E04119 Japan GAAP
前期
2.11億 円
前期比
202.9%
経営組織図
索道業
索道路線は広島県廿日市市宮島町紅葉谷公園奥地標高約60米の地点紅葉谷駅を起点とし、南方約1,100米、標高約350米の地点榧谷駅までの第一区間を8人乗り客車22両を60秒間隔で運行する複線循環式普通索道と、更に榧谷駅から南方約530米、標高435米の地点獅子岩駅までの第二区間を30人乗り客車2両を15分間隔で運行する複線交走式普通索道により観光客の輸送を行い、その付帯事業として獅子岩駅に売店等を設置し、経営を行っております。
事業の系統図
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限等の緩和や「ウィズコロナ」が定着したことにより景気に持ち直しの動きが見られるものの、 ロシア・ウクライナ紛争の長期化による資源価格の高止まりや物価高騰に加え、アメリカに端を発した金融不安による景気後退の懸念から、先行き不透明な状況で推移しました。
このような情勢のもと、政府による旅行支援の実施や海外からの入国制限の規制が緩和されたことに加え、嚴島神社大鳥居の「令和の大改修」が完了した12月以降の宮島への来島者が堅調に推移したことから、当事業年度の来島者は3,446千人(前年同期比176.0%)となりました。
当社におきましては、宮島ロープウエー施設内の定期的な抗菌処理の実施や、Web予約を活用し、「密」を避ける対策を実施するなど、お客様が安心して施設を利用していただける環境作りを継続するとともに、宮島弥山空海生誕1250年記念事業に協賛し、スマホで宮島スタンプラリーや弥山清掃登山を開催し集客に努めました。また、暑さ対策として紅葉谷駅乗降場に空調機を増設し、快適性の向上に努めました。
輸送の安全確保の施策としましては、お客様に安心して利用していただける施設にするための安全点検・整備を確実に行うとともに、紅葉谷線の鉄塔の補強実施に向けた実施設計を行い、将来に向けた安全対策にも取り組みました。
この結果、当事業年度の営業成績を前事業年度と比較いたしますと、乗車人員は前事業年度比94.0%増で、245千人増の505千人となりました。営業収益は、前事業年度比102.9%増で、217,313千円増の428,528千円となりました。営業損益は、前事業年度の営業損失183,235千円に対し、35,537千円の営業利益となりました。経常損益は、前事業年度の経常損失176,666千円に対し、38,993千円の経常利益となりました。当期純損益は、前事業年度の当期純損失127,505千円に対し、37,317千円の当期純利益となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、214,111千円であり、前年同期に比べ52,934千円の増加となっております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、入国制限や新型コロナウイルスの影響による行動規制の緩和により、インバウンドや国内旅行需要の回復および嚴島神社の大鳥居の改修が完了したことで来島者が回復し、営業収入が増加したことにより、36,862千円の資金増(前年同期は82,081千円の資金減)となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度に購入した紅葉谷線握索機等の有形固定資産の取得に46,100千円支出しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による資金の流失に備え、広島電鉄のキャッシュ・マネジメント・サービスに貸し付けている資金の一部を回収したことや、投資有価証券の売却収入等により、16,071千円の資金増(前年同期は14,577千円の資金減)となりました。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたり経営者は、決算日における資産・負債及び有価証券報告書提出日までの期間における収益・費用の報告数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの数値は特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
宮島ロープウエー
(注) 第1区間循環式索道と第2区間交走式索道は乗り継ぎとなっており、第1区間のみ又は第2区間のみ輸送することはありません。
該当事項はありません。
宮島ロープウエー
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
流動負債は158,329千円で、前年同期と比べ24,601千円の減少となりました。これは主に、紅葉谷線握索機の購入代金を支払ったことによるものであります。
固定負債は109,233千円で、前年同期と比べ89,818千円の減少となりました。これは主に、長期借入金のうち、1年以内に返済期限が到来する部分を、1年内返済予定の長期借入金へ振り替えたことによるものであります。
純資産は1,217,869千円で、前年同期と比べ32,787千円の増加となりました。これは主に、当期純利益37,317千円を計上したことによるものであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当事業年度の経営成績の業績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、運輸収入の殆どが現金であるため、手許資金はほぼ安定しております。一方、資金需要については、索道事業の運営に係る労務費、経費、販売費、一般管理費等、営業に必要な運転資金、次に設備維持のための部品購入や投資資金であります。また、当社の財務状態といたしましては、当事業年度末における自己資本比率は81.99%であり、健全な財務状態であると認識しており、今後も計画的な設備投資が行える状況と認識しております。なお、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金により賄うことを基本としておりますが、新型コロナウイルスの影響による資金の流失に備えるため、今後も新型コロナウイルス感染症に関する融資制度等を積極的に活用し、運転資金の確保を行ってまいります。