売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00566 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社が判断したものであります。

(1)経営成績の分析

当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日)における世界経済は、ウクライナ情勢の影響による資源価格高騰の継続、主要各国でのインフレの長期化、不安定な為替相場等、依然として油断を許さない状況が続いております。また、世界規模で進む気候変動問題に対しては、各国の脱炭素化の動きがますます活発となっており、自動車業界やプラスチック業界への影響が注視されます。

我が国経済においては、日米金利差による円安相場の長期化および資源高騰に伴うエネルギー価格および輸送価格の大幅上昇や各資材価格の値上がり、全国的な人手不足問題と人件費上昇等、継続して様々な経営課題に直面しております。

このような環境下、当社グループでは、コスト上昇に対応した売価の価格改定と製造現場の効率化、販売先および仕入先の新規開拓を進めております。当第2四半期連結会計期間においては、M&Aの仲介及び助言を行い、その成立を支援するサービスを行うことを目的として、新たにM&A部門を設立し事業を開始しております。中期経営計画の最終年にあたる当年度において、既存事業の発展・強化に努めるとともに、新規事業であるリサイクル事業の収益改善を進め、当四半期連結累計期間では黒字化を達成いたしました。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高628,412千円(前年同四半期比13.9%増)、営業損失14,967千円(前年同期は営業損失81,241千円)、経常利益2,417千円(前年同期は経常損失66,605千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,009千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失89,872千円)となりました。

 

当社個別決算につきましては、前年同四半期累計期間との比較で売上高が伸長したほか、営業損失、経常損失ともに健全化を見せ、売上高が11.9%増加、営業損失が58,438千円改善いたしました。さらに、個別決算においても経常損失より経常利益へと黒字化し7,084千円の経常利益(前年四半期は57,284千円の経常損失)となりました。

 

回次

第100期

第2四半期累計期間

第101期

第2四半期累計期間

前年同四半期比較

会計期間

自 2022年4月1日
至 2022年9月30日

自 2023年4月1日
至 2023年9月30日

売上高

(千円)

475,261

532,219

+56,957

(+11.9%)

営業損失(△)

(千円)

△71,059

△12,621

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

△57,284

7,084

 

 

 

 

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

なお、各セグメントの営業損失は、各事業に配分していない全社費用63,207千円を配分する前の金額であります。

 

(紡績事業)

当第2四半期連結累計期間における当該事業の状況につきましては、得意先の在庫調整の影響を受け、計画していた生産数量には至らなかったものの、前連結会計年度より進めていた加工費収入の価格改定が進んだことにより増収増益となりました。

主力のアラミド繊維製品においては、資材用途向けが海外他社との競合により計画より減産傾向にあるものの、防護衣料用途向けへの転換を進めており、生産量は前年同期(2022年4月~2022年9月)より微減し、233tとなりました。

一方で、高級インナー向け紡績糸においては順調に回復を示しており、生産量は前年同期より微増し38tとなりました。その他、ポリエステル等の他素材についても、生産量は前年同期を1割ほど上回り、57tと堅調に推移しております。

この結果、紡績事業の第2四半期連結累計期間の業績は、売上高193,882千円(前同期比13.3%増)、営業利益11,598千円(前年同期比436.5%増)となりました。

 

(テキスタイル事業)

当第2四半期連結累計期間における販売状況につきましては、中東及び東アジア各マーケットにおいては現地での需要が供給を上回っており、委託加工先のスペースと人手が不足している影響から、染色及び出荷作業への遅れが継続している状況です。

引き続き第3四半期以降も成約済み契約の消化に注力していくほか、為替相場の変動や高騰する保管・輸送コストへの対応策を進めて行く必要があります。一方で、利益面においては国内仕入と海外販売に対する円安も寄与したことで増益となりました。

この結果、テキスタイル事業の第2四半期連結累計期間の業績は、売上高258,176千円(前年同期比2.3%増)、営業利益22,122千円(前年同期比64.9%増)となりました。

 

(ヘルスケア事業)

 当第2四半期連結累計期間における当該事業の状況につきましては、第1四半期連結会計期間より新たに開始した香港向けの日本製化粧品の輸出が継続しております。子会社である中部薬品工業の販売計画は順調に達成しており、特にのど飴関連の商品群が大手ドラッグストアでの拡充により好調に推移しています。

