売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

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労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E04370 Japan GAAP

売上高

1.17兆 円

前期

1.11兆 円

前期比

105.4%

 

3 【事業の内容】

当社及び関係会社(子会社24社及び関連会社7社(令和7年3月31日現在))は、高速道路事業、受託事業、道路休憩所事業、その他の4部門に関係する事業を行っており、各事業における当社及び関係会社の位置付け等は、次のとおりです。

なお、次の4部門は、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  (セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。

(1) 高速道路事業

高速道路事業においては、東日本地域の1都1道15県(注)1において、平成18年3月31日に当社が独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」といいます。)と締結した「高速自動車国道北海道縦貫自動車道函館名寄線等に関する協定」(その後の変更を含み、以下「協定」といいます。)、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)(以下「特措法」といいます。)第3条の規定による許可及び同法第4条の規定に基づき、高速道路(注)2の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行っており、また、同法第9条の規定に基づき、当該高速道路の道路管理者の権限の一部を代行しております。

当事業において、以下の業務については、当社が関係会社に委託しております。

料金収受業務

(連結子会社)
㈱ネクスコ・トール東北、㈱ネクスコ・トール関東、㈱ネクスコ・トール北関東、㈱ネクスコ・サポート北海道、㈱ネクスコ・サポート新潟

 

(持分法適用関連会社)
東京湾横断道路㈱

保全点検業務

(連結子会社)
㈱ネクスコ・エンジニアリング北海道、㈱ネクスコ・エンジニアリング東北、㈱ネクスコ東日本エンジニアリング、㈱ネクスコ・エンジニアリング新潟

(持分法適用関連会社)
東京湾横断道路㈱

維持修繕業務

(連結子会社)
㈱ネクスコ・メンテナンス北海道、㈱ネクスコ・メンテナンス東北、㈱ネクスコ・メンテナンス関東、㈱ネクスコ・メンテナンス新潟、㈱関東エリアクリーン

 

(持分法適用関連会社)
東京湾横断道路㈱

交通管理業務

(連結子会社)
㈱ネクスコ・パトロール東北、㈱ネクスコ・パトロール関東、㈱ネクスコ・サポート北海道、㈱ネクスコ・サポート新潟

 

(持分法適用関連会社)
東京湾横断道路㈱

その他業務(注)3

(連結子会社)
㈱ネクスコ東日本トラスティ

 

(持分法適用関連会社)
㈱NEXCOシステムソリューションズ、高速道路トールテクノロジー㈱、㈱高速道路総合技術研究所

 

(注) 1.北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県及び長野県(東京都、神奈川県、富山県及び長野県は一部区域)

2.高速道路会社法第2条第2項に規定する高速道路をいいます。

3.用地調査管理、財産整理及び道路敷地管理等、有料道路の通行料金及び交通量等の電子計算、料金収受機械の保守・点検・整備・保全等並びに高速道路技術に関する調査・研究及び技術開発の業務を行っております。

 

(2) 受託事業

受託事業においては、高速道路会社法第5条第4項の規定に従い、国、地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等で、経済性、効率性等から当社が行う事業と一体として実施することが適当と認められる工事等を当社が行っております。

 

(3) 道路休憩所事業

道路休憩所事業においては、高速道路の休憩所、給油所等の建設及び管理等を行っております。

当社グループの管理するSA・PA329箇所のうち、商業施設を所有している190箇所については㈱ネクスコ東日本エリアトラクト(連結子会社)(注1)が、一般国道409号(東京湾横断・木更津東金道路)の海ほたるPAについては東京湾横断道路㈱(持分法適用関連会社)が、それぞれ商業施設の管理運営を行っております。また、SA・PAの直営店舗運営業務については㈱ネクスコ東日本リテイル(連結子会社)が、商業施設の管理点検業務及びコンシェルジェ業務については㈱ネクスコ東日本エリアサポート(連結子会社)が、商業施設における配送・共同仕入れ等の業務については㈱ネクスコ東日本ロジテム(連結子会社)が、飲食店舗運営業務については㈱ネクスコ東日本シティフード(連結子会社)(注1)が行っております。

 

