三菱UFJ証券ホールディングス株式会社

証券、商品先物取引業証券

売上高

利益

資産

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労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

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最終更新:

E03771 Japan GAAP

売上高

0.0 円

前期

4,928.1億 円

前期比

0.0%


3【事業の内容】

当社グループ(連結子会社9社、持分法適用関連会社1社)は、金融商品取引業を中心とする営業活動を各地域で展開し、主たる事業として投資・金融サービス業(有価証券の売買およびその委託の媒介等、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集および売出しの取扱い、有価証券の私募の取扱い、その他の金融商品取引業ならびに貸金業等)を営んでおり、お客さまに対し資金調達、資金運用の両面で幅広いサービスを提供しております。

その中で当社は、証券持株会社として傘下の事業会社各社のグループ間連携を推進しつつ、業態毎に経営資源の配分や業績の確認を行っております。したがって、当社グループは、業態・地域別のセグメントから構成されており、「証券業務(国内)」「証券業務(欧州)」「証券業務(米州)」を報告セグメントとしております。

なお、2016年7月1日付でMUFGセキュリティーズアメリカは当社の連結範囲から除外されておりますが、当社の社内収益管理は引き続き同社を含めて行うため、セグメント情報においては、「証券業務(米州)」での開示を継続しております。

同一の親会社をもつ会社である株式会社三菱UFJ銀行および三菱UFJ信託銀行株式会社と当社グループとの間には、資金貸借取引または有価証券の売買等の取引において継続的で緊密な事業上の関係があります。

以上述べた事項を系統図によって示すと次のとおりであります。

 

※画像省略しています。

24/06/24

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月24日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、トレーディング商品(デリバティブを含む)および投資についての評価、固定資産の減損、繰延税金資産についての回収可能性、退職給付費用および債務、貸付等債権に対する貸倒引当金、偶発事象や訴訟、その他資産・負債の報告数値や財務諸表の開示内容に影響を与える事項に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる判断や見積りを行っております。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、財政状態または経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積りおよび判断が必要となる項目は以下のとおりです。

 

トレーディング商品

 トレーディング商品(デリバティブを含む)は時価により評価され、評価損益はトレーディング損益に計上されております。時価については、市場で取引されているものについては、市場取引価格、業者間取引価格、またはこれらに準ずる価格等によっております。市場取引価格または業者間取引価格がない場合には、原金融資産の時間的価値とボラティリティ等を加味した時価評価モデル等によって算出されております。

 なお、時価の算定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。

 レベル1の時価:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価

 レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接または間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価

 レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価

 特に、時価算定の基礎となるインプットが市場で観察できず、その時価算定に与える影響が重要なデリバティブ(レベル3デリバティブ)の時価評価に係る見積りや仮定は、複雑性および不確実性の程度が高くなります。詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) 2.会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」に記載しております。当社グループでは、デリバティブ取引の時価評価における主要な構成要素である評価モデル、インプットおよび出口価格への調整の妥当性について、フロント部門から独立したミドル部門において以下の内部統制を整備運用し、適切であると考えております。

 イ.フロント部門が決定する評価モデルに対する内部統制

 ロ.フロント部門が決定する時価算定の基礎となるインプットに対する内部統制

 ハ.ミドル部門が自ら算定する出口価格への調整に関する内部統制

 なお、トレーディング商品の時価に関連する内容については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)」に記載しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績の認識および分析・検討内容

 当社グループでは、「MUFG Way」に基づいてお客さまに最適なソリューションをご提供するとともに、リスク管理、コンプライアンス、情報管理の徹底により、「MUFGの中核として業界No.1のクオリティを有し、お客さま満足度No.1の証券会社」としての地位の確立をめざしています。当社グループの財政状態、経営成績等は、証券・金融商品取引業の性格上、国内外の経済情勢・市場動向の影響を受けて変動し易い特性を持っており、当連結会計年度の経済情勢・市場動向は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経済情勢・市場動向」に記載のとおりですが、こうした中、当社グループは、MUFGグループの有する顧客基盤やネットワーク、および強固な財務基盤と、Morgan Stanleyが有する質の高い商品、サービス、ネットワークを有機的に結び付けることで、法人、個人のお客さまに質の高い証券サービスの提供に努めています。また、徹底した経費抑制施策の実行により利益水準の向上にも努力しております。