 この結果、ヘルスケア事業の第2四半期連結累計期間の業績は、売上高61,945千円(前年同期比23.6%増)、営業利益3,935千円(前年同四半期は13,706千円の営業損失)となりました。

 

(リサイクル事業)

 当第2四半期連結累計期間における当該事業の状況につきましては、中国を中心としたリサイクル市場の需給悪化があったものの、仕入価格の低減及び生産・販売量の安定確保を図りました。加えて第1四半期連結会計期間において大口転売品の商談が成立したことにより事業別の営業利益では黒字化を達成しております。この結果、リサイクル事業の第2四半期連結累計期間の業績は、売上高114,408千円(前年同期比46.8%増)、営業利益10,729千円(前年同四半期は19,972千円の営業損失)となりました。

 

 

 

(2)財政状態の分析

 

(資産)

総資産は前連結会計年度末より48,299千円減少し2,023,040千円となりました。これは主に、借入金の返済及び諸税金の納付により現金及び預金が82,508千円減少し204,068千円になった一方で、売上高が増加傾向にあることで、受取手形及び売掛金が25,322千円増加し164,319千円に、原材料および資材代金の前払いの増加により前渡金が7,624千円増加し24,186千円になった影響であります。

(負債)

負債は前連結会計年度末より102,987千円減少し1,008,416千円となりました。これは主に、借入金の返済により、短期借入金が20,000千円減少し519,500千円に、1年内返済を含む長期借入金が87,904千円減少し123,229千円に、消費税の納付により未払消費税等が15,047千円減少し3,057千円になった影響であります。

(純資産)

純資産は前連結会計年度末より54,688千円増加し1,014,624千円となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金が25,131千円増加し1,223,447千円に、資本準備金が25,131千円増加し522,042千円に、投資有価証券の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が5,404千円増加し14,391千円になった影響であります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(「以下「資金」という)は、204,068千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

当連結会計年度における営業活動による資金は26,579千円の減少(前年同四半期は86,296千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益4,071千円を計上した一方で、売上債権の増加△25,322千円、仕入債務の増加10,143千円、未払消費税等の減少△15,047千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は4,124千円の減少(前年同四半期は41,474千円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出△4,118千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は58,617千円の減少(前年同四半期は19,562千円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の減少20,000千円、長期借入金の返済△87,904千円、新株予約権の行使による収入49,928千円によるものであります。

 

 

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(5)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は4,104千円であります。

紡績事業については、取引先企業ととも生産品種の拡大等に取り組み、販売費及び一般管理費に3,931千円計上しております。

その他の事業については、抗菌・抗ウイルス糸の研究開発に取り組み、販売費及び一般管理費に173千円計上しております。

テキスタイル事業、ヘルスケア事業及びリサイクル事業については、研究開発費の計上はありません。

 

 

(6)継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための対応策

1「事業等のリスク」に記載の継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象に対応すべく、以下の対応策を実施しております。

 

① 紡績事業及びテキスタイル事業の強化

紡績事業は、取引先との連携強化、研究開発の迅速化により高機能繊維の開発及び生産効率の改善をより一層図るとともに、原燃料の高騰に対する加工費の改定に努め、利益率の向上を目指します。

テキスタイル事業は、グレードの多様化による販売強化に取り組み、採算性の向上を図ります。

② ヘルスケア事業のポートフォリオ変更

ヘルスケア事業は、海外向けに販売可能な商品の開拓、連結子会社である中部薬品工業を中核としたオーラルケア用品や健康補助食品の開発強化に取り組みます。

③リサイクル事業の強化

リサイクル事業は、営業人材確保による原材料の仕入強化及び製造設備の拡充による取扱い可能品目の多様化によって事業を拡大していき、売上と利益の拡大を図ります。

④ キャッシュ・フローの改善

運転資金面では、金融機関からの当座貸越契約により調達した資金を活用しているものの、新規設備や商品仕入の先行投資のため、キャッシュ・フローは継続してマイナスの状態にあります。引き続き、新株予約権行使促進等の資金政策を進めるとともに、投資の早期収益化に努めてまいります。なお、2023年1月17日に第三者割当による新株及び新株予約権の発行を決議し、同年2月7日に発行価額の払込を受け、同年8月23日に一部の新株予約権が行使されております。加えて2023年10月3日に保有する投資有価証券(非上場株式1銘柄)を売却していることから、今後の資金的余裕は担保しております。

 

これらの対応策を進めていくことにより、当第2四半期会計期間末において継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。