売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01002 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間においては、連結売上高は、2022年12月に医薬品受託製造会社を買収した効果があったものの、樹脂・化成品セグメントにおいてナイロンポリマー・カプロラクタム等の販売が低調に推移した影響が大きく、減収となりました。

連結営業利益は、機械セグメントの販売が堅調に推移し、また医薬品受託製造会社を買収した効果があったものの、樹脂・化成品セグメントにおいてナイロンポリマーやファインケミカル等の販売が低調に推移した影響が大きく、減益となりました。

連結経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、セメント関連事業(持分法適用関連会社)において石炭等エネルギー価格高騰を反映させた販売価格への是正等を進めたことにより持分法投資損益が改善し、増益となりました。

この結果、当社グループの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ354億4千7百万円減の3,329億4千7百万円、連結営業利益は6億8千1百万円減の123億7百万円、連結経常利益は277億7百万円増の231億7千5百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は223億3千1百万円増の199億4千6百万円となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

 

機能品

ポリイミド事業は、ディスプレイ及びスマートフォン需要減退の影響により、減収となりました。

分離膜事業は、バイオガス関連用途を中心に需要が好調に推移したことから、増収となりました。

セラミックス事業は、軸受や基板用途の需要が好調に推移したことから、増収となりました。

セパレータ事業は、自動車生産が漸次回復基調であるものの、上期が低調に推移した影響等により、減収となりました。

機能品セグメント全体としては、分離膜事業、セラミックス事業は好調に推移したものの、ポリイミド事業、セパレータ事業等の影響により、減収減益となりました。

この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ6億3千9百万円減の467億6千5百万円、連結営業利益は1億8千8百万円減の83億2千9百万円となりました。

 

樹脂・化成品

パフォーマンスポリマー&ケミカルズ事業

コンポジット事業は、自動車生産は回復傾向にあるものの、非自動車用途の需要が低調に推移したことから、減収となりました。

ナイロンポリマー事業は、食品包装フィルム用途等の海外需要は回復傾向にあるものの、上期に販売数量が減少した影響が大きく、減収となりました。

カプロラクタム・硫安事業は、需要減退により販売数量が減少し、ベンゼンやアンモニア等原料市況の下落等により製品の販売価格も低下したことから、減収となりました。

工業薬品事業は、アンモニア工場で隔年実施の定期修理がなく販売数量が増加したものの、製品市況が下落したことから、減収となりました。

ファインケミカル事業は、製品市況下落に伴い販売価格が低下したことに加え、需要減退により販売数量も減少したことから、減収となりました。

エラストマー事業

自動車タイヤ向けをはじめ需要が低調に推移したことにより販売数量が減少し、また原料市況の下落により製品の販売価格が低下したことから、減収となりました。

樹脂・化成品セグメント全体としては、アンモニア工場における隔年の定期修理はなかったものの、需要減退によりナイロンポリマーやファインケミカルの販売が低調に推移した影響等が大きく、減収減益となりました。

この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ414億8千4百万円減の1,837億3千3百万円、連結営業損益は38億4千4百万円減の5億6千6百万円の損失となりました。

 

 

機械

成形機事業は、自動車産業の設備投資が低迷していたことから、減収となりました。なお現在受注は回復傾向にあります。

産機事業は、機械製品に対するメンテナンス等サービスが堅調に推移したことから、増収となりました。

製鋼事業は、国内外の需要減退により販売数量が減少したことから、減収となりました。

機械セグメント全体としては、成形機事業や製鋼事業における減収が大きく連結売上高は減少しましたが、連結営業利益については成形機事業、産機事業ともにサービスが堅調に推移し、また製鋼事業において原材料価格が下落したことから増益となりました。

この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ36億6千2百万円減の656億4千1百万円、連結営業利益は17億4千5百万円増の43億5千4百万円となりました。

 

その他

医薬事業は、2022年12月に医薬品受託製造会社(㈱エーピーアイコーポレーション)を買収した効果により、増収となりました。

電力事業は、石炭価格の下落に伴い売電価格も低下したことにより、減収となりました。

その他セグメント全体としては、医薬品受託製造会社を買収した効果が大きく、増収増益となりました。

この結果、その他の連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ76億7千7百万円増の582億8千8百万円、連結営業利益は8億4千9百万円増の25億6千3百万円となりました。

 

セメント関連事業(持分法適用関連会社「UBE三菱セメント㈱」)

国内市場では、セメントの販売数量は減少しましたが、石炭等エネルギー価格高騰を反映させた販売価格への是正とコスト改善を行いました。海外(北米)市場では、前年度第4四半期に天候不順により滞っていた生コンの出荷があり、また販売価格も上昇したことにより、採算が改善しました。これらにより、セメント関連事業の損益は大幅に改善しました。

この結果、同事業に係る持分法による投資利益は前年同四半期連結累計期間に比べ272億2千6百万円増の102億1千万円となりました。

 

 

財政状態は次のとおりです。

 

総資産

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ232億8千2百万円増加し、7,559億6千3百万円となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が減少したものの、仕掛品や投資有価証券等が増加したこと等によるものです。

 

負債

当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ3億2千3百万円減少し、3,507億2千7百万円となりました。これは流動負債のその他が増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したこと等によるものです。

 

純資産

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ236億5百万円増加し、4,052億3千6百万円となりました。これは為替換算調整勘定の増加や、親会社株主に帰属する四半期純利益が剰余金の配当等を上回ったため利益剰余金が増加したこと等によるものです。

 

これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度に比べ1.5ポイント増加し、50.9%となりました。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

 

 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は347億9千4百万円(前年同四半期連結累計期間に比べ296億9千6百万円の増加)となりました。これは税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減等から法人税等の支払額を控除した結果となります。

 

 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は247億2千万円(前年同四半期連結累計期間に比べ71億2千8百万円の増加)となりました。これは設備投資による支出等によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は105億7千2百万円(前年同四半期連結累計期間は86億6千5百万円の収入)となりました。これは配当金の支払い等によるものです。

 

当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前連結会計年度末に比べ3億8千万円増の310億8千3百万円となりました。

 

 (3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 (5) 研究開発活動

  当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、76億2千7百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。