 

 この結果、当連結会計年度の連結純営業収益は3,905億37百万円(前年度比110.9%)、販売費・一般管理費は3,247億40百万円(同109.1%)、連結経常利益は1,021億93百万円(同120.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は487億17百万円(同108.7%)となりました。

 

 当連結会計年度の主要な収益・費用の概況は以下のとおりです。

① 受入手数料

区     分

   前連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

    (百万円)

   当連結会計年度

 (自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

    (百万円)

前年度比(%)

受入手数料

151,850

196,772

129.6

 

委託手数料

23,241

29,797

128.2

 

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

26,896

38,238

142.2

 

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

18,628

25,737

138.2

 

その他の受入手数料

83,085

102,999

124.0

   受入手数料の合計は1,967億72百万円で前年度比129.6%となりました。内訳は次のとおりです。

a.委託手数料

 当連結会計年度の東証の1日平均売買高(内国普通株合計)は、株数で21億91百万株(前年度比126.8%)、金額で4兆6,744億円(同133.0%)となりました。このような状況のもと、当社グループの株式委託手数料は289億41百万円(同129.1%)、債券委託手数料は該当なく(前年度は1百万円)、委託手数料は合計で297億97百万円(前年度比128.2%)となりました。

b.引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

 国内株式発行市場は、市場環境の良化を背景に複数の大型売出しや新規公開が実施され、前年度と比べ発行額は増加しました。当社グループはこのような環境のもと、複数の案件で主幹事をつとめました。

 国内債券発行市場は、日本銀行の金融緩和政策の修正観測による前倒し起債に加え、ESG債や金融機関債を中心に多数の起債が見られ、前年度と比べ発行額は増加しました。当社グループはこのような環境のもと、多数の案件で主幹事をつとめました。

 海外債券発行市場は、利上げや地政学リスク等の逆風はありましたがボラティリティは前年度に比べ低下し、債券発行額は前年度を上回る水準となりました。当社グループの海外現地法人は、株式会社三菱UFJ銀行との緊密な協働・連携により、多数の主幹事案件を獲得しました。

 以上の結果、当連結会計年度の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は合計で382億38百万円(前年度比142.2%)となりました。

c.募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、その大半を連結子会社の三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「MUMSS」といいます。)における投資信託の募集取扱手数料が占めています。

 当社グループは、マーケット環境の見通しをもとに、運用目的に基づいたテーラーメイド型のポートフォリオの構築をお客さま毎に提案し、商品・サービスの提供を行っております。当連結会計年度は、強い経済環境を背景とした相場の好調もあり、公募投資信託の販売が前年度と比べ増加し、募集取扱手数料は前年度比増加しました。「イーストスプリング・インド消費関連ファンド」「フィデリティグロースオポチュニティファンド」などの株式戦略、「マッコーリーグローバル・インフラ債券ファンド」などの債券戦略を基にした既存ファンドの販売が伸びるなど、アセットクラスを跨いだ複数の商品がバランスよくお客さまのポートフォリオに組み込まれました。また、日本株中小型割安株戦略である「イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド」、為替ヘッジを行わず投資適格債を中心に投資する限定追加型投信「GS米ドル建社債ターゲット2309H無・限定追加・償還条項付」などの新規ファンドの募集も複数行いました。

 以上の結果、当連結会計年度の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は257億37百万円(前年度比138.2%)となりました。

d.その他の受入手数料

 その他の受入手数料には、投資信託の代行手数料のほかに、M&A業務および財務アドバイザリー業務にかかる手数料、証券化・不動産ファイナンス業務などを含んでおります。M&A業務では、MUFGとMorgan Stanleyが有する国内外ネットワークや、プロダクトに関する豊富な知見・経験の活用を通じ、国内/クロスボーダーを問わず多くの実績を積み重ね、お客さまの企業価値向上に貢献いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度のその他の受入手数料は1,029億99百万円(前年度比124.0%)となりました。