(4) その他

その他においては、カード事業、WEB事業、駐車場事業、占用施設活用事業、トラックターミナル事業及び海外事業等を実施しております。

このうち、カード事業については、ETC機能、クレジット機能及び電子マネー決済機能を搭載した「E-NEXCO pass」の発行を当社が行っております。また、WEB事業については、料金検索システム及びSA・PA情報の提供等を当社及び㈱ネクスコ東日本イノベーション&コミュニケーションズ(連結子会社)が行っております。駐車場事業については、日比谷自動車駐車場の管理運営を、占用施設活用事業については、高速道路の高架下の占用施設を活用した事業を、当社並びにその一部業務を委託した㈱ネクスコ東日本エリアサポート(連結子会社)及び㈱ネクスコ東日本トラスティ(連結子会社)が行っております。トラックターミナル事業については、東北高速道路ターミナル㈱(持分法適用関連会社)が仙台南(宮城県名取市)及び郡山(福島県郡山市)の2箇所におけるトラックターミナルの管理運営を行っております。海外事業については、インドにおいて有料道路運営事業に当社が参画しています。また、インド現地法人であるE-NEXCO INDIA PRIVATE LIMITED(連結子会社)では、インドにおける技術支援業務の一環として路面性状測定業務を実施しております。日本高速道路インターナショナル(株)(持分法適用関連会社)では、海外における道路事業に関する調査等の業務を行っております。

その他、㈱ネクスコ東日本イノベーション&コミュニケーションズ(連結子会社)がスマートメンテナンスハイウェイ(以下「SMH」といいます。)(注2)関連技術や情報基盤高度化技術の調査研究・開発及びそれらの成果について内部活用の展開支援・外販等の業務を行っております。また、㈱NEXCO保険サービス(持分法適用関連会社)が損害保険及び生命保険の代理店業務を行っております。

 

(注) 1.令和6年6月26日にネクセリア東日本㈱が㈱ネクスコ東日本エリアトラクトに、㈱ネクセリア・シティフードが㈱ネクスコ東日本シティフードに商号変更しています。

   2.長期的な道路インフラの安全・安心の確保に向け、ICT(Information and Communication Technology)の導入や機械化等を 行い、これらが技術者と融合した総合的なメンテナンス体制を構築し、維持管理・更新の効率化や高度化を図るものです。

 

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

※画像省略しています。

(注) 1.◎は連結子会社、○は持分法適用関連会社、△は関連当事者を示しております。

     2.機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が、特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。

 

 

※画像省略しています。
25/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1 経営成績等の状況の概要

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度において日本では、企業収益や雇用・所得環境が改善する中、物価上昇等の影響により個人消費に一部足踏みがみられたものの、実質GDPが通年でプラス成長するなど、景気の緩やかな回復が続きました。

このような経営環境の中、当社グループでは、高速道路事業においては交通量及び料金収入が、道路休憩所事業においてはSA・PAの売上高が、いずれも4期連続で前連結会計年度を上回りました。交通量及びSA・PAの売上高は、過去最高となっています。

当連結会計年度の営業収益は1,171,883百万円(前期比5.4%増)、営業利益が3,193百万円(前期比42.7%)、経常利益が6,877百万円(前期比24.0%)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5,829百万円(前期比33.3%)となりました。

 

Ⅰ 高速道路事業

 当連結会計年度末現在、当社が管理する高速道路の延長は計44道路3,943㎞であり、当連結会計年度における通行台数は302万台/日です。安全で快適な走行環境を確保するため、道路機能の向上、清掃や点検、道路の補修等の管理を適正かつ効率的に行っています。また、高速道路ネットワークの早期整備に向け、高速道路の新設及び改築に取り組んでおります。

 

(災害への対応)

 近年頻発している自然災害に的確に対応し、「命の道」として災害救助や被災地域の復旧・復興支援のために交通路を確保することは、当社グループの大きな使命です。

 集中降雪に対しては、「人命を最優先に、幹線道路上での大規模な車両滞留を徹底的に回避すること」を基本的な考え方として、集中的な除雪による通行止めの早期解除を目指し、関係機関と連携した躊躇のない予防的通行止めを実施しております。当連結会計年度は、北海道の道東地方、青森県、新潟県、福島県の会津地方等で記録的な大雪となるなど、降雪量が多かったことから、管内の幅広い地域で9回の予防的通行止めを実施し、大規模な車両滞留を回避しました。

