売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02245 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、アメリカでは個人消費を中心とした景気の回復が続く一方、ヨーロッパでは、金融引き締めが継続する中、景気の停滞が続きました。また、中国では不動産市場の停滞等により景気の回復に足踏みがみられます。日本経済は物価の上昇で個人消費が抑制される中、コロナ禍からの経済活動の正常化がさらに進むもとで、インバウンド需要の拡大等を背景に緩やかな回復傾向をたどりました。

このような状況の中、当社グループの主要関連産業であります自動車産業におきましては、半導体供給不足による生産調整が縮小してきているものの、中国においては自動車市場構造の急激な変化に伴う日系顧客での販売不振・減産の影響が進行しております。セキュリティ機器事業の関連産業であります住宅産業におきましては、新築住宅着工戸数は資材高騰の影響等により、戸建ての注文住宅・分譲住宅は減少、その他の賃貸住宅・マンションは前年度とほぼ同水準に推移しております。

このような事業環境の中、当社グループは引き続き手許資金の流動性を確保しつつ、生産性の向上や経費削減等、変動費・固定費管理の徹底を推進してまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は54,522百万円と前年同四半期に比べ、8,496百万円(18.5%)の増収となりました。利益につきましては、それぞれ営業利益は1,677百万円と前年同四半期に比べ、1,504百万円(871.7%)の増益経常利益は2,431百万円と前年同四半期に比べ、1,463百万円(151.1%)の増益親会社株主に帰属する四半期純利益は1,611百万円と前年同四半期に比べ、957百万円(146.2%)の増益となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

① 自動車部品事業(日本)

自動車部品事業(日本)におきましては、半導体供給不足の緩和に伴う得意先での生産台数の増加などにより、売上高は7,761百万円と前年同四半期に比べ、1,278百万円(19.7%)の増収となりました。増収効果や合理化活動の進展などにより、セグメント利益は434百万円(前年同四半期はセグメント損失166百万円)となりました。

 

② 自動車部品事業(北米)

自動車部品事業(北米)におきましては、半導体供給不足の緩和に伴う得意先での生産台数の増加に加えて、為替換算の影響等から、売上高は12,382百万円と前年同四半期に比べ、3,286百万円(36.1%)の増収となりました。インフレに伴うコストの高止まりはあるものの増収効果や合理化活動の進展などにより、セグメント利益は139百万円(前年同四半期はセグメント損失468百万円)となりました。

 

③ 自動車部品事業(アジア)

自動車部品事業(アジア)におきましては、中国での日系車の販売不振・減産影響を大きく受け続けており、売上高は12,558百万円と前年同四半期に比べ、1,211百万円(△8.8%)の減収となりました。固定費管理や経費削減の徹底を図ったものの中国での減収影響が大きく、セグメント損失は673百万円(前年同四半期はセグメント利益5百万円)となりました。

 

④ 自動車部品事業(欧州)

自動車部品事業(欧州)におきましては、半導体供給不足の緩和に伴う得意先での生産台数の増加に加えて、為替換算の影響等から、売上高は11,680百万円と前年同四半期に比べ、3,673百万円(45.9%)の増収となりました。増収効果や合理化活動の進展などにより、セグメント利益は101百万円(前年同四半期はセグメント損失307百万円)となりました。

 

⑤ セキュリティ機器事業(日本)

セキュリティ機器事業(日本)におきましては、建築資材の高騰を背景とした新築住宅着工減少の影響を受けているものの、大手賃貸住宅事業会社のプロジェクトによる受注が有り、住宅関連製品の売上は前年同期を上回りました。

ロッカーシステム事業については、引き続き国内観光需要の回復によるレジャー・観光客の増加で、コインロッカーのオペレーション収入に加え、物販についても鉄道、空港、ゴルフ場、ホテル向けの受注が堅調に推移したことにより前年同期を上回りました。

なお、売上高は11,420百万円と前年同四半期に比べ、1,923百万円(20.2%)の増収セグメント利益は1,504百万円と前年同四半期に比べ、165百万円(12.4%)の増益となりました。

 

⑥ セキュリティ機器事業(海外)

セキュリティ機器事業(海外)におきましては、日本向け製品(電気錠)の生産増及びタイ国内の樹脂成形部品の受注増により、売上高は8,431百万円と前年同四半期に比べ、2,528百万円(42.8%)の増収セグメント利益は888百万円と前年同四半期に比べ、479百万円(117.3%)の増益となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

また、当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,564百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの事業が関係する市場においては、国内外の企業とのグローバル競争が今後も予想されることから、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは、グローバル市場の急激な変化に的確に対応するため、安定した収益基盤の確立とお客さまの価値観とニーズに対応した新事業・新商品開発により、競争力の維持強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。今後、当社グループの想定を超えてグローバル市場が悪化した場合や、お客さまのニーズに対応する製品を開発・提供できない場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は海外グループ売上高が国内より高いため、為替変動により影響を受ける可能性があります。

 

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は67,414百万円となり、前連結会計年度末に比べ、5,774百万円の増加となりました。また、有利子負債は前連結会計年度末に比べ、278百万円増加し、18,115百万円となりました。

流動資産は、現金及び預金が2,347百万円増加、受取手形及び売掛金が643百万円増加したこと等により、4,646百万円増加し、40,018百万円となりました。

固定資産は、投資有価証券が544百万円増加、有形固定資産のその他が551百万円増加したこと等により、1,130百万円増加し、27,393百万円となりました。

流動負債は、短期借入金が1,915百万円増加したこと等により、2,996百万円増加し、24,072百万円となりました。

固定負債は、長期借入金が1,104百万円減少したこと等により、1,414百万円減少し、8,479百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定が2,652百万円増加、利益剰余金が1,228百万円増加したこと等により、4,192百万円増加し、34,861百万円となりました。

以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の48.0%から2.2ポイント増加し、50.2%となりました。