E00759 Japan GAAP
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)の国内景気は、個人消費が回復基調を示したほか、円安を追い風としてインバウンド需要が増加しましたが、物価上昇、海外経済の鈍化等が影響し本格的な回復には至りませんでした。このような状況のもと、当社グループの事業につきましては、化学品セグメントは、基礎化学品、ファインケミカルともに減収となりました。機能性材料セグメントでは、ディスプレイ材料は好調でしたが、半導体材料は減収となりました。農業化学品セグメントは、減収となりました。ヘルスケアセグメントは、前年並みの売上高となりました。
この結果、当期間における業績は以下の通りとなり、売上高、各利益ともに前年同期を下回りましたが、11月に発表した計画数値は上回りました。
(単位:百万円、百万円未満切捨て)
(注)計画数値は2024年3月期第2四半期決算説明資料(2023年11月10日発表)P11に記載
セグメント別概況は以下のとおりであります。
化学品セグメント
基礎化学品では、尿素・「アドブルー®*」(高品位尿素水)や硝酸製品(金属溶解・表面処理等)が増収となりました。メラミン(接着剤等)は、構造改革に伴い昨年度第3四半期に販売を終了した結果、減収となりました。ファインケミカルでは、環境化学品(プール・浄化槽用殺菌・消毒剤等)は堅調に推移しましたが、「テピック」(粉体塗料硬化剤、封止材等)は減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は275億47百万円(前年同期比23億7百万円減)、営業利益は2億83百万円(同12億6百万円減)となりました。計画数値(注)比では、売上高は9億円下ぶれ、営業利益は計画通りとなりました。
* アドブルー®はドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標です。
(注) 計画数値は2024年3月期第2四半期決算説明資料(2023年11月10日発表)P23に記載
機能性材料セグメント
ディスプレイ材料では、「サンエバー」(液晶配向材用ポリイミド)が増収となりました。半導体材料は、半導体用反射防止コーティング材(ARC®*)及び多層材料(OptiStack®*)が顧客の稼働低調を受けて減収となりました。無機コロイドは、「スノーテックス」(電子材料用研磨剤、各種表面処理剤等)やオイル&ガス材料(シェールオイル・ガス採掘効率向上材)が減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は619億37百万円(前年同期比6億31百万円減)、営業利益は174億14百万円(同34億円減)となりました。計画数値(注)比では、売上高は2億円、営業利益は5億円の上ぶれとなりました。
* ARC®はBrewer Science, Inc. の登録商標です。
(注) 計画数値は2024年3月期第2四半期決算説明資料(2023年11月10日発表)P23に記載
農業化学品セグメント
フルララネル(動物用医薬品原薬)は増収となりました。国内向け農薬は、「グレーシア」(殺虫剤)は堅調に推移しましたが、「ラウンドアップ」(非選択性茎葉処理除草剤)が減収となりました。海外向け農薬は、「グレーシア」は伸長しましたが、「ライメイ」(殺菌剤)は減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は484億58百万円(前年同期比3億1百万円減)、営業利益は145億9百万円(同6億76百万円減)となりました。計画数値(注)比では、売上高は7億円上ぶれ、営業利益は計画通りとなりました。
(注) 計画数値は2024年3月期第2四半期決算説明資料(2023年11月10日発表)P23に記載
ヘルスケアセグメント
「リバロ」(高コレステロール血症治療薬)原薬は、前年並みの売上高となりました。「ファインテック」(課題解決型受託事業)は、減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は48億39百万円(前年同期比2百万円減)、営業利益は22億77百万円(同1億53百万円増)となりました。計画数値(注)比では、売上高、営業利益ともに2億円の上ぶれとなりました。
(注) 計画数値は2024年3月期第2四半期決算説明資料(2023年11月10日発表)P23に記載
卸売セグメント
当セグメントの売上高は770億62百万円(前年同期比24億9百万円増)、営業利益は28億41百万円(同99百万円減)となりました。計画数値(注)比では、売上高は10億円、営業利益は2億円の上ぶれとなりました。
(注) 計画数値は2024年3月期第2四半期決算説明資料(2023年11月10日発表)P76,77に記載
その他のセグメント
当セグメントの売上高は183億30百万円(前年同期比7億96百万円減)、営業損失は43百万円(同3億87百万円減益)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、売上債権が減少しましたが、商品及び製品や原材料及び貯蔵品が増加したことにより、前連結会計年度末比109億91百万円増の3,097億7百万円となりました。
負債も短期借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末比111億62百万円増の883億51百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末比1億70百万円減の2,213億55百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.7ポイント減少し、70.4%になりました。
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減などから法人税等の支払額を控除した結果、336億78百万円の収入(前年同期は377億67百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、工場などの設備投資による支出などにより、119億20百万円の支出(前年同期は134億70百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当金の支払、自己株式の取得による支出などにより、258億99百万円の支出(前年同期は375億6百万円の支出)となりました。
現金及び現金同等物の四半期末残高は、換算差額の増加額1億76百万円を調整した結果、前連結会計年度末に比較して39億64百万円減少しており、256億83百万円(前年同期は259億28百万円)となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は118億31百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。