売上高

利益

資産

キャッシュフロー

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最終更新:

E04608 Japan GAAP

売上高

116.8億 円

前期

91.9億 円

前期比

127.1%


3【事業の内容】

 当社グループは当社、子会社6社及び関連会社1社で構成され、演劇興行事業、劇場内外での飲食店の経営等の附帯事業、不動産賃貸事業、内装工事事業及び演劇制作請負等その他の事業を行っております。

 当社グループの事業に係わる各社の位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

興行事業…………当社が制作を行ない演劇の自主公演を行っており、劇場舞台上の大道具製作並びに舞台の照明等を連結子会社である明治座舞台㈱に委託しております。なお、劇場貸のうちの長期間利用に係る演劇興行についても、興行事業に含めております。

附帯事業…………当社の経営する劇場内のサービスとして直営の食堂及び売店等の営業、また、劇場外では、ケータリングサービスとしてホテル等への仕出し弁当の販売を行っております。また、連結子会社である㈱明治座フードコミュニティー及び㈱伊勢は、飲食店経営を店舗展開しております。

不動産事業………当社の所有する土地及び建物並びに連結子会社より賃借している不動産を利用した貸事務所、貸スタジオ、駐車場等を賃貸しております。また、連結子会社である㈱芳町会館は、自社所有の建物を賃貸しております。

内装工事事業……連結子会社である㈱エス・ピー・ディー明治は、デパート、駅ビル、飲食店等の内装工事を請負い、また、当社及び子会社の内装、設備工事等の補修を行っております。

その他……………当社は演劇制作の請負、劇場の一時貸及び台東区立浅草公会堂の運営管理等を行い、明治座舞台㈱は、他劇場の舞台管理及び舞台装置の製作等を請負っております。また、㈱エス・ピー・ディー明治は、テレビ局の大道具製作等を受託しており、連結子会社である㈱アーヌエヌエは、広告、イベント等のキャスティング業務を行っております。この他、関連会社である㈱エムエス・ファーマシーは、薬局経営を行っております。

 事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

23/11/30

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、本年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、行動制限がなくなったことなどを受けて、経済活動は回復の兆しを見せておりますが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、世界的な資源や物価の高騰、内外の金利差による円安等、依然厳しい環境と言わざるを得ません。この様な状況の中で、当社でも貸切でのご観劇会や地方からの団体のお客様も徐々に増え始めましが、コロナ禍の影響からは脱却しきれず、回復は道半ばでありました。本年4月に明治座は創業150周年を迎えました。歴史を振り返りますと歌舞伎にはじまり、新派や新国劇、映画やテレビ界のスターを中心に据えた座長公演や歌手公演など、その時代時代に求められる公演を取り入れてまいりました次第であります。そして本年は今後さらに進むであろう、お客様のニーズや顧客層の変化に対応するために、明治座初のオリジナル本格ミュージカルなど新たな形態の公演に挑戦をいたしました。またマーケットの変化に柔軟に対応し、今求められている公演を作り上げていくために興行部門の組織改編も行い、新たな取り組みをスタートさせた一年となりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ8千5百万円減少し198億6千4百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億9千7百万円減少し165億7千4百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億1千1百万円増加し32億9千万円となりました。

 当連結会計年度の経営成績は、売上高116億8千万円(前連結会計年度(以下前期という)比27.1%増)となり、営業利益は2億2千8百万円(前期は1億2千6百万円の営業利益)、経常利益は2億5千5百万円(前期は2億5千9百万円の経常利益)となりました。特別利益に雇用調整助成金等の感染症関連収入1千2百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千4百万円(前期は5億3千万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 興行事業

当連結会計年度の公演は、夢の初共演が実現し、心に染みるお芝居と魅力溢れるショーでお楽しみいただいた「坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演」(令和4年9月10月)、主演に中川大志を迎え、『リチャード三世』を昭和歌謡界に置き換えた音楽劇「歌妖曲~中川大志之丞変化~」(令和4年11月)、2020年4月の公演中止を乗り越え、創業以来初めてオーケストラピットを稼働し、生演奏による本格ミュージカルの上演となった「ミュージカル『チェーザレ破壊の創造者』」(令和5年1月2月)、横浜流星を主演、中村隼人を共演に迎え、歴史に残る大勝負を新解釈で描いた大型アクション時代劇「巌流島」(令和5年2月)、松平健をはじめ豪華キャストでお贈りした、笑いあり涙ありのエンターテインメント時代劇「大逆転!大江戸桜誉賑」(令和5年3月)、そして6年ぶりの歌舞伎公演となる「壽祝桜四月大歌舞伎」(令和5年4月)は創業150周年の記念月にふさわしい華やかな舞台となりました。さらには、多彩な顔合わせで繰り広げられた芝居、歌、舞踊の豪華三本立て「梅沢富美男・研ナオコ特別公演 三山ひろし特別出演」(令和5年6月7月)、黒澤明の傑作時代劇をもとに横内謙介が上演台本・演出を手掛け舞台化した「隠し砦の三悪人」(令和5年7月8月)といった、バラエティーに富んだ作品を150年の節目の年にお届けいたしました。この結果、売上高は24億4千4百万円(前期比63.9%増)、セグメント損失は5億7千5百万円(前期は4億3千6百万円のセグメント損失)となりました。

