売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E23634 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、製造業・非製造業ともに景況感は改善し、インバウンド需要を含む消費活動が回復するなど、物価高の中でも景気は緩やかに回復しています。一方で、金融政策と連動した円安の進行・長期化や世界経済の成長鈍化、ウクライナショックの長期化や中東での軍事衝突の影響等による原材料や資源価格の高騰リスク、グローバルサプライチェーンの不安定性などには引き続き注視していくべき状況と認識しております。

このような状況の中で、当社グループは「未来デザイン企業」として、事業ビジョン「エコシステム社会構想2030」の実現に向け、持続可能な企業経営や地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の確立のための商品開発・展開に取り組んでおります。2024年度~2025年度は、再設計した中期経営計画において、市場展開へ向けた基盤整備期として位置づけており、当第1四半期連結累計期間は業態改革と業績回復に向けた取り組みを推進してまいりました。具体的には以下のとおりです。

 

<持続可能な企業経営の支援領域:統合支援サービスCyano Project>

企業のサステナブル経営への移行支援を行う「Cyano Project(シアノプロジェクト)」においては、顧客に対してカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブ等の取り組みを全体最適の視点で提案し、構想から構築、実行までトータルでサポートしてまいりました。中長期でビジネス変革を目指す企業からの問い合わせは多く、新規受注も継続しております。更なる受注拡大に向けて、営業・販売戦略や商品設計の再構築を推進しております。

ICT・BPOによる企業のサーキュラーマネジメント支援を行う「サステナブルBPOサービス」は、顧客企業の人材不足やサステナビリティ分野の知識不足に起因するガバナンスリスクの顕在化等を背景に、好調に推移しております。なお4月1日付で、三井住友ファイナンス&リースグループとの合弁会社「サーキュラーリンクス株式会社」(持分法適用関連会社)を設立しました。企業のサステナブル経営とサーキュラーエコノミーの推進に向けて、三井住友ファイナンス&リースグループと連携しサービス提供を拡大してまいります。

廃棄物の100%再資源化とカーボンニュートラル化の支援を行う「ダブルゼロ・エミッションサービス」においては、カーボンニュートラルの潮流やグローバルサプライチェーンの不安定化を受けて、代替資源(天然資源に代わる資源)の利用ニーズが増加傾向にあります。特に石炭代替商品などセメント向けの代替燃料の利用ニーズは高く、姫路循環資源製造所や、アミタ地上資源製造パートナーズである愛知海運(株)蒲郡リサイクルS.C.及び富士運輸(株)再生資源工場での取扱量が増加しました。またシリコンスラリーの100%再資源化に関しては、2024年中に半導体産業の生産回復が見込まれる中、北九州循環資源製造所での新たな再資源化設備を7月に稼働させるべく準備を進めております。

 

<環境認証審査サービス>

FSC®CoC認証を中心に新規顧客からの受注を継続的に獲得していますが、提携先のFSC認証機関の体制不備による審査遅延に伴い、当社グループの売上計上にも遅れが生じています。第1四半期連結累計期間に計上予定であった一部の審査の売上につきましては、第2四半期連結累計期間以降に計上される見込みです。

 

<海外事業>

マレーシアでの産業廃棄物の100%再資源化に関しては、現地での代替資源の利用ニーズが高く、前年度を上回る入出荷量で推移しております。さらなる新規入荷案件の獲得に向けて営業を強化しております。インドネシアにおいては、インドネシア大手セメント会社PT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk.社との基本合意書を軸に、産業廃棄物・一般廃棄物由来のセメント産業向け代替原燃料の製造・供給事業に係る可能性調査を加速しております。なお4月1日付で、マレーシア子会社「AMITA ENVIRONMENTAL STRATEGIC SUPPORT (MALAYSIA) SDN. BHD.」を「AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.」へと社名変更し、海外統括会社として事業活動を開始しました。今後、マレーシアでの100%再資源化事業の拡大やインドネシアでの事業化検討等を含む、アジア・大洋州地域での社会デザイン事業の展開を加速してまいります。

 

