売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32382 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年11月30日)におけるわが国経済は、政府による新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行の発表とともに各種行動制限が解除されたことで、人流も回復し経済活動の正常化への動きが見られました。しかしながら、為替や長期化するウクライナ情勢の影響で資源、エネルギー価格が高止まりし、電力をはじめとして物価高が継続するなど国内景気の見通しは依然として不透明な状況が継続しております。

流通小売業におきましては、業界の垣根を越えた同質化競争、出店競争、コスト高の影響など企業収益の確保が困難な経営環境が続く中で、当社グループが主に事業展開するホームセンター業界は、物価高の影響を受けて総じて消費マインドは低く、消費者の節約志向が根強い状況でさらには感染症対策商品や巣ごもり需要が落ち込んだことも相まって売上指数が前年を下回る状況が継続しております。

このような状況下で、当社グループは「Challenge3000」営業収益3,000億円、経常利益率5%をグループ目標として掲げ、中期成長戦略として中核事業であるホームセンター事業を中心に収益基盤を強化するために、PB商品の開発に重点的に取組んで参りました。また、各種専門店(ペット専門店、工具資材のプロショップ)の新規出店を積極的に推進するとともに、収益力の高い既存店の全面改装、部門改装を順次実施し、植物・園芸、アウトドア、ペット、自転車などの専門カテゴリーの品揃えの拡充、農機具・工具等の修理サービスやペットしつけ教室の開催など、付加価値サービスを提供することでお客様の目的来店性を高め地域一番店づくりに注力して参りました。

当第3四半期連結累計期間における新規出店としましては、ホームセンターを1店舗、ペット専門店5店舗、プロショップ2店舗の合計8店舗新たに開設し、ホームセンター1店舗、オフィス用品専門店1店舗、ペット専門店1店舗をそれぞれ閉店しております。これにより当第3四半期連結会計期間末の店舗数は300店舗となりました(2023年11月1日付で株式会社NSAKの株式を100%取得したことに伴い同社及びその子会社(株式会社ホームセンター・アント)を新たに連結子会社としたことにより株式会社ホームセンター・アントが運営する店舗5店舗を含んでおります)。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の連結営業収益は1,122億7千万円(前年同期比0.7%増)、連結営業利益は31億3千6百万円(前年同期比29.7%減)、連結経常利益は35億2千5百万円(前年同期比26.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億5千5百万円(前年同期比22.3%減)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

〔ダイユーエイト〕

ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.3%減少し、客単価が前年同期比で2.2%増加したことにより既存店売上高は3.3%の減少となりました。

売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、期初は好天に恵まれたこともあってホームセンターの主力部門である園芸、植物、農業資材が好調に推移するとともに当第3四半期累計期間全体を通してペット用品、日用品の売上も前年同期比で伸長しております。一方、前年は2022年3月に福島県沖地震の被害があった影響により、コーキング剤やセメント、合板などの補修資材、工具などの特需があったことで、当期はその反動減の影響が大きく、前年同期比で売上高が減少しております。また当期は夏場の猛暑日が続いた影響で屋外作業関連用品の販売不振、秋口は例年に比して気温が高かったことで季節商品の出足が鈍かったことなど天候与件も相まって、前年同期比で既存店売上高は減収という結果となりました。

EC部門につきましては、コロナ禍を経て主要な購買チャネルとしてユーザーの日常ライフスタイルに定着しており、EC取扱高も年々伸長の一途をたどっているなかで、取扱い品目の増加、即日発送対応といった体制構築のコスト負担はあったものの、更なるユーザーサービスの向上に努めたこともあって前年同期比で売上高が増加しております。

利益面につきましては、成長戦略「商品力の強化」として取組んでいるホームセンターのPB商品について、円安が常態化する為替相場の影響で海外開発商品の調達原価が上昇しているものの、取扱高が増加したこともあって商品荒利益率改善に寄与しておりますが、第3四半期全体を通して相対的に日用品等の売上構成比が増加したこともあって利益率は横ばいの結果となっております。

 

コスト面につきましては、既存店改装による一時費用の発生のほか人件費の増加、キャッシュレス決済手数料、ECサイト販売手数料等のコスト負担増加の影響で販売費及び一般管理費が前年同期比で増加しております。

これらの結果、ダイユーエイトにおけるセグメント営業収益は341億1千8百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益(営業利益)は7億4千3百万円(前年同期比47.7%減)となりました。

 

〔タイム〕

ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.7%減少、客単価が前年同期比で3.7%増加したことにより既存店売上高は2.2%減少となりました。

売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、犬・猫フード、用品等が販売政策及び値上の影響により好調に推移しております。タイムの主要な出店エリアである中四国エリアは当期5月末の梅雨入り以降、前年比で降水量が多かったことで雨具・長靴等の作業衣料が好調であったほか、夏場は猛暑日が続いたことで日用品・家庭用品・インテリア部門の季節商品が好調に推移いたしました。一方、春先の最需要期での天候不順や夏の異常気象により、植物・園芸用品・農業資材関連商品の売上が低迷したことや、秋口からの気温が例年より高く電気・石油暖房・インテリア用品・灯油等の季節商品を中心に前年同期比で売上高が減少しております。

