売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E30002 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況

 当社グループは著作物を公正利用のもと、できるだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッション、「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」をビジョンに掲げ、日本における文化の発展及び豊かな社会づくりに貢献するため、積極的な業容の拡大と企業価値の向上に取り組んでおります。

 日本国著作権法第一章 総則の第一条に謳われる『著作物は文化の発展に寄与』、『著作物の利用と保護の調和』を第一義に、デジタル化された数多くの著作物をより多くの人に届け、その利用における適正な対価を著作者に還元し、また新たな著作物が創造されるよう“著作物の健全なる創造サイクル”の一翼を担うことを目的に事業を行っております。

 

① 経営成績

 当中間連結会計期間においては、既存商流の成長及び2025年7月より取引開始となった新規商流が寄与し、電子書籍流通事業の売上高が堅調に推移しました。戦略投資事業においては、前期末にエブリスタが連結対象外となった影響により減収となりましたが、抜本的な経営改革による損益改善が順調に進捗した日本文芸社を含むIP・ソリューション事業が貢献し、前年同期比でセグメント損失が縮小しました。また、第1四半期に関連会社MyAnimeListの株式売却益を計上したことにより親会社株主に帰属する中間純利益が大きく伸長しましたが、期初計画に織り込み済みであり、通期計画の達成に向けては想定通りに進捗しております。

 その結果、当中間連結会計期間の売上高は53,864百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は1,399百万円(前年同期比27.7%増)、経常利益は1,439百万円(前年同期比39.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,326百万円(前年同期比154.6%増)となりました。

 当中間連結会計期間のセグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 なお、2026年2月期を初年度とする新たな中期経営計画の策定を契機として、当中間連結会計期間よりSC(Sustainability Creation)事業を「戦略投資事業」の区分に含める報告セグメントの変更を行っております。そのため、前年同期比較においては、当該変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した前年同期の数値を用いております。

 

(電子書籍流通事業)

 電子書籍流通事業については、引き続き「コミックシーモア」「Amazon Kindle」等の電子書店への電子書籍の取次や電子書籍配信ソリューションの提供を行いました。2025年2月末時点で、お取引先としての出版社は2,200社以上、電子書店は150店以上、取扱コンテンツ数は260万点以上、出版社や電子書店とのキャンペーン管理数は年間1.8万件以上にのぼっており、当社グループは国内最大の電子書籍取次事業者として出版業界の発展に貢献しております。近年、電子書籍市場が拡大するなかで出版社と電子書店が取り扱うコンテンツ数とキャンペーン数は増大し続けており、電子書籍の流通にかかる運用コストは年々増加しております。電子書籍取次の存在意義が高まるなか、当社は取引先各社との基幹システムの連携に加え、話配信管理システム等、取引先のニーズに合わせた新規システムの開発を行うほか、取次に関して蓄積されたノウハウに基づくきめ細やかなサポートを通じて、電子書籍の円滑な流通及び出版社と電子書店の業務の効率化、配信事故率の低減に貢献することで、電子書籍市場そのものの拡大と、流通シェアの拡大を目指しております。

 当中間連結会計期間においては、大手書店を中心とした既存商流の好調、及び2025年7月より取引を開始した「めちゃコミック」の貢献により売上高が順調に推移する一方で、第1四半期に発生した販売インセンティブの増減による一過性要因もありセグメント利益は微減となりました。

 その結果、売上高は50,246百万円(前年同期比6.6%増)、セグメント利益は2,514百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

 

(戦略投資事業)

 戦略投資事業においては、中長期における注力事業として国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3事業を展開しております。

