売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03349 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社は、2024年2月期第1四半期より四半期連結財務諸表を作成しているため、①経営成績の状況、②財政状態の状況において前年同四半期及び前期末との比較分析は行っておりません。

 

① 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年11月30日)における国内経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類感染症」へ移行されたことで、コロナ禍からの社会・経済活動の正常化が進む一方、為替相場の変動や原材料・エネルギー価格の高騰など、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当社グループは「九州でNo.1の信頼される企業」の実現に向け、中期経営計画に掲げた「食の強化」「非食品分野の専門化」「デジタルトランスフォーメーション(DX)推進」「環境・地域社会への貢献」を推進しており、既存事業の収益基盤を強化しつつ、今後の成長に向けた新たな店舗フォーマットの開発などに積極的に取り組んでおります。

 店舗面では、既存店の収益力向上を図るべく計画的にリニューアルを実行するとともに、今後の成長に向けて新たに13店舗を出店しました。このうち、都市部におけるマーケットシェア拡大を目指した店舗展開として、近くて便利なコンパクトスーパーマーケットをコンセプトとした「マックスバリュエクスプレス」を福岡市内に2店舗、イオンウエルシア九州株式会社では、調剤併設型ドラッグストアと生鮮食品・お弁当・お惣菜まで揃えたスーパーマーケットが融合した新フォーマット「ウエルシアプラス」を5店舗出店いたしました。また、一方で5店舗を閉鎖しましたが、このうち3店舗は今後の成長に向けたスクラップ&ビルド、業態転換によるものです。これらを含め、当第3四半期連結会計期間末における店舗数は338店舗となりました。

 売上高の動向におきましては、食料品や日用品を中心とした値上げが相次ぐ中で、「しあわせプラス(応援価格)」をはじめとする生活応援施策の品目数拡大や「トップバリュベストプライス」「WAONボーナスポイント」商品の展開強化など、値ごろ感を重視した品揃えを強化するとともに、オーガニック&ナチュラルなど新たな付加価値を創造する商品・売場を積極的に導入したことで、売上構成の高い食料品の売上は前年同期を上回り引き続き好調に推移しました。衣料品・住居余暇商品では、11月上旬まで福岡市の最高気温が20℃を超える日が続くなど、アパレルを中心として気温高の影響はありましたが、外出・旅行需要の拡大への対応としてトラベル関連商品や服飾雑貨、ビューティケア用品などの品揃え拡充、ブラックフライデーセールやアプリクーポン企画など販促施策強化による需要喚起に努めたことで、売上は前年同期を上回りました。

 営業総利益におきましては、期間を通して売上高が好調に推移したことに加え、店舗のスペースを活用した店頭催事企画の取り組みを強化したことで、1,111億49百万円、営業収益対比では29.5%となりました。

 販売費及び一般管理費におきましては、今後の成長に向けた新規出店や既存店の活性化、DX投資を計画的にすすめた一方で、セルフレジや電子棚札の導入店舗拡大、店舗内オペレーション効率化什器の導入などによる生産性向上に努めたことで1,044億84百万円、営業収益対比では27.7%となりました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高にその他の営業収入を加えた営業収益3,765億83百万円、営業利益66億64百万円、経常利益68億81百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益43億23百万円となりました。なお、単体における当第3四半期累計期間の業績は、いずれも過去最高を更新しております。

 

(参考)イオン九州株式会社単体における経営成績は、以下のとおりです。        (単位:百万円)

 

2023年2月期

第3四半期

2024年2月期

第3四半期

対前年同四半期

増減率

営業収益

354,664

375,846

6.0%

営業利益

3,716

7,114

91.4%

経常利益

4,220

7,331

73.7%

四半期純利益

3,194

4,553

42.5%

 

当第3四半期連結累計期間における主な取り組みは以下のとおりです。

 

(今後の成長に向けた取り組み)

 新規出店としては、総合スーパー(GMS)1店舗、スーパーマーケット(SM)5店舗、ホームセンター(HC)1店舗、サイクル専門店「イオンバイク」1店舗、「ウエルシアプラス」5店舗をオープンし、店舗網の拡充を進めました。このうち、HCでは9月にペットと園芸の専門店「ホームワイド ペット&グリーン和白店(福岡県福岡市東区)」をオープン、SMでは小型の食品スーパー「マックスバリュエクスプレス」2店舗の新規出店を行うなど、福岡市内におけるマーケットシェア拡大に努めました。

