売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00442 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、インバウンドやレジャー需要・サービス消費回復の動きが続く一方で、エネルギー価格上昇・生活必需品の値上げ等の物価高による消費者マインド低下や、長期化する人手不足等の影響により緩やかな回復に留まりました。また、欧米各国の金融引き締めや円安進行の継続、ウクライナや中東の地政学リスク等により先行きは極めて不透明な状況となりました。

 原料とうもろこしのシカゴ相場は、期初657セント/ブッシェル台で始まり主産地の降雨や米国農務省の新穀作付面積の上方修正等から7月に476セント/ブッシェル台迄値を下げましたが、中旬にはロシアが黒海の穀物輸送回廊の延長に合意せず離脱を表明し、ウクライナ情勢の緊迫から一時560セント/ブッシェル台迄値を上げました。しかしその後、米国の豊作観測が強まったことやブラジル産穀物の堅調な輸出等から460セント/ブッシェル台迄値を下げました。10月に入り米国の輸出増加等から505セント/ブッシェル台迄値を上げましたが、米国の収穫が順調に進んだことや、ブラジルの天候回復等から11月下旬には449セント/ブッシェル台迄値を下げ、第3四半期末時点では471セント/ブッシェル台となりました。

 WTI原油相場は期初80ドル/バレル台で始まり、欧米利上げを受け景気後退感による景気減退観測やイラン核合意再建により原油供給が増加する見込み等から67ドル/バレル台迄値を下げました。しかしその後、ウクライナ情勢の悪化による地政学リスクの高まりやOPECプラスの減産に加えサウジアラビアやロシアの自主減産による供給減少懸念等から9月下旬には93ドル/バレル台迄値を上げましたが、中東の紛争拡大が限定的であったことや、米国、中国の経済指標の悪化等から12月中旬には68ドル/バレル台迄値を下げ、第3四半期末時点では75ドル/バレル台となりました。

 米国から日本までの穀物海上運賃は、期初53ドル/トン台で始まり荷動きが低調に推移し、船舶余剰感から43ドル/トン台迄値を下げました。しかしその後、原油相場の高騰に伴う船舶燃料油の上昇や南米産穀物の荷動き増加等から値を上げ、更にパナマ運河の水位低下に伴う航行制限による長期滞船等から一時63ドル/トン台迄値を上げ、第3四半期末時点では57ドル/トン台となりました。

 為替相場は、期初133円/ドル台で始まり、好調な米国経済指標等から米金利上昇が継続する一方、本邦では金融緩和を継続し、日米金融政策の違いを背景にしたドル買いによる円安が進行しました。その後も市場予想を上回る米経済指標を受け追加利上げ観測が強まったことや本邦金融政策の現状維持が発表されたことに加え、FRB議長の強硬的な発言等から11月中旬には151円/ドル台迄円安となりましたが、日銀総裁発言によるマイナス金利解除観測の高まりや、米国にて2024年中に利下げが行われる予想等から円高が進行し、第3四半期末時点では141円/ドル台となりました。

 販売面では、社会経済活動の正常化が進み、人流回復に伴い、観光、イベントといった分野でチラシ・パンフレットに使用される澱粉製品の需要が回復傾向であったものの、新聞、雑誌のデジタル化が進展した影響が色濃く、紙の生産量の減少傾向が依然続いており、製紙向け澱粉の販売数量も前年同四半期累計期間に比べ減少しました。糖化製品は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の扱いが2類から5類へ移行し、夏の猛暑の影響により飲料向けを中心に販売数量は増加しました。物価上昇の影響で一般消費者の節約志向が強まり、需要が減退する場面もありましたが、人流回復と外出機会増加により外食産業始めとする業務用需要も回復傾向であり、業務用途の販売数量も含め、糖化製品全体も販売数量が増加する結果となりました。なお、売上高については、原料とうもろこし及び原油相場高騰による製造費用上昇を背景とした製品価格の適正化が進捗したことにより、澱粉製品、糖化製品いずれも前年同四半期累計期間に比べて増収となりました。

 また、資本効率性向上の観点から、2023年5月に当社が保有していた株式会社サニーメイズの全株式の譲渡を行ないました。これに伴い、同社を関連会社から除外し、関係会社株式売却益566百万円を特別利益として計上しております。一方、同様の観点で2023年10月に当社が保有している静岡県富士市内の倉庫用地の売却を決議したことに伴い、減損損失322百万円を特別損失として計上しております。

 この結果、当第3四半期累計期間における当社の売上高は、519億1千万円(前年同四半期累計期間比8.2%増)、営業利益は26億6千万円(前年同四半期累計期間比13.7%減)、経常利益は32億1千万円(前年同四半期累計期間比9.2%増)、四半期純利益は24億7千万円(前年同四半期累計期間比8.0%増)となりました。

 次に、各部門の販売概況は以下のとおりであります。

(澱粉部門)

 澱粉部門は、社会経済活動が再開したことにより食品向け澱粉需要は回復傾向にあるものの、製紙向け澱粉需要が全体的に減少したことを受け、澱粉製品の販売数量は減少しました。一方、原料や燃料の高騰を背景とした製品価格の適正化が進捗したことで、売上高は106億5千万円(前年同四半期累計期間比1.8%増)となりました。

(糖化品部門)

 糖化品部門は、経済再開により外出機会が増加したことで業務用販売が回復、更に夏の猛暑の影響により飲料向け販売数量が増加しました。製品価格の適正化が進捗したことにより、売上高は332億5千万円(前年同四半期累計期間比11.9%増)となりました。

(ファインケミカル部門)

 ファインケミカル部門は、社会経済活動の正常化が進んだ影響により国内向け製品販売も回復傾向となり、売

上高は17億3千万円(前年同四半期累計期間比9.0%増)となりました。

(副産物部門)

 副産物部門は、主製品の販売増により生産量が増加、更に前年と同様に穀物相場高に伴う価格上昇の影響を受け、売上高は62億7千万円(前年同四半期累計期間比1.2%増)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は148百万円であります。

 

(5)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期累計期間において、前年同四半期累計期間に比べファインケミカル部門の生産高が著しく増加しております。主な要因は販売数量の増加によるものです。

 

① 生産実績

 当第3四半期累計期間における生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

生産高(百万円)

前年同四半期比(%)

澱粉部門

8,340

103.8

糖化品部門

32,592

112.1

ファインケミカル部門

1,771

125.2

副産物部門

6,270

100.4

合計

48,974

109.4

(注)金額は、販売価格によっております。

 

② 当社は受注生産を行っておりません。

 

③ 販売実績

 当第3四半期累計期間における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

販売高(百万円)

前年同四半期比(%)

澱粉部門

10,652

101.8

糖化品部門

33,252

111.9

ファインケミカル部門

1,737

109.0

副産物部門

6,273

101.2

合計

51,916

108.2