売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E27051 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

第3四半期累計期間における我が国経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進む一方、国際情勢の不安定化と地政学的リスクの高まりが長期化しております。これらを背景とする為替レートの急速な変動、資源不足・原材料価格の高騰、物価上昇等が継続しており、個人消費への影響や、景気の先行きに対する懸念は、依然として不透明な状況が続いております。

一方、当社が置かれていますEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査において、2022年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は9.13%(前年比0.35ポイント増)と推計され、商取引の電子化が進展しています。

 

(注) 出典:経済産業省 令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)

 

このような経営環境のもと、当社は「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心、安全に取引できるマーケットを創造すること」を方針として、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供してまいりました。中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を前事業年度より引き続いて掲げ、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指しております。

 

第3四半期累計期間においては、主軸のカメラ事業が新製品の販売やAIの活用による購買動機の創造で堅調に推移したことと、時計事業の販売が6月以降回復したことで、売上高は36,473,142千円(前年同四半期比6.0%増)となりました。

 

利益面では、主軸のカメラ事業では「AIMD」の改良を行い、売上高が伸びる中でも売上総利益率を維持しております。時計事業では、売上高の回復と、利益を確保した価格水準での販売を両立することができております。これらによって、当第3四半期累計期間の売上総利益率は前年同四半期から1.2ポイント増18.7%となりました。

尚、カメラ事業にて、システム障害のため2023年12月1日から2024年1月22日まで、楽天市場およびYahoo!ショッピング(以下「国内モール」)の一時出店停止を行いました(2023年12月1日のみ全事業で一時出店停止)。これは、当社基幹システムと国内モールを連携する機能が、2023年11月末日で提供終了されることに伴い、切り戻しが不可能な状況下にて、行ったシステム切り替えに失敗したことによるものです。

このうち当第3四半期累計期間に係る期間の想定受注金額は211,000千円であり、売上高の機会損失も同程度と考えられます。この期間の出店停止に伴い、今後の受注金額については、回復に一定の時間を要することが考えられますが、このことを踏まえましても、本件が当期業績に与える影響は軽微であります。

 

販売費及び一般管理費においては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料及び従業員給与の増加等があり4,260,147千円(同11.7%増)となり、AI活用によるスリムな経営は継続してまいりましたが、売上高販売管理費比率は前年同四半期から0.6ポイント増11.7%となりました。これらによって、営業利益は2,574,619千円(同15.0%増)、経常利益は2,573,995千円(同15.0%増)、四半期純利益は1,777,678千円(同14.2%増)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりであります。

 

[カメラ事業]

第3四半期累計期間においては、動画配信を中心としたコンテンツの拡充と、AI活用の更なる推進に注力しました。YouTubeを中心に動画の制作や配信を行う「コンテンツクリエイト部」を新設、映像制作の実務経験を持つ人材を複数名配属、若年層視聴者の獲得を進めました。10月に発売された「Nikon Zf」の紹介動画が人気を博したことを契機に、1カ月当たりの動画閲覧回数が2倍近くとなり、販促効果が表れ始めております。これまでもAIを活用した「One to Oneマーケティング」を推進しておりますが、今後は映像コンテンツの制作、配信にも一層磨きをかけてまいります。

 これらによりセグメント売上高は27,498,040千円(前年同四半期比12.7%増)となり、セグメント利益については3,193,511千円(同14.5%増)となりました。

 

[時計事業]

第3四半期累計期間においては、セグメント売上高は8,033,409千円(前年同四半期比11.0%減)、セグメント利益は320,214千円(同134.4%増)となりました。

前事業年度を通じて継続していた高級時計価格の相場下落は当期に入って一服しております。当第3四半期累計期間においては概ね安定的に推移しており、期間の後半には緩やかな価格相場の下落も認められますが、利益を確保した販売を継続できております。

 

[筆記具事業]

第3四半期累計期間においては、メーカーとの協業によるオリジナル商品・限定モデルの売れ行きは好調でしたが、新品の販売は低調となりました。中古品は、適切な販売価格の設定で売上総利益率も改善しました。

 これらにより、セグメント売上高は320,402千円(前年同四半期比2.4%減)、セグメント利益については42,158千円(同49.1%増)となりました。

 

[自転車事業]

第3四半期累計期間においては、円安による完成車価格の高騰等を通じ、販売の勢いは鈍化しました。世界最大級のECサイトの破産や、大手メーカーの業績悪化等、市場の減速感が強まる中、免税売上も低調な推移となり、セグメント売上高は621,289千円(前年同四半期比5.2%減)、セグメント利益については35,751千円(同25.5%減)となりました。

 

(グローバル戦略について)

これまで「Map Camera」として世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ、「GMT」として「eBay」及び高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」へ出店しており、前事業年度より海外向け販売サポートサービスである「Buyee Connect」を導入しております。

第3四半期累計期間においては、「eBay」でオーストラリア向けの取扱商品を拡充させた他、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国際物流の停滞により、停止・縮小させていたカナダ向けの商品取扱を全面的に復活させました。これにより、オーストラリア、カナダの両国では、米国と同等のラインナップで販売が可能となりました。円安・ドル高が進行したことも追い風となり、越境ECにおける売上高は2,410,312千円(前年同四半期比22.1%増)となりました。

 越境ECにおける売上高はカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業にそれぞれに含まれて計上されており、当第3四半期累計期間においては、カメラ事業1,890,334千円、時計事業514,648千円、筆記具事業4,915千円、自転車事業413千円となっております。

 

 [販売チャネル別売上高の状況]

販売チャネル

売上高

構成比

前年同四半期比

EC

27,812,140千円

76.3%

104.6%

店舗

8,661,002千円

23.7%

110.8%

合計

36,473,142千円

100.0%

106.0%

 

 

(2) 財政状態

当第3四半期会計期間末の総資産は16,751,839千円となり、前事業年度末と比較し、1,685,481千円の増加となりました。

流動資産は14,791,198千円となり、前事業年度末と比較して1,588,484千円の増加となりました。これは主として商品が1,408,691千円増加したことによるものであります。

固定資産は1,960,641千円となり、前事業年度末と比較して96,997千円の増加となりました。これは主としてソフトウエア仮勘定が254,168千円増加したこと、ソフトウエアが70,042千円減少したことによるものであります。

負債につきましては9,053,705千円となり、前事業年度末と比較して466,835千円の増加となりました。

流動負債は7,026,301千円となり、前事業年度末と比較して1,386,121千円の増加となりました。これは主として短期借入金が1,200,000千円増加したこと、買掛金が368,556千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が339,264千円減少したことによるものであります。

固定負債は2,027,403千円となり、前事業年度末と比較して919,286千円の減少となりました。これは主として長期借入金が933,672千円減少したことによるものであります。

純資産につきましては7,698,134千円となり前事業年度末と比較して1,218,645千円の増加となりました。これは主として利益剰余金が911,980千円増加したこと、自己株式が293,890千円減少したことによるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。