E04377 Japan GAAP
前期
71.2億 円
前期比
94.4%
当社及び当社の関係会社(子会社1社及び関連会社3社(2023年3月31日現在)により構成)においては、ラジオ・テレビ放送とこれに付帯する事業及びイベント企画、映像制作販売を主たる内容とした事業を展開している。
事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付け、並びにセグメント情報との関連は、次の通りである。
なお、下表の放送事業、その他の事業の区分は、セグメント情報の報告セグメントの区分と同一である。
区分 |
主要事業 |
会社名 |
|
放送事業 |
ラジオ・テレビ放送 及び関連事業 |
当社 |
(会社総数1社) |
その他の事業 |
番組及びCM制作・ 販売 |
tbc Az㈱ ㈱東北ティ・エル・シー |
(会社総数2社) |
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映像制作・販売、イベント企画・運営、広告代理業、保険代理業 |
tbc Az㈱ |
(会社総数1社) |
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ゴルフ場事業 |
㈱河北ランド |
(会社総数1社) |
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文化教養学園事業 |
㈱河北ティ・ビー・シーカルチャーセンター |
(会社総数1社) |
以上、述べた事項を事業系統図によって示すと、次の通りである。
得 意 先 |
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↑ |
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当 社 |
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↑ |
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↑ |
番組制作・CM制作・広告代理店 |
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番組制作 |
tbc Az㈱ |
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㈱東北ティ・エル・シー |
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㈱河北ランド |
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㈱河北ティ・ビー・シーカルチャーセンター (持分法適用関連会社) |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢、物価高騰などの影響を受けたものの、2022年の国内総広告費は社会のデジタル化を背景に好調なインターネット広告費の成長に支えられ、前年比104.4%となった。媒体別ではインターネット広告費が、前年比114.3%と広告市場の成長を牽引したものの、ラジオ・テレビ・新聞・雑誌のマスコミ四媒体の広告費は前年を上回ったのがラジオのみ(前年比102.1%)で、テレビ (同98.0%)、新聞 (同96.9%) 雑誌 (同93.1%)はいずれも前年を下回った。一方、全体に占める割合は小さいものの、インターネットラジオ「radiko」などのラジオデジタル広告費は前年比157.1%、 民放公式動画サービスプラットフォーム「TVer」などのテレビメディアデジタル広告費は同140.9%など、マスコミ四媒体由来のデジタル広告費は大きく伸長した。こうした状況の中、連結売上高は6,716,073千円(前期同期比5.6%減)、連結経常損失は385,202千円(前期は連結経常損失110,550千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は381,363千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失は45,985千円)となった。
当社は開局70年の節目に構内の整備が完了し、4月に「tbc 杜の中の放送局」としてグランドオープンした。この「tbc杜の中の放送局」から良質なコンテンツを発信し、地域一番局としての歩みを着実に進めるべく「はやく、ただしく、おもしろく。」のスローガンに沿って様々な取り組みを進めてきた。事業環境の大きな変化に適切に対処するウィズコロナを推し進め、4月には「tbc桜まつり」を20年ぶりに開催し、5月にはラジオ・テレビで「仙台国際ハーフラマソン大会」を生放送、7月には「tbc夏まつり」を3年ぶりにリアル開催した。 一方、社内横断的な組織として「デジタル推進委員会」を立ち上げてデジタルリテラシーの強化を図り、JNN系列の新たなニュースサイト「NEWS DIG」や「TVer」「radiko」「You Tube」等のインターネットを通じた配信に積極的に取り組んだ結果、デジタル関連での収益は前期比425.6%となった。
また、社員教育のあり方を見直し、次代を担う若手社員のスキル向上および活躍の場の拡大を図るとともに、東日本大震災の記憶を風化させることなく、災地の放送局として防災・減災の啓発に努めた。SDGsへの取り組みでは、 SDGメディア・コンパクト加盟社として国連による初の共同キャンペーン 「1.5°Cの約束 いますぐ動こう、 気温上昇を止めるために。」 に新たに参加して訴求活動を行い、tbc夏まつりではフードバンク団体と共同で啓発活動を実施した。
