E00395 IFRS
連結業績サマリー
・ 当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)の連結売上収益は、前年実施した価格改定によって単価上昇した国内ビール・スピリッツ事業及び国内飲料事業、継続的に価格改定を行っているオセアニア酒類事業に加え、円安影響等によりコーク・ノースイーストや協和キリンが増収となり、結果として全ての報告セグメントが増収となりました。
・ 連結事業利益※は、ブランド育成のための投資を強化したオセアニア酒類事業等が減益となった一方で、前年実施した価格改定効果が想定通り発現している国内ビール・スピリッツ事業や販売が好調のコーク・ノースイーストが前年を上回ったことから、全体では増益となりました。
・ 親会社の所有者に帰属する四半期利益は、第1四半期のミャンマー・ブルワリー社の株式譲渡に伴う子会社株式売却損(その他の営業費用)などにより、減益となりました。
・ 当第3四半期連結累計期間の為替影響について、原材料等の調達においては減益要因になったものの、在外営業活動体の財務諸表の日本円への換算に際しては増益要因となりました。換算レートについては、対米ドル平均為替レート(1米ドル当たり139.55円)は前年同期比10.09円の円安、対豪ドル平均為替レート(1豪ドル当たり92.68円)は前年同期比1.93円の円安となり、前年同期比の為替の影響は、売上収益では約332億円の増収要因、事業利益では約23億円の増益要因となりました。
※ 事業利益:事業の経常的な業績を測る利益指標で、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除して計算
※ 平準化:その他の営業収益・費用等の非経常項目を除外し、より実質的な収益力を反映させるための調整
平準化EPS = 平準化四半期利益 / 期中平均株式数
平準化四半期利益 = 親会社の所有者に帰属する四半期利益±税金等調整後その他の営業収益・費用等
セグメント別の業績は次のとおりです。
キリンビール㈱
・ 売上収益は、外食需要の回復に伴い業務用チャネルの販売数量が増加したことや、前年実施した価格改定による単価増が寄与し増収となりました。
・ 業務用チャネルの販売数量は、上半期からは落ち着きをみせたものの、外食需要の回復により前年を約2割上回って推移しました。
・ 家庭用チャネルの販売数量は、発泡酒や新ジャンルで9月に仮需が発生したものの、外食需要の回復に伴い家飲み需要が減退した影響や、前年同期はビール類全カテゴリーにおいて価格改定前の仮需が発生した反動も大きく、前年を下回りました。
・ 主力の「一番搾りブランド」は、家庭用が昨年9月の仮需反動を受けながらも業務用チャネルが好調に推移したことで前年微増となりました。また「一番搾り糖質ゼロ」が7月のリニューアル活動後トレンドを回復させ、堅調に推移しました。
・ また「氷結ブランド」は、「氷結無糖シリーズ」が既存品に加え、「氷結無糖シークヮーサー」が7月新発売後好調に推移したことで前年を上回りました。
・ 事業利益は、原材料等の高騰影響を上回る価格改定効果等により増益となりました。
<国内飲料事業>
キリンビバレッジ㈱
・ 売上収益は、前年実施した価格改定効果などにより、増収となりました。
・ プラズマ乳酸菌入り飲料の売上収益は、既存商品の好調に加え、「おいしい免疫ケア」シリーズ等の新商品が寄与し大きく増収となりました。
・ また、主力ブランドである「午後の紅茶」や「生茶」は前年実施した価格改定の影響で数量は減少したものの、単価が高い新商品や限定品の発売等により、売上収益は増収となりました。
・ 事業利益は、原材料等の高騰影響を価格改定効果で相殺したものの、販売数量の減少や販売費の増加により、減益となりました。
Lion㈱
・ 売上収益は、現地通貨ベース、円ベース共に増収となりました(前年同期比 現地通貨ベース+7.7%、円ベース+10.0%)。
・ 豪州・NZは、消費マインドや消費支出に影響を与える外部環境の厳しさがあったものの「Stone&Wood」の販売数量増に加え、「Hahn」の販売好調、価格改定効果などにより増収となりました。
・ 北米クラフトビールは、「Voodoo Ranger」ブランドの販売好調継続に加えBell'sのモメンタム改善、価格改定効果により、増収となりました。
・ 事業利益は、現地通貨ベース、円ベースのいずれにおいても減益となりました(前年同期比 現地通貨ベース△8.6%、円ベース△6.6%)。
・ 原材料等の高騰影響は価格改定効果で相殺するも、主力ブランド等へのマーケティング投資を強化したことにより、減益となりました。
<医薬事業>
・ 売上収益は、日本における薬価改定や欧州エスタブリッシュト事業再編に伴う減収要因はあったものの、北米を中心とするグローバル戦略品の伸長に為替影響が加わり、増収となりました。
・ 事業利益は、北米での「Crysvita」自社販売開始に伴う人件費等の増加があったものの、北米を中心としたグローバル戦略品の売上や技術収入が増加したことにより、増益となりました。
<その他>
コーク・ノースイースト社
・ 売上収益は、米国の消費が底堅く、価格改定による単価効果も持続したことから、増収となりました(前年同期比 現地通貨ベース+10.0%、円ベース+18.6%)。
・ 事業利益は、人件費を中心に費用の増加は続いたものの、単価効果やミックス改善効果による売上収益の増加により、増益となりました(前年同期比 現地通貨ベース+29.1%、円ベース+39.2%)。
協和発酵バイオ㈱
・ 売上収益は、医療用アミノ酸製品の需要の減少などがあるも、他の製品の売上増などにより、増収となりました(前年同期比 +1.7%)。
・ 事業利益は、アミノ酸製品の想定以上の販売減や原材料・燃料価格の高騰による収益性悪化などのため、減益となりました。
当第3四半期連結会計期間末の資産は、Blackmores Limitedの買収に伴うのれん、無形資産の増加等により前年度末に比べ3,938億円増加して2兆9,360億円となりました。
資本は、為替変動の影響等によるその他の資本の構成要素の増加等により、前年度末に比べ1,416億円増加して1兆3,948億円となりました。
負債は、コマーシャル・ペーパーの増加等による社債及び借入金(流動)の増加等により、前年度末に比べ2,522億円増加して1兆5,413億円となりました。
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前年度末に比べ616億円増加の1,497億円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動による資金の収入は前年同期に比べ408億円増加の1,280億円となりました。運転資金の流出は118億円増加、法人所得税の支払額は320億円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は前年同期に比べ2,495億円増加の2,310億円となりました。子会社株式の売却により80億円、投資の売却により64億円の収入がありました。一方、子会社株式の取得については、前年同期に比べ1,159億円増加の1,621億円を支出、また有形固定資産及び無形資産の取得により835億円を支出しました。
財務活動による資金の収入は前年同期に比べ2,507億円増加の1,297億円となりました。配当金の支払により710億円、長期借入金の返済により327億円、社債の償還により300億円の支出がありました。一方、コマーシャル・ペーパーの増加により1,570億円、長期借入により1,192億円の収入がありました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、596億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。