ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社

ブランドなど:マルエツカスミマックスバリュ
小売業スーパースタンダードTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31159 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社は首都圏でスーパーマーケット事業を展開する㈱マルエツ、㈱カスミ及びマックスバリュ関東㈱の完全親会社たる持株会社であります。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

  〔当期の経営環境〕

当第3四半期連結累計期間における経営環境は、人々の往来が活気を取り戻し、来日外国人がコロナ前の水準を超えるなどして、社会活動や経済活動は回復基調が続きました。一方、エネルギー価格の高騰や円安による原料調達価格の上昇、有効求人倍率の高止まりによる労務費の高騰などを背景に、食品や生活関連商品の値上げが続いたことで、消費者の節約志向はより顕著となりました。

このような環境の中で、当社グループは物流コストや資材価格、水道光熱費など各種コストの上昇が利益を圧迫する影響を受け、さらにはガソリン価格や食品価格の変動により来店頻度や買上点数の減少が続いていることから、省力化のための先行投資や新たな顧客カードの発行による販促施策の実行など、これまでとは異なる構造への転換を急ぐ手立てを打ちました。

また、サプライチェーン改革にも着手し、物流の「2024年問題」を見据えて自動化・省人省力化に寄与する最新設備やマテハン機器を多数導入した共同物流センター「U.S.M.H 八千代グロサリーセンター」を、2023年9月より本格稼働しました。

また、製造から販売までの一貫した新たな製造小売モデルの実践例となる「INNER COLOR DELI(インナーカラーデリ)」を、2023 年 10 月よりサステナブル商品を取り扱うブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」のシリーズとして販売を開始いたしました。これは、化粧品会社であるオルビス㈱と協働で企画開発を行い、当社連結子会社である㈱ローズコーポレーションが製造するという「内面から彩り豊かに。もっと楽しく、もっと手軽に。」をテーマにした冷凍デリであり、当社独自の価値を訴求していくことをめざしたものとなります。

 

〔当期の経営成績〕

当第3四半期連結累計期間は、グループ全体では来店客数は回復基調にあり、客単価は一人当たりの買上点数が減少したものの、1点単価が上昇したことにより前年同四半期を上回りました。また、㈱カスミでは、7月より新たなカードを発行し、チラシによる価格訴求から、お客さまごとの嗜好やニーズにあわせて細やかにお買い得特典を提供するとともに、現金でお支払いのお客さまにもデジタルの体験とサービスを提供することをめざした取り組みを開始しました。初動において若干の浸透期間を要しましたことから、営業収益において前年同四半期比99.8%となりましたが、会員数100万人を超えたことにより営業収益や売上総利益は回復基調となっております。

営業総利益は売上総利益率が前期に対して1.4%改善したことにより、前年同四半期比101.1%となりました。また、販管費は、お客さまのお買物スタイルの多様化への対応を目的として、ECの利便性向上や決済機能の多様化、セルフレジの導入拡大などや省力化につながる設備の導入などといった投資を先行したことにより減価償却費が増加し、加えて来店客数拡大に向けた販促施策強化によって前年同四半期比0.9%増と前年を上回りました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における連結業績は、営業収益が5,249億80百万円(前年同四半期比0.2%減)、営業利益が26億57百万円(前年同四半期比18.5%増)、経常利益が26億40百万円(前年同四半期比8.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1億89百万円(前年同四半期比58.2%減)となりました。

 

 

〔店舗数〕

当第3四半期連結累計期間において、㈱マルエツが4店舗を新設しました。一方、経営資源の効率化を図るため、㈱マルエツが1店舗を閉鎖し、当社グループの当第3四半期連結累計期間の店舗数は、532店舗となりました。

 
〔主要子会社〕
 ㈱マルエツでは、お客さまの利便性向上のため「オンラインデリバリー」を44店舗、「Uber Eats」のサービスを利用できる店舗を116店舗に拡大し、11月には㈱マルエツ初となる「移動スーパー」を神奈川県横浜市にて運行開始いたしました。さらに、セルフレジを215店舗に拡大し、9月より全店でスマホ決済がご利用いただけるようになりました。また、生産性向上施策として、電子棚札を109店舗に拡大し、需要予測型発注の運用を11月に全店で開始いたしました。新規出店については、リンコス 白金ザ・スカイ店を皮切りに、4店舗をオープンいたしました。
 
