売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00876 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当第3四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における世界経済は、サプライチェーンの混乱収束や半導体不足による供給制限の緩和などにより回復が進んだものの、そのペースは鈍く力強さを欠きました。欧州では金融引き締めの継続による経済活動の停滞、中国では不動産市場低迷などによる成長の鈍化、また出口の見えないロシア・ウクライナ情勢をはじめとする地政学的な緊張などにより、依然として先行き不透明な状況が続きました。

かかる環境下、当社グループの業績においては、売上高は前年同期比21,224百万円3.8%)増574,374百万円、営業利益は9,143百万円12.9%)減61,702百万円、経常利益は12,324百万円17.6%)減57,753百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は10,687百万円22.7%)減36,487百万円となりました。

2018年5月に米国子会社で発生した火災事故に関して提起された民事訴訟について、訴え却下の申立てが認められる見込みの1名を除き、係争中であったすべての原告との間で2023年4月に和解が成立しました。これに伴い、当第3四半期連結累計期間において、本件訴訟などに関する訴訟関連損失として7,675百万円を特別損失に計上しています。なお、この1名については、2023年7月に訴え却下の申立てが認められ、本件訴訟は解決しました。

 

(単位:百万円)

 

2022年度 第3四半期

連結累計期間

2023年度 第3四半期

連結累計期間

増減

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

ビニルアセテート

285,641

58,987

302,782

63,773

17,140

4,785

イソプレン

48,717

4,145

46,833

△4,066

△1,883

△8,211

機能材料

123,720

6,493

139,645

8,125

15,924

1,632

繊維

48,630

6,580

44,946

1,741

△3,684

△4,838

トレーディング

43,778

3,926

44,760

3,740

982

△186

その他

37,633

1,938

33,989

581

△3,643

△1,357

消去又は全社

△34,972

△11,226

△38,583

△12,194

△3,611

△968

合計

553,150

70,846

574,374

61,702

21,224

△9,143

 

 

 

[ビニルアセテート]

当セグメントの売上高は302,782百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益は63,773百万円(同8.1%増)となりました。

 

※画像省略しています。

 

ポバール樹脂は、高付加価値品へのシフトを進めたものの、世界的な需要減退の影響を受けました。光学用ポバールフィルムは、液晶パネルの在庫調整が一巡し、出荷は順調に回復しました。高機能中間膜は、PVBフィルムの建築用途で需要の減退が見られたものの、自動車向けは堅調に推移しました。水溶性ポバールフィルムは、インフレによる買い控えなどの影響により、主に欧州で個包装洗剤向けの出荷が減少しました。

② EVOH樹脂〈エバール〉は、自動車向けは堅調に推移したものの、食品包装用途は軟調に推移し、販売数量が減少しました。

 

[イソプレン]

当セグメントの売上高は46,833百万円(前年同期比3.9%減)、営業損失は4,066百万円(前年同期は営業利益4,145百万円)となりました。なお、タイの新プラントは2月より順次稼働を開始しました。

 

※画像省略しています。

 

① イソプレンケミカル、エラストマーは、昨年後半から続く需要減退に加え、競争激化の影響を受けました。

② 耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉は、自動車向けは回復基調にあるものの、電気・電子用途はデバイスの在庫調整の影響を受け、販売量が減少しました。

 

 

[機能材料]

当セグメントの売上高は139,645百万円前年同期比12.9%増)営業利益は8,125百万円(同25.1%増)となりました。

 

※画像省略しています。

 

① メタアクリルは、電気・電子用途はデバイスの在庫調整などによる販売量の減少に加え、原燃料価格上昇の影響を受けました。

② メディカルは、審美治療用歯科材料の販売が欧米を中心に順調に推移しました。

③ 環境ソリューションは、北米の飲料水用途や工業用途で需要が増え、活性炭の販売が堅調に推移しました。

 

[繊維]

当セグメントの売上高は44,946百万円(前年同期比7.6%減)、営業利益は1,741百万円(同73.5%減)となりました。

 

※画像省略しています。

 

① 人工皮革〈クラリーノ〉は、スポーツ用途では回復の兆しが見られましたが、ラグジュアリー用途などで需要減退の影響を受け、出荷が減少しました。

② 繊維資材は、ビニロンは欧州向けが低調でしたが、〈ベクトラン〉が堅調に推移しました。

③ 生活資材は、〈クラフレックス〉で外食産業の需要が低調でした。

 

 

[トレーディング]

当セグメントの売上高は44,760百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は3,740百万円(同4.7%減)となりました。

 

※画像省略しています。

 

繊維関連事業は、資材関連は苦戦しましたが、スポーツ衣料用途が順調に推移しました。

樹脂・化成品関連事業は、第2四半期までは低調だったアジア市場での需要が回復基調となりました。

 

[その他]

その他事業の売上高は33,989百万円(前年同期比9.7%減)、営業利益は581百万円(同70.0%減)となりました。

 

※画像省略しています。

 

(2)財政状態の状況

総資産は、現金及び預金の減少10,589百万円等の一方、有形固定資産の増加26,404百万円及び棚卸資産の増加23,009百万円等により、前連結会計年度末比50,035百万円増の1,271,568百万円となりました。負債は、有利子負債の減少43,031百万円等により、前連結会計年度末比36,029百万円減の516,969百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末比86,064百万円増の754,599百万円となりました。自己資本は732,219百万円となり、自己資本比率は57.6%となりました。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は18,201百万円です。なお、当社は、当第3四半期連結累計期間において、市場開発機能を強化しつつ生産・販売体制を整備し、事業の加速を図るため、研究開発本部で開発推進してきた〈ベクスター〉・CMPパッドをエレクトロニクスマテリアルズ推進本部に移管しました。