E04370 Japan GAAP
当中間連結会計期間における日本の経済は、4月から6月期までの実質GDP成長率(2次速報値)が前期比+0.5%(年率換算+2.2%)と前年度から引き続きプラス成長となっており、賃上げをはじめとする雇用・所得環境の改善継続等の後押しもあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。
当社グループにおいても、高速道路事業においては料金収入及び交通量が、道路休憩所事業においてはサービスエリア(以下「SA」といいます。)・パーキングエリア(以下「PA」といいます。)の売上高が、それぞれ前年度を上回り推移しています。
当社は、グループ一体経営を推進しつつ、経営方針である「お客さま第一」、「公正で透明な企業活動」、「終わりなき効率化の追求」、「チャレンジ精神の重視」及び「CSR経営の推進」を常に念頭に置き、お客さまに安全・安心・快適・便利な高速道路空間を提供することを使命としております。令和3年度に策定し、令和5年度末に見直した「NEXCO東日本グループ中期経営計画(令和3年度~令和7年度)」において、令和7年度までの5年間を「SDGsの達成に貢献し、新たな未来社会に向けて変革していく期間」と位置づけ、6つの基本方針(「安全・安心で自動運転等のイノベーションにも対応した快適な高速道路の実現」「老朽化や災害に対する高速道路インフラの信頼性の飛躍的向上」「高速道路の整備・強化と4車線化の推進によるネットワーク機能の充実」「多様なお客さまのニーズを踏まえた使いやすさの追求」「持続可能な社会の実現に貢献できるグループ全体の経営力の強化」「社会の変化に対応できる人材力の強化と誰もが生き生きと働ける基盤の確立」)の下、着実に事業を実施してまいりました。
この結果、当中間連結会計期間の業績は、料金収入及び道路資産完成高の増加により、営業収益が571,342百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益が28,944百万円(同14.5%減)、経常利益が31,356百万円(同11.8%減)となり、これに特別損益及び法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する中間純利益は23,966百万円(同14.2%減)となりました。
Ⅰ 高速道路事業
高速道路事業においては、安全で快適な走行環境を確保するため、道路機能の向上、清掃や点検、道路の補修等の管理を適正かつ効率的に行っています。また、高速道路ネットワークの早期整備に向け、高速道路の新設及び改築に取り組んでおります。
(災害等への対応)
近年頻発している自然災害に的確に対応し、「命の道」として災害救助や被災地域の復旧・復興支援のために交通路を確保することは、当社グループの大きな使命です。
令和2年12月に関越自動車道で発生した集中的な降雪による大規模な車両滞留事象を踏まえ、「人命を最優先に、幹線道路上での大規模な車両滞留を徹底的に回避すること」を基本的な考え方として、地域ごとのタイムライン(段階的な行動計画)作成、応援を含めた体制の構築、関係機関と連携した躊躇のない通行止め実施、通行止め予測の公表を含めた出控え等の行動変容を促す呼びかけの繰り返しといった取組みを継続してまいりました。前連結会計年度は、北海道の道東地方、青森県、新潟県、福島県の会津地方等で記録的な大雪となる等、降雪量が多かったことから、管内の幅広い地域で9回の予防的通行止めを実施し、大規模な車両滞留を回避しました。今後もこれらの取組みを着実に実施していくとともに、新たな広報媒体の活用や、大雪が予想される地域と時期について3日前から事前広報を行う等、よりお客さまの行動変容につながる呼びかけ方法の検討等によって、更なる対策強化を講じてまいります。
令和7年4月6日から7日に中日本高速道路㈱で発生した広域的なETCシステム障害については、当社、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱で再発防止策を策定するとともに、危機対応マニュアルを策定しました。今後、ETCシステム障害が発生した場合には、迅速な状況把握、原因の特定や影響範囲を確認するとともに、お客さまへの影響を最小限に留めるようマニュアルに沿って体制を構築し、対応してまいります。
(道路構造物の老朽化・劣化への対応)
高速道路の老朽化対策は、安全・安心を次の世代へ引き継ぐためのものです。法令に基づき、道路構造物を5年に1回、近接目視等により点検し、その結果を元に、補修・補強等の必要な措置を適切に行っております。
平成27年度から、大規模更新・修繕事業(高速道路リニューアルプロジェクト)も実施しています。当中間連結会計期間においては、34橋の床版取替工事等に着手しました。これに加えて、令和6年1月に策定した「高速道路の更新計画」に基づくものについても、渋滞等の社会的影響の最小化を図りながら工事を進めてまいります。
