売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00113 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍の収束により社会経済活動が正常化するなかで、個人消費の持ち直しや雇用情勢の改善により景気は緩やかな回復傾向にあります。しかしながら、ウクライナ情勢、中東情勢等の地政学的リスクや世界的な金融引き締めに伴う金利上昇等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような事業環境のもと、当社グループは2023年4月に「社会構造の変化に即応できる守りの経営」、「社会の発展に寄与する攻めの経営」、「新しい企業価値をもたらす共創経営」を骨子とする新たな「中期経営計画(2023年度~2025年度)」をスタートし、7月に工事会社として基盤である安全・品質管理を強化すべく安全品質本部を立ち上げました。さらに、環境保全設備工事の受注、原子力発電所再稼働関連でのエリア拡大、また、陸上風力発電設備の解体に特化した新工法や、当社が推し進めるグリーンプロジェクトにおける木材の集材新工法の確立等に取り組んでまいりました。

その結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、受注高99,560百万円(前年同期比15.6%増)、売上高92,059百万円(前年同期比1.1%増)、うち海外工事は5,389百万円(前年同期比38.4%減)となりました。

利益面につきましては、営業利益5,994百万円(前年同期比46.6%減)、経常利益7,156百万円(前年同期比40.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,463百万円(前年同期比34.7%減)となりました。

セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

(建設工事部門)

受注高は、原子力発電設備工事および自家用火力発電設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、35,904百万円(前年同期比15.1%増、構成比36.1%)となりました。

売上高は、自家用火力発電設備工事が減少したものの、環境保全設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、33,251百万円(前年同期比2.4%増、構成比36.1%)となり、セグメント利益は416百万円(前年同期比88.7%減)となりました。

 

 

(補修工事部門)

受注高は、製鉄関連設備工事が減少したものの、事業用火力発電設備工事および原子力発電設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、63,656百万円(前年同期比15.9%増、構成比63.9%)となりました。

売上高は、製鉄関連設備工事が減少したものの、自家用火力発電設備工事が増加したことにより、部門全体として増加し、58,808百万円(前年同期比0.5%増、構成比63.9%)となり、セグメント利益は8,451百万円(前年同期比18.5%減)となりました。

 

 

資産、負債及び純資産の状況

(イ) 資産

流動資産は、未成工事支出金が4,227百万円および流動資産その他が3,160百万円増加したものの、現金預金が9,476百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて734百万円減少し103,581百万円となりました。

固定資産は、繰延税金資産が1,020百万円減少したものの、投資有価証券が2,303百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて1,092百万円増加し43,815百万円となりました。

 

(ロ) 負債

流動負債は、流動負債その他が3,948百万円減少したものの、1年内償還予定の社債が5,000百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて1,356百万円増加し40,106百万円となりました。

固定負債は、社債が5,000百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて5,495百万円減少し13,259百万円となりました。

 

(ハ) 純資産

純資産は、利益剰余金が3,171百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4,497百万円増加し94,030百万円となりました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は152百万円であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

雇用の増加による個人消費の増加、企業の前向きな設備投資の増加が見込まれるものの、中東地域をめぐる情勢不安等があり、景気は緩やかな回復にとどまることが予想されます。

電力業界では、「GX推進法」と「GX脱炭素電源法」が成立し、再生可能エネルギーの主力電源化と原子力の活用が方針として示されました。

当社グループといたしましては、2030年に売上高2,000億円達成に向けた基盤事業の強化のために、火力発電所燃料転換工事、再生可能エネルギー発電所建設工事、原子力発電所再稼働工事への対応、O&M(注1)事業および火力・原子力発電所の新規常駐事業所の拡大を図っております。さらに、新規事業として、当社が保有する西風新都バイオマス発電所での研究成果に基づき、林業、農業、発電事業をパッケージ化した提案型EPC(注2)を各地域の自治体に対して展開してまいります。また、「安全」「人」「コンプライアンス」をサステナビリティの最重要課題として認識しており、安全・品質管理の強化を軸とした組織運営、人材の確保と育成、2024年度から建設業にも適用される時間外労働の上限規制への対応を図り、さらなる収益力の拡大と安定的な株主還元を目指してまいります。

 (注1)O&M:Operation(運転)、Maintenance(定期検査工事、日常保守)
  (注2)EPC:Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事施工のための外注費用および人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。運転資金に対しては原則、自己資金により賄っており、不足が生じた際はコミットメントライン契約に基づく借入、社債、および長期借入金により調達することとしております。

また、設備投資資金需要に対しては自己資金および長期借入金により調達することとしております。

なお、当社グループでは、資金の短期流動性を確保するため、シンジケート銀行団と150億円のコミットメントライン契約を締結し流動性リスクに備えております。