 予防的通行止めついては、令和6年2月に首都圏で初となる大規模な範囲での予防的通行止めを実施した際、事前広報の効果に課題があったことを踏まえ、よりお客さまの行動変容につながる呼びかけを行いました。具体的には、大雪が予想される地域と時期を3日前から当社ホームページで事前広報し、またSNSを活用して直接お客さまに情報をお届けしました。今後も、お客さまの更なる理解醸成や行動変容につながる広報を行ってまいります。

 

(新設・改築事業)

 道路建設事業においては、新設では計5道路85㎞の区間で、4車線化等では計11道路247㎞の区間で、着実に事業を進めております。当連結会計年度では、首都圏中央連絡自動車道(幸手IC~五霞IC)の4kmが4車線になりました。

 スマートインターチェンジ(以下「スマートIC」といいます。)事業においては、令和6年9月6日に、スマートIC2箇所の整備について国土交通大臣から許可を受け、計23箇所で事業を実施しております。当連結会計年度では、首都圏中央連絡自動車道のつくば西スマートICが開通しました。

 

(道路構造物の老朽化・劣化への対応)

 高速道路の老朽化対策は、安全・安心を次の世代へ引き継ぐためのものです。法令に基づき、道路構造物を5年に1回、近接目視等により点検し、その結果を基に、補修・補強等の必要な措置を適切に行っております。

 平成27年度からは、大規模更新・修繕事業(高速道路リニューアルプロジェクト) も実施しています。当連結会計年度においては、35橋の床版取替工事等に着手しました。これに加えて、令和6年1月に策定した「高速道路の更新計画」に基づく工事についても、渋滞等の社会的影響の最小化を図りながら進めてまいります。

 このほか、道路構造物の劣化に多大な影響を与えるだけでなく、重大な交通事故を惹起するおそれのある車両制限令違反車両の排除にも取り組んでいます。車両重量自動計測装置の整備推進等、取締りを強化する方策を講じるとともに、当該違反車両に対する大口・多頻度割引停止措置を講じています。

 

(耐震補強対策)

 令和6年1月に策定した「高速道路の耐震補強 実施計画」に基づき、大規模地震発生確率が26%以上の地域における緊急輸送道路機能を確保するため、令和12年度末までの完了を目指し、橋脚の補強工事を進めています。なお、当連結会計年度末時点で、耐震補強が必要な全橋梁の約8割で補強工事を完了しています。

 

(スマートメンテナンスハイウェイ)

 高速道路の長期的な「安全・安心」の確保に向けた重点プロジェクトである「SMHプロジェクト」では、ICTやロボティクス、AI等最新技術を活用し、当社グループ全体のインフラ管理力の効率化・高度化を図っています。当連結会計年度では、点検支援アプリの開発・試行導入、新たな施設設備管理システムの導入及び高速道路上での自動ドローン飛行の実証実験を行いました。今後も各種SMH開発ツールを定着及び深化させるとともに、最新技術による点検業務等の高度化と適用領域拡大を進めてまいります。

 

(交通混雑対策)

 交通需要の偏在等による混雑の緩和を図るため、令和5年7月22日から東京湾アクアライン上り線(木更津→川崎方面)で、特定の時間帯の料金を変動させる社会実験を行っています。実験開始後の交通データを分析した結果、混雑緩和に一定の効果が確認されています。一方で、依然として一部の時間帯に交通が集中しているほか、実験開始直後と比較して交通分散効果の鈍化が見られます。このため、令和7年4月1日から、料金設定の見直しを行うとともに、下り線でも実験を開始しました。

 東京湾アクアライン以外においても、交通容量の拡大や分散利用の促進による混雑緩和、交通の定時性・安全性の向上を目指します。当連結会計年度においては、関越自動車道の高坂SA付近で設置を進めている付加車線のうち、一部の運用を開始しました。ハード対策に加え、ペースメーカーライト等によるソフト対策を行うとともに、主要渋滞箇所における渋滞原因を把握し、更なる渋滞軽減に努めてまいります。

 

(交通事故対策)

 高速道路での逆走による重大事故ゼロを目指し、統一的な逆走防止のハード対策及び安全啓発活動等のソフト対策を継続的に実施しておりますが、令和6年8月及び令和7年4月に東北自動車道で逆走による死亡事故が発生しています。事故原因等踏まえ、注意喚起標識の追加設置等を行っております。また、令和6年12月から令和7年2月にかけて、CCTVカメラを活用して逆走を検知し注意喚起警告するなどの新たな逆走対策技術の公募を行いました。今後実用化に向けた検証を進めてまいります。