このほか、道路構造物の劣化に多大な影響を与えるだけでなく、重大な交通事故を惹起するおそれのある車両制限令違反車両の排除にも取り組んでいます。車両重量自動計測装置の整備推進等、取締りを強化する方策を講じるとともに、当該違反車両に対する大口・多頻度割引停止措置を講じています。
(耐震補強対策)
令和6年1月に策定した「高速道路の耐震補強実施計画」に基づき、大規模地震発生確率が26%以上の地域における緊急輸送道路機能を確保するため、令和12年度末までの完了を目指し、橋脚の補強工事を進めています。なお、前連結会計年度末時点で、耐震補強が必要な全橋梁の約8割で補強工事を完了しています。
(スマートメンテナンスハイウェイ)
高速道路の長期的な「安全・安心」の確保に向けた重点プロジェクトである「スマートメンテナンスハイウェイ(以下「SMH」といいます。)プロジェクト」では、ICTやロボティクス、AI等最新技術を活用し、当社グループ全体のインフラ管理力の効率化・高度化を図っています。当中間連結会計期間では、点検支援アプリの本格導入をはじめ、長距離・長時間飛行が可能なドローンによる試験飛行、危機管理GIS及び全周囲道路映像システム等のSMH開発ツールについて、ユーザー要望に対する機能改良や各システム間の連携を実施しました。今後も各種SMH開発ツールを定着及び深化させるとともに、最新技術による点検業務等の高度化と適用領域拡大を進めてまいります。
(交通混雑対策)
交通需要の偏在等による混雑の緩和を図るため、令和5年7月22日から東京湾アクアライン上り線(木更津→川崎方面)で、特定の時間帯の料金を変動させる社会実験を行っています。
実験開始後の交通データを分析した結果、混雑緩和に一定の効果が確認されています。一方で、依然として一部の時間帯に交通が集中しているほか、実験開始直後と比較して交通分散効果の鈍化が見られます。このため、令和7年4月1日から、料金設定の見直しを行うとともに、下り線(川崎→木更津方面)でも実験を開始しました。
東京湾アクアライン以外においても、交通容量の拡大や分散利用の促進による混雑緩和、交通の定時性・安全性の向上を目指します。付加車線設置等のハード対策に加え、ペースメーカーライト等によるソフト対策を行うとともに、主要渋滞箇所における渋滞原因を把握し、更なる渋滞軽減に努めてまいります。
(交通事故対策)
高速道路での逆走による重大事故ゼロを目指し、統一的な逆走防止のハード対策を進めたほか、令和7年6月の有識者委員会を踏まえて、視覚的対策だけでなく物理的対策を中心とした更なる重点対策の実施、また安全啓発活動等のソフト対策を継続的に実施しています。加えて、企業等を対象に公募し、令和7年6月に選定された逆走検知や警告に係る19件の技術について、令和8年度末からの実用化を目指し、順次検証を進めることで、更なる安全対策を図る計画です。
対面通行区間における突破・正面衝突事故の防止対策では、土工部、中小橋部のワイヤロープ設置が令和5年度までに完了しています。トンネル、長大橋は、構造上ワイヤロープが設置できないため、センターパイプ、センターブロックの試行設置を着実に実施し、対策としての有効性、適用性の検証を進めております。
(高速道路の料金サービス)
高速道路の利便性向上に資するETC時間帯割引及びETCマイレージサービス、地域の観光振興を目的としたETC周遊割引「ドラ割」の通年販売を継続しています。
観光需要の平日への分散の観点から、平日のみの「ドラ割」の利用に対してETCマイレージポイントを追加付与(販売価格の15%分)するキャンペーンを実施しています。一方、渋滞の激化を避ける観点から、ゴールデンウィーク、お盆、シルバーウィーク及び年末年始に休日割引を適用しないこととしており、令和7年度以降は、新たに3連休についても休日割引を適用しないこととしています。
このほかには、福島第一原子力発電所事故による警戒区域等からの避難者を対象とした無料措置(注1)及び同事故による母子避難者等を対象とした無料措置(注2)を継続しております。
(料金管理業務の高度化・効率化)
料金管理業務の高度化・効率化を図るため、ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化・タッチレス化、料金精算機の導入及び料金所の遠隔収受化に継続して取り組んでいます。令和7年7月に関越自動車道で1料金所、東関東自動車道で1料金所、同年9月には東京外環自動車道で4料金所をETC専用料金所として運用開始しました。
(働き方改革・人材確保に向けた対応)
トラックドライバーの休息場所の確保のため、SA・PAにおける各種取組みを推進しています。当中間連結会計期間においては、東北自動車道安積PA(下り線)等の計5箇所で既存の駐車エリアの配置見直しや駐車スペースの拡充により、大型車駐車マスの整備を進めています。また、東北自動車道のSA・PAにおいて短時間限定駐車マスを順次導入したほか、ダブル連結トラック駐車マス整備を進めました。
さらに常磐自動車道浪江インターチェンジ(以下「IC」といいます。)において、IC内側の管理用敷地を臨時駐車場とする実証実験を開始しました。
