売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E23634 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要を含む消費活動が回復してきている一方で、原材料・エネルギー・資源価格の高騰やこれらに伴う国内の食品・日用品等の物価上昇といったグローバルサプライチェーンの不安定化や世界経済の減速等に伴う生産活動の伸び悩み等、不確実性が残存する状況が続いております。このような経済状況のもと、当社グループは、持続可能な社会の実現を目指し、2030年に向けた事業ビジョンである「エコシステム社会構想2030」(2022年11月発表)を掲げ、持続可能な企業経営や地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の開発・提供に取り組んでおります。その基盤として、組織改革を行い、組織の機動性・サービスの品質・価値創出力等の向上に努めるとともに、異業種企業との戦略的パートナーシップを積極的に推進してまいりました。

トランジションストラテジー事業領域においては、循環型の事業創出・事業変革を統合的に支援する「Cyano Project(シアノプロジェクト)」について、長期的視点でのサステナビリティへの機運は高まっており、既存ビジネスの変革を目指す企業からの問い合わせは顕著に増加しております。一方で、ウクライナショックや物価高などの政治不安や経営危機を背景に、潜在顧客の大半は予測不能な事態への緊急対応を優先し、ESG施策の意思決定に遅れが生じております。この状況に対応するため、Cyano Projectの営業・販売戦略や商品設計の再構築に取り組んでいますが、商談スケジュールが後ろ倒しとなり、受注計画に遅れが生じております。今後は、第3四半期より取り組んでいる受注率向上に向けたマーケティング機能の強化と、昨今注目度が高まっている企業活動で生じる自然リスクの情報開示(TNFD:自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応を含めた商材や、生産工程の持続性向上を支援する商材の開発等を引き続き行ってまいります。環境認証審査サービスでは、FSC®CoC認証を中心に新規顧客からの受注を継続的に獲得できており、好調に推移しております。環境管理業務のICT・BPOサービスは、顧客企業の人材不足等によるニーズの高まりを受け、引き続き好調に推移しております。また、持分法適用関連会社であるCodo Advisory株式会社は、アミタ株式会社と適宜連携し、脱炭素経営に向けた移行戦略の策定・評価支援サービス及び気候変動やTNFD対応ニーズの高まりを受けた生物多様性に関する教育ワークショップ等の提供を進めております。

サーキュラーマテリアル事業領域においては、グローバルサプライチェーンの不安定化により原料調達リスクが顕在化するなかで、トレンドとしては代替資源(特に燃料系)の利用ニーズは着実に拡大傾向にあります。ただし足元では、資源価格の高騰や人員不足等に起因する産業界全体の苦境や気候変動による豪雨発生等により、当社グループが提供する代替資源の取扱量及び出荷に影響が出ております。こうした背景のもと、サーキュラーマテリアルとしての石炭代替商品の製造・販売を推進しております。さらには、リサイクル価格の適正化交渉や製造所における生産性向上等、利益率向上に向けた取り組みを実施しております。一方で、シリコンスラリー廃液の100%リサイクルは、半導体産業が生産調整局面に入っていること等により、取扱量が減少しております。また、競争環境が厳しいNi再生資源等の海外有価物取引の取扱量の減少や、一部資源ユーザー企業の減産に伴う非鉄金属原料の取扱量の減少、セメント需要減に伴うセメント原料系の取扱量の減少が生じております。なお、2022年10月より旧・川崎循環資源製造所の資源製造業務が「三友プラントサービス株式会社 川崎工場 資源循環プラント」に引き継がれた関係で、当該取引の売上高及び売上原価は総額計上から純額計上に変更となっております。

海外事業のマレーシアにおいては、顧客企業の減産等の影響で取扱量が一時的に減少した影響が残存しているものの、現地での代替資源の利用ニーズの高まりを受け、既存案件の取扱量の復調と新規案件の獲得により、単月当たりの取扱量はほぼ回復しております。また、インドネシアにおいては、インドネシア大手セメント会社PT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk.社との脱炭素・循環型事業に係る可能性調査を加速しております。

地域課題を包括的に解決する、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®」に関する活動としては、面的な設置の展開に向け、福岡県大刀洗町及び神戸市での展開モデルの構築に向けた活動や、静岡県掛川市との持続可能な循環型まちづくりの推進に向けた活動を継続しております。また、8月には福岡県豊前市及び一般社団法人つながる地域づくり研究所と「持続可能なエコシステム社会の構築実践に関する包括連携協定」を締結し、「MEGURU STATION®」の全市展開を軸とした地域共生社会の実現に向けた活動を開始しております。更に、7月31日付で採択された内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」では、国家プロジェクトとして、東レ株式会社と共同でプラスチックのサーキュラーモデルの構築及び展開に向けて活動を開始しております。

 

パートナーシップ領域については、当社が幹事を務める「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(以下、CLOMA)のワーキンググループ活動におけるポリスチレン素材の乳酸菌飲料容器の回収・再資源化プロジェクトの取り組みを進めるため、CLOMA会員企業として、神戸市と連携協定を締結し、ヤクルト本社など8社と神戸市で使用済みポリスチレンの回収方法の確立や再資源化を目指す活動を開始しております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、旧・川崎循環資源製造所の取引分が総額計上から純額計上となったことや、Cyano Projectの受注速度の遅延、海外有価物取引・非鉄金属原料・セメント原料系の取扱量及び出荷の減少などにより3,242,263千円(前期比7.7%減、前期差△270,112千円)となりました。営業利益は、売上高の減少及び販売管理費の増加などにより224,688千円(前期比47.2%減、前期差△200,824千円)となりました。経常利益は営業利益の減少やマレーシア事業に関わる持分法による投資利益の減少などにより275,900千円(前期比47.9%減、前期差△254,102千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は経常利益の減少などにより144,784千円(前期比64.0%減、前期差△257,886千円)となりました。

なお、当社グループは社会デザイン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産につきましては、流動資産は現金及び預金の増加などにより277,040千円増加し、固定資産は有形固定資産の増加などにより195,342千円増加した結果、前連結会計年度末に比べて472,382千円増加し、5,296,663千円となりました。

(負債)

負債につきましては、流動負債は1年内返済予定の長期借入金の増加などにより32,859千円増加し、固定負債は長期借入金の増加などにより338,096千円増加した結果、前連結会計年度末に比べて370,955千円増加し、3,194,185千円となりました。

(純資産)

純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことなどにより前連結会計年度末に比べ101,427千円増加し、2,102,478千円となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。