売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00076 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当第3四半期における当社グループの財政状態及び経営成績(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営成績

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復の動きが続いた。建設業界においては、公共投資は堅調であり、民間設備投資も高い水準で推移した。

 先行きについては、好調な企業収益等を背景に、企業の設備投資意欲は旺盛であり、これにDXの推進やカーボンニュートラルへの対応などの需要も相まって、民間設備投資は増加していくことが見込まれる。

 一方で、不安定な国際情勢や世界的な金融引締めに伴う影響に加え、中国経済の先行き懸念など、景気の下振れリスクは依然として残されている。また、原材料価格の高騰や供給面での制約等が事業環境に与える影響について引き続き注視していく必要がある。

 このような状況のもと、当社グループにおいては中期経営計画2027(2023年度~2027年度)をスタートさせた。中期経営計画2027では、お客さまや社会と共に成長し続けていくための取り組むべき施策を4つの基本方針(①成長分野への挑戦、②既存事業の深化、③人材投資の更なる拡充、④経営基盤の強化)にまとめ、将来を見据えたエリア戦略の展開、グループ一体でのバリューチェーンの強化、働き方改革の推進、安全・施工品質の確保などに取り組んできた。

 当第3四半期連結累計期間の連結業績については、屋内線工事や空調管工事において期首からの手持工事が順調に進捗したことなどにより、大幅な増収増益となった。

 

〔連結業績〕

売上高

182,471

百万円

(前年同期比  11.8%増)

 

営業利益

9,966

百万円

(前年同期比  64.5%増)

 

経常利益

8,994

百万円

(前年同期比  77.1%増)

 

親会社株主に帰属する
四半期純利益

5,357

百万円

(前期は親会社株主に帰属する
 四半期純損失6,453百万円)

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。

〔設備工事業〕

 設備工事業は、屋内線工事や空調管工事において期首からの手持工事が順調に進捗したことなどにより、売上高169,024百万円(前年同期比12.7%増)、セグメント利益(営業利益)11,181百万円(前年同期比54.6%増)となった。

〔エネルギー事業〕

 エネルギー事業は、太陽光発電の出力制御の影響があったものの、一部の事業で採算性が向上したことなどにより、売上高10,046百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益(営業利益)3,191百万円(前年同期比7.2%増)となった。

〔その他〕

 その他の事業は、売上高6,574百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益(営業利益)388百万円(前年同期比46.0%増)となった。

 

(2)財政状態

 当社グループの財政状態については、総資産は297,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,414百万円の減少となった。これは、流動資産においては現金預金の減少(3,817百万円)など、固定資産においては有形固定資産の減少(2,965百万円)、投資有価証券の増加(3,108百万円)などによるものである。

 負債は174,850百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,127百万円の減少となった。これは、流動負債においては支払手形・工事未払金等の減少(4,635百万円)など、固定負債においてはリース債務の減少(4,728百万円)などによるものである。

 純資産は122,907百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,713百万円の増加となった。これは、利益剰余金の増加(3,301百万円)、その他有価証券評価差額金の増加(1,619百万円)などによるものである。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はない。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針等に重要な変更はない。

 なお、2024年1月31日開催の取締役会において、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について決議している。また、それに基づき株主還元の強化をより明確にするため、配当方針の見直しを行っている。前事業年度の有価証券報告書に記載した配当方針の変更内容は次のとおりである。

変更前

変更後

 当社は、株主に対する利益還元を最重要政策として位置付けており、将来にわたる事業展開のための内部留保の充実などを総合的に勘案し、連結配当性向30%を目処とする配当を通じて業績に応じた利益還元を行うことを基本としている。

 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するため、成長戦略への投資のための内部留保と株主還元をバランスよく実施することを経営の重要課題と位置付け、資本収益性の向上や財務健全性の確保、フリー・キャッシュ・フローの状況などを総合的に勘案し、連結配当性向30%以上の業績に応じた利益還元を行うことを基本としている。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題に重要な変更はない。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費は381百万円である。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はない。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループを取り巻く経営環境は、依然として厳しいものがある。したがって、経営成績に重要な影響を与える主な要因としては、

① 市場価格等の下落による配電線工事の取引価格の低下

② 建設市場の縮小による工事量の減少

③ 労務費及び材料費の大幅な変動

④ 得意先の倒産等による不良債権の発生

などがあるが、的確なリスク管理と迅速な対応を図っていく。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、設備工事業における材料費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。また、投資を目的とした資金需要のうち主なものは、当社新本店ビルの建替え、設備工事業における当社事業場の新築によるものである。

 運転資金は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入れにより資金調達を実施している。長期資金は、営業活動によって得られた自己資金を充当するほか、金融機関からの借入れ、社債発行及びファイナンス・リース等による資金調達を実施しており、多様な調達手段の確保及び返済期日の分散化に努めている。なお、当第3四半期連結会計期間末における有利子負債は、92,268百万円となっている。

 営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金や長期資金に充当するほか、連結配当性向30%を目処に株主還元することとしている。

 なお、「第2[事業の状況]2[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](4) 経営方針・経営戦略等」に記載のとおり、2024年1月31日開催の取締役会において配当方針の変更を決議している。