建設業においても、国内の生産年齢人口の減少により担い手不足が進む中、遠隔立会の導入や、週休2日を踏まえた適正な工期の設定等を内容とする、業務効率化・簡素化のルール「工事円滑化ガイドライン」の浸透に努めています。前連結会計年度において、工事目的物の出来形管理を簡略化・効率化するため、出来形調書の様式を見直し、当中間連結会計期間に導入しました。今後は対象工種の拡大を図ってまいります。
作業員の確保が課題となっている除雪作業に関しても、令和5年度に道央自動車道で開始した準天頂衛星を活用したロータリ除雪車自動化に続き、除雪車に自動走行で追従する標識車の開発を行っています。前連結会計年度においては、高速道路本線で試験走行を行いました。
(次世代高速道路の目指す姿)
当社が目指す高度なモビリティサービスを掲げた「自動運転社会の実現を加速させる次世代高速道路の目指す姿(構想)」の実現に向け、重点プロジェクトの実証実験計画について具体化を進めております。
自動運転技術の実現には、安全で円滑な交通を支援する情報の収集と提供を行う必要があることから、令和8年度下半期から東北自動車道鹿沼IC~宇都宮IC間で実証実験を行う予定です。実験に向けて、令和6年7月からは、可視光・遠赤外線カメラにより高速道路上の事故や落下物等の情報をリアルタイムに収集する多機能ポールの整備等を開始しました。
一方、令和6年7月に開催された「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」等において、令和7年度以降、東北自動車道佐野SA~大谷PA間を対象に自動運転サービス支援道に係る取組みを開始することとされました。引き続き、関係機関と連携し、実証実験に向けた検討を進めてまいります。
走行中給電のプロジェクトでは、実験車両の開発、現地実験設備の整備を行い、停止時におけるワイヤレス給電実験を行います。
(新設・改築事業)
道路建設事業においては、新設では計5道路の85㎞の区間で、4車線化等では計11道路235㎞の区間で、着実に事業を進めております。当中間連結会計期間においては、令和7年8月29日に首都圏中央連絡自動車道(つくば牛久IC~牛久阿見IC、阿見東IC~稲敷IC)の12kmが4車線になりました。
スマートインターチェンジ(以下「スマートIC」といいます。)事業においては、計23箇所で事業を実施しております。
(東京外かく環状道路の建設)
東京外かく環状道路(関越~東名)では、国のシールドトンネル施工技術検討会がまとめた「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」を踏まえた再発防止対策が機能していることを確認しつつ、大泉ジャンクション(以下「JCT」といいます。)本線トンネル(南行)工事、中央JCT Bランプシールドトンネル工事(中央自動車道及び東八道路IC(仮称)から東京外環自動車道南行きへのオンランプ工事)において掘進を行っております。令和7年3月には、東名JCT Hランプシールドトンネル工事(東京外環自動車道南行きから東名高速道路へのオフランプ工事)において掘進を完了しました。また、東名JCT地中拡幅工事(東京外環自動車道南行きと東京外環自動車道南行きから東名高速道路へのオフランプを接続させる工事)に着手しております。引き続き、施工状況や周辺環境をモニタリングしながら細心の注意を払って進めてまいります。地表面陥没・空洞事故については、地盤の補修を行うため、対象範囲の家屋等の仮移転又は事業者による土地・家屋等の買取等のご相談をさせていただいております。令和5年8月からは仮移転等が完了した箇所の地盤補修を実施しております。引き続き、住民の皆さまのご意見を伺いながら、工事中の振動・騒音の軽減に努めるとともに、安全に細心の注意を払い、責任を持って実施してまいります。
当中間連結会計期間の高速道路事業における営業収益は541,859百万円(前年同期比10.3%増)、営業費用は515,306百万円(同12.0%増)となりました。以上の結果、営業利益は26,552百万円(同14.5%減)となりました。
(注)1.福島第一原子力発電所事故により国として避難を指示又は勧奨している区域等から避難されている方を対象とした生活再建に向けた一時帰宅等の移動の支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は特定のICを入口又は出口とする走行(令和5年11月1日以降は、被災時に一部の地域に住所を有していた方について、当該走行のうち事前に申請する区間の走行)に対して適用(対象車種は中型車以下。令和7年9月1日から、中型車のうちトラックタイプの車両を無料措置対象から除外)され、令和8年3月31日までの予定で継続されております。
2.福島第一原子力発電所事故により警戒区域等を除く福島県浜通り・中通り等の対象地域から避難して二重生活を強いられている母子等及び対象地域内に残る父親等を対象とした生活支援を目的として実施している無料措置をいいます。この無料措置は母子等避難先の最寄りICと父親等居住地の最寄りIC間の走行に対して適用(対象車種は中型車以下)され、令和8年3月31日までの予定で継続されております。
