E00840 IFRS
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、飲食・宿泊等のサービス業を中心に景気持ち直しの動きが継続しましたが、製造業においては、世界的な需要の低迷や金融引き締めの動き等を背景とする、コロナ禍後の回復鈍化の傾向が続きました。日本経済においても、景気持ち直しの動きが継続したものの、依然として、物価の上昇や海外需要の鈍化等に伴う景気の下振れが懸念されております。
このような情勢のもとで、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
なお、当社は経営指標の一つとしてコア営業利益を採用しております。コア営業利益は、営業利益から非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しております。
売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ1,544億円減(10.8%減)の1兆2,745億円となりました。これは、需要の低迷による販売数量の減少や、子会社の売却などによるものです。
コア営業利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ379億円減(34.4%減)の724億円となりました。これは、需要の低迷による販売数量の減少や、持分法による投資利益の減少があったことなどによるものです。
営業利益は、コア営業利益の減少に伴い、前年同四半期連結累計期間に比べ470億円減(43.9%減)の600億円となりました。
金融収益・費用は、前年同四半期連結累計期間に比べ60億円改善の8億円の損失となりました。
以上により、税引前四半期利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ410億円減(40.9%減)の592億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ276億円減(42.6%減)の373億円となり、基本的1株当たり四半期利益は195.99円となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
(ライフ&ヘルスケア・ソリューション)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ18億円増の1,886億円、売上収益全体に占める割合は15%となりました。一方、コア営業利益は、主にビジョンケア材料及び不織布の販売が低調に推移したことにより、前年同四半期連結累計期間に比べ31億円減の185億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・減益となりました。
ビジョンケアのメガネレンズ用材料は、上期の在庫調整の影響により、販売が低調に推移しました。
オーラルケアは、販売が前年同四半期連結累計期間並で推移しました。
農業化学品は、海外の販売が堅調に推移しました。
不織布は、需要鈍化の影響を受け、販売が低調に推移しました。
(モビリティソリューション)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ76億円増の3,984億円、売上収益全体に占める割合は31%となりました。また、コア営業利益は、主に価格改定及び為替差により交易条件が改善したことにより、前年同四半期連結累計期間に比べ21億円増の410億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
エラストマーは、価格改定及び為替差により交易条件が改善しました。
PPコンパウンドは、自動車生産台数の回復に伴い販売が増加しました。
ソリューション事業は、試作・開発案件の受注が増加しました。
(ICTソリューション)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ29億円減の1,767億円、売上収益全体に占める割合は14%となりました。また、コア営業利益は、為替差等により交易条件が改善したものの、主に半導体需要鈍化の影響により、前年同四半期連結累計期間に比べ49億円減の181億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。
半導体・光学材料及び産業用フィルムは、半導体需要鈍化の影響により販売が減少しました。
コーティング・機能材は、価格改定及び為替差により交易条件が改善しました。
(ベーシック&グリーン・マテリアルズ)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ1,606億円減の4,999億円、売上収益全体に占める割合は39%となりました。また、コア営業損益は、需要鈍化による販売数量の減少及び在庫評価益の縮小等により、前年同四半期連結累計期間に比べ337億円悪化の39億円の損失となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。
ポリオレフィン及びフェノール類の販売は、需要鈍化の影響により、前年同四半期連結累計期間に比べ減少しました。また、ナフサクラッカーの稼働率は、川下製品の需要鈍化の影響を受け、低調に推移しました。
(その他)
当セグメントの売上収益は、前年同四半期連結累計期間に比べ3億円減の109億円、売上収益全体に占める割合は1%となりました。一方、コア営業損失は、前年同四半期連結累計期間に比べ7億円改善の13億円の損失となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ944億円増の2兆1,626億円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ318億円増の1兆2,167億円となりました。また、有利子負債は118億円増の8,065億円となりました。この結果、資産合計に対する有利子負債の比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減の37.3%となりました。
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ626億円増の9,459億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増の38.1%となりました。
以上により、当第3四半期連結会計期間末のネットD/Eレシオ(ネット有利子負債(有利子負債-現預金・長期性預金)/親会社の所有者に帰属する持分)は、前連結会計年度末に比べ0.06ポイント減の0.71となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ283億円増加し、当第3四半期連結会計期間末には2,146億円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によって得られた資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ709億円増の1,150億円となりました。これは主に、税引前四半期利益の悪化があったものの、運転資本が減少したことなどによるものです。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によって使用された資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ25億円増の698億円となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によって使用された資金は、237億円(前年同四半期連結累計期間は290億円の収入)となりました。これは主に、有利子負債が減少したことなどによるものです。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は、328億円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における当社グループの主要研究課題に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
前連結会計年度末における当連結会計年度1年間の設備投資計画(新設・増設等)は1,850億円ですが、第2四半期連結会計期間末において、1,800億円に変更しております。
なお、セグメント毎の設備投資計画に、著しい変更はありません。