 ㈱カスミでは、ignicaブランドのプリペイド機能付きポイントカード「Scan&Goカード」の利便性とお得感の周知を図り、利用率増加に注力いたしました。発行枚数は11月末時点で105万枚を超え、Scan&Goをご利用のお客さまを対象としたシニア特典、子育て特典、対象商品へのignicaポイント付与など日々のお買い物でお得が得られるポイントプログラムにより利用率は増加し、5割を超えるお客さまにご利用いただいております。また、これまで蓄積してきた購買データを活用できる体制が整い、一人一人のお客さまに向けた企画やサービスの提供を順次実施いたしました。また、10月には日常の生活を豊かにする商品とともに、BLANDEで好評をいただいた商品を導入した新たなフードスクエア業態のモデル店舗として、茨城県つくば市のフードスクエアつくばスタイル店をリニューアルオープンいたしました。

 

マックスバリュ関東㈱では、店舗従業員一人一人の声を生かした店舗活性化を当第3四半期連結会計期間において3店舗で実施し、地域のお客さまのライフスタイルに合わせた商品・サービスの強化を行いました。9月に活性化を行ったマックスバリュおゆみ野店では「対面販売の強化」「当社独自商品の拡大」「即食の強化」に取組み、買物体験型スーパーマーケットとしての提供価値を向上させました。また、オンラインデリバリーでは「生鮮食品の品揃え強化」「即配サービスの新規導入」に取組み、お客さまの利便性向上を図りました。

 

〔環境・社会貢献〕

当社グループは、脱炭素社会の実現に向け電気使用量の削減や再エネ化の促進、フードロスの削減や資材などの廃棄物の削減やリサイクル、更には脱プラスチックを目指した環境配慮型資材(植物由来のバイオマス配合カトラリー・レジ袋)への転換等に取り組んでいます。更には独占販売契約をしたビヨンド・ミートの取り扱いを起点として、環境負荷低減に貢献する商品(Green Growers)の開発と販売を通じて、持続可能な社会の実現に注力しております。

また、「統合報告書2022」に基づき重要課題として設定した各項目について、具体的なロードマップの策定と目標とする水準を検討し、目標達成に向けた取り組みをスタートしました。当社グループは「お客さまの豊かで健康的な食生活」や「地域の発展と繁栄」に貢献し、「時代に適応する企業」として、中長期的な企業価値の最大化と永続的な発展を目指し、環境問題への対応も含め持続可能な循環型社会の実現に貢献し、「豊かさ」「楽しさ」「健康」など新たな価値を提供し続けることのできる企業を目指してグループの総力を結集して取り組んでまいります。

なお、当社グループでは、事業各社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域の特性やニーズに合わせた社会貢献活動、お客さまとともに取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行などの活動を通じて、地域とのつながりの強化に努めております。
 
〔参考情報〕
 主要連結子会社では、当第3四半期連結累計期間における㈱マルエツ単体の営業収益は2,894億37百万円(前年同四半期比3.6%増)、㈱カスミ単体の営業収益は2,008億50百万円(前年同四半期比4.8%減)、マックスバリュ関東㈱単体の営業収益は336億11百万円(前年同四半期比5.1%増)の結果となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

(資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ119億70百万円増加し、2,907億円となりました。

流動資産は、66億58百万円増加し、813億22百万円となりました。これは主に、現金及び預金26億30百万円、棚卸資産9億39百万円、未収入金7億7百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。

固定資産は、53億11百万円増加し、2,093億78百万円となりました。これは主に、有形固定資産が58億83百万円増加したことによるものであります。

(負債の部)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ137億8百万円増加し、1,424億15百万円となりました。
 流動負債は、59億52百万円増加し、873億91百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金18億86百万円、賞与引当金21億34百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。

固定負債は、77億55百万円増加し、550億24百万円となりました。これは主に、長期借入金が82億75百万円増加したことによるものであります。

(純資産の部)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億37百万円減少し、1,482億84百万円となりました。これは主に、利益剰余金が18億64百万円減少したことによるものであります。