Ⅱ 受託事業
受託事業においては、高速道路株式会社法(平成16年法律第99号)(以下「高速道路会社法」といいます。)第5条第4項の規定に従い、国、地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等で、経済性、効率性等から当社が行う事業と一体として実施することが適当と認められる工事等を推進しております。
当中間連結会計期間の受託事業における営業収益は9,816百万円(前年同期比40.1%減)、営業費用は9,878百万円(同39.9%減)となりました。以上の結果、営業損失は61百万円(前年同期は営業損失39百万円)となりました。
Ⅲ 道路休憩所事業
道路休憩所事業は、当社が管理する329箇所(うち、当社の商業施設があるのは190箇所)のSA・PAを、より魅力ある空間として楽しんでいただけるようにするため、グループ一体となって業務執行の効率性を追求しながら、お客さまにご満足いただけるエリアづくりに努めております。
(商業施設の運営)
令和7年6月30日に、東北自動車道矢巾PA(下り線)にコンビニエンスストア「ファミリーマート」をオープンしました。12時間営業から24時間営業への移行や、岩手県企業と連携し、プライベートブランド商品「酒米スナック」を販売する等、お客さまのサービス・利便性向上に資する取組みを行っています。
また、高速道路をより楽しんでもらうよう「ENJOY!よりみち」をテーマとした地域や季節ならではのプロモーションを展開しております。具体的には、夏休み限定の企画としてたまごっちハイウェイスタンプラリーの開催や、7月には岩手県や埼玉県の企業と連携したアルコールフリーのプライベートブランド商品「和みのゼロ」を販売する等、SA・PAを通じての地域の活性化や魅力発信にも取り組んでおります。
当中間連結会計期間の道路休憩所事業における営業収益は18,923百万円(前年同期比0.2%増)、営業費用は16,403百万円(同1.2%増)となりました。以上の結果、営業利益は2,520百万円(同6.0%減)となりました。
Ⅳ その他
その他、再生可能エネルギー事業(仙台泉太陽光発電所)、カード事業、日比谷駐車場事業、仙台南及び郡山トラックターミナルにおけるトラックターミナル事業、高速道路の高架下における占用施設活用事業、旅行事業等を行っております。
新規事業開発においては、オープンイノベーションを更に促進し、新たな技術やサービス、アイデア等を持つ会社とともに技術・ビジネスモデルを検証しながら、高速道路の新サービスの実現や地域の活性化、社会課題の解決に資する事業の創出を目的とした「ドラぷらイノベーションラボ」において、前連結会計年度までに採択したプログラムの実証実験を行いつつ、当中間連結会計期間においても引き続きアクセラレータープログラムの募集を行っております。
また、これまで関越トンネル等で実施しているインフラツーリズムの拡充として、新たに、令和7年4月及び7月に上信越自動車道の北野牧トンネル上部の岩塊撤去工事のツアーを催行し事業PRに努めています。
海外事業では、インド現地法人(E-NEXCO INDIA PRIVATE LIMITED)が、ひび割れ、わだち掘れ等を的確に把握できる路面性状測定車「E-NEXCO Eye」を導入し、路面調査業務を実施しております。他社と共同で、インドの有料道路運営事業へも参画しています。更に、国内の高速道路事業で蓄積された技術とノウハウを活用し、インドやバングラデシュ等において道路の運営・維持管理に関するコンサルティング事業を行っております。
当中間連結会計期間のその他事業における営業収益は1,402百万円(前年同期比6.5%減)、営業費用は1,462百万円(同7.3%増)となりました。以上の結果、営業損失は60百万円(前年同期は営業利益138百万円)となりました。
当中間連結会計期間末の総資産は、2,591,034百万円(前連結会計年度末比433,300百万円増)、負債は、2,290,737百万円(同409,259百万円増)、純資産は、300,296百万円(同24,040百万円増)となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント減少し、11.5%となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前中間純利益31,254百万円に加え、減価償却費19,880百万円等の資金増加要因があった一方、首都圏中央連絡自動車道等の仕掛道路資産の増加等による棚卸資産の増加額125,664百万円、工事等未払の減等による仕入債務の減少額70,787百万円等の資金減少要因があったことから、営業活動によるキャッシュ・フローは167,063百万円の資金支出(前年同期比79,372百万円減)となりました。