なお、セグメントごとの経営成績は、次の通りである。
(放送事業)
当連結会計年度はコロナ禍の反動による増収を見込み、ラジオは媒体価値の向上とリスナー層の拡大を図って収入目標額を前期比100.9%、テレビは世帯視聴率・個人視聴率アップを目指し、スポットシェアアップによる増収を図って収入目標額を前期比102.2%としていた。
ラジオ放送収入は、タイムセールスではレギュラーナイターのセールスが前期を上回り前連結会計年度比101.1%、スポットセールスは前期好調だった飲食のデリバリー関連や法律事務所関係のスポンサーなどの出稿が大幅に減少して前連結会計年度比78.6%と苦戦し、ラジオ全体では前連結会計年度比で95.0%となった。テレビ放送収入は、タイムセールスがウクライナ情勢悪化による原材料高の影響などで広告の出稿控えが相次いだことなどによりネット・ローカルともにレギュラー番組への提供社数や単価の面で苦戦し前連結会計年度比98.8%、スポットセールスはタイム以上に市況の悪化が顕著で、半導体不足などを背景に情報通信や自動車など幅広い業種で前年割れとなり前連結会計年度89.2%、テレビ全体では前連結会計年度比で93.0%となった。
その結果、放送事業の売上高は6,454,127千円(前期同期比5.8%減)で、営業損失が430,063千円(前期同期は営業損失110,216千円)となった。このため、経営方針、経営環境及び対処すべき課題でも記載したが、厳しい事業環境でも安定的な経営を行うため、テレビスポットやローカルタイムの増収を中心に放送収入の向上を図って収益確保に向けた施策を全社で推進し、費用を削減することで、設備投資や借入金の返済等に対応する。
(その他の事業)
当連結会計年度におけるイベント企画運営や保険代理業務、映像制作など、その他の事業における売上高は261,945千円(前年同期比1.2%減)で、営業損失は10,795千円(前年同期は営業損失21,038千円)を計上することとなった。
②キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況・検討内容
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失が390,310千円(前年同期は税金等調整前当期純損失106,275千円)となったものの、前連結会計年度末に比べ74,894千円増加し、当連結会計年度末は2,824,354千円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、708,807千円(前年同期比102.6%増)となった。これは、放送事業における放送収入が減少しているものの、前連結会計年度での未収還付法人税等の入金が大きかったことと等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、432,082千円(前年同期は701,130千円の資金の減少)となった。これは、放送事業におけるSNG中継車の導入などの設備購入等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、201,830千円(前年同期は194,330千円の資金の減少)となった。これは、放送事業における借入金の約定返済と配当金の支払い等によるものである。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(契約債務)
2023年3月31日現在の契約債務は以下のとおりである。
|
年度別要支払額(千円) |
||||||
契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超2年以内 |
2年超3年以内 |
3年超4年以内 |
4年超5年以内 |
5年超 |
長期借入金 |
2,465,000 |
145,000 |
145,000 |
145,000 |
145,000 |
145,000 |
1,740,000 |
リース債務 |
9,562 |
4,708 |
1,686 |
633 |
633 |
633 |
1,266 |
上記の表において、連結貸借対照表の1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めている。
(財務政策)
当社グループの運転資金は内部資金により対応し、設備資金のうち一部は金融機関からの借入による資金調達を行い、それ以外の設備資金は内部資金等で対応することとしている。
なお、当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金の需要として放送費、技術費、販売費および一般管理費の営業費用等があり、投資を目的とした需要は、放送設備等の設備投資等によるものである。
当社グループでは、手許流動性を維持し、流動性リスクを管理している。
③重要な会計方針及び見積り並びに当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となる。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合がある。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として以下のものがあると考えている。
a. 固定資産の減損
当社グループは、収益性の低下した事業用資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該額を減損損失として計上している。なお、回収可能価額は、使用価値により算定している。今後の経済状況による影響は不確定要素が多く、業績の悪化や事業計画の見直し等により固定資産の減損損失の計上が必要となる可能性がある。
