売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02979 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 当第3四半期連結累計期間における世界経済はインフレに対する金融政策の反動により、実体経済への先行き懸念が強まりつつも総じて底堅く推移しました。一方、中国経済はゼロコロナ政策解除後の景気回復に力強さを欠く状況が続きました。
 このような経済状況の中、当社グループは、収益性確保の為の適切な価格転嫁や市場競争力向上の為の物流最適化の推進により、事業基盤の強化に努めました。
 この結果、当第3四半期連結累計期間の当社グループの連結売上高は、551億55百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は34億42百万円(前年同期比3.2%増)、経常利益は38億78百万円(前年同期比5.4%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、27億18百万円(前年同期比1.6%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次の通りであります。

 

◆アジア事業

[産業資材事業]

 主要顧客である日系建機・農機メーカーへのゴム・樹脂商材の新規採用品目が増加した他、顧客の生産台数が回復基調に転じたことから国内自動車向け関連商材の販売が好調に推移しました。一方で欧州乗用車メーカーの生産台数が想定を下回った影響から尿素SCR商材の販売が減少しました。これらの結果、売上高は133億5百万円(前年同期比1.3%減)となりましたが、営業利益は価格転嫁の進展や製品ミックスの改善により19億68百万円(前年同期比7.6%増)となりました。

[スポーツ・建設資材事業]

 スタジアム、体育館などの文教施設における改修、新設物件への営業強化が奏功し、「モンドトラック」(陸上競技用全天候舗装材)及び体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加しました。また、鉄道の駅舎案件の受注に伴い、「エンシン階段」の販売が増加しました。一方、国内の商業施設で使用される「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)は民間の大型設備投資案件が一巡したことから販売が減少しました。これらの結果、売上高は64億59百万円(前年同期比19.4%減)となり、営業利益は1億37百万円(前年同期比66.9%減)となりました。

[その他事業]

 イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、名古屋への直営店出店により店舗販売が増加しましたが、Eコマース、量販店における販売が伸び悩みました。これらの結果、その他事業における売上高が5億20百万円(前年同期比1.2%減)となりました。損益面では広告宣伝活動や新規出店に伴うマーケティング費用の増加により、営業損失は2億26百万円(前年同期は営業損失1億10百万円)となりました。

 以上のことから、アジア事業全体では、売上高は202億85百万円(前年同期比7.9%減)となり、営業利益は18億79百万円(前年同期比11.9%減)となりました。

 

◆北米事業

 景気後退の懸念を背景に一部の市場で在庫調整期に入りつつあるものの、物流機能の最適化に向けた取り組みが各種ホース・継手の販売機会を獲得する契機となりました。さらに円安の影響が加わり、売上高は304億92百万円(前年同期比8.5%増)となりました。損益面では支店倉庫の新設や移転、機能改善に伴う費用が発生しましたが、一部の原材料費が低減されたことや物流費の適正化が進んだことなどから営業利益は18億90百万円(前年同期比11.6%増)となりました。カテゴリ別の概況は以下の通りです。

 

▽産業用樹脂ホース「Tigerflex」

インフラ公共投資に関連する建設業をはじめ、製造業、鉱業等、幅広い分野の需要を捉えたことで販売が好調に推移しました。

 

▽高機能/汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」

 大手飲料メーカーやコンビニエンスストア向けに飲料用ホースの販売が高水準を維持したことに加え、製造業の活況を受け、エアーツール用や配送用ホースの販売が増加しました。

 

▽ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」

 市場の在庫調整が続く外壁塗装用ペイントスプレーホースは販売が軟調だった一方、インフラ整備が活況だった影響を受けて下水配管洗浄用ホースの販売が好調に推移しました。

 

▽ゴムホース・その他

 製造業、一般産業等における新規顧客獲得に加えて建設業の活況を受け、低圧用、高圧用共にゴムホースの販売が増加しました。また、消防ホースの旺盛な需要を見越した営業体制強化が功を奏したことで米国市場におけるシェア獲得が進展し、販売が好調に推移しました。

 

◆欧州・南米事業

 欧州域内及び南米地域における地産地消の優位性を活かした営業活動により、消防機関向け「消防用ホース・ノズル」及び、農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売が増加しました。また、アルゼンチンにおけるオイル・ガス生産量の増加に牽引され、長距離送水用「大口径レイフラットホース」の販売が好調だったことから売上高は43億77百万円(前年同期比21.1%増)となり、損益面ではアルゼンチンの子会社に対する超インフレ会計適用がマイナス要因となったものの、適切な需要の取り込みと価格転嫁による増収効果から、営業利益は4億25百万円(前年同期比45.4%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて7.6%増加し、677億15百万円となりました。これは、主に現金及び預金が5億78百万円増加した他、商品及び製品が14億46百万円増加したことによるものです。

 負債合計は、前連結会計年度末と比べて3.5%減少し、275億85百万円となりました。これは、短期借入金が7億26百万円減少したことによるものです。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて16.9%増加し、401億30百万円となりました。これは、利益剰余金が21億57百万円増加した他、為替換算調整勘定が33億12百万円増加したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より5億77百万円増加し、80億24百万円となりました。

 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な理由は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、33億99百万円の増加(前年同期は14億17百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益38億78百万円や売上債権の減少額10億18百万円が要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、10億4百万円の減少(前年同期は7億38百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出9億13百万円等が要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、24億19百万円の減少(前年同期は23億54百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の減少額12億57百万円、長期借入金の返済による支出15億12百万円等が要因であります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書の「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

 なお、新型コロナウイルス感染症による影響についての仮定は、前連結会計年度の有価証券報告書の「第4 経理の状況 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3億47百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。