売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03372 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が指定感染症5類に移行された2023年5月上旬以降、国内景気には緩やかな回復が見られ、消費行動を促進する環境変化が急速に進んだことで、経済活動の正常化が加速しました。2023年10月には訪日外客数が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月実績をコロナ禍後で初めて上回るなど、インバウンド需要の急回復も顕著となり、レジャーや宿泊など観光関連産業の伸長が景気の押し上げ要因となりました。一方で、世界的な金融引き締めや、中国をはじめとする海外経済の減速、円安の進行、エネルギーコストの高止まりや物価高騰を背景とする節約志向の高まりが個人消費の下押し要因となるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。

こうした環境のなか、当社グループにおきましては、マンションフロントサービス事業において安定した収益を 確保したほか、ホテル事業においてはインバウンド需要の拡大や団体旅行の復調、行楽シーズンによる国内旅行の好調を受け、千葉県内ならびに都内の施設はいずれも週末を中心に連日高稼働で推移するなど、売上高は大きく伸長いたしました。

また、2023年7月の事業用地取得以降、建築工事にも着手し、開発行為を進めているアウトドアリゾート施設(千葉県成田市)については、「記憶に残る非日常の提供」を通じた顧客体験価値の向上を図るとともに、サービス内容の充実や品質レベルの追求、お客様の安心安全に配慮した各種運営オペレーション及び供給体制の確立に充分な準備期間を有したい考えから、その開業時期について、2024年4月から2025年3月に変更したほか、開業準備資金19億22百万円の調達のため、新たに株式会社三井住友銀行をアレンジャー兼エージェントとするコミット型シンジケートローン契約を2023年12月21日に締結し、同28日に11億95百万円の借入を行っておりますが、当第3四半期連結累計期間における損益に与える影響は軽微であります。

以上の結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間における業績は、営業総収入56億58百万円(対前年同期比10.4%増)、営業利益4億46百万円(前年同期は12百万円の営業利益)、経常利益4億64百万円(前年同期は18百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億93百万円(前年同期は80百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

当社のセグメントの業績は次のとおりであります。

① ホテル事業

ホテル事業におきましては、東京都心や千葉県市川市、浦安市内において、ビジネスホテル及びユニット型ホテルを運営しております。

2023年5月上旬以降、新型コロナウイルス感染症が指定感染症5類に移行されたことで、回復傾向にあった人流はより活発化し、続く6月以降も国内の宿泊需要は拡大傾向が続いたほか、9月以降はインバウンド需要がさらに急回復したことに加え、団体旅行の復調や行楽シーズンによる国内旅行の拡大が10月以降も堅調に推移しました。

千葉県内で運営するビジネスホテル施設におきましては、近隣テーマパークにおいて、プロモーションの強化や大型イベントの積極開催を背景に来園者数が大幅に増加したことで、レジャー関連の宿泊者数が大きく伸長したほか、修学旅行や企業イベントなど団体宿泊需要の獲得に積極的に取り組むことで、売上高は大きく伸長いたしました。加えて、複数名利用のニーズに則したプラン設計や連泊予約を可能とする販売コントロールの展開、ファミリーやグループ旅行者へのアプローチ強化を図るなどし、1部屋当たりの利用人数の拡大を追求したほか、需要予測に基づく販売価格の調整を行うことで、客室単価の適正値維持に努め、さらなる収益改善が進みました。

東京都港区で運営する「BAY HOTEL東京浜松町」においては、2023年3月に「ユニットフロア」の全面リニューアル工事を行い、小さなお客様を含むファミリーや国内外のグループ旅行者に対する訴求を強化した結果、宿泊価格は1室3万円以上と高単価でありながら、稼働率は依然7割を超えて安定的に推移するなど、ターゲットとする客層による利用の拡大が進んだことで、収益性の改善が進んでおります。

ユニット型ホテル2施設におきましては、都心における宿泊需要の回復を受け、高止まりが続くビジネスホテルの客室単価高騰を背景に、リーズナブルで利便性の高い施設としての支持を受け、需要獲得が進みました。

