています。全体的には内需・消費の底上げや構造的な制約が依然と重い状況ですが、輸出・設備投資を中心に持ち直しの兆しが出始めております。世界経済は地政学リスクや米国の追加関税によるサプライチェーンの混乱と企業マインドの悪化、欧州における需要の低迷もあり、減速傾向にはありますが、横ばいの状況となりました。

株式市場においては、4月に米国の関税政策の影響を受けてリスク回避のムードが広がり急落しましたが、円安と堅調な企業業績により回復基調に転じ、6月以降はハイテク株や半導体関連株がけん引役となり上昇基調へと変化しました。その後、円安進行と米国株高、海外マネーの流入により、日経平均株価の9月末終値は44,932.63円となりました。

このような環境の中で当社はお客さま本位の業務運営への徹底した取組みを展開しつつ、的確な提案を行うため、改めて顧客ニーズをヒアリングする機会を増やして参りました。国内外株式関連業務のみならず、分散投資のメリットを享受していただくため投資信託や保険商品の提案も継続的に行い、顧客基盤の拡大を収益につなげる営業活動を展開しました。また、新たなビジネス領域の拡大を視野に富裕層のお客さまのお困りごとに真摯に向き合い、信頼を得ることで新たな資産導入を図るなど新たなスタイルでの営業基盤の拡充を図っております。

以上の結果、受入手数料20億23百万円(前年同期比105.1%)、トレーディング損益3億65百万円(同92.0%)、金融収益3億40百万円(同103.6%)となり、当社の当中間会計期間における営業収益は27億29百万円(同102.9%)となりました。純営業収益は25億71百万円と前年同期比49百万円の増益、経常利益は前年同期比30百万円の増益となり3億85百万円の黒字を計上する結果となりました。

 

②経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主要業務である委託売買業務、引受け・募集・売出し業務、投資信託販売業務はいずれも株式が中心であることから、収益状況が市場環境、とりわけ株式相場や個人投資家の動向に大きく左右される構造となっております。

また、収益基盤の強化を目的とし、米国株式を中心とした外国株式投資環境の整備強化により収益源泉・提案商品の多様化を推進してきたことにより、為替の動向及び国際情勢の変化も業績に影響を与える要因となっております。

さらに主要各国が経済活動の強化、活性化、インフレ抑制を展望する中で出口戦略としての量的・質的金融政策の引き締め等による、株式市場からの資金流出とこれに伴う株価変調の拡大・長期化も、当社の営業環境並びに業績に影響を与える場合があります。

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討結果並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社のキャッシュ・フローの主要な変動要因は、お客さまの信用取引の伸縮に伴う信用取引資産・負債の増減であり、日本証券金融株式会社からの信用取引借入金を中心として金融機関借入・有価証券担保借入金にて調達を行うとともに、金利収益の獲得を志向し自己資金を投入しております。また、お客さまの有価証券の購入・売却に伴う顧客預り金及び顧客分別金信託の増減変動も短期での当社資金繰りに大きな影響を与えます。この他、人件費・不動産関係費などの販売費及び一般管理費に係る支出があります。当社は、手元流動性資金の下限保有額を定めて監視するとともに、金融機関との間に当座貸越契約等を結び運転資金の十分な確保の体制を整えております。また、当社では週次及び日次で資金計画を策定し、資金管理の適正化と資金効率及び金融収支の改善に努めております。

当事業年度においても、耐用年数超過等に伴う設備機器等の入替えや顧客サービス向上のためのシステム開発等の設備投資について、軽微な支出及び計画があります。なお資本的支出に係る必要資金は、基本的に利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。