売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00781 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復の動きがみられたものの、中国経済の先行き懸念や不安定な国際情勢のなか、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、円安を背景とした物価上昇などの影響により、先行き不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の売上高は689億37百万円(前年同期比2.3%増加)、営業利益は45億43百万円(前年同期比16.0%増加)、経常利益は53億円(前年同期比17.6%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は36億90百万円(前年同期比20.4%増加)となりました。

当第3四半期連結累計期間における、セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① ガス事業

ガス事業を取り巻く環境は、原材料の供給制限が緩んできたものの、鉄鋼、自動車、化学、半導体、建設など仕向け先全般において、需要回復が鈍く、厳しい状況で推移いたしました。

このような事業環境のなか、当事業ではシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、生産・販売体制の見直しを行ない、地域に密着した営業に努めてまいりました。また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、環境負荷の低い液化アンモニアや水素ガス等の供給網整備に継続して取り組んでおります。

『溶解アセチレン』は、建設及び土木関連の現場向け出荷数量が減少したものの、造船業界向け出荷数量の回復と原材料価格の上昇による価格改定により、売上高は前年同期を上回りました。

『その他工業ガス等』は、酸素、窒素、アルゴンが充填所及び大手ユーザー向けに需要が減少、炭酸が製造メーカーの生産量の減少に伴なう出荷制限、LPガス等は需要の減少により出荷数量はそれぞれ減少しました。売上高ではLPガス等が輸入価格の下落に伴なう販売価格の低下により減少しましたが、各種原材料価格の上昇による価格改定を実施し、前年同期並みとなりました。

『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が減少し、売上高は前年同期を下回りました。

『容器』は、半導体及び一般工業用向け容器の出荷数量が減少したものの、原材料価格の上昇による価格改定により、売上高は前年同期を上回りました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は503億60百万円(前年同期比2.1%増加)、営業収入は5億21百万円(前年同期比26.3%増加営業利益は44億94百万円(前年同期比5.7%増加)となりました。

 

 

② 化成品事業

化成品事業を取り巻く環境は、原材料の供給面は安定してきましたが、依然として原材料価格やエネルギー価格の高止まりが続く厳しい状況で推移しました。

このような事業環境のなか、当事業では仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力し、環境配慮型水性接着剤や高耐候性塗料など環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めてまいりました。

『接着剤』は、ペガールが紙用の新製品開発により販売が増加しましたが、土木建築用・塗料用の需要が減少しました。シアノンが欧米向け高機能品の需要が増加しましたが、アジア・南米向けの需要が減少しました。ペガロックが中国向け弱電用がロックダウン解除により需要が回復しましたが、国内向けが住宅設備関係の需要が減少しました。接着剤全般の売上高は、原材料価格の上昇に伴なう価格改定もありましたが、前年同期を下回りました。

『塗料』は、外装用高機能品の「ビーズコートシリーズ」の伸長、防水需要の回復、海外向け工業用の伸長がありましたが、建築汎用塗料は戸建改修の需要低迷により販売が減少しました。また、エアゾール製品は需要が減少しました。塗料全般の売上高は、原材料価格の上昇に伴なう価格改定もありましたが、前年同期を下回りました。

『その他』は、化成品取扱い商品が増加し、売上高は前年同期を上回りました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は157億69百万円(前年同期比0.7%増加)、営業収入は0百万円(前年同期比0.0%で増減なし)、営業利益は9億75百万円(前年同期比40.8%増加)となりました。

 

③ その他事業

その他事業は、LSIカード関連及び食品添加物の需要が増加し、価格改定もあり前年同期を上回り、売上高は28億7百万円(前年同期比18.3%増加)、営業利益は10百万円(前年同期は56百万円の営業損失)となりました。

 

       (各事業別の売上高、営業収入および営業利益)

                                            (単位:百万円) 

事業区分

売 上 高

営 業 収 入

営 業 利 益

金 額

前年同期比(%)

金 額

前年同期比(%)

金 額

前年同期比(%)

 ガス事業

50,360

102.1

521

126.3

4,494

105.7

 化成品事業

15,769

100.7

0

100.0

975

140.8

 その他事業

2,807

118.3

10

 合計

68,937

102.3

521

126.3

5,480

112.1

 

(注)各事業別営業利益合計54億80百万円と四半期連結損益計算書「営業利益」45億43百万円の差額9億36百万円は、各事業に帰属しない一般管理費であります。

 

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて68億62百万円増加して1,143億68百万円となりました。

資産は、主として現金及び預金、売上債権、有形固定資産などが増加したことにより前連結会計年度末と比べて68億62百万円増加しました。

負債は、主として仕入債務、借入金などが増加したことにより前連結会計年度末と比べて23億10百万円増加しました。

純資産は、主として利益剰余金の増加により前連結会計年度末に比べて45億52百万円増加しました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費は3億79百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。