ウェルネオシュガー株式会社

ブランドなど:日新製糖伊藤忠製糖クルルマークカップ印
食料品食品製造プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E25648 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は、2023年1月1日付の日新製糖㈱と伊藤忠製糖㈱の経営統合により、商号を「ウェルネオシュガー㈱」に変更し、持株会社体制に移行しました。このため、当第3四半期連結累計期間の主要な経営指標等の各計数は、前第3四半期連結累計期間と比較して大幅に変動しています。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済につきましては、個人消費やインバウンド需要に回復が見られ、緩やかな景気回復基調で推移しましたが、資材・エネルギー価格の高騰や世界的な金融引き締めを背景とした円安等の影響が継続しており、依然として先行き不透明な状況となっています。

 

当第3四半期連結累計期間の業績は、伊藤忠製糖㈱との経営統合、および主力の砂糖事業においてコスト上昇に対する売価への反映を進めたこと等により、売上収益は69,985百万円(前年同期比84.0%増)、営業利益は5,016百万円(同301.1%増)となりました。金融収益において、国内の投資先からの受取配当金1,304百万円を計上しました。以上の結果、税引前四半期利益は6,638百万円(同369.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は4,838百万円(同476.5%増)となりました。

 

セグメントの概況は以下のとおりです。なお、各セグメント利益は全社費用437百万円を含んでいません。

 

[砂糖その他食品事業]

海外原糖市況につきましては、1ポンド当たり22.35セントで始まり、主要生産国ブラジルでの穀物の輸出増加による物流面での混乱懸念等から4月下旬には27セント台半ばまで上昇しました。ブラジルでの生産や輸出が順調に進んだことで一時21セント台まで下落しましたが、インドの減産懸念から砂糖輸出禁止措置が発表されると再度上昇し、11月上旬に今期高値となる28.14セントに達しました。その後、ブラジルの輸出量が大幅に増加するとの見方から一気に下落し、20.58セントで当第3四半期を終了しました。

 

海外原糖市況(ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限))

         日付     セント/ポンド    円/kg   為替(円/ドル)

  始 値  2023年4月3日   22.35      66.10     134.15

  高 値  2023年11月7日   28.14      93.74     151.10

  安 値  2023年12月26日   20.03      63.26     143.27

  終 値  2023年12月29日   20.58      64.80     142.83

(注)1ポンドは約0.4536㎏として換算し、為替は当日の三菱UFJ銀行直物為替公表TTSによっています。

 

国内精糖市況(日本経済新聞掲載、東京)につきましては、上白糖1kg当たり227円~229円で始まり、海外原糖市況の高騰を受け、7月下旬に12円上昇し、239円~241円で当第3四半期を終了しました。

このような状況のもと、主力の砂糖につきましては、インバウンド需要の回復により土産菓子、外食関係などが持ち直し、記録的な猛暑により冷菓等の出荷が好調でしたが、食品価格の値上げが続いたことによる消費低迷や家庭内調理機会の減少の影響を受けました。砂糖の出荷量全体としては、伊藤忠製糖グループが新たに加わったことで前年同期と比較して大幅に増加となっている一方、その内訳としては業務用が増加したものの家庭用は減少しました。そのような中、独自製品のきび砂糖、きびオリゴの出荷は好調に推移しました。売上収益につきましては、伊藤忠製糖グループが新たに加わったこと、およびコスト上昇に対する売価への反映を進めたことにより増加しました。利益面においては、有利な原料調達ができたこと、および前年に経営統合関連の一過性費用を計上していたことにより大幅な増益となりました。

ツキオカフィルム製薬㈱につきましては、箔押、食用純金箔、フィルムの各事業において受注が増加したこと等により増収増益となりました。

以上の結果、砂糖その他食品事業合計の売上収益は66,746百万円(前年同期比92.3%増)、セグメント利益は4,875百万円(同422.6%増)となりました。

 

[健康産業事業]

健康産業事業につきましては、フィットネスの会員数が緩やかに回復してきていること、および効率的な運営によるコスト削減を継続していることから、売上収益は1,954百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益は259百万円(前年同期はセグメント損失30百万円)となりました。なお、セグメント利益にはリース負債の見直しによる再測定益224百万円が含まれています。

