株式会社ヤクルト本社

ブランドなど:ヤクルトジョアミルミルタフマン
食料品飲料プライムTOPIX Mid400

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00406 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、各種政策の効果もあり、緩やかに回復しているものの、世界的な金融引締め、中国経済の先行き懸念等による景気の下振れリスクや、物価上昇等による影響に十分注意を要する状況にあります。

このような状況の中で、当社グループは、事業の根幹であるプロバイオティクスの啓発・普及活動を展開し、商品の優位性を訴求してきました。また、長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」に立脚し、世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーを目指し、企業活動を推進し、業績の向上に努めました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は387,721百万円(前年同期比5.4%増)となりました。また、利益面においては、営業利益は55,902百万円(前年同期比4.2%減)、経常利益は68,976百万円(前年同期比0.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は43,339百万円(前年同期比6.4%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

 

・飲料および食品製造販売事業部門(日本)

乳製品につきましては、当社独自の「乳酸菌 シロタ株」や「ビフィズス菌 BY株」などの科学性を広く普及するため、エビデンスを活用し、地域に根ざした「価値普及」活動を積極的に展開しました。

宅配チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Yakult(ヤクルト)1000」および昨年9月にリニューアル発売した「ヤクルト400W」を中心に、新規のお客さまづくりを実施するとともに、既存のお客さまへの継続飲用の促進を図りました。また、宅配組織の強化を図るため、ヤクルトレディの多様な働き方等の魅力を訴求するテレビCMを放映したほか、採用活動および働きやすい環境づくりを推進しました。

店頭チャネルにおいては、乳製品乳酸菌飲料「Newヤクルト」シリーズおよび「Y1000」を中心に、視認性の高い売り場を展開したほか、キャンペーンを実施し、売り上げの増大に努めました。

一方、清涼飲料につきましては、栄養ドリンク「タフマン」シリーズおよび乳酸菌はっ酵果汁飲料「ヤクルトのおいしいはっ酵果実」を中心に販売促進策を実施し、売り上げの増大に努めました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(日本)の連結売上高は191,614百万円(前年同期比6.6%増)となりました。

 

 

 

・飲料および食品製造販売事業部門(海外)

海外につきましては、1964年3月の台湾ヤクルト株式会社の営業開始をかわきりに、現在29の事業所および1つの研究所を中心に、39の国と地域で主として乳製品乳酸菌飲料「ヤクルト」の製造、販売を行っています。昨年12月の一日当たり平均販売本数は約2,401万本、海外事業所の決算期である2023年1月から12月までの一日当たり平均販売本数は約2,880万本となりました。

 

ア.米州地域

米州地域においては、ブラジル、メキシコおよび米国で「ヤクルト」などを製造、販売しています。

米国では、広報活動等による販売支援を強化するとともに、取引店舗数の増大に努めた結果、販売実績は順調に推移しました。

その他米州地域では、宅配・店頭の両チャネルにおける販売体制強化を図り、売り上げの増大に努めました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(米州地域)の連結売上高は61,452百万円(前年同期比28.6%増)となりました。

 

イ.アジア・オセアニア地域

アジア・オセアニア地域においては、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インドおよび中国などで「ヤクルト」などを製造、販売し、アラブ首長国連邦(UAE)などでは「ヤクルト」などを輸入販売しています。

ベトナムでは、販売促進策を積極的に展開するとともに、宅配組織の拡充と取引店舗数の増大に努めた結果、販売実績は順調に推移しました。

中国では、広州ヤクルト株式会社が、広東省梅州市に梅州支店を設立し、同支店内の店頭チャネルで「ヤクルト」「ヤクルトライト」および「ヤクルト500億ライト」の販売を昨年11月から開始しました。これにより、中国の販売拠点は53か所となりました。しかしながら、同国経済の回復の遅れや消費の鈍化等により、売り上げに影響を受けています。実績回復に向け、短期的・中期的に各種対策に取り組んでいます。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(アジア・オセアニア地域)の連結売上高は104,942百万円(前年同期比4.9%減)となりました。

 

ウ.ヨーロッパ地域

ヨーロッパ地域においては、「ヤクルト」などをオランダで製造し、同国を含め、ベルギー、イギリス、ドイツ、オーストリアおよびイタリアなどで販売しています。

同地域では、健康志向の高まりを契機とした各国の市場特性に合った販売活動の展開により、持続的成長を目指しました。

これらの結果、飲料および食品製造販売事業部門(ヨーロッパ地域)の連結売上高は7,643百万円(前年同期比3.4%増)となりました。

 

・その他事業部門

その他事業部門には、化粧品の製造販売、医薬品の製造販売およびプロ野球興行などがあります。

化粧品につきましては、当社が創業以来培ってきた乳酸菌研究から生まれたオリジナル保湿成分「S.E.(シロタエッセンス)」の「価値普及」活動に重点をおき、お客さまの「内外美容」の実現と化粧品愛用者数の増大に努めました。

具体的には、高機能基礎化粧品「パラビオ」シリーズから、昨年11月にスキンケア商品4品をリニューアル発売しました。また、「パラビオ」シリーズおよび基礎化粧品「ラクトデュウ」シリーズについて、森高千里さん、IKKOさんを起用したテレビCMを放映し、商品認知の向上を目指しました。さらに、昨年11月に通信販売向けの新ブランド「ラクティフル」を立ちあげ、スキンケア商品2品を発売しました。

 

 

医薬品につきましては、がんおよびその周辺領域に特化した当社製品等の啓発活動や適正使用を推奨する活動を推進しました。しかしながら、主力製品である抗悪性腫瘍剤「エルプラット」について、後発医薬品へ切り替える医療機関が増加傾向にあることに加え、昨年4月に実施された薬価改定において大半の当社製品の薬価が引き下げられたことにより、売り上げに影響を受けました。

また、高田製薬株式会社への「エルプラット」等の販売移管・製造販売承認の承継に向け、関係各所に十分配慮しながら計画的に準備を進めています。

プロ野球興行につきましては、各種イベントやさまざまな情報発信を行うなど、積極的なファンサービスに取り組んだ結果、入場者数が増加しました。

これらの結果、その他事業部門の連結売上高は30,606百万円(前年同期比0.7%減)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の総資産は828,334百万円(前連結会計年度末比78,915百万円の増加)となりました。

純資産は620,370百万円(前連結会計年度末比74,873百万円の増加)となりました。主な要因は、2023年11月14日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得したものの、円安による為替換算調整勘定の増加および親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が増加したためです。

また、自己資本比率は67.5%(前連結会計年度末比1.0ポイントの増加)となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6,448百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 従業員数

当第3四半期連結累計期間において、連結会社または提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。

 

(7) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動および主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。