 お買い物に不便を感じている地域の皆さまのお役に立ちたいとの想いから、新たな販売サービスとして「イオンの移動販売」を大分県由布市及び福岡県中間市、長崎県長崎市(東長崎地区)にて開始しました。なお、同サービスにおいては、販売車に積むことのできない大型サイズの商品やまとめ買いなどのご要望にもお応えできるよう「イオンネットスーパー」と連携しています。

 「イオンネットスーパー」では、忙しい毎日のお買い物時間を短縮し、お客さまの生活スタイルに合わせたお買い物をサポートするべく、新たに6店舗で即日配送サービスを開始、11月にサービスを開始した「イオン直方店(福岡県直方市)」では指定の場所で車に乗ったまま受け取れるドライブピックアップサービスを導入しました。このように更なる利便性向上に努めたことで、ネットスーパーの売上は前年同期比109.3%となりました。

 「イオン九州オンライン」では、ネットでご注文いただいた「暮らしの品」「ベビー用品」を福岡県内のマックスバリュ店舗でも受け取れるサービスを開始しました。また、8月にネットショッピング限定セール「ビッグバザール」を実施したほか、店頭でのブラックフライデーセールに先行して実施した予約販売会では、電動アシスト自転車やゲーム機器などの高単価商品が好調で、当社ECサイトにおける売上は前年同期比155.9%と伸長しました。

 顧客基盤の拡大に向けて、「決済」「ポイント」「クーポン」「お得な情報」が一つのアプリで完結できるイオングループの公式トータルアプリ「iAEON」の利便性拡大と会員数拡大に取り組みました。6月より「イオン九州アプリ」の機能を「iAEON」に移行し、店頭での新規会員登録キャンペーンを実施したことで、当社店舗をお気に入り店舗に登録いただいた会員数は11月末時点で約50万人とほぼ目標通り進捗しています。これらの取り組みにより、「iAEON」で使用できるスマホ決済「AEON Pay」による決済額は前年同期に比べて5.6倍、「イオン九州アプリ」でもご好評いただいていた「ガッチャクーポン」利用件数は前年同期比123.3%、直近の11月度におけるクーポン利用者の客単価は非利用者に比べて約1.8倍、前年同月比110%となりました。

 

(収益力向上の取り組み)

 店舗面では、既存施設の資産価値を高める取り組みとして、GMS5店舗、SM7店舗、HC1店舗の活性化を行いました。このうち、10月にリニューアルした「イオンスタイル笹丘(福岡県福岡市中央区)」では、お客さまがウェルビーイングを実感できる店舗を目指し、オーガニック商品をはじめ、環境とからだに優しい商品を集めた当社独自の新規ショップ「b!olala(ビオララ)」を展開しました。また、11月にリニューアルした「イオン直方店」では、未来をつくる子育て世代を応援するお店を実現するため、ベビールームの設備・サービスをより広く、使いやすく見直し、遊び場を新設するなど九州最大級の規模に拡大したほか、健康なライフスタイルをサポートするオーガニック&ナチュラル商品の品揃えを拡大しました。

 商品面では、トラベル関連商品や化粧品、毎日の健康をサポートするウェルネスフード、総菜や冷凍食品など、お客さまの消費行動の変化に対応した品揃えの拡充に努めました。また、九州・沖縄・山口の各県のご当地食材や加工品を取り揃えた「大九州マルシェ」の開催や、九州の生産者、お取引先さまと協力し、月替わりで「素材にこだわった逸品」企画の実施など、地産地消・地産域消の取り組みを推進しました。一方で、様々な商品の値上げが相次ぐ中で、生活応援施策「しあわせプラス(応援価格)」の取り組みを強化し、対象商品の拡大に加え、お取引先さまと連携しオリジナル商品の販売を開始するなど、お値打ち価格での提供に努めました。11月に実施したブラックフライデーセールでは、店頭とオンラインでいつもよりちょっと豪華なおいしいもの、話題の商品や店頭では通常販売していないブランド商品などを訴求し、お客さまにご好評をいただきました。

 経費面では、セルフレジや電子棚札の導入店舗拡大、店舗オペレーション効率改善のための什器導入、販促施策のデジタルシフトなどに継続して取り組み、生産性の向上に努めたことで、単体における販売費及び一般管理費は営業収益対比で前年同期に比べ0.8ポイント改善しました。

 