 国際事業については、主に海外子会社によるSaaS型ビジネスモデルによる出版社向けDXサービスの提供が堅調に推移したこと、2025年3月にローンチした株式会社NTTドコモとの北米向け電子コミック配信サービス「MANGA MIRAI」の受託売上を計上したことにより増収となった一方で、国際事業全体の体制強化に係る販管費の増加により減益となりました。2025年4月に公表した中期経営計画においては国際事業を注力領域と位置づけ、今後国内に限らず海外においても、一層「ひとりでも多くの人へ」日本のコンテンツを届けるため、貢献範囲の拡大を図ります。日本のコンテンツはその多くが未翻訳となっているほか、海外へのコンテンツ展開に関しては翻訳コストや流通網の確保など、課題も数多く存在しております。当社グループは2016年設立の米国子会社Media Do International, Inc.で国内出版社のコンテンツの翻訳を含む海外展開を支援しているほか、35年以上の歴史を持つFirebrandグループを通じて米国の5大出版社を含む300以上の海外出版社におけるネットワークと、本の流通・プロモーションのノウハウを保有しております。こうした海外の出版業界における強みを活かすと共に、高品質な多言語翻訳及びオーディオブック制作を中心としたマルチユース化を短時間・低コストで実現する「MDTS(MediaDo Translation System)」の開発・提供、ならびに現地流通網の確保に向けて注力することで、当社グループは日本コンテンツの海外展開をワンストップで支援するサービスを提供してまいります。

 IP・ソリューション事業については、日本文芸社における魅力ある作品づくりとそのマルチメディア化推進、フライヤーにおける本の要約サービス提供、そのほかオーディオブックの制作や電子図書館サービスの運営を通じて、出版コンテンツ市場拡大への貢献を目指しております。日本文芸社においては、筋肉質な収益構造化に向けた取組みを進め、営業黒字を確保できる体質が定着しつつあります。書籍の要約サービスを提供するフライヤーは、2025年2月に東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。SaaS型のビジネスモデルによるサービスを展開し、累計の法人契約数は1,250社を超える等、堅調に進捗しております。その結果、当中間連結会計期間において営業黒字となりました。

 SC事業については、行政、金融機関、メディア、教育機関などと共に、地域社会・経済における課題に向き合い、地域活性化に繋がる事業を手掛けることで新たな価値を生み出すとともに、持続可能な社会づくりに貢献することを目指しております。がんばろう徳島が運営する男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」は、B3リーグ参入2年目の2024-2025シーズンにおいて営業黒字を達成しております。2025年9月から始まった2025-2026シーズンにおいても、増収増益を目指しております。

 その他、小説投稿サイトを運営するエブリスタについて、2025年2月の株式譲渡に伴い連結対象外となったことが売上高の減少要因となったものの、特にIP・ソリューション事業における日本文芸社の改善進捗等が損益改善に寄与し、前年同期比で営業損失が縮小しました。

 その結果、戦略投資事業全体としては、売上高は4,298百万円(前年同期比6.0%減)、セグメント損失は246百万円(前年同期はセグメント損失656百万円)となりました。

 

② 財政状態

 当中間連結会計期間末における資産合計は、現金及び預金が813百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が3,020百万円それぞれ増加した一方、流動資産「その他」が812百万円減少したこと等により、前期末と比べ2,506百万円増加し、55,666百万円となりました。

 負債合計は、支払手形及び買掛金が2,220百万円、未払法人税等が650百万円それぞれ増加した一方、長期借入金が769百万円減少したこと等により、前期末と比べ1,738百万円増加し、37,190百万円となりました。

 純資産合計は、利益剰余金が780百万円増加した一方、為替換算調整勘定等が165百万円減少したこと等により、前期末と比べ768百万円増加し、18,476百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フロー

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、14,405百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は1,731百万円(前年同期比30.7%減)となりました。

 これは主に、税金等調整前中間純利益1,950百万円、減価償却費365百万円、のれん償却額226百万円、仕入債務の増加額2,225百万円、未収消費税等の減少額498百万円が資金の増加要因となった一方、関係会社株式売却益531百万円、売上債権の増加額3,044百万円が減少要因となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は383百万円(前年同期は336百万円の支出)となりました。

 これは主に、関係会社株式の売却による収入679百万円が資金の増加要因となった一方、無形固定資産の取得による支出269百万円が減少要因となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,266百万円(前年同期は995百万円の支出)となりました。

 これは主に、長期借入金の返済による支出859百万円、配当金の支払額546百万円が減少要因となったことによるものであります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 また、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更又は新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。