株式会社J-オイルミルズ

ブランドなど:ホーネン味の素製油吉原製油
食料品食用油プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00434 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、社会経済活動の正常化が一段と進み、雇用や所得環境、インバウンド需要の改善などにより、景気は緩やかに回復しました。一方で、世界的な金融引き締めによる影響や原材料・エネルギーコストの高値水準の継続のほか、為替相場の円安進行も重なり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況下において、当社は油脂汎用品の適正価格での販売に取り組むとともに成長ドライバーとなる高付加価値品の拡販に努めました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,880億93百万円前年同四半期比3.4%減)、営業利益61億48百万円(前年同四半期は営業損失3億53百万円)、経常利益63億48百万円(前年同四半期は経常損失1億39百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益53億22百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益3億11百万円)となりました。

 

セグメントの概況は、次のとおりであります。

 

(油脂事業)

油脂事業環境につきましては、主原料である大豆相場は、米国における順調な作付け進捗や米国産大豆の需給緩和予想などから5月には一時1ブッシェル当たり12米ドル台まで下落しましたが、米国産地の降雨不足や米国におけるエネルギー向け植物油需要の増加期待、事前予想を下回る米国作付面積発表などを受け、7月には16米ドル台まで上昇しました。その後は、米国産地の天候を材料に上下する展開が続いた後、作柄改善期待や順調な収穫進展を受けて9月には再び12米ドル台まで下落しました。10月以降はブラジルの天候懸念から再び上昇傾向に転じ、11月には14米ドル目前まで上昇しましたが、12月末にかけては南米の天候改善を受けて再び13米ドル割れまで下落しました。前年同四半期との比較では低位での推移となりました。菜種相場は、カナダでの順調な作付進捗を受けて5月には一時1トン当たり600加ドル台前半まで下落しましたが、米国の植物油需要の増加期待から上昇傾向に転じ、カナダ産地の天候リスクを織り込む動きもあって7月には800加ドル台中盤まで上昇しました。その後は、カナダ産地の天候を材料に上下する展開が続きましたが、順調な収穫の進展やカナダ産菜種の需給緩和予想などから軟調な展開が続き、12月末には600加ドル台前半まで下落しました。前年同四半期との比較では低位での推移となりました。ドル円相場は、日米の金融政策の方向性の違いが意識される中、米国金利の上昇が続いたことから円安ドル高傾向が継続し、11月には151円台/1米ドルを付けました。その後は、米国での長期金利の低下や日銀の緩和政策への修正期待の高まりなどから140円台前半/1米ドルへ戻す展開となりました。前年同四半期と比較して円安水準での推移となりました。

油脂部門につきましては、家庭用油脂は値上げによる節約志向の高まりや外食の回復などの影響で需要が減少し、販売数量は前年同四半期をやや下回りました。汎用油においては、販売数量は前年同四半期をやや下回り、販売単価も下落したことから売上高は前年同四半期を下回りました。原料価格高騰の影響によりオリーブオイルの市場は足元では縮小傾向にあるものの、価格改定により売上高は前年同四半期を大きく上回りました。環境負荷の低減やお客様の使いやすさが特長である「スマートグリーンパック®」はパッケージを刷新し、ラインナップを拡充しました。今春から販売店舗数も増加し、6月および11月にはTVCMと連動したキャンペーンを展開することで、認知度向上を図り拡販に努めました。業務用油脂は、油脂価格高騰によるお客様のフライ油の使用日数の延長やフライメニューの減少の影響を受けたものの、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う人流の回復やインバウンド需要の拡大による外食市場の回復により、販売数量は前年同四半期をわずかに上回りました。当社独自技術「SUSTEC®(サステック)」については、市場の回復により深刻化する人手不足を背景に、長持ちすることによるフライ油交換に伴う労働負荷の軽減と、対象商品を拡大したCFP(Carbon Footprint of Products)認証による環境負荷の低減という二つの低負荷を軸とした提案を推進しました。

油糧部門につきましては、大豆ミールは搾油量が前年同四半期を下回ったことから、販売数量は前年同四半期を下回りました。販売価格はシカゴ相場が下落したものの、為替相場の円安進行により前年同四半期と同程度となりました。菜種ミールは搾油量が前年同四半期をわずかに下回ったことに加え、ミール歩留がやや低下したことから、販売数量は前年同四半期を下回りました。販売価格は大豆ミール価格に連動して前年同四半期をわずかに上回りました。

以上の結果、当事業は売上高1,696億59百万円前年同四半期比4.0%減)、セグメント利益59億35百万円(前年同四半期はセグメント利益2億23百万円)となりました。

 

(スペシャリティフード事業)

乳系PBF部門につきましては、家庭用はマーガリン市場の縮小傾向に加え、前年度に大幅な価格改定を実施したことも影響し、販売数量は前年同四半期を下回りました。売上高は価格改定後の販売単価の維持に努めたものの、前年同四半期をやや下回りました。プラントベースブランド「Violife」は増量キャンペーンによるトライアル・リピートしやすい商品提案やSNSでのプレゼントキャンペーンを実施するなど、ターゲット層への認知・理解促進を継続しました。業務用はインバウンド需要が回復基調となり、土産菓子向けの需要が堅調に推移したものの、原材料価格の上昇などにより、菓子やパンの販売個数や容量の減少、油脂使用量の削減などの影響を受けた結果、販売数量は前年同四半期を下回りました。一方、売上高は前年度に実施した価格改定の影響もあり、前年同四半期と同程度となりました。粉末油脂は安定した受注量、生産量を確保したことから販売数量は前年同四半期を上回りましたが、原料価格の低下による販売価格下落により、売上高は前年同四半期と同程度となりました。

食品素材部門につきましては、テクスチャーデザインは米菓向けコーンスターチの出荷が伸びなかったものの、販売価格改定により売上高は前年同四半期を上回りました。「TXdeSIGN®(テクスデザイン)」シリーズにつきましては、製菓製パン用途や畜肉用途への提案を強化することでターゲット顧客での採用が進み、売上高は前年同四半期を大きく上回りました。ファインは、ビタミンK2が国内市場を中心に新規採用や使用量拡大が進んだことに加え、米国や台湾など海外への輸出拡大に取り組んだ結果、売上高は前年同四半期を大きく上回りました。大豆たん白をベースとしたシート状大豆食品「まめのりさん®」は価格改定に努めたものの、流通在庫の調整による出荷減の影響により、売上高は前年同四半期を下回りました。

以上の結果、当事業は売上高176億37百万円前年同四半期比2.7%増)、セグメント利益79百万円(前年同四半期はセグメント損失6億89百万円)となりました。

 

(その他)

その他の事業につきましては、売上高7億95百万円前年同四半期比3.9%増)、セグメント利益1億32百万円前年同四半期比17.0%増)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ99億80百万円減少し、1,686億41百万円となりました。主な増加は、現金及び預金が15億15百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が8億91百万円、投資有価証券が79億83百万円であります。主な減少は、棚卸資産が115億75百万円、有形固定資産が84億75百万円であります。

負債は、前連結会計年度末と比べ143億21百万円減少し、700億35百万円となりました。主な増加は、未払法人税等が17億15百万円、未払消費税等が4億13百万円であります。主な減少は、支払手形及び買掛金が16億67百万円、短期借入金が148億円であります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ43億41百万円増加し、986億5百万円となり、自己資本比率は58.2%となりました。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9億45百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。