また、キャラクターコンテンツとのコラボ企画におきましては、国内外の幅広い年齢層から支持される人気キャラクター「モンチッチ」の生誕50周年を祝した「ルーム・コラボレーション」企画の第1クールを2023年6月より実施したほか、続く第2クールの販売も12月下旬より開始するなど、宿泊需要のみならず、グッズ販売やイベント、ファン同士の集いの場としての機能を強化し、宿泊以外の需要の獲得にもさらに努めてまいります。

この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、ホテル事業収入12億64百万円(対前年同期比103.8%増)、セグメント利益3億46百万円(前年同期は78百万円のセグメント損失)となりました。

 

② マンションフロントサービス事業

マンションフロントサービス事業におきましては、マンションコンシェルジュによる高付加価値サービスの提供を通じたワンランク上のマンションライフの実現に努め、独立系の企業として業界トップシェアを有しております。近年は、シェアオフィスや公共施設など、マンションコンシェルジュ業務にて培った高付加価値サービスを、マンション以外の受付業務においても発揮し、事業領域の拡大を図っております。

コロナ禍から平時への移行が急速に進んだことを受け、マンションフロントにおける生活支援サービスの利用にも復調が見られ、クリーニング取扱高、マンション内ショップ売上高及び居住者向けイベント開催は、回復傾向が続いております。その他、マンション居住者、管理組合、管理会社向け支援ツール「OICOS」の機能拡充に加え、100世帯以下の中・小規模マンション向けの「OICOS Lite」ならびに、同シリーズと連携可能なスマホアプリ「OICOS App」を通じ、マンション規模が小さく有人フロントサービスの提供が困難な施設への導入提案を推進するなど、有人フロントサービス以外の選択肢の開拓に努め、受託件数の獲得を進めています。さらに2023年11月には、インターホンメーカー大手、アイホン株式会社が提供する、オートロックなどの集合玄関に対応した集合住宅用インターホンシステム「dearis(ディアリス)」とのIoTシステム連携による新機能を追加し、その提供を開始するなど、居住者向けの生活支援サービス、管理組合の運営支援、管理会社のサポート、及びマンション管理のさらなる効率化を図り、スマート且つワンストップな管理の実現にも取り組んでいます。

当第3四半期連結会計期間末時点における総受注件数は751件(対前期末比3件増)、うち「OICOS」受注件数は142件(対前期末比11件増)となりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、マンションフロントサービス事業収入32億25百万円(対前年同期比0.4%増)、セグメント利益3億17百万円(対前年同期比0.1%減)となりました。

 

③ クリーニング事業

クリーニング事業におきましては、マンションフロント、コンビニエンス・ストア店舗や社員寮においてクリーニングサービスを提供しているほか、法人向けサービスとして、マンション内のゲストルームやホテルにおけるリネンサプライサービスの提供を行っております。

個人向けクリーニングにおいては、取次拠点の減少に加え、在宅勤務の普及によるワイシャツ、スーツのクリーニング需要の減少などにより、取次件数の減少傾向は続くものの、既存顧客へのアプローチを強化し、需要の掘り起こしに向けた施策を展開するほか、マンションフロント事業との親和性も高く今後の需要拡大も見込まれるハウスクリーニングや保管サービス等の新規獲得に加え、新たな試みとして、モバイルコミュニケーションツール「LINE」を通じ、クリーニング対象品の集荷依頼や各種ご相談を24時間で可能とし、キャッシュレス決済にも対応したトータルクリーニングサービス「オンラインコンシェルジュ」の導入及び展開を2023年10月より開始するなど、マンション居住者のそれぞれのニーズに対応し、フロントや近隣提携工場の有無にかかわらず常時提供できる利便性の高いサービスの開発にも着手しております。また2023年11月末を以てユニフォーム管理センター業務を終了したほか、バックオフィス業務の効率化を並行して進め、管理コストの削減にも努めてまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、クリーニング事業収入1億56百万円(対前年同期比11.9%減)、セグメント利益32百万円(対前年同期比98.0%増)となりました。

 