そのような状況の中で、生活情報の発信力を高めることで更なる集客力の向上を図り、家族で楽しく過ごせる地域密着型ホームセンターへの取組みとしてアプリ会員特典の強化、デジタルサイネージの効果的運用、d払いキャンペーンを行っており、幅広い年齢層のお客様から支持されるサービスを実施いたしました。また、話題商品の品揃え、テーマ性のある売場づくりによる需要創造など、お客様に新たな発見をして頂ける提案を継続して実施しております。

コスト面につきましては、備品消耗品や水道光熱費の節約奨励、作業計画に合わせた人員配置を行うことで残業時間の削減を行う等、効率性を高めることでコスト圧縮に継続的に取組んでおりますが、新店開設に伴う開店一時費用、既存店の改装費用の負担もあって前年同期比で販売費及び一般管理費が増加しております。

これらの結果、タイムにおけるセグメント営業収益は123億3千4百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益(営業利益)は3百万円(前年同期比93.2%減)となりました。

 

〔ホームセンターバロー〕

ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.2%減少、客単価が前年同期比で4.6%増加したことにより既存店売上高は0.9%の減少となりました。

売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、当第3四半期はリフォーム・エクステリア部門においてコロナ禍で対応できなかった需要やお客様の困りごと対応としてガス給湯器の供給、床下工事の提案を重点取組みとして行ったことで売上が好調に推移いたしました。また出店エリアである東海エリアが好天に恵まれたこともあって、種苗、園芸用品、園芸機械の売上が前年同期比で伸長しております。一方で残暑が長引いたことでインテリア関連、家電製品の季節品の販売不振であったことや為替の影響で木材等の資材部門の価格が高止まりしており販売数が伸びなかったことなど、順次、価格、中小型店の品揃えの見直し等の対策を講じておりますが全体としては前年同期比で減収という結果となりました。

販売促進におきましては、紙チラシからSNS販売促進へのシフト拡大に取組んで参りました。特に、職人をドメインとするプロショップ「プロサイト」、アウトドア専門店「CAMPLINK」において配信したクーポンの利用率が高まっておりデジタルを活用した販売促進が顧客獲得、売上確保に貢献しております。また、リアル店舗でのイベント強化に取組んでおり、アンバサダー契約を行なっているYoutuber「かほなん」さんと8回の店舗イベントを開催し集客効果や店舗の活性化に寄与しております。

EC事業におきましては、第3四半期において仕事需要への対応など新たなカテゴリ作りに取組んだことも寄与して前年同期比20%増で売上が推移しております。

ペット事業におきましては、継続してPB商品の開発を進めておりPB商品販売比率を高めて参りました。店舗では推奨販売を行い、実際に使って頂くことでお客様に納得してご購入頂けるよう取組んで参りました。トリミング・しつけ・動物病院につきましても引き続きお客様から多くのご要望を頂いており、サービス部門につきましても取扱高が堅調に推移している状況であります。

コスト面につきましては、キャッシュレス決済手数料負担が増加しておりますが、第3四半期全体を通して継続的に各種コスト削減に取組んでおります。

これらの結果、ホームセンターバローにおけるセグメント営業収益は433億1千7百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は13億4千4百万円(前年同期比19.4%減)となりました。

 

 

〔アミーゴ〕

ペットワールドアミーゴは既存店ベースで、客数が前年同期比で6.2%減少、客単価が前年同期比で4.2%増加したことにより既存店売上高は2.3%減少となりました。

当第3四半期連結累計期間における商品別販売動向につきましては、ペットシーツなどの消耗品や犬、猫おやつ、専門店ならではのプレミアムフードなど用品・フードの物販について売上高は堅調に推移いたしました。また、トリミングやドッグトレーニングといったサービス部門についてもお客様からご支持いただいており、取扱い高が伸長しております。一方でコロナ禍における急激なペット需要がピークアウトしたことで、特に生体の販売数減少が顕著であったほか、ペットケージやサークルなどの関連用品の販売数も同様に前年同期比で減少しており第3四半期全体を通して減収という結果となっております。

当期はドミナントエリア拡大を図るべく初出店エリアとなる群馬県、山梨県に出店するなど合計4店舗開設しており、さらなるペット文化の振興・市場拡大の促進に取組んで参りました。

コスト面につきましては、新店開設に伴う開店一時費用の負担があったほかキャッシュレス決済手数料の増加もあって前年同期比で販売費及び一般管理費が増加しております。

これらの結果、アミーゴにおけるセグメント営業収益は161億5百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益(営業利益)は8億7千2百万円(前年同期比24.6%減)となりました。

 

〔その他〕

セグメント営業収益は130億8千6百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益(営業利益)は19億3千4百万円(前年同期比14.4%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の財政状態としましては、総資産が906億8千2百万円、負債が598億9千9百万円、純資産は307億8千3百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は32.5%となりました。