② トレーディング損益および金融収支

区     分

   前連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

    (百万円)

   当連結会計年度

 (自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

    (百万円)

前年度比(%)

トレーディング損益

182,567

136,190

74.6

 

株券等トレーディング損益

△9,883

△12,508

 

債券等・その他トレーディング損益

192,450

148,699

77.3

金融収支

17,835

57,569

322.8

 

金融収益

158,384

379,667

239.7

 

金融費用

140,549

322,098

229.2

200,402

193,760

96.7

 国内株式市場は、28,203円でスタートした日経平均株価が40,369円で終了しました。金融緩和が続く中、2023年7月には33年ぶりの高値を記録しました。その後は米国長期金利の上昇や米国株価の下落基調などを受けて下落に転じ、10月にかけて水準を下げました。11月に入ると、米国の利上げ局面が終了したとの見方から米国株価が上昇したことなどを受け、株価は上昇基調に転じました。さらに企業収益拡大の継続や海外投資家の買い越しなどもあり、バブル崩壊後の高値を更新し続け、2024年2月には、1989年につけた史上最高値を更新し、3月には初めて4万円台を記録しました。

 国内債券市場は、長期金利(新発10年物国債利回り)が0.33%で始まり0.73%で終了しました。当初は横ばい圏で推移しましたが、2023年7、10月に日本銀行が長短金利操作の柔軟化を決定し、それぞれ長期金利が0.5%、1.0%を上回ることを容認したことなどを背景に長期金利は上昇基調となり、11月には10年5カ月ぶりの高水準を記録しました。その後、米国の利上げ終了との見方が強まり、米国長期金利が水準を下げたことなどを受け、低下基調に転じました。2024年に入ると、日本銀行のマイナス金利政策の早期解除の観測が強まって上昇基調に転じ、3月中旬にかけて水準を切り上げました。3月中旬には日本銀行がマイナス金利政策解除を決定しましたが、緩和的な金融環境が続くとの見方から、その後はやや水準を下げて終わりました。また、クレジット市場では、クレジットスプレッドが縮小しました。

 海外市場(1~12月)では、3月の米地銀破綻・Credit Suisse危機を受け一時的な金利低下・クレジットスプレッド拡大があったものの、米国のインフレ加速や賃金上昇のトレンドが強く、10年物米国債利回りは年初の3.5%から5.0%近辺まで上昇しましたが、年末にかけてはインフレの鈍化や利下げが意識され3.0%後半まで低下しました。クレジットスプレッドは上下しながらも年末にかけて大幅に縮小しました。

 このような環境のもと、当社グループは、市場変動に応じた慎重かつリスク抑制的な業務運営に注力しつつ、顧客へのソリューション提供に努めました。

 以上の結果、当連結会計年度のトレーディング損益は、株券等による損失が125億8百万円(前年度は98億83百万円の損失)、債券等・その他による利益が1,486億99百万円(前年度比77.3%)、合計では1,361億90百万円(同74.6%)となりました。

 また、金融収益3,796億67百万円(前年度比239.7%)から金融費用3,220億98百万円(同229.2%)を差し引いた金融収支は、575億69百万円の利益(同322.8%)となりました。

 トレーディング損益と金融収支は合計で1,937億60百万円(同96.7%)となりました。

③ 販売費・一般管理費

 国内拠点では、固定費の抑制運営を継続しておりますが、業績に連動して人件費が増加しました。海外拠点でも、為替影響に加え、収益連動手数料や人件費が増加しました。この結果、当連結会計年度の販売費・一般管理費は3,247億40百万円(前年度比109.1%)となりました。

 

