E04262 Japan GAAP
前期
436.7億 円
前期比
126.7%
当社グループ(当社、連結子会社14社及び持分法適用会社2社により構成)においては、海運業・貨物運送事業・石油製品販売業・ホテル業・その他事業の5部門に関係する事業を主として行っており、各事業における当社グループの位置付け等は次のとおりであります。
なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1) 海運業
定期航路は、当社グループの主体事業であり、国内定期航路(フェリー事業)として日本海及び太平洋において一般旅客、自動車の海上輸送を展開しています。その航路は大型カーフェリー10隻によって小樽-舞鶴航路、苫小牧-敦賀航路、小樽-新潟航路、苫小牧-秋田-新潟-敦賀航路、新門司-横須賀航路であり、各航路ともデイリー体制で展開し、顧客の利便性に供しております。また、国際定期航路において山口県下関港と中国太倉港(蘇州)との間で海上輸送を展開している船舶を保有し、傭船しております。
不定期航路(客船事業)は、大型クルーズ客船を運航し、日本国内のクルーズに留まらずハワイ、カリブ、アラスカクルーズ等グローバルな展開を行っております。
[主な関係会社]
新協和商事㈱・フェリーサービス㈱・日本クルーズ客船㈱・UTOPIA SHIPPING,S.A.・蘇州下関フェリー㈱・
東京九州フェリー㈱
(2) 貨物運送事業
定期航路(フェリー事業)と連携する事業として貨物利用運送事業、一般貨物自動車運送事業を行っております。
[主な関係会社]
マリネックス㈱・ノーザントランスポートサービス㈱・マリネックストランスポートサービス㈱・
シートランス㈱・北海サンユー㈱・㈱ロードリーム・㈱北高商運
(3) 石油製品販売業
主に船舶燃料と自動車燃料の販売を行っております。
[主な関係会社]
新協和商事㈱
(4) ホテル業
オーセントホテル小樽(北海道小樽市)及び楽 水山(北海道虻田郡)のホテル事業を行っております。
[主な関係会社]
オーセントホテルズ㈱
(5) その他
定期航路(フェリー事業)と連携する事業として倉庫業等を行っており、その他に不動産賃貸業等を行っております。
[主な関係会社]
新協和商事㈱・協和ロジスティクス㈱・万利寧(南通)国際物流有限公司
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が解除され、社会の新たなフェーズへの移行が進み、経済活動が概ね平常に戻ると共に個人消費や民間設備投資を主に緩やかに持ち直してきました。北海道におきましても公共投資は減少しましたが、同様に設備投資の他、道内外からの観光需要の増加に加え、下半期に入り水際対策が緩和されたことによりインバウンドによる需要も大幅に増えたため、サービス消費を中心とする個人消費の持ち直しにより回復基調で推移いたしました。
経営成績については、当連結会計年度の連結売上高は55,356百万円(前年同期比26.7%増)となり、営業利益は3,987百万円(前年同期比67.3%増)、経常利益は2,461百万円(前年同期比63.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,115百万円(前年同期比7.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(海運業)
当社の旅客、乗用車部門の輸送実績は、団体客の回復は遅れたものの、一般旅客は全国的な観光支援策の復活もあり、小樽―舞鶴航路を始めすべての航路において前年同期に比べ大幅に増加し、航路全体では旅客部門160%、乗用車部門155%となりました。片や貨物車部門の輸送実績は、苫小牧―敦賀航路が航海数の増加もあり雑貨、車両部品の他、生乳や牛乳の輸送が堅調に推移し、前年同期に比べ106%となり、小樽―新潟航路も農産品や飲料の輸送需要が強まり105%と前年同期の輸送量を上回りました。しかし、小樽―舞鶴航路は航海数の減少により雑貨や冷凍食品が大きく前年を下回り84%となり、同様に苫小牧―秋田―新潟―敦賀航路も一部農産品や日用品の減少により95%となり、航路全体でも配船繰りによる航海数の減少が影響し、前年同期の輸送量を下回りました。
他方、クルーズ客船部門は、下半期もショートクルーズを主に催行しましたが、好評であった小笠原や日本一周クルーズもコロナ禍が払拭されないため集客状況は芳しくなく、予定通り本年1月4日神戸港着のクルーズをもって当事業を終えました。
以上の結果、当部門の売上高は29,265百万円(前年同期比24.0%増)、営業利益は4,202百万円(前年同期比40.2%増)となりました。
(貨物運送事業)
定期航路を利用した当部門は車両を積極的に拡充し、顧客のニーズに応え、売上高は24,522百万円(前年同期比29.3%増)、営業利益は200百万円(前年同期は営業利益0百万円)となりました。
(石油製品販売業)
船舶燃料等を販売している当部門の売上高は52百万円(前年同期比108.0%増)、営業損失は11百万円(前年同期は営業損失15百万円)となりました。
(ホテル業)
オーセントホテル小樽及び楽水山の経営を行っている当部門の売上高は926百万円(前年同期比139.3%増)、営業損失は464百万円(前年同期は営業損失718百万円)となりました。
(その他)
不動産収入等の売上高は590百万円(前年同期比15.7%減)、営業利益は29百万円(前年同期比68.6%減)となりました。