④販売の実績
a. 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次の通りである。
セグメントの名称 |
売上区分 |
金額(千円) |
前年同期増減比(%) |
|
外部売上 |
6,454,127 |
△5.8 |
放送事業 |
セグメント間売上 |
48,843 |
4.4 |
|
計 |
6,502,970 |
△5.7 |
|
外部売上 |
261,945 |
△1.2 |
その他の事業 |
セグメント間売上 |
262,462 |
10.7 |
|
計 |
524,408 |
4.4 |
合計 |
外部売上 |
6,716,073 |
△5.6 |
セグメント間売上 |
311,305 |
9.7 |
b. 主要顧客に対する販売実績
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱電通 |
1,388,901 |
19.5 |
1,175,117 |
17.4 |
㈱TBSテレビ |
1,146,246 |
16.1 |
1,146,547 |
17.0 |
㈱博報堂DYメディアパートナーズ |
953,880 |
13.4 |
792,284 |
11.7 |
⑤ 財政状態の分析
a.流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、4,938,416千円(前年同期比5.8%減)となった。これは、放送事業において、前年同期比で番組勘定が増加したものの売掛債権が減少したことによるものである。
b.固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、9,752,995千円(前年同期比3.5%減)となった。これは、主に固定資産の減価償却が進んだことと、保有している投資有価証券の評価損等により減少したことによるものである。
c.流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、845,893千円(前年同期比16.9%減)となった。これは、放送事業において、未払代理店手数料及び未払消費税等の減少によるものである。
d.固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、3,276,390千円(前年同期比2.7%減)となった。これは、主に長期借入金の約定返済によるものである。
e.純資産
当連結会計年度末における純資産は、10,569,127千円(前年同期比3.6%減)となった。これは、当連結会計年度において、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことによるものである。
⑥ 経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、6,716,073千円(前期同期比5.6%減)となった。
2022年の国内総広告費は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢、物価高騰などの影響を受けたものの、社会のデジタル化を背景に好調なインターネット広告費の成長に支えられ伸長した。
当社グループの放送事業は、ラジオ放送収入は、タイムセールスがレギュラーナイターのセールスが前期を上回り前連結会計年度比101.1%、スポットセールスは前期好調だった飲食のデリバリー関連や法律事務所関係のスポンサーなどの出稿が大幅に減少して前連結会計年度比78.6%と苦戦し、ラジオ全体では前連結会計年度比で95.0%となった。テレビ放送収入は、タイムセールスがウクライナ情勢悪化による原材料高の影響などで広告の出稿控えが相次いだことなどにより、ネット・ローカルともにレギュラー番組への提供社数や単価の面で苦戦し、前連結会計年度比98.8%、スポットセールスはタイム以上に市況の悪化が顕著で、半導体不足などを背景に情報通信や自動車など幅広い業種で前年割れとなる苦戦などもあり、前連結会計年度比89.2%、テレビ全体では前連結会計年度比で93.0%となった。その結果、当連結会計年度の放送事業は、6,454,127千円(前年同期比5.8%減)の売上を計上した。また、その他の事業は、261,945千円(前年同期比1.2%減)の売上を計上した。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度における売上原価、販売費及び一般管理費は、7,155,671千円(前年同期比1.2%減)となった。これは、放送事業において、放送収入に連動した代理店手数料が減少し、新社屋の償却が進んで減価償却費が減少したことによるものである。
c.営業損失
当連結会計年度における営業損失は、439,598千円(前年同期は130,024千円の営業損失)となった。これは、主に放送事業において売上高が前年同期比で減少したことによるものである。
d.経常損失
営業外収益に放送事業における受取配当金等が計上されているものの、営業外費用に借入金の支払利息等を計上した結果、当連結会計年度における経常損失は、385,202千円(前年同期は110,550千円の経常損失)となった。
e.親会社株主に帰属する当期純損失
特別利益として投資有価証券売却益を計上し、特別損失として投資有価証券評価損を計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は、381,363千円(前年同期は45,985千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。