④ コンビニエンス・ストア事業

コンビニエンス・ストア事業におきましては、千葉県及び東京都心において、ローソンブランドでの店舗運営を行っております。当社の強みである独創性を持った店舗作りを目指し、フランチャイズ本部が推進する各種施策に加え、立地特性に対応した独自仕入商品の販売を行うなど積極的な販売施策を進めてまいりました。

2023年5月上旬以降、新型コロナウイルス感染症が指定感染症5類に移行されたことを受け、主力店舗近隣の大型テーマパーク、商業施設、大規模展示場における各種イベントは、コロナ禍以前と同規模もしくはそれを上回る規模で連日開催されたことで、来場者数は大きく増加した影響に加え、自社ホテルに併設する店舗においても宿泊者数の増加などにより夕夜間の来店客数が増加したことで、売上高は引き続き伸長いたしました。

2023年1月に順次実施した店舗のリニューアル工事により、新たに店内調理設備『まちかど厨房』を導入し、品揃えの見直しと強化を推進したことにより、収益性の改善も好調に推移しました。

なお、2023年3月末を以て東京都心で運営する1店舗を、借地契約の満了に伴い閉店したため、当第3四半期連結会計期間末現在の店舗数は4店舗となりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、コンビニエンス・ストア事業収入9億88百万円(対前年同期比6.0%減)、セグメント利益72百万円(対前年同期比13.2%増)となりました。

 

⑤ その他事業

その他事業といたしましては、事業用不動産の保有や賃貸管理、ヘアカットサービス店舗の運営のほか、千葉県成田市にてキャンプ場の運営を行っております。

キャンプ場においては、コロナ禍から平時への移行が急速に進んだことで、遠方への旅行需要が拡大した影響などにより、首都圏近郊にある同施設の利用者は対前年比で減少したほか、2022年9月に都内に保有する賃貸用不動産を譲渡したことから、売上高、セグメント利益ともに減少しております。なお、千葉県船橋市の借地物件について、2023年11月の事業用借地権設定契約の満了を以て当社は以降の契約を更新せずに撤退し、引き続きの賃借を望む転借人に対し、当該借地内に当社が保有する固定資産を贈与するとともに、当社が負う原状回復義務の承継を行うことで合意いたしました。そのため当社は、固定資産の贈与を当該契約の満了日に実施し、同日で当該借地に対する当社の原状回復義務が消滅したことを受け、資産除去債務消滅益として21百万円の特別利益を計上いたしました。

この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、その他事業収入79百万円(対前年同期比36.5%減)、セグメント利益19百万円(対前年同期比44.6%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて11億46百万円(13.2%)増加し、98億25百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金が54百万円、その他流動資産が83百万円それぞれ増加したことなどにより、流動資産が1億45百万円増加し、また、アウトドアリゾート施設開業へ向けた土地の取得及び建設仮勘定の増加などにより、固定資産が10億円増加したことであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて8億33百万円(14.0%)増加し、67億68百万円となりました。その主な内訳は、短期借入金が5億70百万円、未払金が4億79百万円それぞれ増加したことなどにより、流動負債が10億76百万円増加した一方、長期借入金が2億13百万円減少したことなどにより、固定負債が2億43百万円減少したことであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ3億12百万円(11.4%)増加し、30億56百万円となりました。その主な内訳は、剰余金の配当を行ったほか、親会社株主に帰属する四半期純利益を3億93百万円計上したことであります。

 

(3)当第3四半期連結会計期間末現在におけるホテル施設及びコンビニエンス・ストア店舗数の状況

地域別

ホテル施設

コンビニエンス・ストア店舗

東京都

3棟

1店

千葉県

3棟

3店

合計

6棟

4店

(注)上記には、連結子会社である株式会社エフ.エイ.二四及び株式会社アスクの店舗は含まれておりません。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

該当事項はありません。

 

(8)経営成績に重要な影響を与える要因

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。

 

(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、短期的な運転資金及び長期投資資金については、手許資金及び金融機関からの借入により調達しており、当第3四半期連結累計期間において重要な変更はありません。