日清食品ホールディングス株式会社

ブランドなど:カップヌードルチキンラーメン
食料品食品製造プライムTOPIX Mid400

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00457 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益では前年同期比9.5%増の5,489億22百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前年同期比41.8%増の728億1百万円、営業利益は前年同期比40.8%増の685億59百万円、税引前四半期利益は前年同期比40.2%増の709億2百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比40.5%増の490億51百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益では前年同期比7.0%増の5,365億61百万円、既存事業コア営業利益は前年同期比38.9%増の713億4百万円となりました。(注2)

 当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」に基づき、ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。

 

(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益及び非経常損益としての「その他収支」

を控除したものであり、中長期成長戦略上2022年3月期以降積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用している指標であります。

(注2)2024年3月期の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しております。

 

<連結業績>

 

 

 

(単位:百万円)

区分

2023年3月期

2024年3月期

対前年同期

自 2022年4月1日

至 2022年12月31日

自 2023年4月1日

至 2023年12月31日

金額

売上収益

501,467

548,922

47,454

9.5

既存事業コア営業利益

51,352

72,801

21,448

41.8

営業利益

48,707

68,559

19,852

40.8

税引前四半期利益

50,583

70,902

20,318

40.2

親会社の所有者に帰属する四半期利益

34,923

49,051

14,128

40.5

 

 

      報告セグメント別の業績の概況は、以下のとおりであります。

      なお、第1四半期連結会計期間において、当社グループにおける事業管理区分の見直しにより、従来、「その

     他」に含めていた「ニッシンフーズベトナム CO., LTD.」について、「中国地域」に含めて記載する方法に変更し

     ております。

      以下の前年同期比較は前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

   ①日清食品

 日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類、カップライス類が堅調に推移し、価格改定効果もあり、各カテゴリーとも前年同期比で増収となりました。カップめん類では、2023年10月に第1弾、2023年11月に第2弾として発売した「カップヌードル 具材まみれ」シリーズをはじめ、お客さまニーズを捉えた商品が順調に推移しています。袋めん類では、発売65周年商品である「チキンラーメン」をはじめとするロングセラー商品等が売上を伸ばし、増収に寄与しました。カップライス類は、「日清カレーメシ」シリーズが引き続き好調を維持しています。利益面では、原材料価格の上昇等によるコストアップ要因がありましたが、増収効果により増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比6.1%増の1,771億5百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比8.6%増の271億35百万円、営業利益は、前年同期比8.9%増の272億4百万円となりました。

 

   ②明星食品

 明星食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類とも、前年同期比で増収となりました。

 カップめん類では、2023年3月に新発売した「ロカボNOODLESおいしさプラス」が好調に推移したほか、三枚看板ソースでさらに香ばしくなった「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」も貢献しました。

 袋めん類では、「ホッとする味わい」の訴求を強化した「明星 チャルメラ」シリーズが引き続き好調に推移しました。

 利益面では、原材料価格の上昇や広告宣伝費の増加等、費用の増加がありましたが、増収効果により前年同期比で増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比6.4%増の319億34百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比9.6%増の23億28百万円、営業利益は、前年同期比10.5%増の23億88百万円となりました。

 

   ③低温・飲料事業

 チルド事業は、新商品の「日清Spa王」や「日清のどん兵衛のおいしい具材」シリーズ、焼そば群、夏場の冷し中華群等が好調に推移しました。さらに、秋季より賞味期限を40日から60日に延長してリニューアルした「行列のできる店のラーメン」が伸長したこともあり、前年同期比で増収となりました。利益面では、原材料価格上昇等によるコストアップがあったものの価格改定が奏功し、前年同期比で増益となりました。

 冷凍事業は、ラーメン類、うどん類が堅調に推移し、価格改定効果もあり、前年同期比で増収となりました。ラーメン類では「冷凍 日清中華」、「冷凍 日清まぜ麺亭」シリーズが好調でした。利益面では、原材料価格の上昇等によるコストアップ要因がありましたが、増収効果により前年同期比で増益となりました。

 飲料事業は、乳酸菌飲料の「ピルクル400」シリーズ、“睡眠の質を改善し、疲労感を軽減する”「ピルクル ミラクルケア」が引き続き好調に推移したほか、「十勝のむヨーグルト」シリーズも秋のリニューアルで大きく伸長しました。また価格改定効果もあり、前年同期比で増収増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比10.9%増の715億42百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比117.8%増の72億50百万円、営業利益は、前年同期比130.2%増の73億10百万円となりました。

 

   ④菓子事業

 菓子事業では、日清シスコ㈱は発売から60年を迎えた「シスコーン」シリーズや「ココナッツサブレ」シリーズが堅調に推移し、前年同期比で増収増益となりました。ぼんち㈱の販売状況は全体では前年を僅かに上回ったものの、原材料高騰等の影響により増収減益となりました。㈱湖池屋においては「湖池屋ポテトチップス」シリーズや「スコーン」シリーズ等の主力商品を中心に販売が拡大したことに加え、価格改定が奏功し、前年同期比で増収増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比15.1%増の632億57百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比116.9%増の47億40百万円、営業利益は、前年同期比112.1%増の46億14百万円となりました。