なお、上記棚卸資産の増加額のうち122,771百万円は、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)(以下「特措法」といいます。)第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」といいます。)に帰属することとなる資産の増加によるものです。かかる資産は、中間連結貸借対照表上は「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上され、その建設には財務活動の結果得られた資金を充てております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
ETC設備・ソフトウェア等の取得による支出19,751万円等があったことから、投資活動によるキャッシュ・フローは20,413百万円の資金支出(前年同期比4,468百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
常磐自動車道等の機構への道路資産の帰属等による債務引受により、道路建設関係社債の償還による支出100,000百万円(独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成16年法律第100号)(以下「機構法」といいます。)第15条第1項による債務引受額に相当します。)等があった一方、道路建設事業費として道路建設関係社債の発行による収入449,062百万円、長期借入れによる収入130,393百万円等があったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは478,148百万円の資金収入(前年同期比120,388百万円増)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は、392,009百万円(前年同期末比127,148百万円増)となりました。
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、前記「(1) 財政状態及び経営成績の状況」においてセグメント別の業績に関連付けて記載しております。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
① 高速道路事業の特性について
高速道路事業においては、高速道路会社法第6条第1項及び機構法第13条第1項の規定により機構と平成18年3月31日付けで締結した「高速自動車国道北海道縦貫自動車道函館名寄線等に関する協定」(以下「協定」といいます。)並びに特措法第3条第1項の規定による同日付けの事業許可に基づき、機構から道路資産を借り受けた上、道路利用者より料金を収受、かかる料金収入を機構への道路資産賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております。
かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実績と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、高速道路事業における将来の経済情勢の変動や自然災害等のリスクに備え、積み立てることとしております。
また、高速道路事業においては、冬期における交通確保のための雪氷対策や維持修繕関係の工事が下半期に完成することが多いこと等から、上半期よりも下半期に費用がより多く計上される傾向にあります。他方、夏期の好天や長期休暇が多いこと等に伴い、料金収入は上半期のほうがより多い傾向にあります。
当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改築、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところですが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可を受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされております。
特措法第51条第2項ないし第4項の規定により道路資産が機構に帰属する場合、損益計算書においては当該資産及びそれに見合う債務に相当する額が、営業収益及び営業費用に同額計上されます。そのため、当会計年度中の当該資産及びそれに見合う債務の多寡に応じて、営業収益及び営業費用の額が同額で変動いたします。
当社と機構は、四半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債券債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは併存的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。なお、高速道路の更新事業に係る財政融資資金借入金債務の引渡しについては、特例として利息据置期限を弁済期日とみなして取り扱います。
なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の中間連結財務諸表ないし中間財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務(財政融資資金借入金債務を除く)について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の責めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱いは機構が行うこととなります。
また、日本道路公団の民営化に伴い当社、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱が承継した日本道路公団の債務の一部について、当社と、機構、中日本高速道路㈱及び西日本高速道路㈱との間に、連帯債務関係が生じております(日本道路公団等民営化関係法施行法(平成16年法律第102号)(以下「民営化関係法施行法」といいます。)第16条)。
当社グループの中間連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。かかる中間連結財務諸表の作成に際しては、中間連結会計期間末における資産、負債及び中間連結会計期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを行う必要があります。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じ、考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社グループの中間連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (1) 中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの中間連結財務諸表においては重要であると考えております。
① 仕掛道路資産
高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧の結果生じた資産は、当社グループの中間連結財務諸表において「仕掛道路資産」勘定(流動資産)に計上されますが、かかる資産の取得原価は、建設価額に用地取得に係る費用その他の附帯費用を加算した価額に労務費、人件費のうち道路建設に要した費用として区分された費用の額及び除却工事費用等資産の取得に要した費用の額を加えた額となります。なお、仕掛道路資産の建設に充当した借入資金の利息で、当該資産の工事完了の日までに発生したものは上記建設価額に算入しております。
なお、上記「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の状況に重要な影響を与える要因について ②機構による債務引受け等について」に記載のとおり、かかる資産は、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき道路資産として機構に帰属すると同時に、協定に基づき当社が機構から借り受けることとなりますが、かかる借受けについてはオペレーティング・リースとして処理し、借受けに係る資産及び負債は当社グループの中間連結財務諸表には計上されないこととなります。
(高速道路事業)
料金収入は、顧客が当社の管理する道路を通行した時点で収益を認識しております。なお、ETCマイレージサービス制度に係る将来の無料走行に使用できるポイント等を付与した場合、当該ポイント等にて追加のサービスを顧客に提供したものとして、将来、当該サービスが顧客に移転した時に履行義務を充足するものとして収益を認識しております。道路資産完成高は、高速道路事業等会計規則(平成17年国土交通省令第65号)(以下「高速道路事業等会計規則」といいます。)に基づき、仕掛道路資産を機構に引き渡した時点で収益を認識しております。
(受託事業)
主として、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。発生した原価が履行義務の充足における進捗度に比例すると判断しているため、見積総原価に対する実際原価の割合(インプット法)に基づき、進捗度を測定しております。ただし、契約における取引開始日から履行義務の全部を充足すると見込まれる時点までの期間が短い等、重要性が乏しい場合は、引き渡し時点において履行義務が充足されたものとして収益を認識しております。
(道路休憩所事業)
道路休憩所事業収入は、主に高速道路のSA等における商業施設及び敷地を賃貸しており、通常の賃貸借取引に係る方法により収益を認識しております。
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率及び期待運用収益率等が含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響する可能性があります。
