売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E31093 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、2022年8月31日に行われた㈱eSPとの企業結合において暫定的な会計処理を行っておりましたが、第2四半期連結会計期間に確定したため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1)業績の状況

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復の兆しが見られ、個人消費や雇用情勢も緩やかな持ち直しの動きが続いています。内閣府は2023年10月の月例経済報告において、景気の先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっていること、また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があると指摘しております。

当社グループを取り巻く事業環境としましては、当社が注力するインターネット広告市場の2022年の市場規模は前年比14.3%増の3兆912億円となり、継続して高い成長力を保っております(出所:電通「2022 日本の広告費」)。また、一般社団法人日本eスポーツ連合によれば、国内eスポーツ市場規模は2021年に前年比15.1%増の78.4億円となり、2022年は116.1億円、2023年は129.4億円と高い成長率で拡大する見込みです。

このような事業環境の中で、当社グループはより多くのユーザーに楽しんでいただけるよう良質なデジタルコンテンツを提供し続けております。その中でも、面白プロデュース、ゲームエンタメ、eスポーツ、ちいき資本主義の4つを主要サービスと位置づけ、相互にシナジーを図りながら事業を進めてまいりました。また、その他サービスとして、SNSブライダルプラットフォームなどの新規サービスの開発及び投資を行っております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は12,594,839千円(前年同期比9.1%増)、営業利益は736,824千円(前年同期比20.3%減)、経常利益は827,929千円(前年同期比17.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は489,981千円(前年同期比24.3%減)となりました。当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、サービス別の売上高の概況は次のとおりであります。

① 面白プロデュース

新しい技術とアイデアに挑戦し、クライアントとその先にいるユーザーに新しい体験を提供することで、クライアントのマーケティング及びブランディングに資する広告を提供しております。スマートフォンの普及や新しい技術の出現を背景に、WEB領域にとどまらないリアルと連動した案件が増加傾向にあります。また、当社の企画力、技術力をもとにクライアントの新製品開発を支援する領域にも進出しております。しかしながら当第3四半期連結累計期間においては、コロナ禍を背景とした顧客のマーケットの動向や需要の変化などにより、顧客数の減少がみられました。この結果、面白プロデュース関連の売上高は1,294,091千円(前年同期比15.1%減)となりました。

② ゲームエンタメ

「ぼくらの甲子園!ポケット」、「キン肉マン マッスルショット」、ハイパーカジュアルゲーム、㈱カヤックアキバスタジオでの受託ゲーム開発が売上高の大部分を占めています。ハイパーカジュアルゲームにつきましては、当第3四半期連結会計期間に新作タイトル「Rolling Orb Crash」「Wrecking Smash」「Ragdoll Break」の3本を正式にリリースしました。新作タイトルを3本リリースしたものの、モバイルゲームのダウンロード数の成長速度が鈍化し、ダウンロード数は前年同期比では43.5%増となりましたが、直前四半期比では10.1%減の約8,022万件となりました。また、第1四半期連結会計期間よりメタバース専門部隊をその他サービスよりゲームエンタメサービスに変更しております。この結果、ゲームエンタメ関連の売上高は7,775,952千円(前年同期比13.8%増)となりました。

 

③ eスポーツ

ゲームファンに向けた一連のコミュニティサービスを展開しています。ウェルプレイド・ライゼスト㈱のeスポーツ事業並びにトーナメントプラットフォームの「Tonamel」が売上高の大部分を占めております。当第3四半期連結会計期間におけるTonamelの大会開催数は、コミュニティに寄り添った運営と海外市場での大会開催数の大幅な増加により、直前四半期比121.6%増の35,570件となりました。一方、ウェルプレイド・ライゼスト㈱では、eスポーツ市場は引き続き堅調な成長を見せる中、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、eスポーツを含むエンターテインメント全般のオフラインイベントが復活した結果、スポンサー企業のプロモーション戦略におけるeスポーツの占める割合が相対的に縮小傾向となったことにより、下期に開催を予定していた一部の案件において、クライアント企業に起因した案件の中止や規模の縮小が発生しました。この結果、eスポーツ関連の売上高は1,775,621千円(前年同期比6.4%増)となりました。

④ ちいき資本主義

地方公共団体や地域企業に対して、まちづくりに関するコンテンツの開発とサービスの提供を行っております。移住プラットフォームサービスの「SMOUT」、コミュニティ通貨サービスの「まちのコイン」、地域プロモーションの受託、鎌倉市内で展開するまちづくり事業などのサービスが売上高の大部分を占めております。当第3四半期連結会計期間末時点で、「SMOUT」の累計登録ユーザー数は直前四半期末比4.1%増の5.3万人となり、順調に拡大しております。「SMOUT」の導入地域数も当第3四半期連結会計期間末時点で直前四半期末比0.4%増の923地域となり、市場の上限である自治体数約1,700地域対しての導入率が54.3%となりました。また、当第3四半期連結会計期間末時点での「まちのコイン」の累計登録ユーザー数は、直前四半期末比13.0%増の8.8万人と、こちらも順調に増加しております。この結果、ちいき資本主義関連の売上高は562,829千円(前年同期比85.5%増)となりました。

⑤ その他サービス

ブライダルプラットフォーム「プラコレWedding」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年上半期に業績が悪化した後、緩やかな回復基調にあります。不動産業である鎌倉R不動産㈱による季節要因などもあり、その結果、その他サービス関連の売上高は1,186,344千円(前年同期比1.8%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ503,681千円増加し、11,483,931千円となりました。主な要因は、ウェルプレイド・ライゼスト㈱の株式売却と税金等調整前四半期純利益計上による現金及び預金の増加670,250千円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少560,841千円、投資有価証券の増加171,018千円であります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ270,028千円減少し、5,373,900千円となりました。主な要因は、未払金の減少256,525千円であります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ773,710千円増加し、6,110,030千円となりました。主な要因は、ウェルプレイド・ライゼスト㈱の株式売却による資本剰余金の増加284,296千円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加427,762千円であります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。