売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05545 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当社グループは、インターネットサービス市場において、電子認証や電子印鑑を中心とした、認証技術を活用したトラストサービスをグローバルに提供する「電子認証・印鑑事業」、26年を超える運用実績とノウハウを生かしたホスティングサービスおよびマネージドクラウドサービスを提供する「クラウドインフラ事業」、DX化により業務効率化・高付加価値化を図り、様々な課題解決を支援する「DX事業」を展開しております。また、これらの事業を通じて、利便性と安心・信頼を兼ね備えたインターネットサービスを提供し、多くの企業のインターネットビジネスを支えるべく事業を展開しております。

当第3四半期連結累計期間においては、当社グループの成長・収益基盤の柱である、自社運営の認証局で認証する「GlobalSign」ブランドの電子証明書発行サービスがアジア地域を中心に堅調に伸長いたしました。また、注力商材として位置付けている電子契約サービス※1「電子印鑑GMOサイン」の導入企業数および契約送信数は引き続き順調に推移しており、持続的な成長を図るべく引き続き戦略的投資を行っております。

一方で、電子認証事業において、海外拠点における物価上昇および為替変動の影響により費用が増加いたしました。また、電子印鑑事業においては、引き続き広告宣伝費を戦略的に投資したことで営業利益に影響を与えました。

このような状況下、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高12,835,366千円(前年同期比8.3%増)、営業利益854,054千円(同15.3%減)、経常利益927,945千円(同20.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益578,252千円(同27.7%減)となりました。

 

※1:電子契約サービスとは、これまでの「紙+印鑑」の契約に代わり、「電子データ+電子署名」による契約形態のこと。印紙税課税対象外などのメリットがある

 

 

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

(電子認証・印鑑事業)

 電子認証・印鑑事業においては、電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を注力商材として位置づけ、人材投資およびマーケティング活動の強化による認知度向上を図ることで、中長期的な事業拡大を目指しております。当第3四半期連結累計期間においては戦略的投資を継続している「電子印鑑GMOサイン」の販売が堅調に推移しており、契約社数は1,664,908社(前年同期比82.1%増)となりました。契約送信件数においても引き続き順調に増加しており、2,834,248件(前年同期比90.8%増)となりました。地方自治体における業務のデジタル化を通じた行政サービスの利便性向上と職員の働き方改革を目的とした「さよなら印鑑~1億総デジタル化プロジェクト~」においては、新たに官公庁・自治体における処分通知等を電子化する『GMOサイン電子交付』を提供するなど全国各地の自治体DXを推進しております。最近では、神奈川県や静岡県、東京都足立区、福島県郡山市へ導入されるなど、65の公共団体への導入が決定しております。

 売上においては、SSLサーバ証明書をはじめとした電子証明書発行サービスが、中国をはじめアジア地域を中心にグローバルで伸長いたしました。また、国内IDaaS※2ソリューションにおいて連携アプリ数No.1となるなど、積極的な機能拡充を推進しているシングルサインオンサービス「GMOトラスト・ログイン」も順調に事業拡大いたしました。一方で費用においては、「電子印鑑GMOサイン」への戦略的投資による広告宣伝費の増加、海外拠点における物価上昇および為替変動に伴う人件費、売上原価の増加がありました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における電子認証・印鑑事業の売上高は7,899,523千円(前年同期比13.3%増)、セグメント利益は965,878千円(同26.7%減)となりました。

 

※2:IDaaSとは、Identity as a Serviceの略で、IDの管理をクラウド上で行うサービス

 

(クラウドインフラ事業)