財政状態については、当連結会計年度末の資産の部は98,816百万円と前連結会計年度末に比べ3,266百万円減少しております。これは主に、現金及び預金の増加並びに減価償却による固定資産減少によるものであります。当連結会計年度末の負債の部は86,299百万円と前連結会計年度末に比べ3,131百万円減少しております。これは主に長期借入金の返済による減少であります。当連結会計年度末の純資産の部は12,517百万円と前連結会計年度末に比べ135百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の減少及び繰越ヘッジ損益の減少によるものであります。
セグメントごとの財政状態は次のとおりであります。
(海運業)
当連結会計年度末のセグメント資産は76,149百万円(前連結会計年度末77,494百万円)となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な内容は、減価償却による固定資産減少によるものであります。
(貨物運送事業)
当連結会計年度末のセグメント資産は13,633百万円(前連結会計年度末14,705百万円)となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な内容は、未収運賃の減少によるものであります。
(石油製品販売業)
当連結会計年度末のセグメント資産は3,195百万円(前連結会計年度3,805百万円)となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な内容は、売掛金の減少によるものであります。
(ホテル業)
当連結会計年度末のセグメント資産は5,811百万円(前連結会計年度5,259百万円)となりました。前連結会計年度末と比較し増加した主な内容は、当初から計画していたホテル客室改装工事への投資によるものであります。
(その他)
当連結会計年度末のセグメント資産は1,820百万円(前連結会計年度2,002百万円)となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な内容は、減価償却による固定資産減少によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,342百万円と前連結会計年度末に比べ2,495百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、税金等調整前当期純利益2,451百万円、減価償却費6,061百万円、売上債権の増減額909百万円等により11,144百万円(前年同期比87.3%増)となりました。これは、経営成績の状況に記載のとおり税金等調整前当期純利益の影響及び通常の営業活動に伴う資産負債等の増減によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,197百万円(前年同期比63.8%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は6,453百万円(前年同期は1,596百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものであります。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える相手先は該当ありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載したとおりであります。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、輸送等に関連する運転資金及び船舶や運送車両等の設備投資資金を自己資金または金融機関からの借入による調達により行うこととしているほか、貨物運送事業における車両に関しましてはリース等を活用しております。
借入等の資金調達にあたっては、安定的な資金調達と資金調達コストの低減の両立を目指して交渉することとしております。当連結会計年度においては、長期借入金により運転資金を調達いたしました。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務等の有利子負債の残高は68,419百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,342百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる事項については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えられる事項は以下のとおりであります。
なお、将来の見通しに関する記述については、現在入手可能な情報や過去の実績等に基づき合理的に作成していますが、実際の業績・結果は見積りと異なる場合があります。
・投資有価証券、長期貸付金の評価
投資先の過去の業績推移及び将来の事業計画、キャッシュ・フローの状況等の検討により、投資評価に係る減損損失の計上や長期貸付金の回収可能性を検討し、貸倒引当金の計上の要否を検討しております。
・退職給付に係る負債及び退職給付費用の計上
従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率等の要素が含まれております。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。
・固定資産の減損会計
固定資産の減損会計について、各事業の資産のグルーピングに基づき、過去の業績推移及び将来の事業計画、キャッシュ・フローの状況等の検討により、減損損失の要否を検討しております。