 

[倉庫事業]

倉庫事業につきましては、港湾運送において輸入合板の取扱量が減少したことで荷役収入および保管料収入が減少しました。売上収益は1,284百万円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益は318百万円(同8.6%減)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は35,964百万円となり、前連結会計年度末に比べ980百万円増加しました。これは主に現金及び現金同等物が2,776百万円、その他の金融資産が1,025百万円それぞれ減少した一方で、棚卸資産が2,762百万円、営業債権及びその他の債権が1,840百万円それぞれ増加したことによるものです。非流動資産は58,541百万円となり、前連結会計年度末に比べ47百万円減少しました。これは主に持分法で会計処理されている投資が787百万円増加した一方で、使用権資産が471百万円、有形固定資産が436百万円それぞれ減少したことによるものです。

 この結果、資産合計は94,506百万円となり、前連結会計年度末に比べ933百万円増加しました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は19,394百万円となり、前連結会計年度末に比べ634百万円減少しました。これは主に未払法人所得税等が937百万円増加した一方で、営業債務及びその他の債務が1,696百万円減少したことによるものです。非流動負債は4,478百万円となり、前連結会計年度末に比べ801百万円減少しました。これは主にリース負債が829百万円減少したことによるものです。

 この結果、負債合計は23,873百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,435百万円減少しました。

 

(資本)

 当第3四半期連結会計期間末における資本合計は70,633百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,368百万円増加しました。これは主に親会社の所有者に帰属する四半期利益4,838百万円、税引後その他の包括利益436百万円および配当金の支払による減少2,719百万円によるものです。

 この結果、親会社所有者帰属持分比率は74.7%(前連結会計年度末比1.7ポイント増)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,776百万円減少し、8,487百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,663百万円の収入となりました。

主なものは、税引前四半期利益6,638百万円、減価償却費及び償却費1,841百万円、持分法による投資利益△273百万円、法人所得税の支払額△890百万円、ならびに棚卸資産の増加、営業債権及びその他の債権の増加、営業債務及びその他の債務の減少、その他の増減による△5,687百万円です。

なお、前年同期は826百万円の収入であり、主なものは、税引前四半期利益1,413百万円、減価償却費及び償却費1,228百万円、持分法による投資利益△96百万円、法人所得税の支払額△668百万円、ならびに棚卸資産の増加、営業債権及びその他の債権の増加、営業債務及びその他の債務の増加、その他の増減による△1,048百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,062百万円の支出となりました。

主なものは、定期預金の純減額1,000百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出△1,554百万円、ならびに持分法で会計処理されている投資の取得による支出△527百万円です。

なお、前年同期は1,399百万円の収入であり、主なものは、定期預金の純増額△2,860百万円、余資の運用である有価証券の純減額4,600百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出△443百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、3,377百万円の支出となりました。

主なものは、リース負債の返済による支出△660百万円、配当金の支払額△2,716百万円です。

なお、前年同期は2,180百万円の支出であり、主なものは、リース負債の返済による支出△701百万円、配当金の支払額△1,478百万円です。

 

(4)重要性がある会計方針および見積り

要約四半期連結財務諸表の作成に当たって採用している重要性がある会計方針および見積りについての詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」および同「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

当社は、2023年6月1日に社長直轄の機能性素材組織「ネオ機能性素材部」を新設し、日新製糖㈱および伊藤忠製糖㈱が保有する知見やリソースを集結させた研究開発の推進・積極投資を行っています。

なお、当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、168百万円です。

 

(8)生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、砂糖その他食品事業の生産および販売実績が著しく増加しました。

これは主に、2023年1月1日付の経営統合により、伊藤忠製糖グループを新たに加えたことによるものです。

 

(9)主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の改修計画は次のとおりです。

会社名

事業所名

(所在地)

セグメント

の名称

設備の内容

投資予定額

(百万円)

資金調達方法

着手年月

完了

予定年月

完成後の増加能力

総額

既支払額

伊藤忠

製糖㈱

本社工場

(愛知県碧南市)

砂糖その他

食品事業

生産

設備他

1,650

自己資金

2024年

4月

2025年

6月

生産能力の維持