 

   ⑤米州地域

 米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた付加価値商品の提案強化や導入推進に加えて価格改定も寄与し、増収増益となりました。

 売上については、米国で2022年8月に実施した価格改定後も底堅い即席めん需要が続く中、普及価格帯商品の販売が堅調に推移したことに加え、継続的な高付加価値商品の販売強化に取り組んだことで増収、ブラジルでは生産設備の大型メンテナンスや自然災害による停電を含む生産トラブルの影響で販売数量減があったものの、価格改定効果が寄与し、増収となりました。

 利益については、米国において第3工場建設関連等の一時費用が発生したものの、主要原材料等の各種コスト上昇が落ち着きつつあることや、価格改定による増収効果、為替影響等によりセグメント全体で増益となりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比13.8%増の1,191億79百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比89.0%増の181億22百万円、営業利益は、前年同期比89.6%増の181億29百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前年同期比5.2%増の1,101億98百万円となり、コア営業利益は、前年同期比76.4%増の169億7百万円となりました。(注4)

 

   ⑥中国地域

 中国地域においては、販売エリア拡大と中国版カップヌードル「合味道」のブランド強化に引き続き取り組んでいます。中国大陸は、リオープン後の景気回復が遅れ、将来に対する不透明感が増し、消費マインドは低調です。一方、香港は中国大陸からのインバウンド旅行客が増加となりましたが、香港市民によるアウトバウンド旅行の増加や消費行動の変化により、即席めんの消費は伸び悩んでいます。こうした状況の下、売上に関しては、カップ麺の販売数量は前年よりも若干増加したものの、前年度の中国大陸のコロナ感染拡大による特需の剥落や家庭内喫食の減少により袋めんの販売数量が伸び悩み、為替影響がありましたが前年同期比では減収となりました。利益については、昨年度計上した一過性の政府補助金が今年度なくなり、前年同期比で減益になるも、経常ベースでは主に原材料価格の低下と為替影響により若干の増益になりました。

 この結果、当報告セグメントにおける売上収益は、前年同期比2.6%減の488億46百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比0.3%増の53億53百万円、営業利益は、前年同期比7.7%減の53億80百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前年同期比4.7%減の477億77百万円となり、コア営業利益は、前年同期比0.9%減の52億88百万円となりました。(注4)

 

 また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他の事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前年同期比23.0%増の370億54百万円、コア営業利益(注3)は、前年同期比72.6%増の99億19百万円、営業利益は、前年同期比76.1%増の97億71百万円となりました。

 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前年同期比15.4%増の347億45百万円となり、コア営業利益は、前年同期比68.8%増の97億2百万円となりました。(注4)

 

(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。

(注4)2024年3月期の外貨金額を、前年同期の為替レートで円換算して比較しております。

 

(2) 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の当社グループの資産合計は、前連結会計年度末に比べ825億64百万円増加し、7,909億38百万円となりました。当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び資本の状況は次のとおりであります。

 資産の増加につきましては、主に有形固定資産が201億87百万円、営業債権及びその他の債権が191億67百万円、棚卸資産が102億51百万円、持分法で会計処理されている投資が80億78百万円増加したことによるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ294億11百万円増加し、2,698億35百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が104億19百万円、未払法人所得税が81億17百万円増加したことによるものであります。

 資本につきましては、前連結会計年度末に比べ531億53百万円増加し、5,211億3百万円となりました。これは主に利益剰余金が302億14百万円、その他の資本の構成要素が193億25百万円増加したことによるものであります。

 この結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の60.8%から60.7%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前第3四半期連結累計期間における231億12百万円の減少から、73億45百万円の増加となりました。当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

 

(単位:百万円)

区分

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

増減額

自 2022年4月1日

至 2022年12月31日

自 2023年4月1日

至 2023年12月31日

営業活動によるキャッシュ・フロー

44,802

65,895

21,092

投資活動によるキャッシュ・フロー

△25,372

△39,277

△13,904

財務活動によるキャッシュ・フロー

△41,210

△21,043

20,166

現金及び現金同等物に係る換算差額

△1,332

1,771

3,103

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△23,112

7,345

30,457

現金及び現金同等物の期首残高

102,005

87,388

△14,617

現金及び現金同等物の四半期末残高

78,892

94,733

15,840

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は658億95百万円(前年同期比210億92百万円の資金の増加)となりました。これは主に税引前四半期利益709億2百万円、減価償却費232億60百万円に対して、運転資金等の増加が136億37百万円、法人所得税の支払額が111億76百万円、持分法による投資損益が95億89百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は392億77百万円(前年同期比139億4百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が364億95百万円となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は210億43百万円(前年同期比201億66百万円の資金の増加)となりました。これは主に配当金の支払額が157億9百万円、長期借入金の返済による支出が49億25百万円となったことによるものであります。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、80億34百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。