売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05336 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(令和5年10月1日~令和6年3月31日)におきましては、わが国の景気は足踏みも見られるものの緩やかに回復してまいりました。但し、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念等、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。

情報通信業界におきましては、企業のソフトウエア投資は増加が続いており、情報サービス業及びインターネット附随サービス業の売上高についても前年同四半期(令和4年10月1日~令和5年3月31日)と比べ増加傾向となっております。また、1世帯当たりのインターネットを利用した支出についても増加となりました。このような中、生成AIを始めとするAI(人工知能)技術の高度化・実用化の進展等、情報通信に関する市場環境の変化は更に加速してまいりました。また、交通サービスの領域におきましても、「MaaS(Mobility as a Service)」(モビリティのサービス化)の流れが進展してまいりました。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を契機とした移動や外出についての質的・量的変化は、「MaaS」の展開にも大きな影響を与えております。

当社グループにおきましても、この市場環境の変化に対応した事業展開のための基盤整備に取り組んでおり、「乗換案内」の各種インターネットサービスは多くの方々に広くご利用いただくに至っております。新型コロナウイルス感染症による直接的な影響等は無くなり、現状では訪日旅行者の増加等を含め人々の移動需要の持ち直しは続いており、今後の更なる増加にも期待を持てる状況となっております。

このような環境の中で、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は1,635,433千円(前年同四半期比0.4%増)、営業損失は52,765千円(前年同四半期は59,826千円の利益)、経常利益は29,305千円(前年同四半期比73.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,214千円(前年同四半期は237,250千円の損失)という経営成績となりました。

売上高につきましては、乗換案内事業セグメントの売上高がやや減少した一方で、ソフトウエア事業セグメントの売上高がやや増加したこと等により、全体として前年同四半期と比べ若干の増加となりました。営業損益につきましては、利益率の高い事業の売上高の減少や、外注費やハードウエア導入費用等の売上原価の増加、研究開発費等の販売費及び一般管理費の増加等の影響が大きく、損失が発生いたしました。経常利益につきましては、為替差益の発生(為替差損の減少)や助成金収入の増加の影響が大きく、前年同四半期と比べ増加いたしました。親会社株主に帰属する四半期純損益につきましては、減損損失の減少の影響が大きく、前年同四半期と比べ大幅に改善し、黒字化に至りました。

セグメント別の経営成績の状況は、次のとおりです。

 

乗換案内事業

乗換案内事業では、モバイル向け有料サービス等の売上高が前年同四半期と比べやや減少したこと等により、セグメント全体の売上高もやや減少いたしました。損益面では、各製品・サービスの利益率の違いや、法人向けの事業における外注費やハードウエア導入費用等の売上原価の増加等の影響が大きく、セグメント全体の利益は大きく減少いたしました。

それらの結果、売上高1,330,592千円(前年同四半期比1.5%減)、セグメント利益103,205千円(前年同四半期比53.7%減)となりました。

 

マルチメディア事業

マルチメディア事業では、売上高は前年同四半期と比べ増加いたしました。また、これに伴い、セグメント全体の損益も改善いたしました。

それらの結果、売上高8,930千円(前年同四半期比94.5%増)、セグメント損失3,213千円(前年同四半期は6,474千円の損失)となりました。

 

ソフトウエア事業

ソフトウエア事業では、案件の受注・納品が順調に推移したこと等により、セグメント全体の売上高は前年同四半期と比べ増加いたしました。また、これに伴い、セグメント全体の利益もやや増加いたしました。

それらの結果、売上高242,338千円(前年同四半期比9.0%増)、セグメント利益38,893千円(前年同四半期比3.1%増)となりました。

 

ハードウエア事業

ハードウエア事業では、前第1四半期連結会計期間末から株式会社エアーズを連結の範囲に含めた(前年同四半期の経営成績には同社の業績が3ヶ月分しか含まれていない)影響があるものの、同社以外の会社を含め案件の受注・納品が順調に推移しておらず、セグメント全体の売上高は前年同四半期と比べやや減少いたしました。また、これに伴い、セグメント全体の損失もやや拡大いたしました。

それらの結果、売上高94,286千円(前年同四半期比10.4%減)、セグメント損失46,431千円(前年同四半期は41,499千円の損失)となりました。

 

その他

その他セグメントでは、売上高・損益ともに前年同四半期と同程度となりました。

それらの結果、売上高5,036千円(前年同四半期比0.2%減)、セグメント損失1,668千円(前年同四半期は1,690千円の損失)となりました。

 

