売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05456 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行したこと等により社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復基調となりました。当社サービスの対象である外食産業においては、消費者の外食支出やインバウンド需要が回復基調にありますが、原材料価格の上昇や人材不足等、経営環境には厳しさや先行き不透明感も見られます。

 

当社は2024年3月期から2026年3月期までの中期事業方針において「飲食店DXのベストパートナー」となることを目指し、「ぐるなびFineOrderの第2の基幹サービス化」「ぐるなびサイトの変革」「マーケティングエージェントの確立」「DXサービスの拡充」に重点的に取り組むこととしており、当期についてはその初年度として、重点施策に対して先行投資を実施し取り組みを強化するほか、既存の飲食店支援事業とプロモーション事業、店舗開発事業においては着実な売上拡大と効率的な事業運営により全社を支える安定的な収益基盤づくりを、関連事業に含まれるその他サービスについては徹底した運用効率化による収益力向上を図ることとしております。

 

当第3四半期における重点施策に関する取り組みについては、モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」の契約が大手外食チェーンを中心に従来の販促支援サービスでは加盟に至りづらかったカフェ業態等においても進展しており、12月末時点での契約企業数は期初に掲げた当期末目標65社を上回る77社(2023年3月末時点では44社)となりました。また契約企業における導入店拡大を順次進めると同時に当社の強みである人的サポート体制によるきめ細やかな運用・活用支援に取り組むことで、システム導入済み店舗の98.2%で「ぐるなびFineOrder」はアクティブに利用されており、その結果12月末における累計利用者数は1,160万人(利用した人の属する組人数の合計)となる等、消費者側における利用についても順調な広がりをみせております。その他、次期以降の更なる契約企業の獲得を目的に数千店規模で展開する外食チェーンの多くが利用するPOSベンダーとのシステム連携開発を進めております。

また「ぐるなびサイトの改革」の一環として、「楽天ポイント」の貯まる飲食店予約サイトとしての認知を拡大し、サイト利用者の増加、加盟飲食店への送客力向上を図ることを目的とし、10月2日付で飲食店情報サイト「ぐるなび」の名称を「楽天ぐるなび」へ変更いたしました。名称変更後、楽天会員の中でも最も楽天ポイントを積極的に利用する「ダイヤモンドランク」の会員による新規ID連携が増加したこと等を背景にユーザー基盤である楽天ID連携会員数は12月末時点で833万人(前年同月比166万人増)へと順調に拡大いたしました。

加えて「マーケティングエージェント」領域においては、インバウンド需要の回復を踏まえ Google ビジネスプロフィールの運用代行サービスにおいて多言語での情報発信サポートを強化する等、飲食店・消費者双方のニーズに沿った商品の改良や提案を進めており、その利用店舗数は順調に拡大しております。

既存事業については、飲食店販促支援領域において飲食店への送客拡大を目的に「楽天ポイント」やネット予約で利用可能なクーポンをフックとしたキャンペーンを6~8月、10月~12月に実施いたしました。こうした取り組みが奏功し、「楽天ぐるなび」へネット予約を掲載する飲食店1店舗あたりのネット予約件数は、前期はもとよりコロナ禍前2020年3月期を上回って推移いたしました。また店舗開発事業において6月に青森県八戸市、9月に茨城県日立市の商業施設に新たなフードホールをオープンいたしました。経営資源配分の見直しに関しては、5月に業務用食材・資材仕入れ専用のECサイト「ぐるなび仕入モール」を、8月には日本全国の観光・旅行情報を紹介するサイト「ぐるたび」をクローズいたしました。

 

当社の当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりであります。

財政状態について、当社は2021年3月期以降、農林水産省より「Go To Eatキャンペーン」事業の運営を受託し、これに伴い前連結会計年度末においては流動資産(現金及び預金)及び流動負債(未払金及び預り金)にそれぞれ1,607百万円を計上しておりましたが、本事業受託の終了に伴い、第1四半期において上述の未払金及び預り金について精算を完了いたしました。

また2021年12月10日に発行したA種優先株式について、優先配当の支払い負担の低減を目的に一部償還(取得及び消却)を当第3四半期に実施いたしました。

 

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、上述の「Go To Eatキャンペーン」事業の受託終了及びA種優先株式の一部償還による現金及び預金の減少等により流動資産が前連結会計年度末より2,437百万円減少した一方、ソフトウエアを中心に固定資産が同595百万円増加したことから、同1,841百万円減少11,159百万円となりました。

負債については、上述の「Go To Eatキャンペーン」に係る未払金及び預り金の減少を主因とし、前連結会計年度末より1,431百万円減少4,670百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失148百万円、上述のA種優先株式の一部償還等により前連結会計年度末より410百万円減少6,488百万円となりました。

 

経営成績について、当第3四半期連結累計期間の売上高は8,886百万円前年同期比0.8%減)となりました。事業区分別の売上高は下表のとおりです。

区分

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年12月31日)

対前年

同四半期

増減率

(%)

金額(千円)

金額(千円)

基盤事業

飲食店販促サービス

 

 

 

 

ストック型サービス

5,804,029

6,222,290

+7.2

スポット型サービス

911,663

849,963

△6.8

小計

6,715,692

7,072,254

+5.3

プロモーション

891,028

1,074,116

+20.5

小計

7,606,721

8,146,370

+7.1

関連事業

1,349,683

740,080

△45.2

合計

8,956,404

8,886,451

△0.8

 

 

飲食店販促サービスのうちストック型サービスについては、前期より既存加盟店に対するプランアップ・増額提案に注力し売上を着実に積み上げた結果、前年同期を7.2%上回りました。なおストック型有料加盟店舗数についても5月をボトムに緩やかな増加基調へと転じております。スポット型サービスについては、ネット予約手数料売上が外食需要の回復に伴い拡大した一方、経営資源配分の見直しの一環として前期に実施した一部サービス(楽天ぐるなびデリバリー及びテイクアウト、ぐるなびPay、ぐるなびPOS+)の終了影響により前年同期を下回ったものの、飲食店販促サービス全体で前年同期比5.3%増となり、当社の中核となる売上は着実に回復いたしました。

プロモーションについては、主として今期新たに開始した加盟飲食店の店内を活用した企業向けのプロモーションサービスの売上を計上したことから前年同期を上回りました。

関連事業については、売上回復に係る期間の収益確保を目的とした楽天グループ株式会社(以下「楽天」といいます。)からの業務受託を2023年3月をもって終了したことを主因とし前年同期を下回りました。

 

なお前期において終了した上述のサービスや施策(Go To Eatキャンペーン、楽天からの業務受託)に係る収入を除く売上高のオーガニック成長率は前年同期比14.2%増となりました。

 

費用面については、自然減及び採用の抑制による従業員の減少、売上回復に係る期間における固定費の低減等を目的とした業務提携先企業等への従業員の出向拡大等により人件費が大幅に減少したこと、注力サービス・施策の絞り込みにより業務委託費が減少したこと、オフィスの集約・縮小により賃借料が減少したこと等により、前年同期を下回りました。

 

以上の結果、営業利益は22百万円(前年同期は2,046百万円の損失)、上述の店舗開発事業における新たなフードホールのオープンにかかる収入等を営業外収益として94百万円計上したこと等から経常利益は92百万円(前年同期は1,996百万円の損失)となりました。なお特別損失に投資有価証券評価損223百万円を計上したこと等から親会社株主に帰属する四半期純損益は148百万円の損失(前年同期は1,918百万円の損失)となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

特記すべき事項はありません。