(パーパスの策定及びマテリアリティの特定)

 当社は、昨年の設立50周年を機に、100年企業を目指すために当社に求められる社会的役割について次の50年を担う若手社員が中心となり議論を重ね、今年5月に「私たちの『たからもの』 九州をもっと―」をパーパスとして策定いたしました。そしてパーパスを達成するために優先的に取り組むべきテーマとして特定した6つのマテリアリティ(重要課題)とともにWebサイト(※)にて公表しております。これまで支えていただいたすべてのステークホルダーの皆さまとの「つながり」をもっと強固なものにして、これからも九州の成長に貢献し、明るく元気な未来を創りだすために、従業員一人ひとりが変革と挑戦を続けることができる企業を目指してまいります。

※WebサイトのURL https://aeon-kyushu-sustainability.com/

 

(地域貢献・持続可能な社会の実現に向けた取り組み)

 当社は、九州の成長と暮らしの豊かさに貢献するという経営理念のもと、事業活動を通じ、地域貢献、持続可能な社会の実現に向けた活動に取り組んでいます。当第3四半期連結会計期間における主な取り組みは次のとおりです。

 当社は、農林水産省・消費者庁・環境省連携の「あふの環プロジェクト」活動に賛同し、前年に引き続き9月に「サステナウィーク~未来につながるおかいもの~」というテーマのもと、地域のみなさまと連携し、環境に優しい商品の集合展開、ワークショップなどのイベント実施による啓発活動を推進しました。

 2022年に「環境特別WAONボーナスポイント」による寄附金を利用して、ソメイヨシノ・カツラなど約1,000本分の植樹を行った宮崎県東諸県郡綾町の「綾町イオンの森」において、10月に地域の皆さまとともに育樹活動を実施しました。「環境特別WAONボーナスポイント」は、お買い物を通してできる社会貢献として、対象の環境配慮型商品をお買い上げいただくとお客さまに付与されるWAONボーナスポイントと同額が公益財団法人イオン環境財団へ寄附され、森の再生のための植樹の苗木代などの環境保全活動に役立てられる当社独自の取り組みで、2023年は4月、6月、10月に実施しました。

 地域課題の解決に向けて労使共同でボランティア活動を行う「イオン ハートフル・ボランティア」の一環として、10月に大分県大分市にて七瀬柿の収穫支援活動、11月に福岡県朝倉市で実施された富有柿総ちぎり支援活動に当社従業員が参加しました。また、当社では2015年から毎年10月に「みやざきワインヌーヴォー」として宮崎県内4つのワイナリーの新酒を販売しており、8月に都城ワイナリー、9月に五ヶ瀬ワイナリーでのぶどう収穫支援活動を実施しました。今後も地域の皆さまと連携し、地域の生産物、そして生産者を支援する活動を推進してまいります。

 単なる不用品回収にとどまらず、お客さまご自身が環境や社会に配慮した取り組みに参加いただける機会として、4月及び10月に当社のGMS店舗で衣料品の回収イベントを実施しました。3回目となる10月はGMS30店舗でお客さまにお持ちいただいた衣料品約12トンを回収いたしました。回収された古着は選別し、リユース・リサイクルされます。廃棄される繊維・衣類を可能な限り削減すると同時に、繊維・ファッション産業における衣類のライフサイクルの長期化を進め、資源の有効活用や、環境負荷の低減につなげてまいります。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、1,734億68百万円となりました。

 流動資産合計558億27百万円の主な内訳は、現金及び預金が62億28百万円、棚卸資産が305億62百万円であります。

 固定資産合計1,176億41百万円の主な内訳は、有形固定資産が940億14百万円、差入保証金が143億49百万円であります。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債は、1,263億5百万円となりました。

 流動負債合計921億49百万円の主な内訳は、支払手形及び買掛金が415億82百万円、1年内返済予定の長期借入金が76億5百万円、短期借入金が60億円であります。

 固定負債合計341億55百万円の主な内訳は、長期借入金が195億78百万円、資産除去債務が40億円であります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は、471億63百万円となりました。

 主な内訳は資本金が49億15百万円、資本剰余金が108億71百万円、利益剰余金が332億68百万円であります。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性

 当第3四半期連結会計期間における資金需要は、運転資金(その主なものは商品の仕入、広告宣伝費、人件費及び設備関連費用等)及び資本的支出であり、その資金源泉は営業活動によって得られた資金と借入金により賄いました。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。