 対面通行区間における突破・正面衝突事故の防止対策では、前連結会計年度までに土工部・中小橋部のワイヤロープ設置が完了しています。当連結会計年度においては、トンネル・長大橋部にセンターパイプ、センターブロックを計8路線18箇所に試行設置しており、対策としての有効性、適用性の検証を進めております。

 

(高速道路の料金サービス)

 高速道路の利便性向上に資するETC時間帯割引及びETCマイレージサービス、地域の観光振興を目的としたETC周遊割引「ドラ割」の通年販売を継続しています。ドラ割については、当連結会計年度は新たにゴルフ場利用と組み合わせた商品の企画等、観光関連サービスとのセット販売を拡充しました。その結果、過去最高の50万5,000件を販売しました。

 観光需要の平日への分散の観点から、平日のみの「ドラ割」の利用に対してETCマイレージポイントを追加付与(販売価格の15%分)するキャンペーンを実施しています。一方、渋滞の激化を避ける観点から、ゴールデンウィーク、お盆、シルバーウィーク及び年末年始に休日割引を適用しないこととしています。

 福島第一原子力発電所事故による警戒区域等からの避難者を対象とした無料措置(注1)及び同事故による母子避難者等を対象とした無料措置(注2)を継続しております。

 

(料金管理業務の高度化・効率化)

 料金管理業務の高度化・効率化を図るため、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化、料金精算機の導入及び料金所の遠隔収受化に継続して取り組んでいます。当連結会計年度では、首都圏中央連絡自動車道下総IC・牛久阿見IC・坂東IC、東京外環自動車道川口東IC・三郷南IC、千葉東金道路高田IC、館山自動車道姉崎袖ケ浦ICの計7料金所をそれぞれETC専用料金所として運用開始しました。

 

(働き方改革・人材確保に向けた対応)

 トラックドライバーの休息場所の確保のため、SA・PAにおける各種取組みを推進しています。当連結会計年度においては、東北自動車道鶴巣PA(上り線)や羽生PA(上り線)等の計12箇所で既存の駐車エリアの配置見直しや駐車スペースの拡充を行い、新たに計107台分の大型車駐車マスを整備しました。また、東北自動車道のSA・PAにおいて短時間限定駐車マスを順次導入したほか、ダブル連結トラック駐車マス整備を進めました。

 さらに北関東自動車道桜川筑西ICにおいて、IC内側の管理用敷地を臨時駐車場とする実証実験を開始しました。

 建設業においても、国内の生産年齢人口の減少により担い手不足が進む中、遠隔立会の導入や、週休2日を踏まえた適正な工期の設定等を内容とする、業務効率化・簡素化のルール「工事円滑化ガイドライン」の浸透に努めています。当連結会計年度においては、工事目的物の出来形管理を簡略化・効率化するため、出来形調書の様式を見直し、工事現場での試行を行いました。

 作業員の確保が課題となっている除雪作業に関しても、令和5年度に道央自動車道で開始した準天頂衛星を活用したロータリ除雪車自動化に続き、除雪車に自動走行で追従する標識車の開発を行っています。当連結会計年度においては、高速道路本線で試験走行を行いました。

 

(次世代高速道路の目指す姿)

 当社が目指す高度なモビリティサービスを掲げた「自動運転社会の実現を加速させる次世代高速道路の目指す姿(構想)」の実現に向け、重点プロジェクトの実証実験計画について具体化を進めております。

 自動運転技術の実現には、安全で円滑な交通を支援する情報の収集と提供を行う必要があることから、令和8年度から東北自動車道鹿沼IC~宇都宮IC間で実証実験を行う予定です。実験に向けて、令和6年7月からは、可視光・遠赤外線カメラにより高速道路上の事故や落下物等の情報をリアルタイムに収集する多機能ポールの整備等を開始しました。

 一方、令和6年7月に開催された「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」等において、令和7年度以降、東北自動車道佐野SA~大谷PA間を対象に自動運転サービス支援道に係る取組みを開始することとされました。引き続き、関係機関と連携し、実証実験に向けた検討を進めてまいります。

走行中給電のプロジェクトでは、実験車両の開発、現地実験設備の整備を行い、停止時における接触給電実験を行いました。

 

 (東京外かく環状道路の建設)

