フェスタリアホールディングス株式会社

ブランドなど:bijou SOPHIA
小売業宝飾品スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03392 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

当第2四半期連結累計期間(2023年9月1日~2024年2月29日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかながら回復の動きがみられたものの、地政学的緊張が長期化するなか、原材料・エネルギー価格の高騰、中国経済の停滞、インフレ抑制に向けた世界的な金融引き締めに伴う影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが属する宝飾業界は、インバウンド需要の回復もあり、ハイブランドを中心に高額品が堅調であった一方で、物価上昇を背景とした節約志向の高まりに加え、原材料費の高騰や慢性的な人材不足など、業績への下押しリスクが継続しており、総じて厳しい事業環境となりました。

このような環境のもと、当社グループは、引き続き「強みの進化」と「ビジネスモデルの再構築」を中期の基本方針に掲げ、当社の強みを進化させることで付加価値の高い商品やサービスを継続的に創出し、持続的な成長を可能とする経営基盤の確立を目指しております。

主な取り組みとして、進行する消費の二極化を踏まえ、高価格帯を中心とした商品ラインナップの充実を図るとともに、富裕層をターゲットとしたプロモーションイベントやポップアップストアの開催、百貨店外商やプライベートバンクとの連携など、新たな客層へのアプローチを強化しました。

成長投資と位置付けているDX(Digital Transformation)推進については、攻めのDXとして主にブライダルジュエリーを中心にジュエリーの3Dデジタルカスタマイズシステムを本格展開したほか、OMO(Online Merges with Offline)戦略をサポートするCRM(Customer Relationship Management)システム「festaria Members Club」を実装し、オンラインショップへの先行導入に続き、全店導入に向けた対応を進めました。

守りのDXを支える業務標準化の推進においては、当社の強みである接客について、特にその育成手法に焦点を当てて仕組化を図るとともに、当社独自の接客プログラムを最適化するためのMD(Merchandising)やVMD(Visual Merchandising)の再構築を進めるなど、実効性の向上に取り組みました。また、経営効率を向上させ、付加価値の高い商品やサービスを継続的に創出するためのシステム基盤の構築を目的として、基幹システム刷新に向けた要件定義に着手しました。

海外事業については、台湾子会社の台灣貞松股份有限公司(日本名:台湾貞松㈱)は、引き続きアジアマーケットの重要拠点として、フェスタリアグループの強みに立脚したビジネス展開を進め、収益性の向上を図りつつ、さらなるブランド力の強化を目指しました。

ベトナム子会社D&Q JEWELLRY Co.,Ltd(日本名:ディーアンドキュー ジュエリー)については、製造体制の強化による品質向上に注力するとともに、生産合理化による製造コストの低減を進めるなかで、自社ブランドのみならずOEM生産等を検討し、営業機能を強化した結果、大手ジュエリーメーカーを含む数社からの製造受注が実現しました。

これらの取り組みにより、売上高につきましては、第1四半期連結会計期間においては、ブライダルジュエリーの落ち込みに加え、一部の店舗で店舗スタッフが不足した影響もあり、全体的に伸び悩んだものの、第2四半期以降は、店舗スタッフが充足しつつあるなか、ブライダルジュエリーの段階的な回復に加え、催事を中心に高価格帯のファッションジュエリーが堅調に推移したため、前年同四半期に比べ74百万円(1.7%増)の増加となりました。

売上総利益は、金価格が期間平均で19.7%増加するなど、原材料価格の高騰が売上原価を圧迫したものの、機動的な価格戦略の推進により売上総利益率は同水準を確保したことから、前年同四半期比50百万円(1.8%増)増加しました。

費用面に関しては、人材の確保、定着に向けた対応を強化したことから人件費が大きく増加したことに加え、DX推進に伴う外注費や特に第1四半期においてプロモーションコストを積極的に投下したため、販売費及び一般管理費は前年同四半期比94百万円(3.5%増)増加しました。

営業損益に関しては、第1四半期連結会計期間は大幅な営業損失を計上したものの、第2四半期連結会計期間では、売上の増加と同時にコスト効率が大きく改善したため、営業利益が238百万円まで拡大するなど、大幅な増益となりました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高4,447百万円(前年同四半期比1.7%増)、営業利益60百万円(前年同四半期比42.1%減)、経常利益51百万円(前年同四半期比30.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益34百万円(前年同四半期比28.4%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度に比べて399百万円(5.9%)増加して、7,117百万円となりました。これは主に、現金及び預金が44百万円、売掛金が31百万円、商品及び製品が193百万円、原材料及び貯蔵品が94百万円、有形固定資産が53百万円増加したことによるものであります。

当第2四半期連結会計期間末の負債の部は、前連結会計年度に比べて395百万円(7.4%)増加して、5,705百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が48百万円、借入金が228百万円、前受金が80百万円増加したことによるものであります。

当第2四半期連結会計期間末の純資産の部は、前連結会計年度に比べ3百万円(0.3%)増加して1,412百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が10百万円減少したものの、利益剰余金が11百万円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は19.3%となり、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減少いたしました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,011百万円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、37百万円前年同期は71百万円の使用)となりました。その要因は主に、税金等調整前四半期純利益が51百万円、減価償却費が92百万円、売上債権の増加による減少が29百万円、仕入債務の増加が48百万円あったものの、棚卸資産の増加が298百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、71百万円前年同期は117百万円の使用)となりました。その要因は主に、有形固定資産の取得による支出が66百万円、無形固定資産の取得による支出が3百万円、差入保証金の差入による支出が6百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果得られた資金は、178百万円前年同期は202百万円の獲得)となりました。その要因は主に、長期借入金の返済による支出が171百万円、リース債務の返済による支出が16百万円、社債の償還による支出が10百万円、配当金の支払額が23百万円あったものの、短期借入金の純増額が400百万円あったことによるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。