株式会社セブン&アイ・ホールディングス

ブランドなど:セブンイレブンイトーヨーカドーアリオ赤ちゃん本舗デニーズそごう西武ヨークベニマルセブン銀行
小売業コンビニプライムTOPIX Core30

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03462 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期における国内経済は、雇用・所得環境は改善した一方で、エネルギーコストや原材料価格の高騰により実質賃金はマイナスが続きました。このような中、賃金上昇や定年延長などにより若年層、高齢者層の所得が増加する一方、子育て世代を中心に生活防衛意識が高まるなど、消費の二極化が顕在化しております。

北米経済は、引き続きインフレ、高金利環境ではあるものの、経済全体では底堅さを維持しました。一方で、消費の二極化が進み、中低所得者層の消費に対する慎重な姿勢がより一層強まりました。

このような環境の中、当社グループは「セブン-イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」を目指し、アップデートした中期経営計画(2023年3月9日公表)における各事業戦略及びグループ戦略を推進しております。国内外における消費環境変化に対し、中長期視点はもちろん、短期的な視点からも対応すべく、様々な施策を講じております。

なお、2024年4月10日に公表の通り、当社グループの企業価値、株主価値の最大化に向けた具体的なアクションプランを策定し、それらの着実な実行に向けて取り組みを推進しております。

これらの結果、当該期間における当社の連結業績は以下のとおりとなりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年2月期 第1四半期

2025年2月期 第1四半期

 

前年同期比

 

前年同期比

営業収益

2,650,666

108.3%

2,734,750

103.2%

営業利益

81,992

80.1%

59,344

72.4%

経常利益

73,708

77.2%

55,000

74.6%

親会社株主に帰属する四半期純利益

42,180

64.9%

21,388

50.7%

 

為替レート

U.S.$1=132.42円

U.S.$1=148.63円

1元=19.35円

1元=20.63円

 

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社セブン‐イレブン・沖縄及び7-Eleven, Inc.における加盟店売上を含めた「グループ売上」は4,288,588百万円(前年同期比103.0%)となりました。また、当第1四半期における為替レート変動に伴い、グループ売上は2,698億円、営業収益は2,221億円、営業利益は4億円増加しております。

 

当第1四半期連結累計期間のセグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

 

(セグメント別営業収益)

 

 

(単位:百万円)

 

2024年2月期 第1四半期

2025年2月期 第1四半期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

229,039

106.4%

224,979

98.2%

海外コンビニエンスストア事業

1,900,672

110.3%

2,029,438

106.8%

スーパーストア事業

360,155

101.2%

359,232

99.7%

金融関連事業

50,988

107.2%

52,340

102.7%

その他の事業

124,975

105.5%

85,845

68.7%

2,665,832

108.3%

2,751,835

103.2%

調整額(消去及び全社)

△15,165

△17,085

合 計

2,650,666

108.3%

2,734,750

103.2%

 

 

(セグメント別営業利益)

 

 

(単位:百万円)

 

2024年2月期 第1四半期

2025年2月期 第1四半期

 

前年同期比

 

前年同期比

国内コンビニエンスストア事業

64,088

108.1%

61,254

95.6%

海外コンビニエンスストア事業

20,981

47.7%

4,473

21.3%

スーパーストア事業

3,316

94.2%

2,151

64.9%

金融関連事業

9,947

108.1%

8,375

84.2%

その他の事業

1,847

187.2%

2,182

118.2%

100,180

85.6%

78,438

78.3%

調整額(消去及び全社)

△18,188

△19,094

合 計

81,992

80.1%

59,344

72.4%

 

① 国内コンビニエンスストア事業

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は224,979百万円(前年同期比98.2%)、営業利益は61,254百万円(同95.6%)となりました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、人口減少、少子高齢化の進行、物価上昇及び実質賃金の低下、消費の二極化等の外部環境変化がある中で、お客様の消費行動変化へ対応すべく、基本商品の磨きこみをベースに、「マーケットニーズに対応した品揃えの拡充」、「お客様への新たな買い物体験の提供」等、客層の拡大と来店頻度の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。

また、デリバリーサービス「7NOW」については全国展開に向けた体制構築等の取り組み強化に加え、「7NOWアプリ」の認知度向上等の施策に取り組んでまいりました。

加えて、多様なニーズに対応するため、2024年2月29日に新しいコンセプトの店舗「SIP*ストア」をオープンしました。ここでお客様の潜在的なニーズを特定し、確認された商品やサービスをほかの店舗に展開する取り組みも進めています。

当第1四半期は、既存店売上は前年並みとなり、営業利益は61,194百万円(同94.9%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は1,327,015百万円(同100.2%)となりました。

 

*株式会社セブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)と株式会社イトーヨーカ堂(IY)のパートナーシップ(通称

 SIP)

 

② 海外コンビニエンスストア事業

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は2,029,438百万円(前年同期比106.8%)、営業利益は4,473百万円(同21.3%)となりました。

北米の7-Eleven, Inc.は、引き続きインフレと高金利の中で消費の二極化が進み、個人消費環境が厳しい状況にある中で、継続的な事業の成長と資本効率の向上を目指し、「オリジナル商品の強化」、「デジタル・デリバリー施策の促進」、「Speedwayとの統合によるシナジー創出」、「店舗網の拡大」という4つの施策を推進してまいりました。

当第1四半期のドルベースの米国内既存店商品売上は前年を下回り、営業利益(のれん償却前)は29,976百万円(同68.6%)となりました。また、自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は、2,427,858百万円(同107.1%)となりました。