<持続可能な地域運営の支援領域:Co-Creation City>

2月22日に、地方自治体の4大課題(人口減少、少子高齢化、社会保障費の増大、雇用縮小)を「関係性の増幅」と「循環の促進」で解決するまちづくりコンセプト「Co-Creation City(コ・クリエーションシティ)構想」を発表しました。自治体向け資源循環ソリューション「MEGURU COMPLEX(めぐるコンプレックス)※1」の開発や、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®(めぐるステーション)」の面的展開に向けた福岡県大刀洗町・神戸市・福岡県豊前市・愛知県長久手市での活動を実施してまいりました。また「MEGURU PLATFORM(めぐるプラットフォーム)※2」の構築に関する取り組みとして、昨年7月に採択された内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」において、東レ株式会社と共同で、「MEGURU STATION®」を軸にしたプラスチックのサーキュラーモデルの構築及び展開に向けた活動等を進めてまいりました。今後は日本電気株式会社(NEC)とも協業し、当社グループが取り組む市民・自治体との協力を軸としたプラスチック資源の循環と、NECが開発した「プラスチック情報流通プラットフォーム」のプロトタイプを掛け合わせ、リアル・デジタル両面からの資源循環システム構築を目指す実証試験を2024年4月より開始いたします。

 

<開発・パートナーシップ領域>

「ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ:J-CEP」をはじめ、戦略的パートナー企業等とのサーキュラーエコノミーに係る具体的な連携事業の検討などを行ってまいりました。その1つとして、当社グループは4月1日に設立された一般社団法人エコシステム社会機構(Ecosystem Society Agency:略称ESA(イーサ))へ発起企業として参画しています。ESAは、「循環」と「共生」をコンセプトに、人口減少・少子高齢化や新しい政策課題に直面する地方自治体と、新たなビジネスモデルの創出を目指す企業等が、統合的視点に立ってイノベーションを起こし社会的価値を創出するプラットフォームとなることを目指す組織です。当社グループは、ESAへの参画により、これまで以上に多くの自治体や企業と共創し、2030年ビジョンとして掲げる「エコシステム社会」の実現に向けた取り組みを加速させます。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は、姫路循環資源製造所や、アミタ地上資源製造パートナーズである愛知海運(株)蒲郡リサイクルS.C.及び富士運輸(株)再生資源工場での取扱量の増加などにより1,126,609千円(前期比5.4%増、前期差+58,193千円)となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの売上高が増加したため99,907千円(前期比23.2%増、前期差+18,787千円)となりました。経常利益は営業利益の増加やマレーシア事業に関わる持分法による投資利益の増加などにより122,671千円(前期比42.1%増、前期差+36,332千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は経常利益の増加や繰延税金資産の増加に伴う法人税等調整額(益)の計上などにより155,220千円(前期比154.6%増、前期差+94,258千円)となりました。

なお、当社グループは社会デザイン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

※1…MEGURU COMPLEX:

MEGURU COMPLEXは、Co-Creation City構想を具現化する自治体向け資源循環ソリューションの1つです。可燃ごみを資源化する「バイオガス施設」「おむつリサイクル施設」「熱分解施設」の施設群で、焼却炉と埋立地のゼロ化を目指します。

※2…MEGURU PLATFORM:

MEGURU PLATFORMは、互助共助コミュニティ型の資源回収ステーション「MEGURU STATION®(めぐるステーション)」と、良質な資源と情報が集まるサーキュラーマテリアル製造所「MEGURU FACTORIES(めぐるファクトリーズ)」から構成されます。事業ビジョン「エコシステム社会構想2030」の実現に向けて、もの・情報・人の気持ちの最適な循環を生み出す仕組みとして構築を進めています。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当第1四半期連結会計期間末における総資産につきましては、流動資産は仕掛品(※内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に係るもの)の増加などにより146,455千円増加し、固定資産は繰延税金資産の増加や有形固定資産の増加などにより222,108千円増加した結果、前連結会計年度末に比べて368,564千円増加し、6,544,272千円となりました。

(負債)

当第1四半期連結会計期間末における負債につきましては、流動負債は未払法人税等の減少があった一方で前受金の増加などにより157,236千円増加し、固定負債は長期借入金の増加などにより129,920千円増加した結果、前連結会計年度末に比べて287,156千円増加し、4,196,660千円となりました。

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末における純資産につきましては、株主配当を行った一方で親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより前連結会計年度末に比べ81,407千円増加し、2,347,611千円となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。