 附帯事業

ケータリング部門では、コロナ療養者用のお食事の提供が縮小傾向にある中、ホテル部門の売上が回復傾向を見せ、この結果、売上高19億2千3百万円(前期比15.4%増)、セグメント損失7千6百万円(前期は1億4千1百万円のセグメント損失)となりました。

 不動産事業

浜町センタービルの稼働率は底堅く、売上高12億1千4百万円(前期比0.0%増)、セグメント利益6億8千3百万円(前期比8.4%増)となりました。

 内装工事事業

商業施設関連を中心とする受注増加により、売上高41億9千3百万円(前期比39.5%増)、セグメント利益2億3千8百万円(前期比97.0%増)と増収増益となりました。

 その他

劇場貸公演や請負収入等により売上19億4百万円(前期比4.9%増)、セグメント利益4億9千7百万円(前期比5.0%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ4億5千5百万円増加し、当連結会計年度末には31億4千8百万円(前期末比16.9%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は15億8千1百万円(前期は20億7百万円の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益2億6千7百万円、減価償却費8億1千6百万円等の計上が主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は8千7百万円(前期は1億2百万円の増加)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出1億8百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による収支は10億3千9百万円の支出超過(前期は13億2千9百万円の支出超過)となりました。これは主として、長期借入金の返済8億1千5百万円(純額)及び社債の償還1億8千1百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における内装工事事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

内装工事事業

3,979,813

123.8

1,179,617

84.6

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

興行事業

2,444,442

163.9

附帯事業

1,923,776

115.4

不動産事業

1,214,111

100.0

内装工事事業

4,193,828

139.5

その他

1,904,381

104.9

合計

11,680,541

127.1

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 令和3年9月1日

 至 令和4年8月31日)

当連結会計年度

(自 令和4年9月1日

 至 令和5年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三井不動産株式会社

1,080,483

11.8

1,081,163

9.3

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、その結果は連結財務諸表に反映されております。なおこれらの見積りは、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき行っておりますが、見積りには不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

②財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ8千5百万円減少し198億6千4百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が4億5千5百万円増加し、また売掛金が1億9千9百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5億9千4百万円増加し51億1千8百万円となりました。固定資産は、減価償却費等により、前連結会計年度末に比べ6億7千万円減少し146億9千9百万円となりました。また、繰延資産の社債発行費残高は前連結会計年度末に比べ9百万円減少し4千6百万円となっております。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億9千7百万円減少し165億7千4百万円となりました。流動負債は、買掛金等の増加により、前連結会計年度末に比べ9億8百万円増加し48億円に、固定負債は、長期借入金の返済等により、前連結会計年度末に比べ12億6百万円減少し117億7千4百万円となりました。

純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益1億5千4百万円の計上による利益剰余金の増加及びその他有価証券評価差額金7千5百万円の増加等により、前連結会計年度末に比べ2億1千1百万円増加し32億9千万円となっております。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の15.4%から16.6%に増加しております。

③経営成績の分析

当社グループは、前連結会計年度に比べ興行事業が9億5千2百万円、附帯事業が2億5千7百万円、内装工事事業が11億8千8百万円の増収となり、当連結会計年度の売上高は116億8千万円と前連結会計年度に比べ24億8千6百万円の増収となりました。売上原価は、前連結会計年度に比べ21億2千4百万円増加し80億8千万円となりました。営業利益は2億2千8百万円と、前連結会計年度に比べ1億1百万円の増益となりました。また、経常利益は2億5千5百万円と前連結会計年度に比べ3百万円の減益となりました。特別利益に感染症関連収入1千2百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億5千4百万円と前連結会計年度と比べ3億7千6百万円の減益となりました。減益の主な要因は補助金等の減少及び前連結会計年度は連結子会社において固定資産売却益2億5千7百万円の計上があったことによるものであります。

興行事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部公演が休演となることもありますが、前連結会計年度と比べ回復の兆しがみられます。新型コロナウイルス感染症の影響により一部公演が休演となることもあり、附帯事業も、劇場、ホテル、葬儀、店舗いずれも回復の兆しが見られます。内装工事事業の売上も商業施設関連を中心に堅調に推移しました。

当社は、公演の好不調の幅が大きく特定の指標はありませんが、極力年間の粗利益額の変動を少なくするために、演目の決定時期を公演開始日の1年半前に決定し、営業活動の円滑化と附帯事業の販売戦略の早期化を図り、売上げの確保に努めております。

この公演決定プロセス等に基づき、年度予算を策定し、目標に向かい努力しております。未だ不透明な状況が続き厳しい事業もありますが、翌連結会計年度も全体としては黒字決算を計画しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要の主なものは、浜町センタービルの維持、修繕及び設備の更新等であり、必要に応じて金融機関からの借入金等によりまかなっております。新型コロナウイルス感染症の影響は以前ほどでは無くなってきておりますが、今後、長期間に亘り再度休業等の事態が発生した時に備え、運転資金として新たに金融機関からの調達枠を設定しております。