①財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ433,300百万円増加し、2,591,034百万円となりました。仕掛道路資産が増加したことが主な要因です。
負債は、前連結会計年度末に比べ409,259百万円増加し、2,290,737百万円となりました。道路建設関係社債及び道路建設関係長期借入金が増加したことが主な要因です。
純資産は、前連結会計年度末に比べ24,040百万円増加し、300,296百万円となりました。
自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント減少し、11.5%となりました。
②経営成績の分析
当中間連結会計期間における営業収益は、合計で571,342百万円(前年同期比8.4%増)となり、料金収入が439,999百万円(同1.6%増)、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき、機構に帰属した道路資産の額が101,286百万円(同76.2%増)となったこと等により、高速道路事業の営業収益は541,859百万円(同10.3%増)となりました。受託事業については、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が減少したこと等により9,816百万円(同40.1%減)、道路休憩所事業については、交通量の増加による店舗売上高の増により18,923百万円(同0.2%増)、その他の事業については、1,402百万円(同6.5%減)となりました。
当中間連結会計期間における営業費用は、合計で542,397百万円(前年同期比10.0%増)となりました。その内訳は、高速道路事業が、機構に帰属した道路資産の額の増加に伴い売上原価が増加したこと等により515,306百万円(同12.0%増)、受託事業が、国及び地方公共団体等の委託に基づく工事が減少したこと等により9,878百万円(同39.9%減)、道路休憩所事業が、休憩所事業を行う子会社の売上原価・販管費の増等により16,403百万円(同1.2%増)、その他の事業が、1,462百万円(同7.3%増)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間における営業利益は合計で28,944百万円(前年同期比14.5%減)となりました。その内訳は、高速道路事業が営業利益26,552百万円(同14.5%減)、受託事業が営業損失61百万円(前年同期は営業損失39百万円)、道路休憩所事業が営業利益2,520百万円(同6.0%減)、その他が営業損失60百万円(前年同期は営業利益138百万円)です。
当中間連結会計期間の営業外収益は、持分法による投資利益810百万円、土地物件貸付料331百万円等の計上により2,502百万円(前年同期比39.1%増)、営業外費用は控除対象外消費税32百万円等により90百万円(同5.8%増)となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の経常利益は31,356百万円(前年同期比11.8%減)となりました。
特別利益は固定資産売却益20百万円等の計上により30百万円(前年同期比58.4%減)となりました。
特別損失は固定資産除却損96百万円等の計上により132百万円(同59.6%増)となりました。
法人税等を控除した親会社株主に帰属する中間純利益は23,966百万円(前年同期比14.2%減)となりました。
① 資本の財源
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況及び分析については、前記「1 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、必要とする資金の調達は、料金の収受等の営業活動のほか、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れを通じて実施いたします。
② 資金需要の主な内容
機構との協定に基づき、お客さまからいただく高速道路料金収入から、機構が保有する債務の返済に充てる道路資産賃借料の支払い及び高速道路の維持管理を行います。
また、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れにより、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる道路資産に係る投資を行います。
(上記のうち投資事業に係る資産及び設備の概要については後記「第3 設備の状況」に記載しております。)
③ 資金調達について
前記②のとおり、特措法第51条第2項ないし第4項の規定に基づき工事完了時等に機構に帰属することとなる道路資産に係る投資については、道路建設関係社債の発行及び金融機関等からの借入れにより賄っています。
資金の調達においては低利かつ安定的な調達を目指し、社債の発行及び金融機関等からの借入金による調達バランスの最適化を図っております。