④ 特別損益

 当連結会計年度の特別利益は56百万円(前年度は11億91百万円)、特別損失は24億5百万円(前年度は27億48百万円)となりました。特別利益は投資有価証券売却益56百万円であります。特別損失のうち主なものは、事業構造改善費用17億66百万円、金融商品取引責任準備金繰入れ3億99百万円であります。

 

 当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりであります。

 

「証券業務(国内)」

 国内では、全業務で収益・利益ともに増加しました。国内営業においては、好調な相場環境からお客さまの投資意欲が上向き、株式売買の増加に加え、ポートフォリオ提案に基づく株式投信の組み入れも増加しました。また、アドバイザリー型ビジネスモデルの浸透により預かり資産残高も順調に積み上がりました。グローバルマーケッツ業務においては、フィクストインカム業務が堅調に推移したことに加え、株式市況の好調を背景とした顧客フロー取込みによりエクイティ業務が伸長し、ソリューション業務では大型案件の成約が業績に寄与しました。インベストメントバンキング業務においては、発行市場環境の回復や、複数のM&A案件・証券化案件の成約がありました。

 この結果、当連結会計年度における証券業務(国内)の純営業収益は3,107億95百万円(前年度比111.6%)、セグメント利益は571億8百万円(同145.6%)となりました。

 

「証券業務(欧州)」

 欧州では、インベストメントバンキング業務において、発行市場の回復により債券引受が復調しました。グローバルマーケッツ業務においては、クレジットの回復、大口のデリバティブ案件成約等により、収益は増加しました。なお、業績連動による取引関係費や事務委託費の増加で利益は減少しました。

 この結果、当連結会計年度における証券業務(欧州)の純営業収益は767億74百万円(前年度比111.3%)、セグメント利益は40億46百万円(同53.5%)となりました。

 

「証券業務(米州)」

 米州では、インベストメントバンキング業務において、発行市場回復により債券引受が復調しました。グローバルマーケッツ業務においては、クレジットやMBS等の回復により、収益・利益ともに増加しました。

 この結果、当連結会計年度における証券業務(米州)の純営業収益は1,073億26百万円(前年度比164.0%)、セグメント利益は134億11百万円(前年度は1億71百万円の損失)となりました。

 

「その他」

 持株会社において営業外収益で計上される子会社からの受取配当金の増加等により、セグメント利益は増加しました。

 この結果、当連結会計年度におけるその他の純営業収益は319億71百万円(前年度比94.9%)、セグメント利益は1,105億87百万円(同165.3%)となりました。

 

 なお、上記のセグメント別純営業収益には、セグメント間の内部純営業収益または振替高が含まれております。

 

 

(3) 財政状態の分析

 当連結会計年度末における総資産は38兆1,176億91百万円(前年度末比5兆6,584億65百万円増)となりました。内訳は流動資産が37兆4,582億94百万円(同5兆6,581億53百万円増)であり、このうちトレーディング商品が14兆4,506億18百万円(同2兆5,136億59百万円増)、有価証券担保貸付金が17兆4,169億31百万円(同3兆4,624億70百万円増)となっております。固定資産は6,593億96百万円(同3億12百万円増)となっております。

 負債合計は、37兆104億35百万円(同5兆5,917億61百万円増)となりました。内訳は流動負債が35兆2,451億65百万円(同5兆7,360億7百万円増)であり、このうちトレーディング商品が13兆9,854億9百万円(同1兆5,727億54百万円増)、有価証券担保借入金が12兆2,571億30百万円(同3兆7,049億86百万円増)となっております。固定負債は1兆7,602億11百万円(同1,446億45百万円減)となっております。

