株式会社ホットリンク

ブランドなど:クチコミ@係長図解中国トレンドExpress
サービス業ネット広告グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E30091 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の分析

当第3四半期連結累計期間においては、ロシア・ウクライナ情勢に加え、中東の動向といった地政学リスクには注視が必要であるほか、欧米金利の上昇を背景とした世界経済の先行きに不透明さが増しているなか、外部環境の影響を受けにくいビジネスモデルの確立に注力してまいりました

ソーシャルメディアマーケティング支援事業は、底堅い企業ニーズを背景に拡大する事業と位置付け、当社の強みであるSNS上のビッグデータの収集・分析・活用のワンストップ提供で顧客企業の支援に注力しております。

一方で、インターネットはWeb2.0からWeb3へパラダイムシフトする変化のタイミングであると考えております。そのような環境において、当社は既存のソーシャルメディアマーケティング支援事業の拡大に取り組むと同時に、新規事業として、先んじて2018年からWeb3の基盤となるブロックチェーン技術の調査・研究に取り組んでまいりました。このインターネットのパラダイムシフトを次のチャンスとするための取り組みとして、Web3関連への投資事業を立ち上げ、パイロット・ファンドの運用に加え、Web3業界におけるグローバルネットワークの構築を通じたファンドサイズの拡大や自社事業とのシナジーの創出、新規事業の立ち上げを行うことも検討しております。

 

当第3四半期連結累計期間のセグメント毎の経営成績は次のとおりです。

 

(ソーシャルメディアマーケティング支援事業)

「ソーシャルメディアマーケティング支援事業」は、SNSマーケティング支援事業とDaaS事業の2つの事業区分により構成されております。

 

a.SNSマーケティング支援事業

当事業は、主に日本国内向けのSNSマーケティング支援から成り立っており、その主なサービスは、SNS広告・SNS運用コンサルティングと、SNSの分析ツールである「クチコミ@係長」などであります。これらのサービスは、当社が保有する膨大なデータと、長年に亘り蓄積してきたSNS分析・運用ノウハウで、分析から施策立案、効果測定までを一気通貫でサポートするものです。 

当事業の売上高は1,527百万円(前年同期比5.7%増)となりました。拡大する事業と位置づけているビジネスであるSNS広告・SNS運用コンサルティングにおいて、引き続き、順調に実績を積み上げている当社サービスへの顧客からの評価が高まっていることに加えて、2023年2月28日付で株式会社wevnalより事業譲受したSNS広告(獲得系)の売上により、前年同期と比較し増加となりました。一方で、円安や原材料高の影響による顧客企業の販管費抑制やSNS運営企業の経営方針の変更、情報の提供方法の変更といった不透明な事業環境も継続しており、顧客の支援サービスや顧客ポートフォリオの拡充に取り組んでおります。なお、SNS分析ツールについては、営業人員をSNS広告・SNS運用コンサルティングに集中しているため、前年同期と比較し減少となりました。

 

b.DaaS事業

当事業は、主にSNSデータアクセス権の販売から成り立っております。

当事業の売上高は1,881百万円(前年同期比19.4%増)となりました。これは、継続して取り組んでいるSNSデータアクセス権の価格改定による既存顧客の単価上昇や解約防止、新規顧客の開拓によるものです。当社の米国子会社であるEffyis, Inc.は引き続き、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係維持に取り組み、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約を獲得してまいります

 

(Web3関連事業)

「Web3関連事業」は、Web3に関連する事業を行うものです。現在は2022年5月24日に設立したNonagon CapitalによるWeb3分野への投資運用業がその主なものです。Nonagon Capitalは、Web3分野での新事業創出のための知見を深めること及び投資収益・投資事業収益の獲得を主な目的とし、米国を中心に世界各国のWeb3に関連するスタートアップを対象に投資活動を行っております。当第3四半期連結累計期間では、投資先の調査、選定及び出資が主な活動であり、当事業の売上高は発生しておりません。