なお、上記のセグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高を相殺しておりません。また、セグメント利益又は損失は、四半期連結損益計算書における営業損益をベースとしておりますが、各セグメントに配分していない全社費用及びセグメント間の内部取引費用の控除前の数値であり、合計は連結営業損益と一致しておりません。

 

(2) 財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末(令和5年9月末)と比較しますと、資産は77,532千円減の5,627,167千円、負債は47,201千円減の997,180千円、純資産は30,330千円減の4,629,987千円となりました。

 

資産

資産は、流動資産につきましては、21,663千円減の4,112,693千円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が52,712千円増の707,591千円となった一方で、現金及び預金が75,218千円減の3,206,599千円となったこと等によるものです。受取手形、売掛金及び契約資産の増加は、多くの企業や自治体等の年度末となるため3月の売上高が増加すること等によるものです。現金及び預金の減少は、固定資産の取得並びに配当金及び法人税等の支払等によるものです。

固定資産につきましては、55,868千円減の1,514,474千円となりました。これは、有形固定資産が6,706千円減の755,814千円、無形固定資産が10,866千円減の105,970千円、投資その他の資産が38,295千円減の652,689千円となったことによるものです。有形固定資産及び無形固定資産は、取得に伴う増加の一方で償却等による減少が進み、全体としてはやや減少いたしました。投資その他の資産は、投資有価証券や繰延税金資産の減少等により、減少いたしました。

 

 

負債

負債は、流動負債につきましては、32,574千円減の960,290千円となりました。これは、支払手形及び買掛金が100,341千円増の343,104千円となった一方で、契約負債が115,022千円減の348,545千円となったこと等によるものです。支払手形及び買掛金の増加は、3月の売上高の増加に対応して売上原価が増加すること等によるものです。契約負債の減少は、期間の経過に伴い収益を認識するサービスについて3月が終了・更新月となっている契約が多く、3月に向けて契約負債が取り崩されていく傾向にあること等によるものです。

固定負債につきましては、長期借入金及びリース債務の返済等により、14,626千円減の36,889千円となりました。

 

純資産

純資産は、株主資本につきましては、31,940千円減の4,537,499千円となりました。これは、利益剰余金が29,390千円減の3,929,693千円となったこと等によるものです。利益剰余金の減少は、剰余金の配当等によるものです。

その他の包括利益累計額につきましては、2,613千円増の64,938千円となりました。

非支配株主持分につきましては、1,004千円減の27,548千円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ75,218千円減の3,196,599千円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは14,964千円の支出(前年同四半期は56,850千円の収入)となりました。

前年同四半期と比べての変動の要因は、税金等調整前四半期純利益が26,403千円(前年同四半期は損失が218,233千円でその差244,636千円)、売上債権及び契約資産の増加額が139,575千円減の51,305千円となった一方で、減損損失が229,623千円減の1,625千円、貸倒引当金の減少額が28,774千円(前年同四半期は増加額が36,134千円でその差64,909千円)、仕入債務の増加額が49,410千円減の102,010千円となったこと等です。

税金等調整前四半期純利益が増えた主要因は、為替差益の発生や減損損失の減少です。売上債権及び契約資産の増加額が減った主要因は、前年同四半期に増加額が増えていたことの反動です。減損損失が減った主要因は、前年同四半期に株式会社エアーズに係るのれんや同社の保有する固定資産を減損処理していたことです。貸倒引当金の減少額が増えた主要因は、前年同四半期に計上した特定の取引先に係る貸倒引当金を損失処理により取り崩したことです。仕入債務の増加額が減った主要因は、前年同四半期に増加額が増えていたことの反動です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは50,587千円の支出(前年同四半期比90.3%減)となりました。

前年同四半期と比べての変動の要因は、有形固定資産の取得による支出が327,486千円減の22,193千円となり、加えて、前年同四半期にあった子会社株式の取得による支出182,616千円が無くなったこと等です。

有形固定資産の取得による支出が減った主要因は、前年同四半期に事務所用の不動産を取得していたことです。前年同四半期の子会社株式の取得による支出は、株式会社エアーズの株式を取得したことにより発生したものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは22,748千円の支出(前年同四半期比77.3%減)となりました。

前年同四半期と比べての変動の要因は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が59,729千円減の4,270千円となったこと等です。

 

(4) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は73,425千円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。