 東京外かく環状道路(関越~東名)では、国のシールドトンネル施工技術検討会がまとめた「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」を踏まえた再発防止対策が機能していることを確認しつつ、大泉JCT本線トンネル(南行)工事及び中央JCT Bランプシールドトンネル工事(中央自動車道及び東八道路IC(仮称)から東京外環自動車道南行きへのオンランプ工事)において掘進を行っております。令和7年3月には、東名JCT Hランプシールドトンネル工事(東京外環自動車道南行きから東名高速道路へのオフランプ工事)において掘進を完了しました。また、東名JCT地中拡幅工事(東京外環自動車道南行きと東京外環自動車道南行きから東名高速道路へのオフランプを接続させる工事)に着手しております。引き続き、施工状況や周辺環境をモニタリングしながら細心の注意を払って進めてまいります。地表面陥没・空洞事故については、地盤の補修を行うため、対象範囲の家屋等の仮移転又は事業者による土地・家屋等の買取等のご相談をさせていただいております。令和5年8月からは仮移転等が完了した箇所の地盤補修を進めております。引き続き、住民の皆さまのご意見を伺いながら、工事中の振動・騒音の軽減に努めるとともに、安全に細心の注意を払い、責任を持って実施してまいります。

 

当連結会計年度の高速道路事業における営業収益は1,097,883百万円(前期比5.0%増)、営業費用は1,099,420百万円(同5.3%増)となりました。以上の結果、営業損失は1,536百万円(前期は営業利益1,120百万円)となりました

 

(注)1.福島第一原子力発電所事故により国として避難を指示又は勧奨している区域等から避難されている方を対象とした生活再建に向けた一時帰宅等の移動の支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は特定のICを入口又は出口とする走行(令和5年11月1日以降は、被災時に一部の地域に住所を有していた方について、当該走行のうち事前に申請する区間の走行)に対して適用(対象車種は中型車以下。令和7年夏頃から、中型車のうちトラックタイプの車両を無料措置対象から除外)され、令和8年3月31日までの予定で継続されております。

2.福島第一原子力発電所事故により警戒区域等を除く福島県浜通り・中通り等の対象地域から避難して二重生活を強いられている母子等及び対象地域内に残る父親等を対象とした生活支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は母子等避難先の最寄りICと父親等居住地の最寄りIC間の走行に対して適用(対象車種は中型車以下)され、令和8年3月31日までの予定で継続されております。

 

Ⅱ 受託事業

受託事業につきましては、高速道路会社法第5条第4項の規定に従い、国、地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等で、経済性、効率性等から当社が行う事業と一体として実施することが適当と認められる工事等を推進してまいりました。

当連結会計年度の受託事業における営業収益は36,848百万円(前期比19.9%増)、営業費用は36,780百万円(同20.2%増)となりました。以上の結果、営業利益は68百万円(同43.8%減)となりました。

 

Ⅲ 道路休憩所事業

道路休憩所事業は、当社が管理する329箇所(うち、当社の商業施設があるのは190箇所)のSA・PAを、より魅力ある空間として楽しんでいただけるようにするため、グループ一体となって業務執行の効率性を追求しながら、お客さまにご満足いただけるエリアづくりに努めております。

 

(サービスエリア事業部門の再編)

当社を取り巻く事業環境が大きく変化する中、お客さまのニーズや行動変化に対応したSA・PAのサービス機能の強化、拡充を推進するため、令和6年6月にサービスエリア事業部門のグループ内組織再編を行いました。

SA・PAの開発から運営を行う㈱ネクスコ東日本エリアトラクト(旧:ネクセリア東日本㈱)に新たにグループ統括機能を付加し、同社の子会社として、サービスエリア事業を担う㈱ネクスコ東日本リテイル、㈱ネクスコ東日本エリアサポート、㈱ネクスコ東日本ロジテム及び㈱ネクスコ東日本シティフードを再編しました。お客さまニーズ等の情報の集約、グループ会社間の連携強化、意思決定の迅速化等により、収益力の強化を図ってまいります。

 

(商業施設の運営)

令和6年4月23日に、東北自動車道上河内SA(上り線)がリニューアルオープンしました。フードコートでは、地元栃木県の食材を使用した料理をメインに、見た目にも美しいこだわりのメニューをご提供しています。ショッピングコーナーでは、栃木県及び東北6県の名産品を多数取り揃え、地域の魅力発信にも取り組んでおります。