クラウドインフラ事業は、マネージドクラウドサービス「CloudCREW byGMO」が、クラウドの導入支援および設計・構築、監視・運用などを代行することで、顧客のDX推進に貢献し、売上拡大を図っております。当第3四半期連結累計期間においては、企業のDX推進等による需要拡大やパブリッククラウド市場の成長により、良好な受注環境を維持しています。「CloudCREW byGMO」においては、10月に、AWSが運営するAWSパートナーネットワークの「マネージドサービスプロバイダープログラム」認定を取得いたしました。この認定を取得しているのは日本国内で19社しかなく、当社サービスの実績と高い技術力、健全性が評価された結果として取得したものであります。これにより、クラウド環境の設計・構築、移行といった導入から監視・運用保守に至るすべての工程のサポートが必要となる大手顧客に対して、高い競争力を持った提案が可能となります。一方で、既存のホスティングサービスにおいては、競争環境の激化により売上の鈍化傾向が続いております。また、ホスティングサービスにおいて、BCP対策を目的としたデータセンター移転(2024年度上期頃に完了予定)の影響により売上原価が増加いたしました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるクラウドインフラ事業の売上高は4,502,810千円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は981,322千円(同16.4%減)となりました。

 

(DX事業)

DX事業においては、電子認証・印鑑事業とクラウドインフラ事業で培ったノウハウを生かし、DX化による業務効率化・高付加価値化を図ることで、企業の様々な課題解決を支援しております。

当第3四半期連結累計期間においては、GMOデジタルラボ社が提供する企業・店舗専用の集客支援アプリ「GMOおみせアプリ」が堅調に導入店舗数を増加させ、当四半期連結会計期間末で10,016店舗(前年同期比6.1%増)となりました。GMOフィナンシャルゲート社との協業サービス「おみせポケット」においては、キャッシュレス化の進展に加え、代理店施策等により順調に導入店舗数を伸ばしており、当四半期連結会計期間末で13,753店舗(前年同期比103.9%増)となり、ストック売上を堅調に積みあげました。最近では、GMOペイメントゲートウェイ社とのグループシナジーにより、オリエントコーポレーション社の提供するカードレスデジタル決済サービスを共同開発いたしました。当事業ではグループシナジーを積極的に推進しており、新規サービス創出による新たな体験価値の提供と事業拡大に取り組んでおります。また、昨年12月に、車両遠隔診断サービスを譲渡したことにより、売上原価が減少したことで営業損益が改善いたしました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるDX事業の売上高は844,529千円(前年同期比1.4%増)、セグメント損失は32,983千円(前年同期は200,131千円のセグメント損失)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、9,794,855千円となり、前連結会計年度末に比べ91,735千円減少しております。主な増減要因は、現金及び預金の減少604,138千円、関係会社預け金の増加200,000千円、売掛金及び契約資産の増加190,362千円、前払費用の増加163,387千円、「その他」に含まれる未収入金の減少36,479千円であります。

(固定資産)

当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、5,654,077千円となり、前連結会計年度末に比べ966,363千円増加しております。主な増減要因は、工具、器具及び備品(純額)の増加64,319千円、リース資産(純額)の増加115,670千円、ソフトウエアの増加768,797千円、投資有価証券の減少45,439千円、繰延税金資産の増加8,702千円であります。

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、4,685,856千円となり、前連結会計年度末に比べ619,203千円減少しております。主な増減要因は、買掛金の減少9,573千円、短期借入金の減少1,000,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加200,000千円、未払金の減少204,557千円、契約負債の増加290,666千円であります。

(固定負債)

当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、2,134,093千円となり、前連結会計年度末に比べ820,948千円増加しております。主な増減要因は、長期借入金の増加605,000千円、リース債務の増加83,634千円、繰延税金負債の増加130,860千円であります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、8,628,982千円となり、前連結会計年度末に比べ672,882千円増加しております。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益578,252千円及び支払配当金を449,946千円計上したこと等による利益剰余金の増加128,306千円、その他有価証券評価差額金の減少14,715千円、為替換算調整勘定の増加556,551千円、非支配株主持分の増加2,891千円であります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は、68,038千円であります。これは、電子認証・印鑑事業事業及びDX事業に係るものであり、その主な内容は、IoT分野における研究開発活動であります。