E31159 Japan GAAP
当社は首都圏でスーパーマーケット事業を展開する㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱及び㈱いなげやの完全親会社たる持株会社であります。文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
〔当期の経営環境〕
当中間連結会計期間における国内経済は、雇用や所得環境の改善が進行したものの、これを上回る物価上昇が続き、7月までの実質賃金は7ヶ月連続でマイナスに陥るなど、インフレが消費マインドの低下に影響を与えております。特に食料品やエネルギー価格の上昇が家計を圧迫し、消費を抑制する傾向が顕著に表れました。今後も原材料の高騰や労務費の上昇、あるいは金利の上昇や米国の通商政策の影響など、景気の先行きに対する懸念は続くものと考えられます。このため消費者の生活防衛意識は一層強まり、買い物行動も大きく変化することが予想されることから、当社も大きな変革が求められております。特に労働集約型経営からの脱却に向け、生産性の向上と人員最適化の両立がこれまで以上に重要な経営課題であるとともに、関東圏の中でも地域ごとに異なる市場環境を的確に捉え、迅速に対応する「地域適応力」が強く求められています。今後「低価格と高品質のバランス」を徹底して追求するとともに、地域特性に即した品揃え・売場構成・サービス・ポイント施策等の最適化を図ることで、生活者の多様なニーズにお応えする店づくりを進めてまいります。
これらの環境の下、当社グループでは、2025年度をスタートとする第4次中期経営計画を策定し、「真の顧客起点を絶対の価値観とし、経営構造の変革に挑み続ける」をスローガンに掲げ、持続的成長と競争優位性の確立に取り組んでおります。本計画では、イオングループのネットワークとアセットを最大限に活用しながら、グループ各社の強みを活かす経営体制への転換を推進します。具体的には、事業会社においては、地域特性や顧客ニーズに即した店舗運営に集中し、個社の持つ強みを最大限発揮できる体制を整備してまいります。また、当社においては、グループ機能の最適化とシナジー創出を目途とし、経営資源の有効活用や構造改革を推進するため、以下の戦略を実行してまいります。
①規模を活かした集中購買体制の強化:加工食品・日配食品を中心に、スケールメリットを活かした一括調達・共同仕入の仕組みを構築し、調達コストの抑制と商品力の強化、②間接部門の統合による業務効率の向上を図るため、人事・総務・IT等のバックオフィス部門を当社に集約・標準化することで、コストの適正化と生産性向上の実現、③情報・物流・開発の統合によるスピード経営の推進、IT・ロジスティクス・店舗開発等の機能を横断的に連携させ、業務品質とマーケティング精度の向上を目指す体制を整備してまいります。当社グループは引き続き、「顧客起点経営」と「グループ最適化による構造改革」を両輪としながら、競争力強化と企業価値の向上とを実現してまいります。
また8月には、イオングループのリージョナルシフト強化の方針に伴い、当社グループ傘下のマックスバリュ関東㈱と、㈱ダイエーの関東事業及びイオンマーケット㈱の統合に関する基本合意書を締結し、2026年3月の統合に向けた検討を開始しました。この実現によって、スケールを最大限活用した競争優位性を実現し、首都圏エリアにおける成長戦略を加速させてまいります。
〔当期の経営成績〕
当中間連結会計期間における当社グループの業績は、既存店の客数回復に加え、統合した㈱いなげやの業績等が大きく寄与し、連結では前年同期比で増収・増益となりました。営業収益は、全社で既存店客数が伸長したこと等により、前年同期比133.4%となりました。また売上総利益も、前年同期比133.4%と堅調に推移しました。一方で、物価上昇や競争激化に対する対応として、加工食品を中心に価格据え置き施策を継続して実施しており、売上総利益率は前年同期並みに止まり、想定した水準は下回りました。加えて、労務費・光熱費・物流費等の上昇が続き、販売費及び一般管理費は前年同期比131.4%となりました。これらの結果、営業利益及び経常利益は前年同期比では増益を確保しました。中間純利益については前年同期比では改善しているものの、中間純損失を計上しております。
当社グループ子会社の㈱マルエツは来店客数及び客単価のいずれもが前年同期を上回り営業収益は増収を確保しました。また販管費の上昇抑制に注力した結果、中間純利益は増益となりました。
㈱カスミは、客数の回復基調とともに客単価が前年同期を上回ったことで営業収益は増収が図れたものの、価格政策の強化の影響で売上総利益率は前年同期を下回りました。また販管費の上昇抑制に注力した結果、営業利益は前年同期に対し増益を確保しました。なお、関連会社の子会社化に伴う株式等の買取り等により経常利益は前年同期を下回りましたが、政策保有株式の売却により中間純利益は増益となりました。