また、令和7年3月18日には東北自動車道安積PA(上下線)のシャワー施設がリニューアルオープンしました。トラックドライバーの方々を始めとするお客さまへのサービス・利便性向上を図るため、シャワーブースを増設しました。

さらに、お客さまへのサービスの質を落とさず省人化を進めていくため、令和6年11月21日に、上信越道東部湯の丸SA(下り線)に、SA・PAでは全国初となる無人販売店舗をオープンしました。今後もイノベーションによる店舗運営の効率化や、従来にない様々な営業形態・販売方法の更なる展開に取り組んでまいります。

当社では、「ENJOY!よりみち」をテーマとした地域や季節ならではのプロモーション等、高速道路でのドライブをより楽しんでいただけるよう、各種施策を展開しています。今後もお客さまへの更なるサービス・利便性向上のための施策を進めるとともに、各種販促施策や商業施設リニューアル等の収益拡大策に取り組んでまいります。

 

(EV急速充電器の整備)

SA・PAにおける充電インフラとして、EV急速充電器の高出力化・複数口化を推進しています。当連結会計年度においては、当社管内のSA・PAに急速充電器を60口増設し、計281口の整備が完了しました。

 

当連結会計年度の道路休憩所事業における営業収益は35,265百万円(前期比3.6%増)、営業費用は30,975百万円(同3.1%増)となりました。以上の結果、営業利益は4,290百万円(同8.0%増)となりました。

 

Ⅳ その他

その他、再生可能エネルギー事業(仙台泉太陽光発電所)、カード事業、日比谷駐車場事業、仙台南及び郡山トラックターミナルにおけるトラックターミナル事業、高速道路の高架下における占用施設活用事業、旅行事業等を行っております。

新規事業開発では、オープンイノベーションによる高速道路の新サービスの実現、地域の活性化や社会課題の解決に資する事業の創出を目的とした「ドラぷらイノベーションラボ」において、企業と実証実験等に取り組んでいます。当連結会計年度では、技術等が有益であり当社事業との親和性やシナジー効果が期待されるスタートアップ企業2社に出資しました。音声デバイスによって現場DXの促進を目指す株式会社BONXと、ヘリコプターや空飛ぶクルマ等、空の移動による一連のサプライチェーン構築を目指す株式会社AirXです。また、新たに4件のプログラムを採択しており、前連結会計年度までに採択したプログラムも含め、採択企業と順次実証実験を行っております。

海外事業では、インド現地法人(E-NEXCO INDIA PRIVATE LIMITED)が、ひび割れ、わだち掘れ等を的確に把握できる路面性状測定車「E-NEXCO Eye」を導入し、路面調査業務を実施しております。他社と共同で、インドの有料道路運営事業へも参画しています。更に、国内の高速道路事業で蓄積された技術とノウハウを活用し、インドやバングラデシュ等において道路の運営・維持管理に関するコンサルティング事業を行っております。

当連結会計年度のその他の事業における営業収益は3,308百万円(前期比3.3%増)、営業費用は2,935百万円(同4.3%増)となりました。以上の結果、営業利益は373百万円(同4.4%減)となりました。

当連結会計年度末の総資産は、2,157,733百万円(前期比9.9%増)、負債は、1,881,477百万円(同10.3%増)、純資産は、276,256百万円(同7.5%増)となりました。自己資本比率は、12.8%(同0.2ポイント低下)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

減価償却費41,118百万円、税金等調整前当期純利益6,733百万円、売上債権の減少額9,386百万円、未払又は未収消費税等の増加額8,777百万円等の資金増加要因があった一方、建設工事未払等の減少等による仕入債務の減少額62,817百万円、首都圏中央連絡自動車道等の工事進捗等の仕掛道路資産の増加等による棚卸資産の増加額240,204百万円等の資金減少要因があったことから、営業活動によるキャッシュ・フローは276,530百万円の資金支出(前期比71,945百万円減)となりました。

なお、上記棚卸資産の増加額のうち239,814百万円は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる資産の増加によるものです。かかる資産は、連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

料金収受機械、ETC装置等の設備投資による固定資産の取得による支出48,060百万円等があったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは47,923百万円の資金支出(前期比1,423百万円増)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

