株式会社ハピネス・アンド・ディ

ブランドなど:ハピネス
小売業アパレルスタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E26579 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症がほぼ終息し観光需要に回復が見られ、株式市場も堅調に推移する一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・パレスチナの対立激化と円安水準の高止まりによる原材料・諸物価の高騰に加えて、実質賃金の下落傾向も続くなど、景気の先行きは依然不透明な厳しい経営環境が続いております。

 

 このような状況下、当社グループはハピネス・アンド・ディの構造改革、新規事業の子会社設立、M&Aの積極化、AbHeriの展開拡大等のグループ戦略に主眼を置いた中期経営計画(2023年10月3日公表)の取組みを進めてまいりました。

 ハピネス・アンド・ディの構造改革といたしましては、輸入ブランド雑貨・時計を縮小し、利益率の高い宝飾品・プライベートブランド(PB)の拡充を進めました。これにより前年同期比で売上総利益率が向上いたしました。また、不採算店13店舗の閉店を実施し、収支の改善へ向けた店舗網の整理統廃合を進めました。

 店舗の統廃合及び改装につきましては、9月に広島府中店、10月に富山ファボーレ店、11月に木曽川店・鹿嶋店・和歌山店・延岡店・福岡店・堺北花田店、1月に新三郷店・草津店、2月に幕張新都心店、4月におのだ店、5月に座間店を閉店いたしました。また、既存店舗の活性化として9月に直方店、11月に高岡店、3月に越谷店・宮崎店、5月に下田店・久御山店の改装を実施いたしました。これによりAbHeri直営店3店舗を加えますと、2024年5月末現在の当社グループ店舗数は78店舗となりました。

 新規事業の取組みにつきましては、10月に100%子会社である株式会社No.(ナンバー)を設立し、ジュエリー新規事業へ向けて市場調査・商品企画を進めております。

 M&A積極化への取組みといたしましては、事業モデルの多様化を図るため、高いシナジー効果が期待される企業を幅広く対象とした検討・交渉を進めております。

 

 商品政策につきましては、利益率の高いPB革小物・バッグの販売強化を図るとともに、PBジュエリーの新商品を投入いたしました。好調な金商品については品揃えの拡充と利益率の改善に努めました。また、在庫につきましては、商品区分ごとの仕入・在庫の適正化に取り組みました。構造改革における実績面の成果を得るまでに一定の期間はかかるものと想定しておりますが、宝飾品の展開を拡大した売り場変更を順次進めるなど、改革への取り組みを着実に進めております。また、4月には24Kの金商品製造販売に強みを持つ株式会社RAINと企画開発・製造委託に関する業務提携を締結したことにより、今後の宝飾の品揃え拡充も期待されております。

 なお、AbHeriにおいては、業績が堅調に推移いたしました。

 販売費及び一般管理費につきましては、閉店・改装費用が発生いたしましたが、閉店効果も含め人件費・店舗変動費を中心に減少いたしました。

 

 なお、上記のほか、特別損失として、店舗の改装に伴う固定資産廃棄損 4,861千円、投資有価証券売却損 1,891千円、減損損失 10,779千円、店舗閉鎖損失 6,058千円、店舗閉鎖損失引当金繰入額 8,360千円を計上いたしました。

 

(参考)当社グループにおける商品区分別売上高は以下のとおりです。

・宝飾品は、閉店の影響を受けたものの、PBジュエリー等の新規展開商品が比較的好調であったことに加え、金相場の持続的な上昇もあり金商品の販売が大きく伸長し、2022年12月にAbHeriを連結子会社化した影響と合わせて、売上高 2,313,067千円(前年同期比8.9%増)となりました。

・時計は、価格上昇による海外ブランド時計の落ち込みと時計市場の縮小に伴って、商品展開を絞った結果、売上高 1,375,103千円(同28.8%減)となりました。

・バッグ・小物は、PB商品が目標を上回って推移したほか、品揃えの見直しにより一部海外ブランドは好調となりました。しかしながら、円安等の影響により主力海外ブランドの価格上昇があったことで購買意欲が減退し、売上高 4,696,209千円(同18.9%減)となりました。

 

<商品区分別売上高>

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

宝   飾   品(千円)

2,122,290

2,313,067

時        計(千円)

1,933,231

1,375,103

バッグ・小物(千円)

5,794,021

4,696,209

合    計(千円)

9,849,543

8,384,380

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

 a.財政状態の分析

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、6,275,756千円となり、前連結会計年度末と比較して1,128,109千円減少しております。これは主として、現金及び預金が735,111千円減少、受取手形、売掛金及び契約資産が126,878千円減少、商品及び製品が276,944千円減少したことが要因であります。

 

(固定資産)

当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、1,505,571千円となり、前連結会計年度末と比較して184,364千円減少しております。これは主として、建物及び構築物(純額)が39,254千円減少、敷金及び保証金が88,602千円減少、投資その他の資産のその他が61,479千円減少したことが要因であります。

 

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、3,546,354千円となり、前連結会計年度末と比較して139,341千円増加しております。これは主として、支払手形及び買掛金が26,825千円減少、電子記録債務が24,386千円減少、資産除去債務が22,316千円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が94,285千円増加、賞与引当金が51,505千円増加、流動負債のその他が89,762千円増加したことが要因であります。

 

(固定負債)

当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、2,919,362千円となり、前連結会計年度末と比較して1,263,952千円減少しております。これは主として、長期借入金が1,142,715千円減少したことが要因であります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、1,315,609千円となり、前連結会計年度末と比較して187,863千円減少しております。これは主として、利益剰余金が195,955千円減少したことが要因であります。

 

 b.経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間の売上高は 8,384,380千円(前年同期比 14.8%減)、営業損失 58,067千円(前年同期は営業損失 101,494千円)、経常損失 77,997千円(前年同期は経常損失 121,512千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失 157,792千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失 179,862千円)となりました。

 

なお、当社グループの業績は、クリスマス時期を中心とした年末年始商戦が最繁忙期であり、四半期決算としては第2四半期(12月~2月)の占める比重が高くなっております。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。