マックスバリュ関東㈱は、客数が前年同期を上回り営業収益は増収となりましたが、価格施策の強化により売上総利益率が前年同期を下回ったため、営業利益及び中間純利益は前年同期に対して減益となりました。
㈱いなげやは、来店客数・客単価がともに伸長し、営業収益は前年同期を上回りました。また売上総利益率も前年同期水準を確保したことから、営業利益は大幅な増益となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間における連結業績は、営業収益が4,779億75百万円(前年同期比33.4%増)、営業利益が1億68百万円(前年同期は営業損失6億50百万円)、経常利益が32百万円(前年同期は経常損失5億21百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失が12億10百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失21億42百万円)となりました。
〔店舗数〕
当中間連結会計期間において、㈱マルエツが4店舗、㈱カスミが1店舗、㈱いなげやが3店舗を新設いたしました。一方、経営資源の効率化を図るため㈱マルエツが3店舗を閉鎖した結果、当社グループの当中間連結会計期間末の店舗数は665店舗となりました。
〔主要子会社〕
㈱マルエツは、千歳船橋店を含む4店舗を新規出店し、既存店では3店舗の大型改装を含む合計28店舗において活性化を行いました。商品面では、加工食品・日配食品の中から、需要の高い商品約100品目を「スペシャル厳選特価」として販売価格を見直すとともに、イオングループのプライベートブランドであるトップバリュ・トップバリュベストプライスの取扱いを拡大しました。さらに、前期に開設した草加デリカセンターからの供給量を増加させました。サービス面では、「WAON POINT」を導入し、マルエツチラシアプリでのクーポン配布などを通じてサービスを拡充しました。また、お客さまの利便性向上を目的に、Uber Eatsのピックパックペイを活用し、より多くの店舗・時間帯でUber Eatsをご利用いただける環境を整備しました。加えて、生産性向上のため電子棚札を8月までに全店に導入しました。従業員の働きやすさ向上にも取り組み、休憩室の改装を推進するとともに、プライバシーに配慮した新しい名札を全店で導入しました。
㈱カスミは、中食需要の伸長に対応すべくデリカ部門の強化を目的に、子会社である㈱ローズコーポレーションと協働し、店舗の作業軽減できる半製造弁当や低価格志向に応えるおにぎりを開発・投入しました。この省力化により創出された店舗労働時間を活用し、デリカ部門においてランチ需要対応やピークタイムにおける出来立て商品の強化を行いました。既存店の活性化施策としては、千葉県市川市のフードスクエアカスミ本八幡店を地域ニーズに合わせ、冷凍食品コーナーなどを拡充し、リニューアルオープンしました。これらの施策を通じて、お客さまの多様なニーズに応えるとともに、より一層生産性を高め、利益改善に向けた取り組みを強化してまいります。
マックスバリュ関東㈱は、お客さまの生活防衛意識の高まりに対応し、特にお客さまの生活に欠かせない日常品を中心にNB商品の価格訴求を強化いたしました。お値打ち商品がお客さまにわかりやすく伝わるよう、売場でのPOPや販促物、チラシ紙面の工夫を行いました。また、「農産売場、水産売場を中心に生鮮食品の鮮度強化」「市場が伸長している惣菜部門の強化」「地域のお客さまのライフスタイルに合わせた品揃えの実現」を目指し、4店舗で店舗活性化を行いました。
㈱いなげやでは、“新鮮さを お安く 心をこめて”を経営目標とし、価値ある商品の開発、お値打ち価格での商品提供、お客さまの立場に立った「お買い場」づくりを行い、お客さまの来店頻度を高めることをテーマとして施策を推進してまいりました。また、また、スクラップアンドビルドによる川崎中野島店(神奈川県川崎市)、ブルーミングブルーミーあきるのプレイス店(東京都あきる野市)、保谷駅前店(東京都西東京市)を新たにオープンいたしました。さらに、積極的に既存店の活性化を行い、川越南大塚駅前店(埼玉県川越市)、川越旭町店(埼玉県川越市)等3店舗を改装いたしました。新たな取り組みとしては、競合他社との差別化のために、惣菜では「商品開発チーム」を新設し、新商品の投入スピードを上げる事で、お客さまを飽きさせない「わくわく感のあるお買い場」を提供してまいりました。活性化店では大阪王将監修の中華総菜を始めとした新規カテゴリー開発を推進しました。鮮魚コーナーでは、新鮮なネタにこだわった「鮮魚鮨」の展開店舗を拡大し、お客さまに魅力を感じていただける、「こだわり商品」を提供してまいりました。価格面ではトップバリュの品揃えを拡大させた事でお買い得感のあるお買い場の提供を図り、来店頻度の向上につなげてまいりました。
