E00481 Japan GAAP
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、企業や個人の活動が正常化へ向かいましたが、中東地域の情勢に起因する資源・エネルギー価格の高騰や欧米諸国での政策金利の引き上げ等の下振れリスクを抱え先行き不透明な状態で推移しました。
食品業界におきましては、値上げが相次ぎ、消費者の節約志向や生活防衛意識の高い状態が続きました。
このような環境の中、当グループにおきましては、経営計画に基づき、これまでの成長の原点でもある昆布製品と豆製品の強化に取り組みました。
販売面では、昆布製品と惣菜製品が伸長し、売上高は427億80百万円(前年同四半期比3.5%増)となりました。
利益面では、原材料費やエネルギー費の高騰が重荷となっておりますが、販売を伸ばすことで売上総利益額を増やし、営業利益は16億61百万円(前年同四半期比30.6%増)、経常利益は19億89百万円(前年同四半期比27.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億94百万円(前年同四半期比22.0%増)となりました。
製品分類別の販売状況は、次のとおりであります。
惣菜製品は、前年実績を上回りました。日配惣菜は、フジッコNEWデリカ株式会社の新規取引先開拓が売上高に寄与しました。中華惣菜は、株式会社フーズパレットにおいて、お弁当や冷凍中華惣菜の無添加リニューアルを進めました。包装惣菜は、そのまま食卓に出せる「おばんざい小鉢」シリーズが牽引し、秋には「南瓜そぼろあん」を新発売して製品ラインナップを強化しました。
昆布製品は、主力のカップ佃煮「ふじっ子煮」が好調に推移し、前年実績を上回りました。「ふじっ子煮」は、白いご飯との相性の良さを訴求するTVCM(ごはんパクパク応援団篇)を9月から10月下旬にかけて北海道から近畿の主要都市で放映し、本年2月から3月にかけては中四国・九州で放映を予定しております。
豆製品は、普段煮豆と接点のない新たなユーザー獲得を狙うため、10月からおまめさんシリーズのポケモンパッケージ企画を実施し、年末に向けてはおせちの一品として「おまめさん丹波黒黒豆」を中心に売場づくりに取り組みましたが、煮豆市場のダウントレンドの影響を受け、前年実績を下回りました。
ヨーグルト製品は、前年並みで推移しました。主力の「カスピ海ヨーグルト」は、10月から11月にかけて流通タイアップキャンペーンを実施し、12月からは独特のねばりや楽しさをコンセプトムービーで伝えるとともに、購入レシートで景品が当たる「話したくなるヨーグルトキャンペーン」を実施しております。「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」は、10月にTVCMを放映し、放映後も購入の落ちない店舗が多くみられることから、一定のリピート顧客の獲得につながったと分析しております。
デザート製品は、前年並みで推移しました。11月上旬より秋冬限定の「フルーツセラピー ゆず~レモン果肉入り~」を発売しております。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20億59百万円増加し、809億21百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ13億83百万円増加し、346億94百万円となりました。これは主に、年末にかけての売上高の増加と12月末の金融機関の休日に伴い売掛金が増加したこと等によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ6億75百万円増加し、462億27百万円となりました。これは、有形固定資産の減価償却が進む一方で、長期預金への預け入れや投資有価証券の評価が増えたこと等によるものです。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ14億18百万円増加し、98億26百万円となりました。これは主に、年末の繁忙期に向け仕入に係る買掛金が増えたことや、販売に係る未払金が増えたこと等によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末と同水準の19億38百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ6億42百万円増加し、691億56百万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の86.9%から85.5%となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たな発生はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は7億51百万円であります。