売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E27622 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

 当社グループは、真のグローバル飲料企業として持続的な事業成長と企業価値向上を実現すべく “質の高い成長”を目標に掲げています。当連結会計年度に策定した中期経営計画においては、「ブランド戦略」、「事業構造改革」、「DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」、「サステナビリティ」の4つを重要な戦略テーマに掲げ、積極的に事業を展開しています。

 当連結会計年度は、外部環境は引き続き厳しいと想定される中、コアブランドを中心とした積極的なマーケティング活動を展開するとともに、RGM(レベニューグロースマネジメント)活動を強化し、全セグメントで更なる売上収益成長を目指します。

 

 当第1四半期連結会計期間においては、主要国における需要状況を着実に捉え、コアブランド集中活動を徹底したことにより、全セグメントで増収となりました。日本は、好天の影響もあり販売数量が前年同期を上回ったことに加え、価格改定効果も寄与しました。海外は、ベトナムにおける清涼飲料とタイにおける健康食品の販売トレンド回復も寄与し、アジアパシフィックが増収となったことに加え、欧州は、前年同期の暖冬による大幅増収の反動を受ける中、価格改定効果も寄与し前年同期並みで着地し、米州もRGM活動が寄与し増収となりました。

 

 営業利益は、原材料高及び為替変動によるコスト増や、主要国におけるマーケティング費用増が影響しましたが、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により、グループ合計で増益となりました。

 

 当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~3月31日)の連結売上収益は3,717億円(前年同期比10.2%増、為替中立3.8%増)、連結営業利益は339億円(前年同期比28.5%増、為替中立16.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は203億円(前年同期比38.9%増、為替中立24.7%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりです。

 

[日本事業]

 清涼飲料市場は、引き続き価格改定による需要減少が続く中、好天の影響もあり、当第1四半期連結会計期間の清涼飲料市場(当社推定)は前年同期並みとなりました。

 当社販売数量は、清涼飲料市場と同様の影響を受ける中、継続的なコアブランド集中活動の強化、新製品投入、マーケティング活動強化により、前年同期を上回りました。

 

 「サントリー天然水」は、需要が堅調に推移している中、コミュニケーションやマーケティング活動を強化した結果、販売数量が大きく伸長しました。「きりっと果実」シリーズの継続伸長に加え、「特製レモンスカッシュ」や、3月に発売した「FRUIT-SPARK グレフル&レモン」も増分に寄与しました。「BOSS」は、SOT缶が2023年5月からの価格改定の影響を継続して受けたこともあり、前年同期を下回りました。「伊右衛門」は、本体のリニューアル活動により販売トレンドが改善し、コミュニケーションの刷新や「伊右衛門 濃い味(機能性表示食品)」も寄与しました。加えて「特茶」も販売トレンドの好調を維持しています。「GREEN DA・KA・RA」は、本体及び「やさしい麦茶」が3月の天候不順により、前年同期を下回りました。

 

 売上収益は、1~2月の好天による販売数量の増加に加えて、価格改定効果が寄与したことにより、増収となりました。

 セグメント利益については、売上収益の伸長とコストマネジメントの徹底により原材料高及び為替変動の影響を吸収し、大幅増益となりました。

 

日本事業の売上収益は1,533億円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は78億円(前年同期比116.7%増)となりました。

 

 

[アジアパシフィック事業]

 アジアパシフィックでは、清涼飲料事業及び健康食品事業のコアブランド集中活動を継続しました。ベトナムの清涼飲料事業と健康食品事業は継続的なマーケティング活動も寄与し、販売トレンドが回復してきたことに加え、タイ及びオセアニアの清涼飲料事業が堅調に推移しました。

 売上収益は、主要事業における販売数量の伸長により、増収となりました。

 セグメント利益については、増収効果に加え、原材料等のコスト増の影響が減少したこともあり、増益となりました。

 清涼飲料事業では、ベトナムは、景気が緩やかに回復する中、主力ブランドの「PEPSI」及び「Aquafina」が好調に推移し、販売数量が伸長しました。タイは低糖製品を含めた「PEPSI」及び「TEA+」が好調に推移し、販売数量が伸長しました。オセアニアでは、エナジーカテゴリーの競争が激しい状況の中、主力ブランドであるエナジードリンク「V」のマーケティング活動を強化した結果、販売数量は前年同期を上回りました。

 健康食品事業では、需要が回復してきている中、コミュニケーション刷新やマーケティング活動強化により「BRAND'S Essence of Chicken」の販売トレンドが回復してきたことに加え、「BRAND'S Bird's Nest」がインバウンド需要の回復に伴い販売数量が大きく前年同期を上回りました。

 

アジアパシフィック事業の売上収益は997億円(前年同期比10.9%増、為替中立3.0%増)、セグメント利益は136億円(前年同期比15.4%増、為替中立7.6%増)となりました。

 

[欧州事業]

 欧州では、景況感の悪化、前年同期の暖冬による販売数量増の反動もあり、フランス、英国、スペインともに販売数量が前年同期をわずかに下回りましたが、売上収益は、価格改定を含めたRGM活動が寄与し、前年同期並みとなりました。

 セグメント利益については、マーケティング費用の増加も影響し、減益となりました。

 主要国別には、フランスでは、競争環境の激化及び景気低迷の影響を受ける中、コアブランド集中活動の徹底により「Oasis」及び「Schweppes」が伸長しました。英国では、ストライキの影響を受けましたが、主力ブランド「Lucozade」が堅調に推移しました。スペインでは、前年同期の暖冬による販売数量増の反動を受ける中、主力製品の「Schweppes」にて積極的な販促活動を行いましたが、販売数量はわずかに前年同期を下回りました。

 

欧州事業の売上収益は786億円(前年同期比14.6%増、為替中立0.2%増)、セグメント利益は118億円(前年同期比12.7%増、為替中立2.3%減)となりました。

 

[米州事業]

 米州では、堅調な需要が継続する中、主力炭酸カテゴリー及び非炭酸カテゴリーのマーケティング活動を強化したことに加え、「Gatorade」の販路拡大も寄与し、販売数量は堅調に推移しました。

 売上収益は、価格改定を含めたRGM活動も寄与し、増収となりました。

 セグメント利益については、売上収益の伸長により、原材料価格並びに物流費及び人件費高騰の影響を吸収し、増益となりました。

 

米州事業の売上収益は401億円(前年同期比21.8%増、為替中立8.4%増)、セグメント利益は43億円(前年同期比13.6%増、為替中立1.2%増)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、有形固定資産、無形資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ632億円増加して1兆9,756億円となりました。

負債は、繰延税金負債、その他の金融負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ134億円増加して7,408億円となりました。

資本合計は、その他の資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べ497億円増加して1兆2,348億円となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ172億円減少し、1,546億円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益347億円、減価償却費及び償却費184億円等に対し、棚卸資産の増加78億円、仕入債務及びその他の債務の減少180億円等により、資金の収入は前年同四半期と比べ21億円減少し、105億円の収入となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出233億円等により、資金の支出は前年同四半期と比べ67億円増加し、209億円の支出となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払124億円、リース負債の返済による支出31億円等により、資金の支出は前年同四半期と比べ62億円減少し、114億円の支出となりました。

 

(4) 重要性がある会計方針及び見積り

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要性がある会計方針及び見積りについて重要な変更はありません。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は24億円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。