また、2024年4月16日付にて米国Sunoco LP社からのコンビニエンスストア事業及びガソリン小売事業の一部の取得を完了しました。米国における市場シェアを更に高め、より一層成長を加速させてまいります。

7-Eleven International LLCでは、2025年度までに日本及び北米を除く地域で5万店の店舗網の確立、2030年度までに日本、北米を含めた全世界で30の国と地域での展開を目指すという方針の下、既存展開国と新規展開国の両輪で成長戦略を推し進めてまいります。既存展開国については、2023年2月にベトナム事業に対する投融資を決定し、2023年11月にベトナム事業を所有するGRO Holdings Joint Stock Companyが持分法適用会社となりました。また、2024年4月1日付で、オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有するConvenience Group Holdings Pty Ltdの買収を完了しました。

③ スーパーストア事業

スーパーストア事業における営業収益は359,232百万円(前年同期比99.7%)、営業利益は2,151百万円(同64.9%)となりました。

株式会社イトーヨーカ堂は、収益性改善に向けた抜本的変革が計画通り進捗しており、2024年2月27日に稼働を開始させたPeace Deli千葉キッチンを含め、プロセスセンターやセントラルキッチン等の戦略投資インフラを活用し、惣菜の新ブランド「YORK DELI(ヨーク・デリ)」を立ち上げる等、商品の品質向上、店舗の運営効率改善に取り組んでまいりました。

当第1四半期は、2023年9月の株式会社ヨークとの合併に伴い売上高は前年を上回りましたが、662百万円の営業損失(前年同期は163百万円の営業損失)となりました。

株式会社ヨークベニマルにおいては、「地域のお客様の日常の食卓をより楽しく豊かに便利にする」というコンセプトの実現に向けて、既存店の活性化、デリカテッセン等の開発及び販売強化の取り組みを進めております。

当第1四半期では原材料価格高騰への価格対応及び販売促進施策が奏功し、既存店売上は前年を上回ったものの、販促費用や人件費等の販管費が増加し、営業利益は4,382百万円(前年同期比95.7%)となりました。

④ 金融関連事業

金融関連事業における営業収益は52,340百万円(前年同期比102.7%)、営業利益は8,375百万円(同84.2%)となりました。

株式会社セブン銀行における当第1四半期末時点の国内ATM設置台数は27,552台(前連結会計年度末差182台増)となりました。預貯金金融機関の取引件数の回復、資金需要増による消費者金融等のノンバンク取引の増加に加え、各種キャッシュレス決済に伴うATMでの現金チャージ取引が高い水準を維持したことなどにより、1日1台当たりのATM平均利用件数は107.2件(前年同期差3.2件増)となり、当第1四半期連結累計期間のATM総利用件数は前年を上回りました。なお、同行における現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて8,798億円となりました。

⑤ その他の事業

その他の事業における営業収益は85,845百万円(前年同期比68.7%)、営業利益は2,182百万円(同118.2%)となりました。

事業ポートフォリオの見直しによる事業会社の譲渡等の影響により減収となったものの、人流回復に伴い株式会社ロフトをはじめとする事業会社の業績が好調に推移したため増益となりました。なお、2024年5月9日に公表した、当社の完全子会社である株式会社セブン&アイ・ネットメディアが保有する株式会社ニッセンホールディングスの発行済全株式の株式会社歯愛メディカルへの譲渡については、2024年7月1日付で完了いたしました。

 

⑥ 調整額(消去及び全社)

調整額(消去及び全社)における営業損失は19,094百万円(前年同期は18,188百万円の営業損失)となりました。

業務効率化やセキュリティ強化等を目的としたグループ共通基盤システム構築に係る費用等を計上しております。また、顧客接点の拡大に向けた「7iD」会員基盤の整備や、新たな体験価値を創造するデリバリーサービス「7NOW」やネットスーパーを支えるラストワンマイルDXプラットフォームの深化を通じ、2030年の目指すグループ像を実現すべく取り組んでまいります。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

総資産は、主に為替レートの変動により前連結会計年度末に比べ631,370百万円増の11,223,488百万円となりました。

流動資産は、海外コンビニエンスストア事業におけるConvenience Group Holdings Pty Ltd*(以下、「SEA」という。)の取得に伴う現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末に比べ83,081百万円減少いたしました。

固定資産は、主に海外コンビニエンスストア事業におけるSEAの取得に伴う有形固定資産及び無形固定資産の増加等により714,648百万円増加いたしました。

負債は、為替レートの変動とSEAの取得に伴う資金調達等による有利子負債の増加により、前連結会計年度末に比べ540,747百万円増の7,232,240百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ90,623百万円増の3,991,248百万円となりました。

 

*オーストラリアにおけるライセンシーとして「7-Eleven」ブランドにてコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業を運営する7-Eleven Stores Pty Ltdを含む複数の会社の株式を保有する会社

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ189,226百万円減少し1,373,267百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得た資金は、236,122百万円(前年同期比74.3%)となりました。前年同期に比べ81,504百万円減少した主な要因は、法人税等の支払額が23,999百万円減少した一方、銀行業におけるコールマネーの純増減が206,900百万円減少したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は、316,886百万円(前年同期比333.2%)となりました。前年同期に比べ221,779百万円増加した主な要因は、有形固定資産の取得による支出が20,171百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が165,211百万円増加したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、131,783百万円(前年同期比52.2%)となりました。前年同期に比べ120,572百万円減少した主な要因は、社債の償還による支出が148,892百万円増加した一方、短期借入金の純増減額が251,922百万円増加したこと等によるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

該当事項はありません。