首都圏中央連絡自動車道等の機構への道路資産の帰属等による債務引受により、道路建設関係社債の償還による支出293,095百万円(機構法第15条第1項による債務引受額293,095百万円に相当します。)等の支出があった一方、道路建設事業費として道路建設関係社債の発行による収入394,370百万円及び長期借入れによる収入146,134百万円があったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは247,367百万円の資金収入(前期比39,924百万円増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、101,336百万円(前期比77,092百万円の減)となりました。

 

 

(参考情報)

提出会社の当事業年度(自  令和6年4月1日  至  令和7年3月31日)における、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)(以下「高速道路事業等会計規則」といいます。)第6条の規定により作成した「高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表」は、以下のとおりです。

 

 

高速道路事業営業収益、営業外収益及び特別利益明細表

(自  令和6年4月1日  至  令和7年3月31日)

(百万円)

1.

営業収益

 

 

 

 

料金収入

836,986

 

 

 

道路資産完成高

259,010

 

 

 

受託業務収入

5

 

 

 

その他の売上高

1,390

 

1,097,392

2.

営業外収益

 

 

 

 

受取利息

50

 

 

 

受取配当金

3,196

 

 

 

土地物件貸付料

325

 

 

 

雑収入

621

 

4,193

3.

特別利益

 

 

 

 

固定資産売却益

27

 

27

 

高速道路事業営業収益等合計

 

 

1,101,613

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1) 財政状態及び経営成績の状況」においてセグメント別の業績に関連付けて記載しております。

 

2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。

 

(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の状況に重要な影響を与える要因について

①  高速道路事業の特性について

高速道路事業においては、高速道路会社法第6条第1項及び機構法第13条第1項の規定により機構と平成18年3月31日付けで締結した「高速自動車国道北海道縦貫自動車道函館名寄線等に関する協定」(以下「協定」といいます。)並びに特措法第3条第1項の規定による同日付けの事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けたうえ、道路利用者より料金を収受、かかる料金収入を機構への道路資産賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております。

かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、高速道路事業における将来の経済情勢の変動や自然災害等のリスクに備え、積み立てることとしております。

また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いこと等から、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏期の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。

 

②  機構による債務引受け等について

既述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。

特措法第51条第2項ないし第4項の規定により道路資産が機構に帰属する場合、損益計算書においては当該資産及びそれに見合う債務に相当する額が、営業収益及び営業費用に同額計上されます。そのため、当会計年度中の当該資産及びそれに見合う債務の多寡に応じて、営業収益及び営業費用の額が同額で変動いたします。

当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。なお、高速道路の更新事業にかかる財政融資資金借入債務の引渡しについては、特例として利息据置期限を弁済期日とみなして取り扱います。

なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表ないし財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務(財政融資資金借入金債務を除く)について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。

また、道路公団の民営化に伴い当社、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した道路公団の債務の一部について、当社と、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(民営化関係法施行法第16条)。

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。かかる連結財務諸表の作成に際しては、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ、考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの連結財務諸表においては重要であると考えております。

 

①  仕掛道路資産

高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社グループの連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しております。

なお、上記「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の状況に重要な影響を与える要因について ② 機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借り受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの連結財務諸表には計上されないこととなります。

 

② 重要な収益及び費用の計上基準

(高速道路事業)

料金収入は、顧客が当社の管理する道路を通行した時点で収益を認識しております。なお、ETCマイレージサービス制度に係る将来の無料走行に使用できるポイント等を付与した場合、当該ポイント等にて追加のサービスを顧客に提供したものとして、将来、当該サービスが顧客に移転した時に履行義務を充足するものとして収益を認識しております。道路資産完成高は、高速道路事業等会計規則に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した時点で収益を認識しております。

 

(受託事業)

主として、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。発生した原価が履行義務の充足における進捗度に比例すると判断しているため、見積総原価に対する実際原価の割合(インプット法)に基づき、進捗度を測定しております。ただし、契約における取引開始日から履行義務の全部を充足すると見込まれる時点までの期間が短い等、重要性が乏しい場合は、引き渡し時点において履行義務が充足されたものとして収益を認識しております。

 

(道路休憩所事業)

道路休憩所事業収入は、主に高速道路のSA・PA等における商業施設及び敷地を賃貸しており、通常の賃貸借取引に係る方法により収益を認識しております。

 

③ 退職給付債務及び費用

従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。

 