〔環境・社会貢献〕
当社グループは、脱炭素社会の実現と循環型社会の構築を目指した環境活動ならびに地域と共生する社会貢献活動を積極的に推進しております。環境分野での主な取り組みとして、①店舗・物流センター等の使用電力の抑制と再生可能エネルギー電力への転換による効率化と脱炭素化、②冷媒フロンの自然冷媒への転換を通じた地球温暖化係数(GWP)低減の推進、③商品の需給管理の適正化によるフードロスの削減、④お客さまとの協働によるリサイクル活動の推進等に取り組んでおります。また、社会分野での主な取り組みとして、当社グループは、事業会社ごとに地域社会の課題に即した社会貢献活動を推進しており、以下のような施策を通じて地域との信頼関係の構築に努めております。①災害復興支援募金等の展開を通じたお客さまとの共創による地域貢献、②地方自治体との包括連携協定の締結による地域の課題解決に向けた協働、③買物困難地域への移動スーパーの運行など地域インフラとしての役割の拡大、④フードバンクやフードドライブを通じた子ども食堂や一人親家庭への食糧支援など社会支援活動に取り組んでおります。これらの取り組みについては2025年7月に開示した「統合報告書2024」に取りまとめており、当社グループが設定した重要課題(マテリアリティ)について、具体的なロードマップと達成水準を設定しながら、持続可能な企業価値の向上に向けて着実に取り組みを進めてまいります。
〔参考情報〕
主要連結子会社では、当中間連結会計期間における㈱マルエツ単体の営業収益は2,028億9百万円(前年同期比2.0%増)、㈱カスミ単体の営業収益は1,405億84百万円(前年同期比2.5%増)、マックスバリュ関東㈱単体の営業収益は224億81百万円(前年同期比1.4%増)、㈱いなげや単体の営業収益は1,091億74百万円の結果となりました。
(資産の部)
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ61億42百万円増加し、3,887億47百万円となりました。
流動資産は、25億3百万円増加し、1,221億38百万円となりました。これは主に、未収入金37億30百万円、現金及び預金26億63百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、36億45百万円増加し、2,665億76百万円となりました。これは主に、有形固定資産が49億83百万円増加した一方で、投資その他の資産が11億48百万円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ90億47百万円増加し、1,883億24百万円となりました。
流動負債は、151億40百万円増加し、1,305億73百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金109億74百万円、1年内返済予定の長期借入金35億円がそれぞれ増加した一方で、未払法人税等が39億93百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、60億93百万円減少し、577億50百万円となりました。これは主に、長期借入金が64億54百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億4百万円減少し、2,004億23百万円となりました。これは主に、利益剰余金が27億74百万円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ26億63百万円増加し、383億99百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純損失12百万円、減価償却費93億91百万円、未収入金の増加35億22百万円、仕入債務の増加103億79百万円等により、203億98百万円の収入(前年同期比139億37百万円の収入の増加)となりました。
なお、未収入金の会計処理において、当中間連結会計期間より、満期日に決済が行われたものとして処理しており、その分前年同期比90億62百万円の増加影響があります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出117億64百万円、貸付けによる支出80億円、貸付金の回収による収入110億2百万円、無形固定資産の取得による支出16億18百万円等により、98億47百万円の支出(前年同期比39億63百万円の支出の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減額30億円、長期借入れによる収入20億円、長期借入金の返済による支出49億54百万円、配当金の支払額15億64百万円等により、78億88百万円の支出(前年同期比101億78百万円の支出の増加)となりました。