 純資産合計は1兆1,072億55百万円(同667億3百万円増)となりました。うち、利益剰余金は配当金支払いによる231億63百万円の減少および親会社株主に帰属する当期純利益による487億17百万円の増加の結果、2,578億89百万円(同255億54百万円増)となっております。また、為替換算調整勘定は444億97百万円(同391億24百万円増)となっております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、長期借入れによる収入および利息及び配当金の受取りによる収入等があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出および社債の償還による支出等により、前年度比3,923億61百万円の資金の減少となり、当連結会計年度末の資金残高は2兆4,678億82百万円(前年度比86.3%)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、3,484億15百万円(前年度比40.4%)となりました。これは主に、利息及び配当金の受取りによる収入4,153億82百万円があったものの、トレーディング商品の差引残高の増加による支出1兆295億64百万円があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、109億7百万円(前年度は992億27百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出759億56百万円があったものの、投資有価証券の売却及び償還による収入813億23百万円および有価証券の売却及び償還による収入384億35百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、1,396億46百万円(前年度は1兆6,129億57百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,188億36百万円および社債の発行による収入1,660億1百万円があったものの、社債の償還による支出6,312億83百万円および長期借入金の返済による支出2,842億68百万円があったこと等によるものであります。

 

(5) 資本の財源および資金の流動性に係る情報

① 資本の財源

 当社グループは、MUFGグループの一員として、有価証券の売買および売買等の委託の媒介・取次ぎ・代理、有価証券の引受けおよび売出し、有価証券の募集・売出しの取扱いおよび私募の取扱い、各種デリバティブ取引、M&Aや資産の証券化等に係るアドバイス、投資顧問業、ウェルスマネジメント業務等の幅広い投資・金融サービスを展開しており、当該業務を営む上で充分な資本を確保する必要があります。

 当社グループの財務計画・事業戦略の策定・実施に当たっては、業務運営上のリスクに見合った適正な資本水準の設定・維持に努めており、加えて市場の急激な変動によりもたらされ得る大きな損失にも耐えることができる必要充分な資本水準が維持されるかについても、定期的に確認しております。また、当社グループは、国内外で投資・金融サービス業務を行っており、各国・地域における法規制上必要な資本も維持しなければなりません。

 

② 資金調達の基本方針

 当社グループは、主たる事業として投資・金融サービス業を営んでおり、事業を継続する上で必要な流動性を十分かつ効率的に確保することを資金調達の基本方針としております。

 財務の安定性という観点では、環境が大きく変動した場合においても、業務の継続に支障をきたすことのないよう、平時から十分な資金を確保するよう努めております。また、資金流動性の危機事象発生を想定したストレステストを実施することで、そのような環境が一定期間以上継続した場合でも資金流動性が枯渇しないだけの資金量を確保しております。なお、資金流動性リスク管理の状況については、「3 事業等のリスク (2) 大幅な市場変動に伴うリスク ④ 流動性リスク」をあわせてご参照ください。

 当社グループでは、グループ全体での拠点横断・統合的な資金流動性管理を行うため、グループ主要各社共通の基本方針を定め、各社が当該方針および各国・地域の規制等に則った管理を行うと共に、当社においてもグループ全体の資金繰り状況のモニタリングを行っております。また、資金調達においては、主要各社自身による資金調達に加えて当社を中心とした資金調達・供給体制を整備することで、各社の資金繰り状況に応じた機動的な流動性供給を行っております。

 

③ 資金調達の方法および状況

 当社グループの資金調達手段には、社債、ミディアム・ターム・ノート、親会社である株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループや株式会社三菱UFJ銀行を含む金融機関からの借入、短期社債、コールマネー等の無担保調達および貸借取引等の有担保調達があります。これらの多様な調達手段を適切に組み合わせることにより、仮に資金流動性の危機事象が発生した場合でも業務を継続するための十分な資金を確保しております。

 

④ 資金需要の動向

 当社グループが投資・金融サービス業を営むうえでは、トレーディング業務等における商品在庫確保などのために資金需要が発生しますが、資金需要の総量はマーケット環境や顧客動向によって変動します。そのため、当社グループではグループ主要各社共通の基本方針に従い、発生する無担保資金需要の総額を各社の調達力の範囲内に抑えることを目的に、無担保資金需要の総量枠を各社にて設定しております。また、当社および各子会社にて資金需要の状況を日次でモニタリングし、資金需要の総量に見合った資金調達を行っております。