(3) 財政状態及び経営成績の分析

①  財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ195,564百万円増加し、2,157,733百万円となりました。仕掛道路資産が増加したことが主な要因です。

負債は、前連結会計年度末に比べ176,058百万円増加し、1,881,477百万円となりました。道路建設関係社債及び道路建設関係長期借入金が増加したことが主な要因です。

純資産は、前連結会計年度末に比べ19,506百万円増加し、276,256百万円となりました。利益剰余金の増加が主な要因です。

自己資本比率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント低下し、12.8%となりました。

 

②  経営成績の分析
(ア)  営業収益

当連結会計年度における営業収益は、合計で1,171,883百万円(前期比5.4%増)となりました。高速道路事業については、景気の緩やかな回復が続いたこと等から、交通量が前年度に引き続き増加し、料金収入に料金引下げ措置等に対する減収補てんを加えた額は、837,828百万円(同2.4%増)となり、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属した道路資産の額が259,010百万円(同14.3%増)となったこと等により1,097,883百万円(同5.0%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が増加したこと等により36,848百万円(同19.9%増)、道路休憩所事業については、交通量の増加等による店舗売上高の増加により35,265百万円(同3.6%増)、その他の事業については、3,308百万円(同3.3%増)となりました。

 

(イ)  営業利益

当連結会計年度における営業費用は、合計で1,168,690百万円(前期比5.6%増)となりました。高速道路事業については、協定に基づく機構への道路資産賃借料が582,236百万円(同1.9%増)となる一方で、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき機構に帰属した道路資産の額の減少により道路資産完成原価が259,010百万円(同14.3%増)になったこと等により1,099,420百万円(同5.3%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が増加したこと等により36,780百万円(同20.2%増)、道路休憩所事業については、休憩所事業を行う子会社の売上原価・販管費の増等により30,975百万円(同3.1%増)、その他の事業については、2,935百万円(同4.3%増)となりました。

以上により、当連結会計年度における営業利益は合計で3,193百万円(前期比42.7%減)となりました。その内訳は、高速道路事業が営業損失1,536百万円(前期は営業利益1,120百万円)、受託事業が営業利益68百万円(同43.8%減)、道路休憩所事業が営業利益4,290百万円(同8.0%増)、その他の事業が営業利益373百万円(同4.4%減)です。

 

(ウ)  営業外損益

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益1,294百万円、土地物件貸付料641百万円等の計上により3,886百万円(前期比4.7%増)、営業外費用は控除対象外消費税67百万円等の計上により201百万円(同12.5%減)となりました。

 

(エ)  経常利益

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は6,877百万円(前期比24.0%減)となりました。

 

(オ)  特別損益

特別利益は、固定資産売却益79百万円等の計上により101百万円(前期比45.9%減)となりました。

特別損失は、固定資産除却損222百万円等の計上により245百万円(同36.8%減)となりました。

 

(カ)  親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は5,829百万円(前期比33.3%減)となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について

①  資本の財源

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況及び分析については、前記「1 経営成績等の状況の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、料金の収受等の営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れを通じて実施いたします。

 

②  資金需要の主な内容

機構との協定に基づき、お客さまからいただく高速道路料金収入から、機構が保有する債務の返済に充てる道路資産賃借料の支払い及び高速道路の維持管理を行います。

また、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れにより、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる道路資産にかかる投資を行います。

(上記のうち投資事業にかかる資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しております。)

 

③  資金調達について

前記②のとおり、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる道路資産に係る投資については、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れにより賄っています。

資金の調達においては低利かつ安定的な調達を目指し、社債の発行及び金融機関借入金による調達バランスの最適化を図っております。

また、令和元年6月以降、ソーシャル・ファイナンスによって調達した資金を道路資産に係る投資に充当してまいりました。令和6年6月には、既存のソーシャル・ファイナンスフレームワークに4車線化事業のうち大雪による車両の立ち往生や大雨によるのり面崩落発生時の道路ネットワーク代替性確保という気候変動への適応に資する事業を加えたサステナビリティ・ファイナンスフレームワークを策定し、第三者評価機関から国際資本市場協会(ICMA:International Capital Market Association)が定めるサステナビリティボンド・ガイドライン等に適合しているとのセカンドオピニオンを取得しました。当フレームワークに基づき、令和6年7月に当社初のサステナビリティボンドを発行しました。