売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34177 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、2023年10月期第2四半期及び第4四半期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2023年10月期第1四半期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

(1)経営成績の分析

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなど、景気は緩やかな回復が見られました。一方で、国際情勢の動向、原材料価格や資源価格の高騰、物価の上昇、為替の大幅な変動等が国内外の経済活動に与える影響が懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 当社グループの属する不動産市場におきましては、首都圏中古マンション成約件数は2023年10月~2024年1月にかけて前年比で増加傾向が続いており(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)、当社グループの主力とする中古コンパクトマンション投資の市場も拡大傾向にあると想定しております。

 このような環境の中、当社グループは、RENOSYマーケットプレイス事業※1及びITANDI事業にリソースを集中させ、マーケットシェア拡大による将来の利益最大化のため、成長投資を行ってまいりました。また、従来課題であった四半期業績のボラティリティ低減を目指した平準化施策を実施しました。

 この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上収益34,339百万円(前年同期比42.6%増)、売上総利益5,720百万円(前年同期比49.7%増)、事業利益400百万円(前年同期は551百万円の事業損失)、営業利益414百万円(前年同期は548百万円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益84百万円(前年同期は506百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となり、黒字化を達成しました。

 なお、上記以外の主要KPIは、ネット売上収益※2 5,914百万円(前年同期比48.3%増)、ストックビジネス粗利※3 1,332百万円(前年同期比50.0%増)、調整後事業利益率※4 6.8%(前年同期は△13.8%)、ノンオーガニック比率※5 39.0%(前年同期は41.0%)となります。

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 なお、当社グループは経営管理区分の見直しを行ったことに伴い、当第1四半期連結会計期間より「その他」に含まれていた中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム事業を「RENOSYマーケットプレイス」に含めて記載する方法に変更しております。これに伴い、セグメント別の業績における前年同期比は、前年同期を変更後の方法に基づき作成したものを基礎として算定しております。

①RENOSYマーケットプレイス事業

 マーケットリーダーとして引き続き規律を持って投資を行い、また、売却DXの推進、商品ラインアップの拡充により粗利額の最大化を図ってまいりました。さらに、従来課題であった、四半期業績のボラティリティ低減を目指した平準化施策を実施しました。加えて、2023年12月に賃貸管理事業を営む株式会社Core Asset ManagementをM&Aしました。これにより、主なKPIはRENOSY会員数※6 42.2万人(前年同期比約25%増)、購入DX成約件数※7 1,350件(前年同期比約44%増)、売却DX成約件数※8 525件(前年同期比約65%増)、サブスクリプション契約件数※9 22,827戸(前年同期比約58%増)、コンサルタント数(中古コンパクトマンション)※10 100人(前年同期比約5%増)、ARPA(中古コンパクトマンション)※11 1,061百万円(前年同期比約1.8億円増)となり、好調に進捗しております。その結果、RENOSYマーケットプレイス事業の業績は、売上収益33,211百万円(前年同期比42.5%増)、売上総利益4,786百万円(前年同期比48.8%増)、セグメント利益1,390百万円(前年同期比255.8%増)となっております。

②ITANDI事業

 バーティカルSaaSのネットワーク効果や2024年1月の株式会社HousmartのM&Aにより、ARR※12 33.4億円(前年同期比約44%増)、チャーンレート※13 0.47%(前年同期は0.41%)、累計顧客数3,368社(前年同期比約54%増)、ユニットエコノミクス※14 29.9倍(前年同期は24.5倍)、導入プロダクト数9,810プロダクト(前年同期比約58%増)、ITANDI BB PV数1,190万PV(前年同期比約28%増)の達成など、順調に業績を拡大しました。その結果、ITANDI事業の業績は、売上収益936百万円(前年同期比29.0%増)、売上総利益772百万円(前年同期比26.9%増)、セグメント利益276百万円(前年同期比64.3%増)となっております。

 ※1 RENOSYマーケットプレイス事業は、主に投資用不動産の買取再販事業、不動産の売買・賃貸仲介・管理事業

 ※2 ネット売上収益は、「RENOSYマーケットプレイス事業の売上総利益+(連結売上収益-RENOSYマーケットプレイス事業の売上収益)」で算出

 

 ※3 ストックビジネス粗利は、RENOSYマーケットプレイス事業のサブスクリプションビジネス及びITANDI事業の売上総利益の合計

 ※4 調整後事業利益率は、「連結事業利益÷ネット売上収益」で算出

 ※5 ノンオーガニック比率は、中古コンパクトマンション及びサブスクリプション以外の事業の売上総利益の合計をノンオーガニックの売上総利益と定義し、全体の売上総利益に占める割合を算出

 ※6 RENOSY会員数は、2024年1月末時点での会員ストック数(会員登録した累計の人数)

 ※7 購入DX成約件数は、RENOSYマーケットプレイス内の投資、実需の購入成約件数の当第1四半期3ヶ月累計

 ※8 売却DX成約件数は、RENOSYマーケットプレイス内の投資、実需の売却成約件数の当第1四半期3ヶ月累計

 ※9 サブスクリプション契約件数は、2024年1月末時点での管理戸数

 ※10 コンサルタント数(中古コンパクトマンション)は、2024年1月末の人数

 ※11 ARPA(Average Revenue per Agent)(中古コンパクトマンション)は、2023年10月期の中古コンパクトマンションの通期売上収益を、当該年度の各月末時点のセールス人員数の平均値で除して算出

 ※12 Annual Recurring Revenue。各四半期末の月末MRR(Monthly Recurring Revenueの略。月額利用料金、従量課金、ライフラインサービスの収益を含む)に12を乗じて算出。なお、2024年10月期第1四半期より、従来までの主要プロダクトにイタンジの全てのSaaSサービス、Housmart社の「PropoCloud」及びRENOSY XのSaaSサービスを追加し算出

 ※13 2024年1月末時点での直近12ヶ月の平均月次チャーンレート

 ※14 1顧客当たり経済性。LTVをCACで除して算定した倍率、2024年1月末時点での直近12ヶ月の平均値

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,692百万円増加し32,834百万円となりました。これは主にその他の金融資産が3,707百万円増加し4,678百万円となったこと、現金及び現金同等物が2,799百万円減少し14,653百万円となったこと及び、棚卸資産が371百万円増加し10,555百万円になったことによるものであります。また、非流動資産は前連結会計年度末に比べ2,865百万円増加し33,076百万円となりました。これは主にのれんが2,750百万円増加し10,523百万円になったことによるものであります。

 この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ4,558百万円増加し65,910百万円となりました。

 

(負債)

 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,959百万円増加し26,779百万円となりました。これは主にその他の金融負債が3,516百万円増加し6,067百万円となったことによるものであります。また、非流動負債は前連結会計年度末に比べ1,375百万円増加し18,322百万円となりました。これは主に社債及び借入金が1,905百万円増加し6,402百万円になったこと、リース負債が732百万円減少し10,086百万円となったことによるものであります。

 この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ4,334百万円増加し45,102百万円となりました。

 

(資本)

 当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ224百万円増加し20,808百万円となりました。これは主に利益剰余金が84百万円増加し1,073百万円となったことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,799百万円減少し14,653百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により使用した資金は、708百万円(前年同期は1,139百万円の使用)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費1,365百万円、営業債務及びその他の債務の減少額1,009百万円、法人所得税の支払額673百万円によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、3,606百万円(前年同期は242百万円の使用)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出357百万円及び企業結合による支出2,596百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により得られた資金は、1,542百万円(前年同期は149百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,092百万円及びリース負債の返済による支出1,227百万円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、58百万円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。