E33390 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当社グループが提供するサービス領域は、Fintech(注1)市場と呼ばれており、近年では、Embedded Finance(埋込型金融)などと呼ばれる、非金融事業者の提供するサービスに金融サービスを組み込み、一体として提供する形が注目されるなど様々なビジネスが活発に生まれております。当社グループの主要サービスである『マネーフォワード クラウド』及び『マネーフォワード ME』は、近年急速な成長が見込まれる、SaaS(注2)という形態にてサービスを提供しております。SaaS市場は近年大きく成長しており、富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2023年度版」によると、国内SaaS市場は、2027年度には2兆990億円(2022年度比174.0%)に達すると見込まれております。加えて、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法、2023年10月からのインボイス制度導入など企業のバックオフィス業務の電子化に向けた法的整備が進み、決済領域においても国内メガバンクにより小口の資金決済のための新たな決済インフラの設立が進められるなど、キャッシュレス決済の普及を後押しする動きが見られます。
グローバルな経済環境の影響を受け日本経済の見通しが不透明になる中においても、クラウドサービス導入及びキャッシュレス化のニーズや、個人や企業におけるお金に関する新たな不安を背景に当社グループの提供サービスへのニーズはより一層高まっているものと認識しております。
このような環境において、当社グループは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションの下、法人向けサービスを提供するMoney Forward Businessドメイン、個人向けサービスを提供するMoney Forward Homeドメイン、金融機関・事業会社のお客様向けにサービス開発を行うMoney Forward Xドメイン、「HIRAC FUND」にてベンチャーキャピタル事業を行うMoney Forward Financeドメイン、SaaS企業のマーケティング活動を支援するMoney Forward SaaS Marketingドメインの5つのドメインにおいて、事業を運営してまいりました。
なお、従来より当社グループは、「プラットフォームサービス事業」の単一セグメントとしておりましたが、当中間連結会計期間より「Business」、「Home」、「X」、「Finance」、「SaaS Marketing」の5つの報告セグメントに変更することといたしました。セグメントごとの経営成績は、次の通りです。
Businessドメインでは、バックオフィス向けの業務効率化クラウドソリューション『マネーフォワード クラウド』において、引き続き新規ユーザーが順調に増加しました。また、中堅企業向けのプロダクトにおいては、お客様の規模やステージに合わせて最適なシステム構成をスピーディーに実現するため、個別の機能を独立した形で提供するコンポーネント型の展開を行っております。継続的な機能改善やプロダクト間の連携強化に加えて、営業・マーケティング体制の拡充を進めた結果、複数プロダクトでの導入やより大規模な企業での導入が進み、ARPA(注3)についても向上しております。また、当中間連結会計期間に連結の範囲に含めましたアウトルックコンサルティング株式会社及び株式会社シャトクの売上も増収に貢献しております。
Homeドメインにおいては、自動でオンラインバンキング等から金融機関データの取得・分類を行うPFM(注4)サービス『マネーフォワード ME』において、プレミアム課金売上が順調に推移しました。また、新たな取組として、三井住友カード株式会社との合弁会社を前期に設立いたしました。今後は『マネーフォワード ME』でのお金の見える化サービスとSMBCグループが提供する、モバイル総合金融サービス『Olive』が有する豊富な金融サービスを掛け合わせ、ユーザーへの提供価値向上及び収益源の多角化にも努めてまいります。なお、三井住友カード株式会社との合弁会社設立を受けた戦略の見直しにより、当中間連結会計期間において当社が保有するNext Solution社の株式の90%を三井住友カード株式会社並びにソニー生命保険株式会社へ譲渡し、連結の範囲から除外しております。
Xドメインにおいては、金融機関やそのお客様のDX推進に資するサービスの開発に努めております。金融機関及び金融機関の法人顧客である地域の中小企業のDXに貢献するとともに、金融機関がデータを活用しながら中小企業の事業価値向上を実現するための支援を行うことを目指しております。
Financeドメインにおいて、ベンチャーキャピタル「HIRAC FUND」では、マネーフォワードグループの強みである「スタートアップの立ち上げ・IPO経験」、「Fintech/SaaSへの知見」、「起業家とのネットワーク・コミュニティ」、「地域金融機関との連携」を活かし、スタートアップ業界に貢献すべく、出資・支援活動をおこないます。
SaaS Marketingドメインにおいては、『BOXIL SaaS』などを中心としたSaaS企業のセールス並びにマーケティング活動を支援するサービスを引き続き推進しております。
以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの業績は、売上高23,237百万円(前年同期比17.0%増)、EBITDA(注5)1,814百万円(前年同期は1,071百万円のEBITDA)、調整後EBITDA(注6)1,896百万円(前年同期は1,072百万円の調整後EBITDA)、営業損失1,592百万円(前年同期は1,827百万円の営業損失)、経常損失1,897百万円(前年同期は2,145百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する中間純損失は2,197百万円(前年同期は2,597百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となっております。
また、SaaS ARR(注7)に関しては34,433百万円(前年同期比28.3%増)となり、特にBusinessドメインにおいては課金顧客数及びARPAの拡大により、法人顧客に対するSaaS ARRは26,958百万円(前年同期比33.8%増)、個人事業主顧客に対するSaaS ARRは2,622百万円(前年同期比16.4%増)となりました。
各ドメインのSaaS ARRの推移は以下の通りであります。
各ドメインにおけるSaaS ARR
(単位:百万円)
(注1) 上記文中及び表中のSaaS ARRの額は、百万円未満を四捨五入しております。
(注2) 組織再編により、当連結会計年度から旧Financeドメインの一部がBusinessドメインに移管されております。表中の過去の実績につきましても、移管影響を考慮した数値となります。