なお、Web3関連市場のボラティリティが高まる中で、短期的な利益を追求するのではなく、長期的な視点を持って投資を行うこととしており、投資回収期間についても5年程度を見込んでおります。また、当連結会計年度に対する業績に与える影響は軽微であると見込んでおります。

 

セグメント別売上高

セグメント名

サービスの名称

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年9月30日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

ソーシャルメディア

マーケティング

支援事業

SNS分析ツール

315,887

90.9

SNS広告・SNS運用コンサルティング

1,211,333

110.3

SNSマーケティング支援事業

1,527,221

105.7

DaaS事業

1,881,184

119.4

小計

3,408,405

61.4

Web3関連事業

 

合計

3,408,405

61.4

 

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間においては、売上高3,408百万円(前年同期比38.6%減)、売上総利益は1,133百万円(前年同期比27.0%減)となりました。売上高、売上総利益は、前期に実施したクロスバウンド事業を担う連結子会社の売却により前年同期比で減少しておりますが、継続しているソーシャルメディアマーケティング支援事業は前年同期比で増加しております。販売費及び一般管理費は956百万円(前年同期比29.9%減)、営業利益176百万円(前年同期比10.9%減)となりました。

金融収益は157百万円(前年同期は216百万円)となり、税引前四半期利益310百万円(前年同期は68百万円)、四半期利益245百万円(前年同期は82百万円)となりました。EBITDAは513百万円(前年同期は514百万円)となりました。

 

②財政状態の分析

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、4,222百万円となり、前連結会計年度末に比べて86百万円減少いたしました。この主な要因は、現金及び現金同等物が165百万円増加、未収入金の増加等によりその他の流動資産が23百万円増加、営業債権及びその他の債権が7百万円増加した一方、未収法人所得税が283百万円減少したことによるものであります

 

(非流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における非流動資産の残高は、4,618百万円となり、前連結会計年度末に比べて456百万円増加いたしました。この主な要因は、使用権資産が54百万円減少した一方、事業譲受等に伴いのれんが420百万円増加、ソフトウェアなどのその他の無形資産が77百万円増加、有形固定資産が7百万円増加したことによるものであります

 

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、951百万円となり、前連結会計年度末に比べて58百万円増加いたしました。この主な要因は、未払費用等の減少によりその他の流動負債が61百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が57百万円増加、未払法人所得税が27百万円増加、リース負債が18百万円増加したことによるものであります。

 

(非流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における非流動負債の残高は、1,467百万円となり、前連結会計年度末に比べて163百万円減少いたしました。この主な要因は、事業譲受に伴う長期未払金の発生によりその他の非流動負債が7百万円増加した一方、借入金が97百万円減少、リース負債が62百万円減少、繰延税金負債が10百万円減少したことによるものであります

 

(資本合計)

当第3四半期連結会計期間末における資本合計の残高は、6,422百万円となり、前連結会計年度末に比べて475百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金が245百万円増加、海外子会社の財務諸表の為替換算調整等によるその他の資本の構成要素が207百万円増加したことによるものであります

 

(2) キャッシュ・フローの分析

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて165百万円増加3,761百万円となりました。

営業活動の結果得られた資金は、736百万円(前年同期は558百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前四半期利益310百万円に始まり、法人所得税の支払64百万円、その他の流動負債の減少59百万円、非資金項目である金融収益158百万円の調整により資金が減少した一方、法人所得税の還付298百万円、配当金の受取32百万円、非資金項目である減価償却費及び償却費336百万円と金融費用23百万円の調整により、資金が増加したことによるものであります

投資活動の結果使用した資金は、600百万円(前年同期は600百万円の減少)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出266百万円、事業譲受による支出243百万円、投資有価証券の取得による支出98百万円によるものであります

財務活動の結果使用した資金は、110百万円(前年同期は397百万円の増加)となりました。この主な要因は、ストックオプションの行使による資本の増加による収入22百万円により資金が増加した一方、長期借入金の返済による支出80百万円、リース負債の返済による支出52百万円により資金が減少したことによるものであります

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当第3四半期連結累計期間において、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、6百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。