売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02480 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、上場企業の2024年3月期の純利益の見通しは上振れている会社が多く日本企業の稼ぐ力が高まっている事や、2023年10月の訪日客はコロナウイルス流行前(2019年同月)の水準を超えインバウンド需要の回復等により、景気は緩やかな回復傾向が見られました。しかしながら、東欧や中東、東アジアでの地政学リスクが高まっており、また、物価高や海外景気の変調も見られ、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような事業環境のもと、当社グループはアニメーション作品の企画・制作を行う映像制作事業、コミック雑誌等の企画、製造、販売及び電子コミックスの配信を行う出版事業、作品の二次利用による印税・収益分配金等を得る版権事業に取り組んでまいりました。

これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は5,229,634千円(前年同期比7.0%減)、投資事業組合運用益128,848千円を営業外収益に計上したことにより、経常利益は749,928千円(前年同期比46.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は547,782千円(前年同期比43.0%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

① 映像制作事業

映像制作事業におきましては、テレビ用アニメーションは「怪獣8号」等、配信用アニメーションは「THE ONE PIECE」「君に届け 3RD SEASON」「ムーンライズ」「ターミネーター」等、劇場用アニメーションは「劇場版 SPY × FAMILY CODE: White」「ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」等、納品へ向けそれぞれ制作しており、テレビ用アニメーションの「SPY × FAMILY Season 2」は、納品及びテレビでの放映が始まりました。その他に、遊技機やCМ等のアニメーションを制作し納品しました。

一部の作品については、制作期間の長期化や、CG制作費、外注費等が高騰しており、受注損失引当金を計上しております。

以上により、当事業の売上高(進捗基準)は売上原価の計上が予算より少なくなったため、2,800,303千円(前年同期比11.5%減)、営業損失は122,433千円(前年同期は53,514千円の営業利益)となりました。

 

② 出版事業

出版事業におきましては、月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「リィンカーネーションの花弁 18巻」「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~ 6巻」「王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います 3巻」等、定期月刊誌6点、並びに新刊コミックス・書籍77点を刊行しました。

また、既刊コミックスの「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~」「王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います」は、特に販売好調でありました。電子書籍売上は、一般書店向け紙書籍の売上減を補い伸長しており、電子書籍の出版売上構成比は79%まで上昇しています。

以上により、当事業の売上高は株式会社リンガ・フランカの解散・清算が決議されたことによる減収が影響し1,228,708千円(前年同期比14.6%減)、営業利益は290,144千円(前年同期比5.6%減)となりました。

 

③ 版権事業

版権事業におきましては、「SPY × FAMILY」「進撃の巨人」「ハイキュー!!」「天国大魔境」「攻殻機動隊」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。

以上により、当事業の売上高は1,050,888千円(前年同期比23.0%増)、減価償却費が前年同期と比べ少なくなり、また、過去に投資した減価償却済み作品の版権収入が好調であったため、営業利益は501,067千円(前年同期比197.4%増)となりました。

 

④ その他事業

その他事業におきましては、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売、スマートフォン向けアプリ等により、当事業の売上高は149,733千円(前年同期比8.9%減)、営業利益は2,759千円(前年同期比68.6%減)となりました。

 

財政状態は次のとおりであります。

① 資産

資産につきましては、前連結会計年度末に比べ50,060千円減少して12,492,120千円となりました。主な要因はコンテンツ資産が404,217千円、現金及び預金が372,691千円増加し、一方、受取手形、売掛金及び契約資産が819,255千円、映像マスターが53,070千円減少したことによるものであります。

 

② 負債

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ522,584千円減少して5,813,941千円となりました。主な要因は受注損失引当金が163,050千円増加し、一方、未払印税が259,907千円、預り金が151,365千円、前受金が101,601千円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ472,524千円増加して6,678,179千円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上及び配当金の支払いの結果、利益剰余金は354,854千円増加し、株式給付信託(J-ESOP)制度による株式の給付により自己株式が118,686千円減少したことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ372,691千円増加し、6,490,983千円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、1,246,252千円(前年同期は287,607千円の増加)となりました。これは主に、売上債権の減少額が819,333千円、税金等調整前四半期純利益が749,928千円、減価償却費が288,226千円、一方、未払印税の減少が259,907千円、未払消費税の減少が156,780千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、679,852千円(前年同期は462,580千円の減少)となりました。これは主に、コンテンツ資産等の無形固定資産の取得による支出が401,534千円、映像マスター等の有形固定資産の取得による支出が270,584千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、196,710千円(前年同期は29,329千円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額が191,945千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が4,609千円等によるものであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。