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は62,960百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,370百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が6,658百万円減少し、受取手形、売掛金及び契約資産が1,160百万円、営業投資有価証券が1,527百万円、その他流動資産が1,830百万円増加したことによるものであります。固定資産は46,179百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,318百万円増加いたしました。これは主にのれんが2,800百万円、ソフトウエア仮勘定が1,367百万円、ソフトウエアが1,011百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、109,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,948百万円増加いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は35,809百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,721百万円減少いたしました。これは主に契約負債が1,530百万円、1年内償還予定の社債が1,000百万円増加し、短期借入金が4,562百万円、未払法人税等が1,427百万円減少したことによるものであります。固定負債は22,722百万円となり、前連結会計年度末に比べ737百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が1,920百万円増加し、社債が1,000百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、58,531百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,984百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は50,608百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,932百万円増加いたしました。これは主に資本剰余金が2,940百万円、非支配株主持分が4,717百万円増加し、利益剰余金が2,196百万円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて6,658百万円減少し、38,553百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,848百万円の支出(前年同期は6,676百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失1,693百万円、法人税等の支払額1,555百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,327百万円の支出(前年同期は4,710百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出3,943百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,273百万円、投資有価証券の取得による支出1,773百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,525百万円の収入(前年同期は263百万円の収入)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入5,000百万円、長期借入れによる収入4,477百万円の資金の増加要因に対し、短期借入金の減少4,978百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めた経営方針・経営戦略等はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当社グループでは、データやテクノロジーの力でユーザーに新たな価値を提供することを目的とし、Money Forward Labを中心に研究開発に取り組んでおります。
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は120百万円であります。
(注1) Fintech
FinanceとTechnologyを組み合わせた概念で、金融領域におけるテクノロジーを活用したイノベーションの総称をいいます。
(注2) SaaS
「Software as a Service」の略称であり、サービス提供者がソフトウェア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ネットワーク経由で利用する形態を指します。一般的に初期導入コストを抑えた月額課金のビジネスモデルとなります。
(注3) ARPA
「Average Revenue per Account」の略称であり、各期最終月のBusinessドメインのARRを課金顧客数で割った値となります。なお、ARRは「Annual Recurring Revenue」の略称で年間経常収益をいい、各期末の月末時点における月次ストック収入合計額(Monthly Recurring Revenue, MRR)を12倍して算出したものをいいます。ただし、季節影響を受ける『STREAMED』については、中間連結会計期間における『STREAMED』の課金収入の3分の1を経常的に発生する月間収益として算出しております。
(注4) PFM
「Personal Financial Management」の略称であり、個人の金融資産管理、家計管理をサポートするサービスをいいます。
(注5) EBITDA
「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略称であり、営業利益+償却費+営業費用に含まれる税金費用+株式報酬費用をいいます。
(注6) 調整後EBITDA
EBITDA(営業利益+償却費+営業費用に含まれる税金費用+株式報酬費用)+M&A関連の一時費用+その他一時費用をいいます。
(注7) SaaS ARR
ARRは「Annual Recurring Revenue」の略称。各期末時点におけるBusinessドメイン、Homeドメイン、Xドメインの経常的に発生する月間収益を12倍して算出しております。ただし、季節影響を受ける『STREAMED』については、中間連結会計期間における『STREAMED』の課金収入の3分の1を経常的に発生する月間収益として算出しております。